高校卒業後すぐに公務員になりたい方は地方初級公務員試験に合格する必要があります。
その内容は自治体によって多少異なりますが,教養試験(基礎能力試験)が必須で,あとは適性試験・作文・面接・体力検査が加わるかどうかです。
そこで今回は最も重要な教養試験の突破を目指すための講座の中から「スタディサプリの公務員試験対策講座」を紹介していきましょう!
スタディサプリの公務員講座は4つ
スタディサプリの公務員試験対策講座は資格対策講座の中にあります。
スタディサプリは無学年教材なので,高校生以外でも気になるようであれば視聴することが可能です。
内容としてはどれも教養試験の突破が目標となっていて,ラインナップは4講座です↓
- スタンダードレベル政治経済<政治編>
- スタンダードレベル政治経済<経済編>
- スタンダードレベル数的推理
- スタンダードレベル判断推理
前半2つはいわゆる文系的な内容で,社会の仕組みについて学べる講座となっています。
詳しい内容は次章以降でみていきますが,日本国憲法や国会の仕組みを始め,景気や国際経済など,中学3年生で習ったようなものから初級公務員試験対策の本試験レベルまで対応可能です。
以下は試験範囲の例になりますが,教養試験(基礎能力試験)の分野をカバーするのが本講座になります↓
逆に対応していない科目も見られ,例えば文章理解(現代文や英文を読む)や人文・自然科学(日本史や地理に物理や化学など)が挙げられますが,これらはスタディサプリの通常講座(または学校の授業)で対策が可能なので,専用講座は必要ありません。
公務員試験の受験予定がなくても,上のような内容を学んでおけば,普段の生活でニュースを観たり新聞を読んだりしたときの理解の深さはだいぶ変わるでしょう。
もちろん,公務員として国に尽くすのであれば是が非にでも学んでおきたい内容で,そもそも科学や日本国憲法の知識のない消防士(火や化学物質を扱うプロ)や警察官(法律を扱うプロ)なんて信頼できませんよね。
先に挙げた後半の2つは主に理系のもので,数字や図形を通して論理的な思考力が獲得できる講座です。
濃度の計算や旅人算といった小学生のときに塾で習うような特殊ジャンルや,総当たり戦や図形の展開図・道順といった問題を解くためのアプローチを学ぶことになりますが詳細は後述します。
なお,2022年4月に政治経済の講義動画やテキストが更新され,最新の法令に合わせた内容に変わったことからも明らかなように,情報を必要に応じてアップデートできるところはオンライン教材ならではの強みです。
スタンダードレベル政治経済<政治編>
公務員試験対策講座の「スタンダードレベル政治経済<政治編>」では,その名の通り,政治分野において重要とされる範囲の基本部分のみを扱っています。
高3生用の通年講座にも政治経済はありますが,あちらは全範囲を網羅的に扱う関係で長時間に及びますが,地方初級ではそこまでの知識は求められていません。
本講座で頻出部分や有用な部分についてのみパッと学び,残った時間は他のところの対策に時間を費やしましょう。
なので内容は小学校で習うところから始まりますし,復習するのも辛くないはずです。
とはいえ,公務員試験に出やすくかつ応用が利きやすい範囲のみが厳選されているため,これだけで初級公務員試験に対応できないわけではありません。
本講座の担当は蓑原睦講師で,普段は麻生公務員専門学校というスクールで教えています。
彼の解説には具体例が多く登場するのでイメージが湧きやすく,最終的に暗記することになっても理解させることを念頭においた講義が行われるため,記憶に残りやすいところが特徴です。
講義は全部で5つあり,そのほとんどが1時間程度の長さなので,約5時間ですべてを観終えることができます。
テキストも全23ページを印刷するだけです(ただしテキストは販売されていません)が,重要なページに限って印刷するでも構いません。
講義ごとのテーマは以下のようになっています↓
政治編で扱うテーマ
- 日本国憲法の基本的性格
- 基本的人権1
- 基本的人権2
- 統治機構 三権分立・国会
- 統治機構 内閣・裁判所
これらの名称を見て,
「なんだか昔にやったことは覚えているけれど,どんな内容だったかはもうさっぱり覚えていない」
