私の塾に進路相談をしに来られた,小学生の子を持つ保護者の話を聞いていると,
小学6年生の母親
今後どういう進路を取るかはまだ決まっていませんが,どんな選択肢を選んでも困らないよう,とりあえず勉強だけはさせておきたい。
小学5年生の父親
周りがみんなするようなので我が家も中学受験をさせたいのですが,押さえの学校は作らず,仮に全部が不合格であっても構いません。
のいずれかの考えであることが最近多くなってきたように感じています。
少子化が進むにつれ,より多くの親がわが子の進路を気にするようになったからなのでしょうか。
育てる子どもの数が少ない分,1人あたりの教育費は増えている時代です。
実際のところがどうであっても,「先が見えない時代だからこそ,できるときに勉強をしておき,然るべき時に備えなければならない」といった考えで私も授業をしているので,親は自分の子どもの才能を信じて大いに学ばせてやってください。
その際,手始めに試していただきたいのが今回紹介する「スタディサプリの小学講座」です。
これは数あるオンライン教育の中でも特に優れた教材の1つで,手を出しやすい価格帯でありながらも隙のない網羅的な学習が可能となります。
どのような進め方でスタディサプリを利用すれば先の悩みの解決に繋がるかについて,これから一緒に考えていきましょう!
当記事では小4~小6講座の使い方を中心にまとめています。小学校低学年向けの講座については以下の記事をどうぞ↓
スタディサプリを始める前の準備
スタディサプリの小学講座を始めるにあたり,保護者の方は以下の3つの準備ができていることを確認してください。
これらの中には負担が大きいものも含まれますが,どれもオンライン教育を成功するために必要となるものです。
タブレットかPCを自宅に整備する
CMや巣ごもり需要の増加で世の中の認知度がさらに高まったスタディサプリですが,まだまだ利用を躊躇してしまう家庭も多いように思われます。
その理由ですが,「小学生にスマホのような情報端末を持たせるのは早い」と考えていたり,タブレットやPCが自宅になかったりする家庭が少なくないからです。
しかし,まもなくSociety5.0に突入する現代社会においては子ども向けのおもちゃですらタッチパネル式のものが多く,年配の方であれば戸惑ってしまうような難しい操作を平気で求めてきます。
これから受けることになる各種試験では,ヘッドホンとマイクが一体となったヘッドセットを装着し,PCに向かって声を録音したりタイピングで文字を入力したりする形式のものも少なくありません。
なので,小学生のうちからこうした操作に慣れておくことは今後幅広い場面においてプラスとなるでしょう。
もちろん,スタディサプリの小学講座を通して一生役立つ知識や勉強習慣が身に付いたり,優秀な講師陣のものの考え方に感銘を受けたり,国語で心に響く文章と出会ったりすることが子どもの大きな成長に繋がることは言うまでもありません。
人生のプラスになる体験ができるという良い面に目を向けて積極的にICTを生活の中に取り入れていくことは,令和時代を生き抜くために必要な態度の1つだと考えています。
スマホで動画を観ることもできますが,通学に多大な時間を取られるわけでもない小4~小6生ですから,画面がより大きなものを使う方が良いでしょう。
なので,タブレットかPCの使用を強く勧めたいと思います(実際,小学校に導入されるICT機器をみてもChromebookのようなノートパソコンの利用が特に多いように感じます)。
GIGAスクール構想の前時代においてはスマホしか触ったことがない大学生も多く,「社会人になったときにPCが使えなくて困るんだよ」といった話を,就活の採用担当の方から聞かされたこともありました。
スタディサプリに限らず,プログラミング教育などのオンライン教材を学ぶ際においても,上述した2つのうちのいずれかを使うようにしてください。
勉強時間を確実に確保する
次に自分の子どもの立場になって,週にどのくらいの勉強時間が確保できるのか考えてみましょう!
