今回は,2025年度から新設された「英検準2級プラス」についてまとめていきます。
準2級プラスは,名前の通り準2級の上に位置する級ですが,問題形式だけを見ると2級に近い部分も少なくありません。
そのため,「準2級に受かったら次は2級でよいのか」「準2級プラスを挟む意味はあるのか」「2級の保険として受けるのはありなのか」と迷う方も出てくるはずです。
この記事では,準2級プラスの位置づけ,準2級・2級との違い,受けるべき人,勉強法を順番に整理します。
英検準2級プラスとはどんな級か

英検準2級プラスは,準2級と2級の間に位置する級です。
英検では2025年度第1回検定から導入され,級の新設としては31年ぶりのものとなりました。
従来は,準2級に合格した後,次の目標はすぐ2級でした。
しかし,準2級と2級の間には語彙・読解量・ライティングの負担に大きな差があり,特に中学生や高校生にとっては,準2級合格後に急に壁が高くなったように感じやすいところがありました。
準2級プラスは,その間を細かくつなぐための級です。
- 準2級:高校英語の入り口
- 準2級プラス:準2級から2級へ進む途中の判定地点
- 2級:高校卒業程度の英語力を問う本格的な級
準2級は高校入試や高校英語の基礎確認に使われやすく,2級は大学入試や高校卒業レベルの到達度確認として意識されやすい級です。
一方,準2級プラスは,準2級と2級の間にある力を証明したいときに使いやすい級です。
実際,準2級プラスは2級や準2級とのダブル受験を考える人も多く,午前中に準2級プラス,午後に準2級または2級という形で受けやすい時間帯に設定されています。
「準2級に受かったけれど,2級はまだ不安」という人にとって,準2級プラスは英語学習の足場をもう一段増やしてくれる級だと考えるとわかりやすいです。
準2級・2級との違い
準2級プラスは名前だけ見ると準2級寄りに見えますが,問題形式はむしろ2級に近い部分があります。
以下に,2級・準2級プラス・準2級の出題形式を比べてみましょう↓
| 2級 | 準2級プラス | 準2級 | |
| リーディング | 短文の語句空所補充,長文の語句空所補充,長文の内容一致選択 | 短文の語句空所補充,長文の語句空所補充,長文の内容一致選択 | 短文の語句空所補充,会話文の空所補充,長文の語句空所補充,長文の内容一致選択 |
| ライティング | 英文要約,英作文 | 英文要約,英作文 | Eメール返信,英作文 |
| リスニング | 会話の内容一致選択,文の内容一致選択 | 会話の内容一致選択,文の内容一致選択 | 会話の応答文選択,会話の内容一致選択,文の内容一致選択 |
| スピーキング | 音読,パッセージについての質問,イラストについての質問,受験者自身の意見など | 音読,パッセージについての質問,イラストについての質問,受験者自身の意見など | 音読,パッセージについての質問,イラストについての質問,受験者自身の意見など |
準2級には,会話文の空所補充やリスニングの応答文選択など,やや取り組みやすい形式が含まれています(表の赤字部分)。
一方,準2級プラスでは,ライティングに英文要約が入り,リスニングも2級と同じく内容一致問題が中心になります。
そのため,準2級プラスは「準2級を少し難しくしただけの級」というより,2級型の問題に入る前の練習台として考える方が自然です。
ただし,扱われる英文や語彙の難度は2級より抑えられています。
準2級プラスの難易度
英検準2級プラスの難易度を考えるうえで,最もわかりやすいのは語彙です。
級が上がるほど,短文空所補充で問われる単語や熟語の抽象度が上がり,長文やリスニングで扱われるテーマも広がっていきます。
例として,2025年度第3回の大問1に出てきた語句のうち,最初の方に登場する単語を級別に並べてみます↓
- 2級:major,upper,directly,elastic,troop,proverb,cliff,duty
- 準2級プラス:reason,design,behavior,convenience,heavily,socially,sincerely,proudly
- 準2級:skill,audio,joy,rent,shadow,talent,pattern,value
準2級では,カタカナ語として見たことがある単語や,日常場面をイメージしやすい単語が多く含まれます。
一方,2級になると,elastic や troop のように,日常会話だけでは出会いにくい語も増えてきます。
準2級プラスはその中間で,behavior,convenience,sincerely など,高校英語や英検2級の入り口でよく出てくる語が目立ちます。
リーディングでは,準2級にある会話文問題がなくなり,長文の語句空所補充や内容一致問題に取り組む必要があります。
ライティングでは,準2級のEメール返信ではなく,2級と同じく英文要約が出題されます。
リスニングでも,準2級にある応答文選択がなくなり,会話や説明文の内容を聞き取って答える問題になります。
こうした点を踏まえると,準2級プラスでは,準2級よりも「まとまった英語を読んで聞く力」が強く求められると考えてください。
受けるべき人・受けなくてもよい人

