受験勉強に勤しんでいる子どもへの差し入れ,何にしようか迷う親御さんは多いのではないでしょうか。
良かれと思って夜食にカップ麺を持っていっても,満腹になって眠くなってしまうことがあります。
そのため,代わりにラムネ菓子を用意するご家庭もあるようです。
最近では,ラムネ菓子を棋士が対局中に食べていたりアイドルが持ち歩いていたりする姿もよく目にします。
ラムネ菓子を選ぶ際のキーワードは「ぶどう糖」です。
個包装になっている超大粒のものをよく見かけます。
もちろん,果物や清涼飲料水からも糖分は摂取できますが,その場合,摂りすぎてしまう恐れが出てきます。
20年にわたる教育現場での指導経験の中で,生徒の様子を見ていると,レッドブルやモンスターエナジーといった,大人向けのエナジードリンクを机に置いていることがありました。
しかし,これらはカフェインを多く含むため,成長期の子どもには推奨できません。
とはいえ,子どもたちの目には「元気が出る飲み物」が大変魅力的に映ります。
親が自宅で栄養ドリンクを飲んで奮い立っているのを見ているのに,自分だけが禁止されることには納得できないでしょう。
そんなときには「子ども用の栄養ドリンク」が候補になります。
今回の記事では,小中高生が頑張る際の差し入れとして,栄養剤を安全に活用するポイントについてまとめていきます。
子どもに栄養ドリンクを使う場合は,対象年齢,用法・用量,カフェインの有無を必ず確認してください。持病がある場合,薬を服用している場合,体調不良が続く場合は,医師・薬剤師・登録販売者に相談するのが安心です。栄養ドリンクは,睡眠や食事の代わりではなく,あくまで補助的に使うものと考えましょう。
大人用の栄養ドリンクやエナジードリンクの注意点

栄養ドリンクと言えば,仕事の差し入れとして定番です。
長年の指導現場でも,保護者の方からリポビタンDを差し入れていただくことがありましたし,ちょっと高めのものを配達員の方へのちょっとしたお礼に用意しておくと案外喜ばれるものです。
自分の体調が悪いときに用いるのがメイン用途ですが,栄養ドリンクを渡すという行為は,社会においてコミュニケーションを円滑にしてくれます。
大人の場合,忙しいときや疲れを感じたときに,栄養ドリンクを気分転換の一つとして使うことがあります。
液体タイプは手軽に飲めるため,差し入れとしても扱いやすいです。
一方で,錠剤タイプは持ち運びやすく,コスパを重視したい人に向いています↓

しかし,これらはあくまで大人の世界(18歳以上)での話です。
特別なものを除き,小学生や中学生には服用できません。
エナジードリンクは清涼飲料水に分類されるため,大人用栄養ドリンクのような「15才未満は服用しないでください」という注意書きが存在しない商品もあります。
ただし,カフェインを含むものが多く,子どもが日常的に飲むものとしては慎重に考えたいところです。
子どもにとってのカフェイン摂取リスク

カフェインと聞くとコーヒーが真っ先に浮かびますが,小中学生で好んで飲んでいる子どもは滅多にいません。
しかし,代わりに持参している紅茶や緑茶にも,カフェインが多く含まれていることを伝えると驚かれることがあります。
その他,エナジードリンクや清涼飲料水にもカフェインが添加されており,大体以下のような配分です↓
- 緑茶ペットボトル1本(500ml):約100mg
- コーヒー1缶(190ml):約100mg
- コーラ1缶(355ml):約40mg
- エナジードリンク1缶(250ml):約80mg
低濃度のものであっても,がぶ飲みしてしまえば結構な摂取量になります。
カフェインの摂取目安は国や機関によって異なりますが,厚生労働省のQ&Aでは,カナダ保健省の目安として以下の数値が紹介されています(参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」)↓
- 4~6歳は約45mg
- 7~9歳は約62.5mg
- 10~12歳は約85mg
- 13歳以上の青少年は約2.5mg×体重kg
なお,消費者庁も,カフェインは感受性の個人差が大きく,子どもや妊婦,授乳中の方,カフェインに敏感な方は摂取を控えめにするよう案内しています(参考:消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」)。
たとえば体重50kgの青少年の場合,2.5mg×50kgで125mgが一つの目安になります。
カフェイン80mg前後のエナジードリンク1本だけなら目安内に収まる場合もありますが,他の時間にお茶を飲むこともあるはずです。
そのため,子どものうちはカフェインの摂取を極力控えようと意識付けておくことが重要です。
成人に対しては1日400mgまでという目安が紹介されることもありますが,体格や体質,睡眠への影響には個人差があります(妊婦や授乳中の女性は胎児への影響があるため200~300mg)。
いずれにせよ,成長期の子どもの取り過ぎにはくれぐれも注意してください。
私なら,子どもにはまず子ども用のものを選びます。
差し入れに選びやすい子ども用栄養ドリンク