どうでしたか,暇な時間は意外と見当たらなかったのではないでしょうか。
最近の小学生というのは実に多忙な日々を送っており,学校がない時間帯であっても習い事が入っていることが普通です。
体操や水泳を始め,地元のサッカークラブのように身体を動かすものを中心に,そろばんやロボット教室のような理数教育を受けていたり音楽や英会話で耳を鍛えていたりする生徒も見られますし,中にはこれらの習い事を複数こなしている小学生すらいます。
「子どもが秘めている可能性を少しでも引き出してやりたい」と思うのは,子を持つ親の宿命でもありますので,それについて何か異を唱えるつもりは毛頭ありません。
ですが,そうはいってもある程度の時間的(さらに言うと精神的)な余裕が子どもにあるかどうかについては慎重に見定めておきたいところです。
自分が小学生だったときのことを思い出し,当時の自分が到底できなかったであろうことを子どもに強いるのは止めましょう。
子どもは自分と似たところもありますが,親の思うように育つことは滅多にありません。
ちなみにですが,小学生の集中力が保たれる時間は30~45分ほどです。
普段通っている小学校の授業時間も同じくらいの長さに設定されているかと思います。
教育に関わる人間が100年以上の月日をかけて改善を重ねてきた結果が今の教育形態であり,それは授業時間についても同様です。
なお,家では強制力や同調圧力が働かず,勉強習慣がない子を机に向かわせるだけでも至難の業となります。
なので,よりストレスを感じない使い方をさせるべきであって,特に最初は違った評価基準を設けることが重要です。
スタディサプリを導入している学校も少なくなく,課題が早く終わった生徒が余った時間を有効活用するために使うことが多いようですが,家庭では子どもが興味を持った教科を中心に好きなように使わせて,まずは決まった時間,独学できるようになることを最優先に目指してみてください。
学習内容よりも今日も欠かさず取り組んだことの方を褒めることになります。
学校の授業のフォローを目的とするのであれば,1教科につき週に1時間というのを視聴時間の目安としていますが,この1時間を1度の勉強機会だけで確保しようとすることは,先ほど挙げた集中力の限界の点から考えてもおすすめできません。
水泳や体操といった他人とのコミュニケーションがある学びであればオンライン指導は難しいでしょうが,その点,スタディサプリは通塾することなしにいつでもどこでも学べてしまう点で優れています。
なので,習い事に向かう車の中でやったり,夕食前に家族みんなで学ぶ時間を作ったりするなど,ちょっとしたスキマ時間にさっと学習する習慣をルール化し,回数をこなすことを心がけてください。
ソファーの上であろうと,お風呂場で学ぼうと構いません。
同じ1時間であっても,30分を2回や20分を3回などと小分けに確保する方が重要です。
親が子どもの学習をチェックする
中高生の指導法のところでも述べているのですが,スタディサプリを小学生が用いる場合は特に親の管理が重要となってきます↓
「子どもは天使である」と考える性善説は日本人に多い考え方ですが,これがアメリカだと「子どもは悪魔だから躾けなければならない」とする性悪説が主流となり,こと幼少期の勉強に関しては後者を採用する方がうまくいく場合が多いです。
勉強習慣が身に付くまでの小学生(特に小学4年~5年生)がわんぱくで手に負えないことは,毎日接している方であればご存知でしょう。
私の塾は小学生であっても1コマ2時間と定めていますが,授業時間の多くは「子守りタイム」と化しており,慣れるまでの間は椅子をグルグル回して遊んでやったり,話に付き合ったりしてやらないと机に座らせることすら困難で,授業時間の半分はあやすために使っているといっても過言ではありません。
「遊んでいる時間も月謝を払うなんてもったいない」と思われるかもしれませんが,子どもの信頼を得るためには必要なことであり,そんな子どもたちも小学校高学年から中学生にかけてどんどん立派になっていき,最終的にはこちらが感動させられるほどにまで育つのが面白いところです。
とはいえ,最初から最後まで遊んで終わってしまうようでは明らかに失敗で,彼らが集中力を発揮するわずかなタイミングを逃すことなく指導を行い,時には厳しい態度でもって接しなければなりません。
このとき「他人である先生」と「見知った家族」の差が顕著に表れてくるもので,塾にそれを期待して来られる方も多いわけですが,自宅でわが子相手に学ばせる際はそこをなんとかうまくやっていく必要があります。
集中力の維持に関しては,前章で述べたように小まめに勉強させることが有効です。
なので,あとは学習効果のチェックだけを徹底するようにしてみてください。
具体的には,授業内容を本当に理解できているかどうか,親自らがチェックすることを勧めます。
本人にただ「やったの?」と尋ねるだけでは不十分です。
実際にテキストに書き込んだものを見せてもらったり,どんなことを学んだか口で説明してもらったりする時間を設けるようにしてみてください。
ちなみに,スタディサプリには「小学生向け問題集」があるので,これを子どもと一緒にやるようにして上手く褒めてやれば「また頑張ろう」という気持ちになってくれるように思われます↓
