入試改革

センター試験に代わるテストは「共通テスト」に決定!

大学入試センター試験に代わる新しいテストの名前ですが,2017年に決定し,大学入学共通テスト(略して「共通テスト」)と名付けられました。

そしてそれから2年という月日の中で数回のプレテストが行われ,何事も順調かと思われていたところ,つい1ヶ月ちょっと前に,同じく入試改革の1つである「大学入試英語提供システム」の実施が延長となり,2019年の12月にはこの「共通テスト」の記述式導入が見送られることが決定してしまったわけです。

文部科学大臣の発言からは実施に支障をきたす問題点がいくつか提示されたにすぎませんが,記述式がなくなったことで,以前から計画されていた配点やテスト時間には間違いなく変更が出るのは明らかです。

もっとも,共通テスト自体はなくならないため(それこそなくなったら一大事ですが),新しい出題のされ方などについてはこれまでの記事内容もまだ価値はあるものと思われます。

本記事では,従来のセンター試験と共通テストの違いや,最新ニュース(あくまで信頼のおける文科省発表のもの)を中心に最新情報をまとめてきました。

今後は各種報道により注意しながら,動向について見守っていく所存ですので,みなさまどうぞ宜しくお願いします。

 

 

大学入学共通テストと従来のセンター試験との類似点

Skitterphoto / Pixabay

共通テストは,2020年度(2021年の1月)に1回目が実施される,これまでのセンター試験に代わる新しいテストの呼び名です。

つまり,2021年の4月から大学生になりたいという高校生にこのテストが適用されることになります。

ここでは,従来のセンター試験と比較しながら,どのような類似点や違いがあるのか見ていきましょう。

まずはセンター試験との類似点からになりますが,要点だけまとめますと,

  • 日時に変更なし
  • 科目に変更なし
  • マーク式主体に変わりなし
  • 英語もリーディングとリスニング試験の2つがあることに変わりなし

となっています。

「入試改革」だと聞くと劇的に変わるような印象を受けますが,そこまでではありませんのでご安心を。

もう少し説明を加えていきましょう!

実施日時に変更はなく,これまでと同じ1月中旬(正確には13日以降の最初の土日)に行われます。

また科目についても「倫理,政治経済」という,「倫理」と「政治経済」を総合した名前の科目が誕生したことを除けばほとんど変更はありません(これまでの「倫理」だけ,または「政治経済」だけの科目も別に存在しますし)↓↓

共通テストの科目2020

もっとも科目については「2024年度以降,新学習指導要領を前提にさらに改革が進む」とのことですが,まだ数年間は猶予があります。

ちなみに試験料については,英語で外部の検定試験が導入されることもあり,そちらでの負担増を鑑みて,共通テスト自体の料金はセンター試験に比べてやや安くなるかもと予想していましたが,民間試験の導入が延期となったため,少々厄介なことになりそうです(返金手続きにも時間がかかっていますし)。

今回の記述式導入の見送りにより,採点官の育成や手配にこれまで以上に気を遣わなければならなくなり,手間が色々と増えることは確実でしょうから,ここは全く期待しないでおきましょう。

次にテスト内容ですが,数学Iと現代文(国語総合)を除いてマーク方式のテストであるはずでしたが,初回のテストはすべてマーク式になるのでほとんど従来と変わりありません(が後述するように,マークテストの問題内容自体がこれまでと異なることがわかっており,例えば答えが一つとは限らない問題も出題されてくるなどの変更はあります)。

気になる共通テストの英語の試験方式についてですが,従来と変わらず「読む」能力と「聴く」能力を問う予定です。

もっとも例の民間検定試験が導入されれば,共通テストの英語はいずれ廃止になるのが当初の予定でした。

なお,上で言う『共通テストの英語試験』というのは『大学入試センターが作成した英語試験』のことを指し,民間の試験(いわゆる英検2020とかTEAPとか)は『大学入試英語成績提供システム』によって運用されるものです。

外部にゆだねるしかなくなった背景にあるのは,英語の「話す」と「書く」能力は一斉に多くの受験生が集まる通常の共通テスト形式で行うのは不可能だという見解のためでしたが,今は以下の記事にて最新情報をまとめています↓↓

当初の発表としましては,民間の試験に完全に置き換わるまでの間は両方の試験が利用できる状態がしばらく続くということで,入試で外部検定試験の結果だけを使うのか,それとも共通テストだけを使うか,はたまた両方とも使うのかは大学側が自由に決められることになっていました。

 

 

共通テストとセンター試験との相違点

次に従来のセンター試験からの変更点についてですが,簡単にまとめると共通テストには以下のような変更点が含まれます(現在の所,未定になってしまった部分が多いため,当初の予定中心で書いています)。

  • 記述式問題が登場し,試験時間が増えた
  • 英語は外部検定試験がメインになる
  • 英語の配点も異なる
  • 思考力を問う問題中心に変わる
  • 従来とは異なるタイプのマーク形式

まず,問題形式が記述式になるということについてですが,これはまず,国語と数学の2科目おいていつかの共通テストで導入される予定です。

そもそもの話では,2020年度に国数,2024年度から地歴公民や理科においても導入されることが決まっていました。

注意ポイント

記述式の今後について現在のところ何も発表されていないので,前に発表されたことを詳しくまとめておくことにしますね。

国語の記述問題ですが,これはあくまで現代文における出題に限るとのこと(古文や漢文の問題において記述式が採用されるわけではありません)。

80字~120字の記述が1問,それ以下の字数で2問の計3問が記述式となりますが,マーク式の出題もこれまでどおり行われる関係上,記述式問題の大問はマーク式の問題とは別に出題される予定です。