準2級プラスを受けるべきかどうかは,準2級合格後の状態と,2級までの距離で決めるのがおすすめです。
準2級にかなり余裕を持って合格し,2級の単語帳や長文にも抵抗なく取り組める人であれば,そのまま2級を目指して構いません。
反対に,準2級には合格したものの,語彙・長文・ライティングに不安が残る場合は,準2級プラスを挟む意味があります↓
- 2級に進んでよい人:準2級に余裕で合格し,2級の単語帳や過去問に取り組める人
- 準2級プラスを挟みたい人:準2級にギリギリ合格した人,2級の過去問がまだかなり難しく感じる人
- ダブル受験を考えたい人:2級合格が微妙で,準2級プラスを保険にしたい人
特に,中学生や高校生の場合,英検の級が1つ上がることは大きなモチベーションになります。
準2級に合格してから2級まで何年も空いてしまうと,その間に英検への意欲が薄れてしまうこともあります。
これまでの指導経験でも,準2級までは順調に進んだものの,2級の単語量や長文量に圧倒されて,途中で手が止まってしまう生徒は少なくありませんでした。
その点,準2級プラスを目標にすれば,2級に向けた勉強をしながら,途中で到達度を確認できます。
また,2級に挑戦する予定がある人が,午前に準2級プラス,午後に2級を受ける形で保険をかけるのも一つの戦略です。
本命が2級であっても,準2級プラスに合格できれば,準2級より上の力を示すことができます。
逆に,準2級と準2級プラスを同じ日に受け,午前中に上位級へ挑戦してから午後に準2級を受ける方法もあります。
ただし,ダブル受験は体力を使います。
長時間の試験で集中力が切れやすい人や,初めて英検を受ける人は,無理に2つ受けるより,まず1つの級に集中した方が安全です。
英検準2級プラスの対策の基本方針
準2級プラスの勉強では,2級対策と同じように,英語力そのものを伸ばす学習と,本番で点を取るための対策を分けて考えます。
単語,文法,英文解釈,音読,英作文の練習は,英語力そのものを伸ばす学習です。
一方,過去問を使って時間配分を決めたり,要約問題の書き方を覚えたり,リスニングの先読みを練習したりすることは,本番で点を安定させるための対策です。
まずは公式サイトなどで過去問を1回分解き,どこで点を落としているのかを確認してください↓
- 語彙:準2級プラス向けの単語・熟語を毎日確認する
- 読解:長文空所と内容一致問題で根拠を探す練習をする
- ライティング:英文要約と意見論述の型を覚える
- リスニング:会話・説明文の内容一致問題に慣れる
- 面接:2級型の質問に短く答える練習をする
準2級プラスは問題数や形式が2級に近いため,勉強の方向性も2級対策にかなり近くなります。
ただし,いきなり2級教材だけで進めると,語彙や英文の難度が高く感じられることもあります。
準2級プラスのコンセプトを考えると,まずは準2級プラス用の教材で形式とレベルに慣れ,余裕が出てきたら2級教材を混ぜる流れが使いやすいです↓
一次試験の勉強法
大問1:語彙問題は2級への橋渡しとして使う

