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駒場東邦に学ぶ一流の学生像とは

中高一貫校では,各々の指導理念のもとで12歳から18歳の生徒を指導しています。

この時期は単なる6年間ではなく,大きく成長を遂げるために必要な特別な時期だと言えるでしょう。

決して,大人になってからの6年間と同じではありません。

そしてそんな一貫校に対し,公立中学に通う生徒の場合,基本的に高校から全く別の学校に通うことになるわけです。

そのため,中高一貫校が6年間を通して1つの方針を貫いて教育を行うことができるのに対し,公立に通う生徒は「3年間+3年間」という,異なる2つの方針で指導されることになります。

もちろん,中高一貫校において高校から外部生徒をいくらか募集するところもありますが,その場合,もともと在学していた内部生と,後から入って来た外部生の間に何とも言えない温度差が存在してしまうことは,経験者なら誰もが知っているはずです。

話を元に戻しますが,それほどに貴重な6年間を丸々費やして生徒を育てることができる中高一貫校では,やはりそれだけ一流の学生を世に送り出せる可能性が高くなります。

今回の記事では触れませんが,伝統ある男子校や女子校では男女間の成長度合いの違いも考慮しているほどです。

今回の記事では,中高一貫校の名門である「駒場東邦」を例に取り上げながら,学生が備えているべき資質・能力がどのようなものなのか,少し考えてみたいと思います。

五感を通じて多様な経験をしている

自然を肌に感じている少年

駒場東邦では,実技を重視した教育法を採用することにより,五感を刺激する多様な体験を可能にしています。

例えば,2017年に行われた「技術」の授業では,ゴムを動力としたプロペラ飛行機の製作会が2日間にわたって行われ,飛行機を作る奥深さを学びました↓↓

なお,上記は中1の授業ですが,中3にもなるとより高度な理解が可能になります。

例えば,箱根の火山見学が行われた際には,噴火口や千条の滝の観察に始まり,箱根ジオミュージアムで最終的に知識の整理をしたわけですが,中3では地学の知識を活用することができるので,地層や水温,石の種類などから複合的に現象を捉えて,自然をより深く理解できるわけです↓↓

箱根ジオミュージアムの写真

このような大規模な実習でなくても,誰しもが体験できる五感を使った授業の代表格として「理科実験」が挙げられるでしょう。

本来ならば最も人気が出る授業形態なのですが,あまり良い思い出がないという方はおそらく,やらされてる感が強すぎたり,自由度があまりに少なかったためにつまらなくなってしまったのだと思います。

指導する側のレベルも高くなければ授業は楽しくならないわけですから,教える側の技量や熱意が足りないというのも多くの学校が抱える問題です。

もし,学校でこのような経験をあまり得られないまま大人になってしまったという自覚がある方は,自らが積極的にそういった場所に赴く必要があります。

もちろん12~18歳の多感な時期は逃しているので,得られる経験に幾ばくかの差はあるでしょうが,何もせずに答えを見つけられないままでいるよりは全然マシなはずです。

私自身,都会で育ったために自然と触れ合う機会はほぼありませんでしたが,大学の裏山でアオダイショウと出会ったりスズメバチが飛び交う中,恐怖で一歩も歩けなくなった経験は,自然への畏怖の感情を知ることができただけでなく,人として大きく成長できたように感じます。

翅を休めるコノハチョウ

作られていない生の自然と触れ合う経験が特におすすめです。

 

学生として十分な教養を備えている

多くの書物

先の火山見学の話では,知識があるからこそ,その先のさらに深い考察ができることに触れました。

駒場東邦の学習カリキュラムは「文系理系問わず,学ぶべき教養はすべて身に付けること」を目指します。

例えば,高校2年生で文系を志望する生徒であっても,数学IIIの微分積分までしっかり学ぶわけです。

よく,数学が将来何の役に立つのかなどといった質問をされますが,知識の獲得だけにとどまらず,数学なら数学独自の視点,理科なら理科独自の物の考え方を学ぶことに繋がります。

数学では数字や論理の力によって世界を捉えられるようになりますし,理科では数々の法則や自然現象の観察による分析力が養えます。

国語なら文字の力,社会なら歴史的なものの考え方といった具合に,教科書を読みながらこういった様々な考え方(視点)を身に付けることが深い教養へとつながり,今後,答えのない世の中の問題を解き明かす際に役立ってくるわけです。