もしもこの問題集の出来が悪ければ,各講義で扱った問題を解き直すように指示を出し,子どもが全問正解できるようになったことを目の前で見せてもらうようにしてください(1回あたり10分もかからない内容ですから,そこまで大掛かりなものとはなりません)。
なお,こうしたチェック作業は継続することが難しく,最初のうちはうまくやれていても,少し自分が忙しくなると親の方が途中で音を上げてしまう場合も少なくないです。
そんなときは,「子どもに勉強を頑張れと言っているのだから,親の私もチェックを頑張るべきだ」などと自分に言い聞かせるようにしてください。
その逆もあって,最初は手探り状態であっても,粘り強く最善策を模索したことでうまくいくこともあります。
いずれにせよ,
- 子どもの勉強習慣
- 親のチェック習慣
の2つの習慣を新しく生活に組み込められれば,小学生の学力は大きく上昇します。
それでは次章から,スタディサプリを使った具体的な勉強の進め方について解説していきますが,ある程度使ってみてからの方が理解しやすい場合もあるでしょう。
信頼に値する教材かどうかをチェックする意味でも,まずは親自ら学んでみてください↓
スタディサプリ小4~小6講座の使い方
ここではスタディサプリの小4~小6講座をどのように進めていくかについて大まかな方針を示したいと思いますが,記事冒頭に登場してきた親たちの相談内容に答えるべく,
- 地頭を良くするための使い方
- 気軽に中学受験を突破するための使い方
の2つを中心にまとめていくことにしましょう。
地頭を良くするための使い方
たしかに遺伝学は生まれた時点でその子の最大能力値は決まっていることを伝えますが,その能力をすべて開花させるかどうかは環境(育ち)が決めます。
なので,私から言えることとしては,わが子に才能があると信じ,周りはその才能が発揮されるよう環境を整えてやるだけだということです。
なお,子どもを放っておくと本人が欲するものを勝手に求め始めますが,知識に関しては別で,独力では手にすることはできません。
なお私が思う「地頭の良さ」は「総合的な能力の高さ」のことです。
これはつまるところ,苦手分野を持たず,何でもそこそこのレベル以上にできてしまう能力のことを意味しており,今後の教育においてはより高く評価されることになるでしょう。
何か1つ苦手があると,昔はやれ文系だやれ理系だなどと諦める理由を見つけてはそれで済ませていたものですが,こうした旧式の態度では広い視点でもって物事を俯瞰する能力が育ちません。
例えば,算数で身に付けられる「物事を数字の視点でもって分析できる能力」と,国語で身に付く「論理や心情から物事を分析できる能力」の2つが合わさらなければ人の気持ちを理解できるロボットは作れないわけです。
入試問題で合否を分けるものはいまや総合問題ばかりで,教科横断的な知識が求められることも少なくありません。
そのため,地頭を良くする目的でスタディサプリを利用する場合には,多くの教科を総合的に進めるようにしましょう。
スタディサプリの高学年向け講座では小4・小5・小6といった学年ごとに「算数,国語,理科,社会」という4教科の講座が存在し,さらにレベルは「基礎」と「応用」の2種類(算数のみ「入門編」を加えた3レベル)があります↓
基本的にはこれらの動画をすべて見ればOKです。
このとき,基礎と応用レベルのどちらもやるようにしますが注意点が1つあります。
それは何かというと,まずは基礎だけを先に全教科分終わらせてから次の応用レベルに進むということです。
同じ範囲を学ぶにしても,時間が経って忘れかけた頃に再度触れることで理解がより深まります。
特に算数と理科はレベルごとに担当講師が違っているので,新鮮な気持ちでもって授業を受けることができるはずです。
もちろん,ここでも親が学習状況をチェックしては子どもを励ましてやる気を出させた分だけ効果は高まりますので,できる限り干渉するようにしましょう(時に厳しい態度で接する場合もあるかと思いますが,かける言葉はきれいなものを使ってください)。
兄弟がいるようであれば,上の子に下の子を教えさせるのも良い方法です。
スタディサプリ小4~小6講座の具体的な講義数は以下のように十分な量が用意されています↓
小4~小6講座の講義数
算数:入門30~37,基礎30~32,応用15~30
国語:基礎24,応用21
理科:基礎24~26,応用30
社会:基礎15~25,応用12~30
学年ごとに講義数にばらつきがあるため,詳細は後述する別記事にて確認してください。
これら1つの講義を観るのに大体30分かかりますが,予復習を含めると1時間程度で1つの授業を完結させることができるため,
- 学校があるときは1週間に各教科1つずつ(計4時間)
- 長期休暇は各教科2講義ずつ(1年間で基礎と応用の両方が学べる)
というのが,単純計算で導き出されるカリキュラムとなります。
全てやり終えた暁には確実に子どもの地頭は良くなっていますし,「立派な勉強習慣が身に付く」という大きな特典まで付いてくるところも見逃せません。
このとき,テキストは印刷するのではなく実際に購入することを勧めます。
全教科分購入すると5000円くらいはかかってしまいますが,テキストを買うことで,
- 実際の頑張りが形として残るので,達成感が得られる
- 親の管理がしやすくなる
