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数学の勉強ノートの書き方!日常使いから模試対策まで

今回は「数学の勉強ノートの書き方」について,日常的に使えるものから模試対策に使えるものまで,実例とともに紹介していこうと思います。

定期テストの点数が悪かったとき,試験直前期の勉強が足りなかったことが主な原因だと考えがちですが,実際は日ごろの準備不足が原因である場合がほとんどです。

そして,その準備こそが普段からのノート作りに他ならないのですが,例えば数年前に作ったノートを今現在の勉強に役立てられているでしょうか。

学校のテストでも大手予備校が開催する模試でも構いませんが,当日,情報カードを鞄からサッと取り出して確認しているような生徒は良い結果を残すことが多いですし,普段からマインドマップを作って進捗状況を確認できるようにしていれば,取りこぼしなく本番に臨むことができます。

今回紹介するものは普段,塾で指導しているものの一部にすぎませんが,使えそうな勉強ノートがあれば各自アレンジして,毎日の勉強に生かしていただけたら幸いです。

日常使いできる数学ノートの書き方

数学のノートを取る生徒

日常的に使う数学ノートは,学校の授業を受けながら作り上げていくものなので,毎日少しずつライバルたちに差をつけることができます。

このとき,

  • 復習しやすくする
  • 答案を書く力を高める
  • 集中力を高める

という3つの目的でノートを書くことが大切です。

以下で,いくつかの勉強ノートを具体的に見ながら,どのように各目的に働きかけていくことになるかを確認していきましょう!

余白を空ける

こちらに関しては,どの教科の勉強ノートを書く際にも語っていますが,余白を取ることは,勉強ノートを書きあげる際に必ず意識すべきことです。

数学の場合,書き方さえ工夫すれば勝手に余白が生じることになるので,何か特別なやり方を普段から実践している人でなければ,計算や問題番号を縦に揃えるところからとりあえず始めてみてください。

普段,何も意識しないでいると,以下のようなノートを書いてしまっているように思われます↓

余白のない数学ノート

問題集をやった際に答えだけ書く生徒がいますが,ノートがもったいないと思って詰めて書くことが多いようです。

ですが,これでは余白として使えるスペースがありません。

それに対して,同じ問題を,縦にイコールを揃えて改行して書いてみるとどうなるでしょうか↓

余白のある数学ノート

上のノートでは,元の式を書いていたり,問題と問題の間を数行空けるなどの工夫がみられたりもしますが,右側部分にかなりの余白が生まれていることがわかるはずです(省略しましたが,タイトルや問題番号を省かずに書く他,筆算は対応する問題の右に書くことも大切です)。

もっとも,この段階ではまだ計算を終えたばかりで,最初に見た,詰め込んで余白のないノートであっても,さほど問題があるように感じられないかもしれません。

しかし,この後,丸付けを行おうと思った際,空けた余白の効果が表れてくることになります。

 

丸付けを行い余白に書き込む

問題を解いたらすぐに丸付けを行いましょう!

このとき間違えてしまった問題があれば,その原因を自分なりに分析して余白に書き込むようにしてください

自分の言葉で,自分の感じたままに書くことで,初めて数学の力が伸びるのです。

なお,原因が計算ミスであればその場で解き直し,自力で正解できることを確認します。

また,先生に指摘された部分があれば書き込んでおきましょう。

どんな言葉が後々の気づき(開眼すること)の助けになるのかは,後になってみないとわからないものです。

以下の例では,やり直しを行う際,赤ペンで解き直して青ペンで丸付けしたり,先生に後でコメントされた内容を四角で囲んで区別したりしていますが,先ほどのノートは以下のような感じに仕上がります↓

書き込みをした数学ノート

問題と書き込みの対応関係が明確ですし,余白を取っていなければこのような書き込みをすることはなかったでしょう。

一番最後の問題では,筆算も右側に整然と書かれていますね。

簡単な計算問題1つ取ってみても,ノートの取り方でこれだけの差が出るのです。

 