という方は,是非スタディサプリを受講してください。
それで試験問題を解いてみてもう少し詳しく学ぶ必要があれば,中学講座の公民講座などを使うこともできます。
蓑原講師は試験本番で間違いやすいポイントを中心に,時には弾劾裁判の「劾」という漢字の説明まで交えて解説してくれるほどに親切です。
各講座ごとにその分野の専門家が担当している安心感に加えて,変わりゆく時事内容についてはしっかり更新で対応しているとあって,さすがは大手リクルート,隙がありません。
テキストは穴埋め式で過去問からもちょくちょく出題されていました↓
スタンダードレベル政治経済<経済編>
政治編に続いて,今度は「スタンダードレベル政治経済<経済編>」についてレビューしていきましょう。
こちらも先ほどと同じく蓑原講師が担当し,経済の基礎を学べる講座となっています。
講座数は政治編と同じ構成なので,5時間ほどで全部の視聴が可能です。
テキストの方も全25ページとこちらもコンパクトに仕上がっていますが,その内容は以下の通りとなります↓
経済編で扱うテーマ
- 需要と供給,市場,景気
- 金融
- 財政
- 日本経済
- 国際経済
上の画像で示したような需要供給曲線は経済活動をする上でたえず考えておかなければならないレベルの重要な内容ですし,後半の講義内容はかなり深くまで掘り下げられ,国内外の経済状況について学ぶこともありました↓
私としましても,「傾斜生産方式」のような初めて耳にする内容もあり,色々と学ばせていただきました。
テキストの構成は政治編に引き続き相変わらずしっかりとしており,毎回のように実際に出題された国家III種の過去問を解くことになるので,かなり取り組み甲斐があると感じると同時にモチベーションの維持にも役立つでしょう↓
世の中のお金の流れについては社会人になってからでも学ぶべき内容で,単純に教養を得る目的で視聴しても楽しめるはずです。
とはいえ,社会人が学び直すべき内容としては英語や日本史も含まれるでしょうから,以下の記事も参考にしてください↓
スタンダードレベル数的推理
続いては「スタンダードレベル数的推理」という,いわば理系の学問領域へと入っていきましょう!
先述しましたが,地方初級の教養試験で問われることになるのは,文章理解・判断推理・政治経済に加えてこの数的推理が含まれていました。
初級に限りませんが,公務員試験対策においては「苦手科目を作らない」ことが勝利の鍵となっており,本講座では技法の習得を通して即効性が期待できるため,理系科目にアレルギーがある方もすぐに得点アップできるはずです。
それに小学校や中学校で算数や数学が嫌いになったとしても,高校生になるまでにもう数年が経ったわけですから,昔に比べて少しは受け入れやすくなったのではと思います。
内容にしても,高校で習うベクトルや微積といった特殊かつ複雑な概念は含まれていないので安心してください。
全部で10にも及ぶ豊富な講義数の詳細は以下の通りです↓
ポイント
- 濃度
- 旅人算
- 通過算
- 流水算
- 仕事算
- ニュートン算
- 売買損益
- 魔法陣
- 図形(平行線と角)
- 図形(円)
本講座は,すでに紹介した麻生公務員専門学校から郷原義史講師が担当します。
中学受験を経験した方の中には,上で見られる「○○算」というものに見覚えがあるように思われますが,そうでない方も受験技法を習得することでかなり容易に公務員試験を突破できるようになるはずです。
例えば,濃度の説明においては「数直線法」という考え方を学ぶことができます。
これまで,塩の量と食塩水の重さに注目するやり方しか知らなかった人にとってみれば,斬新に映る方法です。
パズル感覚で楽しんでやれるのが算数の良いところなので,公務員試験を受ける受けないに関係なく,学ぶ楽しさに気づくことがあるかもしれません。
もちろん,中学数学の文字を使った方程式的なども登場するため,内容としてはなかなかに挑戦のし甲斐があるのですが,できるようになったときの達成感はかなりのものになるでしょう。
テキストのページ数は全部で35ですが,こちらも購入せずに済みます。
予習は不要で,ひたすらと問題を解いていくスタイルですが頑張りましょう!