大問1は,短文の空所に合う語句を選ぶ問題です。
準2級プラスでは17問出題され,問題数は2級と同じです。
語彙問題は,知らない単語が多いと手が止まりやすい大問ですが,逆に言えば,対策した分だけ点数に結びつきやすい部分でもあります。
準2級に合格した直後の人は,まず準2級レベルの単語を抜けなく確認し,その上で準2級プラス向けの語彙に進みましょう。
- 知らない単語だけでなく,見たことはあるが意味が曖昧な単語も覚える
- 正解の選択肢だけでなく,誤答選択肢も確認する
- 単語の意味だけでなく,使われる場面も押さえる
- 熟語や副詞も後回しにしない
大問2・3:長文は接続語と根拠を意識する

準2級プラスでは,長文の語句空所補充と長文の内容一致選択が出題されます。
準2級の会話文問題のように,短いやり取りから答える問題はなくなるため,ある程度まとまった英文を読む力が必要です。
長文空所補充では,空所の前後だけでなく,段落全体の流れを見て答えます。
特に,however,therefore,for example,because などの接続語に注意してください。
内容一致問題では,本文のどこに根拠があるのかを確認しながら選びます。
- 段落ごとの中心内容をつかむ
- 接続語の前後で話の向きが変わるか確認する
- 代名詞が何を指しているか追う
- 設問で問われている内容の根拠を本文から探す
- 本文と選択肢の言い換えに注意する
復習では,正解の選択肢だけを見て終わらせないようにします。
本文のどの部分が根拠になっているのかまで確認すると,次の問題で同じ読み方を使いやすくなります。
大問4:英文要約は自分の意見を入れない

準2級プラスのライティングでは,2級と同じく英文要約が出題されます。
要約問題では,英文を読み,指定された語数に合わせて内容を英語でまとめます。
ここで大切なのは,本文に書かれていない自分の意見を加えないことです。
意見論述とは違い,要約問題では「自分はどう思うか」ではなく,「本文は何を述べているか」を整理する必要があります。
- まず本文全体の話題をつかむ
- 各段落の中心内容を短く整理する
- 具体例を入れすぎない
- 本文の表現を参考にしつつ,文法ミスの少ない英文に直す
- 語数を必ず確認する
慣れないうちは,いきなり英語で書く必要はありません。
まず日本語で「何についての文章か」「筆者は何を説明しているか」「最後にどのような内容で締めているか」をメモし,その後で英語にしていくと書きやすくなります。
大問5:意見論述は型を決めておく

意見論述では,与えられたトピックに対して自分の意見を書きます。
準2級プラスでは,2級ほど難しい内容を書く必要はありませんが,準2級よりも説明の筋道を意識したいところです。
本番で迷わないように,基本の型を決めておきましょう↓
準2級プラスの意見論述で使いやすい型
- I think ~.
- First, ~.
- Second, ~.
- For these reasons, I think ~.
大切なのは,難しい表現を使うことではありません。
理由を2つ示し,それぞれに簡単な説明を加え,読み手に伝わる英文にすることです。
文法ミスが多い英文を書くより,中学〜高校初期で習う文法を使って,短くても崩れにくい英文を書く方が得点は安定します。
本番前には,5〜10題ほど実際に書いてみて,学校の先生,塾の先生,オンライン教材,生成AIなどで添削を受けておくと安心です。
リスニング:応答文ではなく内容一致に慣れる
準2級プラスのリスニングは,第1部と第2部に分かれています。
問題数はそれぞれ15問で,合計30問です。
準2級には会話の応答文を選ぶ問題がありますが,準2級プラスでは会話や説明文の内容を聞き取って答える問題が中心になります。
そのため,短い反応表現だけでなく,話の流れを追って内容を理解する力が必要です。
- 会話では,誰が何をしたいのかを聞き取る
- 説明文では,目的・理由・結果に注意する
- 選択肢を先読みして,問われそうな内容を予測する
- 聞き逃した問題を引きずらない
- 復習ではスクリプトを確認し,声に出して読む
リスニングは,直前にまとめて勉強しても伸びにくい分野です。
毎日5分でもよいので,英語の音を聞く時間を作りましょう。
過去問や教材を解いた後は,スクリプトを見て,聞き取れなかった原因を確認します。
単語を知らなかったのか,音がつながって聞こえなかったのか,話の展開を追えなかったのかによって,次にすべき練習は変わります。
二次試験の勉強法