これまで文系・理系という枠組みにとらわれて学び損ねた科目がある人は,学び直してみることをおすすめします。

思考獲得の一番の基本である読解力はもちろん,ビジネスパーソンであれば特に日本史や公民をやり直しておくとよいでしょう。

詳しくは以下の記事をご覧ください↓↓

 

母校愛がある

空に描かれたハートの雲

駒場東邦では,学びの場においてアクティブラーニングを積極的に取り入れています。

少人数制により積極度を増した状態で行われることで,生徒の自主性を促すきっかけとなる授業が実行可能です。

例えば,書道の授業で異体字と常用漢字の差異をうまく提示できれば,その字の歴史的な背景や成り立ちを調べてくる生徒が中から出てきたりもします。

また勉強以外の,例えば文化祭一つとってみても,「何かのテーマについて専門家の意見が聞きたい。」と生徒が考えた際には,彼ら自身でアポを取らせるのが駒場東邦の考えるアクティブラーニングの形です。

こうすることで生徒は,

  • 他人にものを頼むときの振る舞い方
  • アポイントメントの手続き
  • 礼儀作法

といったものを自然と身に付けることができます。

その他の例としては,生徒たちから遠足でやりたいことについての意見を出させ,それを教員ができる限り実現できるようにサポートしてやることで,同学年の仲間同士のつながりが深まっていくわけです。

駒場東邦の場合,体育祭において先輩が後輩の面倒をみることで,学年間のつながりをも深めています。

中学1年生の時に,体育祭のチームカラーである「赤・青・白・黄」のうちの1色を各自割り当てられることになるのですが,その色は高校3年生まで変わることがありません

こうすることで,自分のチーム(色)を勝たせるために,高学年の生徒は積極的に低学年の生徒を世話するようになります。

私の塾にも駒東生が来ていましたが,彼もようやく高3になって特別な服装が許されるようになり,数ヶ月前から体力づくりなどのメニューを作って自主的に体育祭の準備を行っていました。

このような同学年の仲間との「横のつながり」と学年間の「縦のつながり」は,どちらも自分たちが時間や議論を重ねて作り上げてきたものです。

そのため,そういった経験は,最終的に「駒場東邦への愛」につながっていきます。

このような母校愛があるからこそ,卒業生が文化祭や講演会に積極的に参加してくれるようになるわけで,学校側としてもこういった生徒は,かけがえのない宝物のような存在であることでしょう。

自分の手で作り上げたもの,そこには必ず愛が生まれ,大切にすることができます。

郷土愛や恋愛でも構いませんが,色々なものを愛せるということはそれだけたくさんのことに自分が関係してきた証です。

是非,積極的に物事に関わっては,愛せるものの数を増やしていきましょう!

 

まとめ

駒場東邦の校門

以上,駒場東邦に学ぶ一流の学生像でした。

今回紹介した資質・能力を再掲すると,

  • 豊かな経験
  • 深い教養
  • 母校愛

の3つとなりますが,これらを持たない社会人の中には,何をするにも誰かが導いてくれないと自分からは何もしようとしない(できない)人がかなりの割合いるように感じます。

駒場東邦では当たり前のように行われてきた学びの姿勢ですが,2020年の教育改革以降,より注目を浴びるようになっては,「自発的に調べては考え,議論し行動する」という態度を身に付けた学生が増えることを期待したいものです。

なお,私が保護者の立場(見守る側)になった暁には,駒場東邦の平野勲(第八代校長)が言うところの,「良い環境を準備し,その子が育つのをじっと見守る」ことを心がけたいと思います。

特に新しいことを始めるにあたっては慣れていない子どもたちですから,やるのに時間はかかりますし,出来上がってくるものは大したものではないかもしれません。

ですが,その過程にこそ価値があり,出来上がったものの中には大人もあっと驚くアイディアが発見できることもあるでしょう。

是非それを楽しみに,できることならば駒東のような一流の中高一貫校に通わせてやってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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スタディサイトの管理人

通信教育の添削や採点業務に加え,塾や家庭教師を含めた指導歴は20年以上になります。東大で修士号を取得したのははるか昔のことですが,教授から「ここ数年で一番の秀才」と評されたことは今でも私の心の支えです。小学生から高校生にまで通ずる勉強法を考案しつつ,気に入って使っているスタディサプリのユーザー歴は6年を超えました。オンラインでのやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです!

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