こういった問題が解ける人と解けない人とでは,やはりどこかしらで仕事の質が変わってくるように思うのですが,どんな問題であっても5回,10回と解き直せば,正解できるだけでなく解き終えるまでのスピードも速くなっていきます。
スタンダードレベル判断推理
公務員試験対策講座から最後の4つ目は,「スタンダードレベル判断推理」の講座となります。
高校卒業程度という難易度が設定された公務員試験,とりわけ消防・警察官の採用試験を受ける場合は難易度的にぴったりの講座で,これまで同様,試験に出やすい分野を厳選しているところが特徴です。
似たような問題が本番でも必ず出題されると信じて,必死に解き方を覚えるようにしましょう!
前章の数的推理の講座よりもさらにパズル的な要素が強まるため,こちらの方が楽しいと思う方がいてもおかしくありません。
なお,本講座で扱う内容は多岐に渡る上,タイトルを見ただけでは内容をイメージしにくいはずです↓
判断推理で扱うテーマ
- 暗号
- 対応関係
- 試合
- 順序関係
- 位置関係
- 展開図
- 軌跡
- 道順
例えば以下は「暗号」にあたるテキストと問題の1例ですが,何やらクイズ的な出題が続きます↓
脱出ゲームを彷彿とさせる内容ですが,こういった問題を解く機会は普通に生活しているとあまりないので,貴重な経験として捉えつつも気楽に取り組むようにすると良いかもしれません。
担当は先の専門学校で判断推理を教えている若山祐紀憲講師で,全部で8講義は8時間弱で終わる内容です。
テキストは36ページからなっており,こちらも予習は不要かつ別途購入する必要はありません。
まとめ
以上,スタディサプリにある公務員試験対策講座から,政治・経済・数的推理・判断推理の講座内容についてレビューしてきました。
高校を卒業して公務員や消防・警察官を目指すという方はもちろん,大学を卒業して公務員試験を目指す方やいわゆる教養を身に付けたい大人の初めの一歩としても役立つということがわかっていただけたのではないでしょうか。
一般企業の入社試験を受ける際にも一通り学んでおけば役立つはずです。
上記講座を通して学べる内容の大半は,自分自身が小学校から高校までの間に学んできたはずのもので,学校の教科書を最初から復習すれば良いと言われればその通りですが,それでは時間がかかりすぎてしまいます。
また,過去問を中心に勉強することにしても,その前に一度スタディサプリで講義を視聴しておくだけで,「あー,あのとき言っていたことか!」などと簡単に思い出すことができ,分からない問題に出会うたびに立ち止まって調べるといった時間のロスを減らすことに貢献してくれるでしょう。
勉強以外にもやることが多くて大変な毎日でしょうから,効率良くそして可能であれば楽しく勉強していきたいものです。
といったわけで,スタディサプリの公務員試験対策講座の魅力について一言でまとめると,そんな膨大な試験範囲をわずか28講義(約28時間)で復習できるところとなります。
約1ヶ月の学習期間で重要事項をしっかりと押さえ,残った時間は他のこと(体作りや面接対策など)に費やすのが基本方針です。
面接や作文については総合型・学校推薦型選抜の対策はスタディサプリでで語った内容が役立つかもしれません。
最後になりましたが,普段見るTVや動画の中で良い年をした大人が小学校で学ぶ内容の問題を解けないシーンをよく目にしますが,勉強が仕事である小中高生ならともかく,大人になってしまえばその程度の学力にまで下がってしまうことが普通です。
横で笑って見ている両親でさえ,例えば文系出身の両親に食塩水の濃度の問題をやらせてみたり,理系出身の親に内閣の権限を聞いたりすればきっとできないわけで,本講座のような内容はやるべきときに短期間で詰め込んでしまえば後で忘れてしまって構わないと考えることにしてください。
肝心なのは,今目の前にそびえる壁をしっかり乗り越えることです。
目標に向かって今日から早速頑張るようにしてください。
なお,今回紹介したスタディサプリの公務員試験対策講座ですが,以下の記事に目を通してから申し込むのがおすすめです↓
最後までお読みいただきありがとうございました!