といった他に代えがたい恩恵を受けられるからです↓
中学受験を突破するための使い方
私が小学生だった頃は,時代のせいかそれとも地域的な事情からなのか,学年で数人しか中学受験をする同級生はおらず,周りで塾に行っている子は皆無でした。
しかし今の中学受験はもっと身近なものとなっており,自宅近くにある私立中学やはたまた学費が安くて偏差値も程よい公立の中高一貫校などは,1年足らずの準備期間しか残されていなくてもとりあえず受験してしまって構いません。
受験での教科数が多くかなりの知識量が問われる私立は別ですが,特に総合問題が中心である後者はわずかな頑張りであっても合格することは可能です。
あくまでIQが問われると考えてみるとわかりやすいでしょうか。
例えば5年生で6年生の学力が身に付いた小学生はIQ120と見なされます(大人は別の基準になりますが,小学生では同学年の平均学力をIQ100とするため,この場合,6÷5×100で計算できます)。
とはいえ,いざ受験しようと考えた際,文章を読む力とそれによって培われた論理力がなければ勝負になりません(女子御三家の1つである雙葉中学にわずか半年の頑張りで合格した小学生が塾に来ていましたが,それまでの読書量が物凄く,国語の勉強が不要だったところも勝因の1つです)。
なので,特に国語の講座を使って子どもが学んでいる際は,親が傍について講師の話やテキストに子どもが意識を向けられるように働きかけてやると良いでしょう。
誤解されがちですが,このとき難しい内容を親が語る必要はありません。
大人である親が備えている一般的な判断力をもとに「こうだからこうなるんだねぇ」などと,子どもと感想を述べあうだけでも十分結構なサポートです。
逆にもしも親がわからないところを誤魔化してしまうようであれば,子どもはそこで思考を停止することを覚えてしまいます。
どうしてもわからない問題についてはやったその日に答えが出なくても構いませんので,子どもの説明に納得できないときには,そこでいったん立ち止まって一緒に考えてみるようにしましょう。
私が塾で使っている技としては,口頭での質問を子どもに多く求めるようにして,各自が自分の考えを論理的に説明できる機会をより多く設けるようにするのが効果的です。
設問の意図であったり,書かれた文章の意味を正確に理解したりする能力は今後あらゆる場面で必要になりますし,高い計算力を身に付ければ中学や高校の数学で大いに役立ちます。
中学受験を考えている場合,遅くとも小6の夏からスタディサプリ以外に志望校の過去問を使って学ぶ必要がありますが,その時期までの下積み部分はスタディサプリで固めておき,小6の夏から塾に通って実践力を鍛える使い方も可能です。
もちろん,過去問だけ本屋で買ってきて解かせてみるでも構いませんが,制限時間を測って緊張する空間でのトレーニングを意識的に行う必要があります。
具体的な進め方について
ここまでの使い方はやや抽象的な話となってしまう関係上,スタディサプリの教科ごとの詳しい進め方については解説してきませんでした。
というのも,各教科ごとについて書くとどうしても長い記事になってしまうからで,詳細は以下にまとめた記事を参照するようにしてください。
なお,より高みを目指す方向けに,トップレベルの高校に入る(中学受験をせず,地元の公立中でトップの成績を取る)ための進め方についても記事を書きましたので,読んでいただけると幸いです。
塾講師目線で思ったことはなるべく書き残すようにしたので,「教えることに関して素人の私が,こんなに多くを考えながら指導するのは無理!」などとは思わず,できそうだと感じたことを1つでも取り入れていただければと思います↓
まとめ
以上,小学校高学年の子どもがスタディサプリを始めるにあたり,準備段階における心構えから実際の使い方に至るまでいくつか紹介してきました。
今回の記事の要点を箇条書きにしてみると,
- タブレットかPCそして勉強時間の確保,親の確認作業が必要
- 1回の勉強時間は短くして回数を重ねる
- 最初はスタサプを開くところから
- 親自身の判断力を信じ,子どもに聞かれたら誤魔化さない
- 地頭をよくするカギは国語学習にあり
- 中学受験する場合,小6の夏から過去問を買うか通塾する
- 小学生のうちから高校受験のための準備も可能
- スタディサプリのテキストは冊子の形で保有する
- できる限り親が干渉する
となります。
ここまで長々と書いてきましたが,不安にさせてしまったようであれば申し訳ありません。
実際,普段学校の授業しか受けたことがない小学生にとってみれば,スタディサプリで動画を観ながら学ぶ行為は純粋に楽しいと思えるはずです。
講師陣は小学生の扱いに長けていますし,教材内容も改良され続けています。
ゆえに,導入するにあたって難しく考えることはほとんどないと言えるかもしれません。
その上,もしもスタディサプリをきっかけにその子が親や兄姉と知的な会話を楽しめるようになれば,関わった家族全員にとって有意義な経験になること間違いなしです。
世の中には色々な教育の形態がありどれもメリットとデメリットがあるものですが,スタディサプリの小学講座をぜひ検討してみてください。
お得なキャンペーンコード情報もまとめています↓
公式サイト キャンペーンコード情報
最後までお読みいただき,ありがとうございました。