これまで大問は,現代文2題・古文1題・漢文1題だったのですが,それにもう1つ記述用の問題が追加になる感じです。

そのために時間は20分伸びて,合わせて100分で解くことになる予定でした。

次に数学ですが,これは数学Iを含む科目,つまり「数学I」と「数学IA」の科目において,数式や問題解決の方略などを書かせる問題が3問出題されるはずでした。

最初自分は,「証明問題なんて時間ばかりかかってしょうがないよな」と思っていましたが,複数の解法があるような証明問題は出題されないとのことで,あくまで計算式であったり,誘導のある証明問題の一部分を書いて埋める感じです(なお,初年度は短文は見送られ,数式を書かせるだけの出題に変更になりました)。

こちらの問題は大問の中に混在されるため,国語と違って記述用の大問が別に用意されるわけではありません。

とはいえ時間は全部で70分に変更となり,これまでのセンター試験より10分だけ長くなっています。

 

3つ目の英語ですが,先ほど言ったように,共通テスト以外の外部検定試験が併用されます。

比較しやすいように『CEFR』という一定の基準が設けられ,試験の種類が異なってもどのくらいのレベルなのか判断されることとなりました。

これまでは「私は英検準1級取得したから,TOEICだと750点相当かな」といった会話が,今後は「私の英語力はB2レベル」と簡単に言えるわけです(A1・A2・B1・B2・C1・C2といったレベル分けになります)↓↓

本当のところ,例えば英検の取得級とCEFRがピッタリと対応しているわけではないのですが(例えば準1級の満点取得者はC1レベルの能力を持っているにもかかわらず),成績提供システム上はB2とみなされてしまうのがやや特殊なところです。

そのようなあいまいなところも含みますが,外部試験とCEFRの基準については以下の表のようなものがこれまでに提示されています↓↓

CEFRと民間試験対照表

この外部試験ですが,1年間(4月から12月の間)で最大2回受けることができ,その結果は大学入試における「出願資格・試験免除・得点加算・総合判定の1要素」のいずれかに使われるとのことで,大学によって,足切り点として使われたり個別試験の英語の得点に加点されたりする予定でした。

ちなみに民間試験に完全に置き換わる前の,『大学入試センターが作成した共通テストの英語試験』においては,リスニングが50点→100点満点,リーディングは200点→100点満点と変更になり,より聴く能力に対する配点のウエイトが高まる予定です

 

最後に一つ。選択問題のについても変更があります。

これはどういうことかというと,これまでのセンター試験では,ほとんどの問題が4択から1つを答えとして選んでマークするものでした。

それが2020年度以降の共通テストでは,マークで正解が複数あったり,数値や記号をマークすることが多くなるということで,従来のセンター数学ではそういう問題がすでに出題されたこともあります。

ですが,共通テストでは数学に限らずあらゆる科目において,問題の内容自体がこれまで以上に思考力・発想力・論理力・要約力などを問われるものに変わるとのことです。

ここまでの内容につきまして,以前のものにはなりますが,文部科学省による『全科目の一覧』と『共通テストの問題作成方針』を以下に載せておきますので,宜しければ参考にしてください↓↓

 

 

大学入学共通テストのまとめと今後の予定

Zorro4 / Pixabay

以上,高大接続改革の目玉のような位置づけの,『センター試験の廃止と共通テストの導入』についてまとめてきましたが,これまで以上に論理力や思考力などが求められる内容になっているのは明らかです。

苦手な人が多いと思いますが,初見の問題において問題文を正確に読む力は特に求められることになります。

全体的に受験者の負担は増えることになりますが,現在の生徒をみると,ただ知識を丸暗記しているけれど,それをどのように現実社会に応用すればいいのかわからない子どもが多いのも事実です。

そのため,このように思考中心のテストになれば否が応でも頭を使う必要が出てきて,真の意味で賢い子が評価されるようになるわけですから社会的には悪いことではありません。

今やインターネット上に知識は転がっていて自由にアクセスできる時代なわけですから,現代人は,「知識として持っている量が多い」ことよりも,「どこにアクセスすればその知識が素早く得られるのか知っていたり,その知識をどうやって使うか」,言うなれば知識を使うための知識が必要になります。

読む力も高めて論理的に順を追って理解できるようになれば,さらに「丸暗記した知識も忘れにくく」なりますよ。

もちろん,この共通テストがそういった能力を正しく評価できるのかということについてはいくつか懸念材料があり,実際にそれが露呈してしまったのが記述式導入見送りにつながったのですが,プレテストの結果や有識者の意見をもとに,しっかりと整備されていくことを心から望みます。

共通テストの実施にまつわる当初の予定については,以下を参考にしてください↓↓

プレテストの結果と分析については以下の記事をどうぞ↓↓

最後までお読みいただきありがとうございました!

  • この記事を書いた人
blank

スタディサイト管理人

都内の塾運営にかかわってから,講師歴も15年以上になりました。小学生から高校生まで学校の定期テストから大学入試まで幅広く教えています。最近の関心事は「教育改革」で,塾に入ってくる情報に加え,セミナーや書籍,信頼のおける教育機関より得た情報をWebにまとめてみました。ネットを介したやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てたらと思います。
twitterLINE

-入試改革

© 2020 スタディサイト