マインドマップにまとめる

数学の教科書の単元(1章分)が終わったら,マインドマップなどを使って,学んだ技法や知識についてまとめておきましょう↓

これは,いずれ来る定期テストの前などに総復習する際に使います。

これまでに何枚書いてきたかという経験値がそのままマップの上手さに直結するので,慣れるとすぐに書けるようになりますし,完成形が大きな樹木(ツリー)になるように書いておくと,最後に赤やピンクのペンを使ってチェックした形が満開の花のように見えるので,楽しく勉強できるはずです↓

数学のマインドマップ

もっとも,これは「スパイダー図」と呼ぶべきもので,厳密な意味の「マインドマップ」ではないと断っておきます。

何にせよ,やるべき単元が一覧できる状態になっていることが重要で,進捗状況を書き足すことで焦らず取りこぼしなく勉強できるところが魅力です。

 

ボールペンで書く

日常使いの勉強ノートにおいて,消しゴムの登場頻度は意外と少ないものです。

そこで提案なのですが,日頃からボールペンでノートを書いてみるのはいかがでしょうか

ボールペンはシャープペンよりも線が細く,書き心地は滑らかで,集中力を高める効果もあります。

最近,塾の卒業生が就活するということで,エントリーシートを添削してくれと頼まれることがあったのですが,企業に送付する資料はボールペンで書くことになるわけです。

横でみていると,添削された内容を間違えないよう集中して書くので,字は普段よりもきれいに書けていましたし,書き損じはそれほどありませんでした。

これと同じことが,数学の勉強ノートを書くことでも実践でき,間違えないように書くことで程よい緊張感を生み,さらには自分の間違いを消しゴムで消して,なかったことにしてしまうことをも防げるわけです。

他にも,難しそうな図形問題の図だけをボールペンで書いておけば,そこに鉛筆で補助線などを書き加えて試行錯誤しながら,何回も消しゴムで消すことになったとしても,最初の図は消えることなく残り続けます。

 

図は正確かつ早くキレイに書く

生徒がどのような図を書くかに注目するだけでも,数学の実力はある程度わかってしまうものです。

試しにみんなを集めて,ノートに大きな円を書いてもらってそれを比較してみてください。

より本物に近い丸みで書けている生徒ほど偏差値が高かったりします(左が偏差値70の生徒のフリーハンド図で,右の赤丸は後から付け足したものです)↓

フリーハンドと正確な円

ところで,数学において図を書く際の基本姿勢は「大きく・フリーハンドで・非対称に書く」ことです。

初学者の段階ではできるだけ大きく図を書いた方が,書き込みをした際に見づらくなりませんし,テストでは定規を使わずに図を書くことになるので,日ごろからフリーハンドに慣れておきましょう。

「二等辺三角形」などと条件が指定されていない限り,なるべくゆがんだ三角形を書く方が,誤解するリスクを小さくできます。

それ以外に,ノートの罫線を使うことで正しい比率で図が書けることも知っておくべきですし,正四面体や立方体を上手に書くことがすごく難しいことはご存じでしたか。

例えば,正四面体ABCDのCDの中点をEとし,線分AEと高さAFを書き加えてみてください。

下の画像の①に解答例を示しましたが,下手に書くと色々な点が重なってしまうでしょう↓

数学に出てくる様々な図形の例

また,ノートの罫線を利用して正確な比を記載したものが②の図です。

こちらは中学で相似比を学ぶと,より理解が深まるでしょう。

なお,③と④の図では,同じ形の立方体であっても,アルファベット(ラベル)の位置を違うふうに書いてしまうだけで,中の四面体DLMNの様子が大きく変わってしまうことを示しています。

なんだかイメージしづらい立体が書けてしまった際には,ラベリングを意識してみてください。

 

 

模試に役立つ数学ノートの書き方

数学のテストを手にした生徒

記事の後半では,模試で使える数学ノートの書き方についてまとめてみます。

すぐに実践できるものから,毎日少しずつ作りためておくものまで紹介しますが,数年前のノートがどこにあるのかわからない生徒が多い現状を鑑みると,長きにわたって使うことができるノートを作れるようになってほしいものです。

かつての私のように,テストが終わるごとにゴミ箱に投げ捨ててしまってはいけません!

