大学入学共通テストとは?センター試験と何が違うの

大学入試センター試験に代わる新しいテストですが,2017年にはその正式名称が決定し,以降は「大学入学共通テスト」と呼ばれることとなりました。

その後,数回の試行調査が行われ,難易度調整以外は順調かと思われていましたが,2019年になると,同じく入試改革の目玉であった「大学入試英語提供システム」の実施が見送りとなり,さらにその翌月には,共通テストの記述式問題の導入を見送ることが決定してしまったわけです。

もっとも,共通テスト自体は当初の予定通りに実施され,新しい出題形式に関しても,試行調査の記事で語った内容が,そのまま判断材料として使えるように思われます↓

大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)の結果について

大学入試センターから「大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)」の日程が発表されたのは,2017年の10月のことです。 しかし2019年,英語の成績提供システムと共通テストの記述式問題の導入が見送りとなってしまい,コロ ...

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さて,本記事ですが,従来のセンター試験と共通テストの違いや,文科省のHPで公表された内容のうち,役立つと思われるものを中心にまとめてみました。

情報については随時更新中ですので,たまに当ページを見返していただき,変更がないか確認するのに使っていただけたら幸いです。

大学入学共通テストとセンター試験の類似点

教壇に置かれた筆記用具

大学入学共通テストは,2021年1月に第1回目が実施された,これまでのセンター試験に代わる新しいテストです。

2021年の4月以降に大学生になりたい方は,この共通テストを受験することになります。

とはいえ,センター試験と全く別物に変わってしまったわけではありません。

ここではまず,センター試験との類似点について見ていきましょう!

以下に要点を簡単にまとめると,

  • 日時にほぼ変更なし
  • 科目にほぼ変更なし
  • マーク式主体に変わりなし
  • 英語の試験も読むと聞くが中心

となっています。

「入試改革」と聞くと,劇的に変わったような印象を受けるかもしれませんが,そこまでではありませんのでご安心ください。

以下でもう少し説明を加えていきましょう。

実施日時に変更はなく,これまでと同じ1月中旬(正確には,13日以降の最初の土日)に行われます。

コロナの影響で,初年度には追試験の日程が余分に設けられましたが,2022年以降はこれまで通りの1回です。

なお,科目については学習指導要領が新しくなるたびに改革が進むとのことですので,2025年1月の試験を受ける方は今とは別の内容になりますが,少なくともそれまでの数年間は変化ありません。

ちなみに,試験料についてもこれまでと変わらず,3教科以上18,000円,2教科以下は12,000円です。

次にテスト内容ですが,数学Iと現代文(国語総合)には記述式が導入される予定でしたが,見送りとなったため,完全にマーク式のままとなっております。

気になる,共通テストの英語の試験方式についてですが,書くと話す能力については測定されません。

実は,話す能力を測定したいがために民間の検定試験が導入される予定だったわけであり,共通テストの英語試験はいずれ廃止となるのが,当初の予定でした。

しかし,2021年10月の発表をみると,2025年1月に実施される共通テストにおいても,英語は廃止となっていません。

なお,ここで言う「共通テストの英語試験」とは,「大学入試センターが作成した英語試験」のことを指し,民間の検定試験というのは,かつての「大学入試英語成績提供システム」で運用されるはずであった英検やTEAPのようなテストのことです↓

大学入試英語成績提供システムについてまとめました

本記事は,かつて実施が予定されていた「大学入試英語成績提供システム」についてまとめたものです。 2020年度から始まる共通テストの枠組みの中で,英語という科目においては,民間の資格検定試験の成績を活用するはずだったのです ...

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共通テストとセンター試験との相違点

色違いの靴

ここでは,従来のセンター試験からの変更点についてまとめますが,共通テストには以下のような変更点が含まれます↓

  • 試験時間が増えた
  • 英語の出題内容にあった「筆記」が「リーディング」になった
  • 英語の配点がこれまでと異なる
  • リスニング重視となり,1回しか読まれない問題も登場した
  • 思考力・判断力・表現力が問われる問題が加わった

問題形式が記述式になるという話については,数学Iと現代文(国語総合)の2科目で導入される予定でしたが,見送りとなりました(そもそもの話では,2021年に国数,2024年から地歴公民や理科において導入されるとの噂でした)。

数学①(IとIA)についてのみ,試験時間が全部で70分に変更となり,これまでのセンター試験より10分だけ長くなっています。

なお,2025年の共通テストからは,数学②(IIBC)も70分になり,国語も10分延びて90分となる他,「情報」という教科が追加になることが変更点です(60分)。

ちなみに,2021年の共通テストの英語試験から,その出題内容が従来の「筆記・リスニング」から「リーディング・リスニング」となった上,リスニングが50点→100点満点,リーディングは200点→100点満点に変更となり,聴く能力に対する配点のウエイトがより高まりました

