今回は,中学生の語学学習のお供として有名かつ歴史のある「基礎英語」について,その内容をレビューするとともに,基礎英語で学習するメリットやデメリットについて詳しくみていこうと思います。
最近は小学生のための講座も登場し,より早い段階から楽しく学習できるようになりました。
基礎英語について
古くは1926年からラジオ放送されている基礎英語ですが,戦後,中学校の英語教育の補助目的で再出発し,現在においては小学生から大人までが広く使える教材となっています。
私も中学生だった頃,基礎英語を毎日聴くよう学校側から指示され,定期テストにおいてはテキスト内容からの出題もありました。
テープとCDの時代でしたが,今はラジオストリーミングがあるので,開始時間に合わせて早起きせずに聴くこともできるため,部活や塾の時間帯と被って聞き逃すリスクがありません。
参考
現在シリーズ化されている基礎英語の講座としては,
- 基礎英語0
- 基礎英語1
- 基礎英語2
- 基礎英語3
の4つが知られています。
ちなみに一番上にある「基礎英語0」というのは,2018年度から新しく始まった小学生向けの講座であり,新学習指導要領に対応したカリキュラムです。
残る「基礎英語1~3」は中学生の学年にざっくりと対応していますが,レベル分けの目安として最近はCEFRによるものも利用できます。
ちなみに先に挙げた基礎英語0の画像の右下を見てみると,レベルは「A0」となっています。
同様にみていくと,基礎英語1と2は「A1」,基礎英語3に関しては「A2」レベルです。
参考までに,実践ビジネス英語は「C1」,高校生からはじめる現代英語のように「B1」と「B2」の2つにまたがっているものもあります。
管理人より
続けてレッスン内容についてみてきたいと思いますが,毎年テキストの構成は変わりますので,あくまで参考程度にとどめ,詳しくは店頭などで確認するようにしてください。
基礎英語0のレッスン内容
CEFRでA0レベルといったら,英検では5級以下,TOEICでは120点未満を意味します。
そのため,基礎英語0をおすすめするのは,アルファベットや英語の音そのものに馴染みたい方や簡単な英会話をしてみたい方に限るでしょう。
レッスンですが,毎回おすすめの英語表現が1つピックアップされます。
例えば以下のレッスンでは,4コマ表現とともに自己紹介のときに使える表現が出てきました↓↓
上のようなカラーページで楽しく学んだ後は,書き込み形式で演習しましょう!
また,テレビと連動したミッションもあり,小学生の興味を引き出すコンテンツになっているのがわかります↓↓
ラジオ放送に限らず毎週1回10分のTV番組の内容まで,ネット上で24時間視聴できてしまうところは便利です。
テレビならではの視覚に訴える楽しい内容ばかりなので,英語への興味関心が純粋に引き出されることでしょう↓↓
音読するコーナーもありますし,最近は小学生と電話したり,タレントさんのキャラクターを前面に出した展開が好評です。
基礎英語1~3のレッスン内容
基礎英語の1~3では,各月ごとのテーマが共通で設定されています。
これは2016年度から始まった取り組みですが,2020年度においても継続中です。
例えば4月では,どの講座においても「自己紹介」がテーマであることに変わりありません。
とはいえ,扱う英語表現においてはもちろん差がついていて,段階的に深く学んでいけるところが特徴です↓↓
「I'm from New York.(基礎英語1)」とようやく話せるレベルから始まって,「I am planning to study hotel management in America.(基礎英語3)」まで2年かけてステップアップすることになります。
週に全5回(1回あたり15分)のレッスンで,月~木の通常授業では英文と和訳,さらにはストーリーに出てきた単語やフレーズに加え,Can-Doで目標とされている表現を練習しましょう。
また,金曜日は復習日となっていて,その週の通常授業で行ったことを違う角度から学び直します↓↓
昔の基礎英語は英文法の解説が中心でしたが,英語4技能の重要性が叫ばれる昨今ですから,こちらはコミュニケーションを意識した構成です。
Can-Doリストについては教育改革では明示されるべき事柄なので,今後色々なところで目にする機会も増えてくることでしょう。
レベルとしてはA1~A2の間に収まるので,英検では5級~準2級,TOEICでは120点~500点程度となるので,中学英語を身に付けたい学生や社会人のやり直しにも対応できます。
基礎英語の受講料金
基礎英語を受講するにあたってかかる料金は基本,
- テキスト代
のみです。
月額料金(税込)をまとめますと,カラー印刷の多い「基礎英語0」に限っては770円,「基礎英語123」は495円(1,752円)がかかります。
なお,カッコ内の価格はCD付きのテキストを買った場合の料金です。
夏休みなどで値段が上下することもありますが,上の料金で1年間続けたとすると,大体6,000円~10,000円(21,000円)程度かかる計算になりますね。
毎月5時間聴いたとして年間60時間のコンテンツになりますから,金銭的にも無理なく習慣に取り入れられそうです。
先述した通りストリーミングで聴けるので,CD付きのテキストを買う魅力はそれほど感じません。
それよりも,浮いたお金(1,257円)で別のリスニング教材を利用する方が良いように感じます。
基礎英語で学ぶメリットとデメリット
最後に基礎英語で学ぶメリットとデメリットについて考えてみましょう!
先述した通り,安く学べるところは大きな魅力です。
最低限テキストは購入する必要がありますが,それだけしかかからないので,1回のレッスンあたり数十円で受けられることになります。
スマホでもストリーミングが聴けるので,時間や場所の制約を受けません。
とはいえ1週間分しか掲載されないので,その期間を過ぎてしまうとそれ以降は聴けなくなってしまうことには注意が必要です。
ラジオ英語は形としてほぼ完成している節があり,内容についても安心して聴くことができますが,その一方で,真新しさに欠ける部分もあります。
英語とその解説を聴き,最後に声に出して文を読み,英作文を行って終わるので,形態としては学校の授業に近いでしょうか。
総合力が身に付くのは確かです。
ですが,学生の立場からみると,普段の授業とメリハリが出ないところがデメリットでしょうか。
また,どうしても講師による日本語が入ってきてしまうので,15分の授業時間があっても実際に英語を聴いている時間というのは「5分~10分くらい」と決して多くはありません。
今やオンライン教育も盛んになってきており,自分の声を録音したり,スマホでアルファベットを入力してディクテーションが行えるサービスも出てきています。
もしも保護者の方で,ビジネス英語やTOEICなどに興味がある方でしたら,スタディサプリの各種コースの無料特典になっている「日常英会話コース」を使わせてみるのも面白いのではないでしょうか↓↓
まとめ
以上,NHKの基礎英語のレッスン内容を中心に,料金やメリットについても触れてきましたがいかがだったでしょうか。
ラインナップとして従来からある基礎英語1~3に小学生向けの0を加え,CEFR表記やCan Doリストを備えた基礎英語は,英語4技能を明確に意識した現代的な学習コンテンツに進化を遂げています。
魅力としては,先ほど加えたコスパの良さが光りますし,内容も非常に良いのですが,周りを見渡すと意外と続かない子がいるのが不思議なところです。
とはいえ毎月購入できるわけですから,まずは様子見で1ヶ月,例えば夏休みなどの長期休暇の間などに利用してみるのが良いかと思います。
それで続けば万々歳ですし,たとえ続かなかったとしてもダメージとしては痛くありません。
その場合は,先に紹介したスタディサプリでも英検の総合教本でも代わりに試してみれば良いだけの話です。
最後までお読みいただいた方,誠にありがとうございました。