注意書きをしてから始める

これは最も簡単な方法で,ノートの欄外のところに注意点を書き込んでから始めるというものです。

沢山の指示を書き込んでしまうと意識が分散してしまうので,あえて1つに絞って書くことがポイントで,なるべく具体的な指示にすることを心がけましょう。

例えば,「ケアレスミスに気を付ける」などとぼんやりした内容を書くのではなく,「マイナスが出てきたときの符号ミスに気を付ける」と書いたり「答えが出たら検算する」などと書いたりします。

なお,これは模試でも使えるテクニックですので,解答用紙の欄外に注意点を大きく書いてから解き始めてみてください。

 

線で区分けして計算する

これは主に,模試の問題用紙に対する書き方の指導になりますが,普段であればわざわざノートに線を引いて分割してまで余白を取るようなことはしません。

というのも,線があることで余白部分が減少してしまうからです(日常用のノートで余白について述べた際も,縦に揃えて書くだけで線までは引きませんでした)。

ところが,テストにおいては線を敢えて引くようにして明確に区分けすることで,どこに自分の計算式があるのかが明確になります。

スペースは意外と小さいので,こういった工夫が生きるわけです。

すぐ上で触れた「注意書き」(赤矢印)も含めると,答案用紙は最終的に以下のようになります↓

区分けして注意書きを加えた問題用紙の例

このような書き方を,模試でいきなり実践しようと思ってもできません。

前に受けた模試の問題用紙があれば,それを使ってあらかじめシミュレーションしておきましょう!

 

授業ノートに類問を関連付ける

対人でもオンラインでも構いませんが,授業を受けたら,その内容を覚えているうちにワークや問題集の類問の番号をノートに記載しておくようにします

「よく復習しておくように」と先生に言われて,ノートに写し取った解き方をただ眺めているだけでは実力はそれほど上がりません。

そこで,授業でやった内容と同じ範囲の問題を,ワークや別の問題集から探して解くことをします。

そのときついでに,それらの類問を関連付けておくことで,定期テスト前に不安な部分だけを素早く解き直すことが可能となるわけです。

時間が経ってしまえば,一体どの部分を参考にすればよいのか忘れがちになってしまいますし,定期テストの前はやることが多く時間が不足しがちでもあるので,このようにやるべき問題が書かれていると,探す手間が省けて時短に繋がります↓

類題を関連付けたノート

なお,この方法は学校の定期テストに限らず,模試のために問題集を解く際にも応用できるので,普段から類題を関連付ける癖をつけておきましょう!

 

情報カードを作る

情報カードとは,B6サイズ程度の厚めの紙で作られたカードのことで,一昔前は「京大カード」などと呼ばれていました。

数学に限らず多くの教科で利用できますが,数学の場合,できなかった問題をコピーして表面に貼り,裏面に解き方を書いておきましょう↓

数学の情報カード裏面

このとき,どこから取ってきた問題なのか,出典をわかるようにしておくことが重要です(上だと「中3教科書223ページ」というところ)。

また,同じような類問をカード化して枚数を増やすのは得策ではありません。

被りがないよう,その単元の典型的な問題を厳選して作るのがポイントです。

上の情報カードを作ったときの余談ですが,ボールペンで書いてもらったおかげで,漢字の勉強にもなりました。

できあがるのは自分の苦手だけを集めたカードばかりですので,これらを普段から作っておくことで,定期テストや模試を受ける前に情報カードをシャッフルして解くことで,簡単に総復習ができてしまいます。

なお,折角カードにしているので,普段使いにおいては,情報カードを取り出し,解き方を電車の中で眺めるだけで十分です。

そして試験前に,「これは解ける自信がないな」と思った問題だけを実際に手を動かして解くようにしてください。

受験勉強をいざ始めようと思った際には,こうした情報カードの用意がある人とない人では勉強効率に大きな差が出てしまいます。

作ったカードは,パンチで穴を開けるなどしてまとめておきましょう↓

情報カードとカードリング

 