リスニングは1回読みの問題が混ざるようになり,大問数にすると4つが1回読みです。

理科系の科目(物理,化学,生物,地学)では選択問題は出題されません。

問題の質についても変更があります。

センター試験では知識や技能のみを問われていましたが,共通テストではその2つに加えて,思考力・判断力・表現力が追加されました。

これまで以上に,思考力・発想力・論理力・要約力などが問われることになり,なんとなくで解くことがないよう注意したいものです。

2021年と2025年実施の共通テストにおいて,大きく変更となる科目をまとめておきましょう↓

2021年 2025年
地理歴史 世界史A,世界史B,日本史A,日本史B,地理A,地理B 地理総合+地理探究,歴史総合+日本史探究,歴史総合+世界史探究,地理総合+歴史総合+公共
公民 現代社会,倫理,政治経済,倫理+政治経済 公共+倫理,公共+政治経済,地理総合+歴史総合+公共
数学② 数学II,数学II+B,簿記会計,情報関係基礎 数学II+B+C
情報 なし 情報I

6教科30科目から7教科21科目となりますが,名称が変わっていなくても,学習内容に多少の変化がある場合があります。

なお,実際の共通テストを分析した記事については,以下で解き方をまとめているので参考にしてください↓

本の上に置かれた眼鏡
共通テストの解き方!科目ごとの得点や時間の目安

本記事は,2021年に開始となった大学入学共通テストの解き方についてまとめたものです。 とはいえ,毎年難易度であったり問題形式が変わることが常ですし,あくまで過去のデータをもとに語ることしかできませんが,それでも解き方に ...

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今年度の共通テストについて

デスクに置かれたパソコンとスマホ

これまでの内容と被るところもありますが,本章では今年度【2022年1月実施分】の共通テストについて,実施要項の内容をまとめておきましょう↓

  • 受験案内:2021年9月1日より入手可能
  • 検定料の払込期間:2021年9月1日~10月7日
  • 出願期間:2021年9月27日~10月7日
  • 料金:18,000円(3教科以上),12,000円(それ以外)
  • 試験日:2022年1月15日~16日,1月29日~30日(追試)

補足としまして,2021年10月27日までに確認ハガキが,12月15日までに受験票や成績請求票などが届きます。

また成績開示を希望する場合には,追加で800円を支払い,2022年4月1日以降に届くとのこと。

試験科目は,

15日:地歴公民(2科目受験は9時30分~11時40分,1科目受験が10時40分~11時40分),国語(13時~14時20分),外国語(筆記15時10分~16時30分,英語リスニングは17時10分~18時10分)

16日:理科①(9時30分~10時30分),数学①(11時20分~12時30分),数学②(13時50分~14時50分),理科②(2科目受験は15時40分~17時50分,1科目受験は16時50分~17時50分)

です。

例年,試験時間を勘違いする受験生が一定数いるので注意しましょう。

昨年に行われた共通テストのデータによれば,公表になった志願者数は53万5,245人です。

その他で気になるニュースとしては,マスクに書かれた企業名の英語は,不正行為にはあたらず問題ないとの回答でした。

なお,本章の内容については,以下の文部科学省と大学入試センターの情報を中心にまとめました↓

 

まとめ

展望台の様子

高大接続改革の目玉のような位置づけの「センター試験の廃止と共通テストの導入」ですが,これまで以上に論理力や思考力などが求められる内容になったことは明らかです。

苦手に感じる受験生も多いように思われますが,初見の問題において問題文を正確に読む力は特に求められることになりますし,その後の国立2次や私大入試においても同タイプの問題は増えていくので,これもまた時代の流れだと腹を括りましょう。

全体的に受験者の負担は増えることになりますが,現代の生徒というのは,ただ知識を丸暗記しているけれど,それをどのように現実社会に応用すればいいのかわからないことが多いことも事実なわけです。

そんな中で,このような思考中心のテストが出てくれば,否が応でも頭を使う必要性が生じ,真の意味での賢い子が評価されるようになるわけですから,社会的には悪いことではありません。

今やインターネット上に知識は転がっていて自由にアクセスできる時代なわけですから,現代人は,「知識として持っている量が多い」ことよりも,どこにアクセスすればその知識が素早く得られるのか知っていたり,その知識をどうやって使うかといった「知識を使うための知識」が必要になります。

読む力を高め,論理的に順を追って理解できるようになれば,さらに「丸暗記した知識も忘れにくく」なるはずです。

もちろん,この共通テストがそういった能力を正しく評価できるのかということについてはいくつか懸念事項があり,実際にそれが露呈してしまったのが記述式の導入見送りにつながってしまったわけですが,今後も積み重なった知見と有識者の意見をもとに,しっかりと整備されていくことを望みます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

-入試改革

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スタディサイトの管理人

都内の塾運営にかかわり,講師歴も15年以上になりました。小学生から高校生まで幅広く教えています。最近の関心事は教育改革で,塾に入ってくる情報に加え,信頼のおける情報をまとめてみました。ネットを介したやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てたら幸いです! twitterLINE