栄養ドリンクは子どもの興味を引くアイテムです。
ここでは,特にウケが良い大正製薬の「リポビタンDキッズ」を例に,その魅力についてみていきましょう。
ノンカフェインの商品を選びやすい
まずは気になる成分からです。
最大のメリットは,キッズ用の栄養ドリンクにはカフェインが含まれていないことです。
その他,子どもの発育に良いとされるカルシウムなどの成分を含んでおり,子どもの「大人への憧れ」を程よく満たしてくれます。
栄養ドリンクとエナジードリンクの違いを比較してみましょう↓
| 子ども用の栄養ドリンク | 大人用の栄養ドリンク | エナジードリンク | |
|---|---|---|---|
| 分類 | 医薬品か医薬部外品 | 医薬品か医薬部外品 | 清涼飲料水 |
| 効能表示 | 栄養補給,虚弱体質,滋養強壮 | 栄養補給,虚弱体質,滋養強壮 | 明記不可 |
| 成分 | タウリン,ビタミン,カルシウムなど | タウリン,ビタミン,生薬,カフェイン | アルギニン,ビタミン,糖分,カフェイン |
| 用法 | 上限あり | 上限あり | 商品表示を確認 |
| 味の特徴 | 子どもが飲みやすい味 | 苦みがあって飲みにくい | 炭酸入りで甘い |
決して子ども騙しではなく,成長に必要な栄養源がしっかり配合されていることがわかります(参考:大正製薬「リポビタンDキッズ」)↓
リポビタンDキッズの成分
タウリン(800mg),ビタミンB1・B2(3mg),ビタミンB3(20mg),ビタミンB6(6mg),カルシウム(450mg),カルニチン塩化物(50mg),各種添加物
カルニチン塩化物はエネルギー代謝に関わる成分として知られています。
また,添加物としてブドウ糖も含まれており,ブドウ糖は脳の主なエネルギー源です。
ただし,これだけで集中力が上がると考えるよりも,勉強前後の気持ちを切り替える補助アイテムとして捉えるのがよいでしょう。
ビタミン群は正常な成長や疲労回復をサポートしてくれます。
ミックスフルーツ風味で飲みやすく,服用は1日1回1本とされています。
勉強前後の気持ちを切り替えやすい
スポーツと同様,勉強の結果に「やる気」が影響することは多々あります。
試験前や勉強後に飲むことで,「ここから頑張る」「今日はよく頑張った」と気持ちを切り替える合図にしやすいです。
試験前の気合入れとしてはもちろん,頑張った後のご褒美としてストックしておく子どももいます。
リポビタンDキッズは5歳から飲むことが可能で,ポケモンの可愛らしいパッケージデザインも子ども心をくすぐります↓
コンビニではエナジードリンクの方が目立つ昨今ですが,少量で大きな満足度を引き出してくれるのが栄養ドリンクの魅力です。
高校生になってからの栄養ドリンクの選び方

ほとんどの大人用栄養ドリンクは15歳未満を非推奨としていますが,高校生になれば通常のものを服用可能になります。
大人用になると成分の含有量が増加し,子ども用にはみられなかった成分も登場します(参考:大正製薬「リポビタンD」)↓
リポビタンDの成分
タウリン(1000mg),ビタミンB1・B2(5mg),ビタミンB3(20mg),ビタミンB6(5mg),イノシトール(50mg),無水カフェイン(50mg)
ただし,カフェインを含むものは夜に飲むと眠れなくなってしまう恐れがあるため,飲むタイミングには注意してください。
動画配信者の影響もあり,指導現場にいたころは,高校生の間でチョコラBBハイパーが話題になることもありました。
女性向けに見えますが,パッケージの印象ほど,利用者の性別を選ぶ商品ではないように感じます。
高校生が自分で買う場合,1本300円を超えるものは手を出しにくいものです。
普段は100円台で買えるもの(オロナミンCやリポビタンD,チオビタドリンクなど)をメインにし,ここぞというときに高価なものを差し入れてあげると喜ばれます。
錠剤でも構わなければ,持ち運びに優れコスパも高いです↓
ここで名前を挙げた商品の特徴を簡単にまとめておきます↓
栄養ドリンクごとの特徴
- オロナミンC:大塚製薬製造。ビタミンC・B2・B6の他,アミノ酸やはちみつを含む炭酸飲料。
- チオビタ:大鵬薬品製造。種類が豊富で,目的に応じて栄養素の取捨選択がしやすい。
- キューピーコーワ:コーワ製造。エゾウコギエキスやニンニク由来成分を含む。価格が安めで普段使い向き。
- ユンケル:佐藤製薬製造。使われている生薬がユニークでバリエーションが非常に豊富。
まとめ:栄養ドリンクは用法を守って補助的に使おう

栄養ドリンクとカフェインの関係や,子どもへの差し入れとしての魅力についてまとめました。
キッズ用栄養ドリンクはノンカフェインの商品を選びやすく,勉強前後の気持ちを切り替えるきっかけにもなります。
ただし,栄養ドリンクは睡眠や食事の代わりになるものではありません。
対象年齢や用法・用量を守ったうえで,補助的なサポートアイテムとして取り入れてみてください。
飲み終わった空き瓶を並べて「これだけ頑張ったんだ」と達成感を感じることもできるでしょう。
特に嫌なことに挑戦して頑張ったときには,その都度,ちゃんと自分を労うことが大切です。
私自身,幼少期に水泳教室に行くのが嫌でたまらなかったのですが,「ガチャガチャを1回やっていい」という親との約束のおかげで頑張れました。
栄養ドリンク1本がそのご褒美の代役を果たせるのであれば,積極的に使ってみるのも一つの手です↓
受験勉強は長期戦です。
色々試しながら,子どもにぴったりの1本を見つけてあげてください。