準2級プラスの一次試験に合格すると,二次試験の面接に進むことが可能です。
面接では,問題カードの英文を音読し,その内容に関する質問や,イラストに関する質問,自分自身の意見を問う質問に答えます。
形式は準2級や2級と大きく異なるわけではありませんが,準2級よりも少し抽象的な話題に対応する必要が出てきます。
- 入室から退室までの流れを確認しておく
- 音読では意味のまとまりごとに読む
- イラスト説明で使いやすい表現を覚える
- Yes / No を先に言い,理由を1つ添える
- 聞き取れなければ,聞き返す表現を使う
二次試験で大切なのは,完璧な英語を話すことではありません。
多少文法が粗くても,黙り込まず,質問に対して何かを伝えようとする姿勢が重要です。
聞き取れなかった場合は,次のような表現を使って聞き返しましょう↓
- I beg your pardon?
- Pardon me?
- Sorry?
- Could you repeat the question?
聞き返すこと自体を過度に怖がる必要はありません。
質問を理解しないまま見当違いの答えをするより,聞き返してから答える方が安全です。
一人で練習する場合は,スマホで自分の音読や回答を録音し,聞き返してみてください↓
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学習スケジュールの目安
準2級プラス対策に必要な期間は,準2級合格時点の余裕によって変わります。
準2級に余裕を持って合格している人なら,1ヶ月ほどで過去問演習中心の仕上げに入れることもあります。
一方,準2級にギリギリ合格した人や,2級の単語・長文に強い苦手意識がある人は,2〜3ヶ月ほど見ておく方が安全です↓
準2級プラス対策の進め方
- 1週目:過去問を1回分解き,弱点を確認する
- 2〜3週目:語彙・長文・リスニングを毎日少しずつ進める
- 4週目:英文要約と意見論述を重点的に練習する
- 直前期:時間を測って過去問を解き,面接表現も声に出して確認する
時間がない場合でも,語彙とライティングは優先してください。
語彙はリーディングだけでなく,リスニングやライティングにも関わります。
また,ライティングは型を知っているかどうかで,本番の安定感が大きく変わります。
準2級プラスは,2級へ向かう途中の級です。
そのため,準2級プラスに受かることだけを目標にするのではなく,合格後に2級へ進むことも意識しながら学習を積み上げていきましょう。
まとめ
英検準2級プラスは,準2級と2級の間をつなぐために設けられた級です。
準2級よりも語彙や英文量が増え,ライティングでは英文要約も出題されます。
問題形式だけを見ると2級に近いため,2級へ進む前の練習として使いやすい級です。
各級の位置づけは,次のように考えると整理しやすくなります↓
- 2級:高校英語の4技能を問われる本格派
- 準2級プラス:2級へ進む前の判定地点
- 準2級:高校英語の入り口
準2級に余裕を持って合格している人は,そのまま2級へ進んでも構いません。
一方,準2級には合格したものの,2級の単語帳や過去問がかなり難しく感じる人は,準2級プラスを挟むことで無理なくステップアップしやすくなります。
また,2級合格が微妙な場合に,準2級プラスを同日に受けて保険にする使い方もあります。
準2級プラスの対策では,語彙,長文読解,英文要約,意見論述,リスニング,面接をバランスよく進めることが大切です。
特に英文要約と内容一致型のリスニングは,準2級までと感覚が変わる部分なので,早めに形式へ慣れておきましょう。
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