素早く解く練習をする

幼少期にkumonで学んだり,そろばん教室に通ったことがあったりする生徒は優れた計算力を有しています。

暗算が得意だと早く計算できるので,他の生徒よりも考える時間に余裕が生まれたり,見直しの時間も増えるため,総得点も高くなるものです。

受験では有利に事を進められることになりますが,そうした経験がない方は,タイムチャレンジ用のノートを作り,早く解くための練習をしましょう

用意するのは一通りやった範囲の問題集です。

試験の長さに慣れるためにも解くのに30分以上かかる問題をチョイスするようにしますが,選んだ問題にチェックを付けて目標時間を設定しましょう。

最近だと,学校で配られるドリルなどには制限時間が書いてあるものも多いので,それを利用してもよいでしょう(なければ一度自分で解いてみて,その時間を基準とします)↓

制限時間の設定された数学ドリル

ただし,書いてある制限時間のまま解くようなことはしません。

試験でやるよりも速いスピードで解くのがポイントなので,制限時間は基準の3分の1に設定しましょう!

上のページの問題は,設定どおりの18分ではなく6分でやります。

なお,挑戦の回数は「3回」としますが,もしも1回目で目標達成できてしまった場合は,もっと厳しい条件を設定してください。

塾での経験を基にすると,1回目は半分ちょっとまで進んだあたりで時間切れになってしまうものです。

解いたところまでを丸付けして間違いを分析したら,2回目の作戦を立てましょう。

もちろんこのとき,これまでに紹介したノート術を用いて,余白に分析結果を書き残したり,2回目の作戦をノートの上部に書くようにしてください。

次に2回目のチャレンジに挑みますが,初回のときと同じように最初から解き始めてしまえば,最後の問題にたどり着くことなく時間制限が来てしまうでしょう。

それならばどうしたらよいのかと言うと,2回目は「最後の問題からやっていく」のです。

ここで全問解き終えられなくても,半分以上はできたでしょうから,1回目と合わせれば全部の問題を1度解いたことになりますね。

そして丸付けして分析したら,いよいよ最後の挑戦となりますが,答えを覚えている部分はその記憶にも頼り,途中式を大胆に省くなどすることで信じられないスピードで解くことが可能になるわけです。

こうしたトレーニングを通して,どうしたら早く解くことができるようになるのか身をもって体験しておくと,模試や定期テストでその感覚が役立ってきます。

 

 

まとめ

机に置かれた数学のノート

以上,数学の勉強ノートの書き方について,日常的に行えるものから模試を意識した方法まで,いくつか紹介してきました。

簡便にするため,例はすべて中学の内容から取ってきましたが,もちろん高校の内容も同じように行うことができます。

プランブロック式勉強法!理系で独学するなら必読のところで紹介した参考書では,はるかに多いテクニックが紹介されていましたが,しっかりとした塾であれば当たり前のように指導されていることに安心しました。

それにもかかわらず,世の中をみれば,数学が苦手な方でこのようなノートを取っている方はまだ少数派でしょう。

自分の親で数学が苦手だと言う方が身近にいたら,どのようなノートを取っていたのか尋ねてみてください。

きっと,勉強ノートは満足なものが作れていなかったと答えるはずです(もちろん,その責任は指導者に恵まれなかったことにあります)。

是非,長期的な視点で,情報カードや類題の関連付けなどを行いながら,自分なりの勉強ノートを作り上げてください。

こうした経験は,社会人になって色々なことを学ぶ際にも応用できるので,決して無駄にはなりません。

勉強法やノートの基本については,令和時代におすすめしたい勉強法とノート術も参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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スタディサイトの管理人

通信教育の添削や採点業務に加え,塾や家庭教師を含めた指導歴は20年以上になります。東大で修士号を取得したのははるか昔のことですが,教授から「ここ数年で一番の秀才」と評されたことは今でも私の心の支えです。小学生から高校生にまで通ずる勉強法を考案しつつ,気に入って使っているスタディサプリのユーザー歴は6年を超えました。オンラインでのやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです!

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