今や私大受験生の2人に1人以上が利用している推薦入試ですが,みなさんは「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」という新しい名称に慣れましたでしょうか。
それらの試験を利用するためには内申点や学内外での業績が必要になる他,できればオープンキャンパスやワークキャンプに参加しておきたいこともあり,「この大学で学びたい!」という決意が固まってから動き出すのでは遅すぎます。
もちろん,いざとなれば「一般選抜」という選択肢が残されてはいるのですが,推薦試験を受ける可能性が少しでもあるのであれば,学校は決めずとも,多少の対策はしておくべきでしょう。
なお,最近は総合型選抜の対策を主に扱う予備校も,色々なところで目にするようになりました。
いきなりそういった塾の門戸を叩いてみるのも良いでしょうが,志望校も決まっていない状態ではなかなかにハードルが高いと感じるでしょうし,通う場合であっても,ある程度の知識を身に付けてからの方が有意義な時間が過ごせることも多いです。
そこで今回は,オンライン教育サービスの中から「スタディサプリ」を取り上げ,上記選抜試験に向けてどのような対策が可能になるかについてみていきたいと思います。
スタディサプリの総合型・学校推薦型選抜対策
「総合型選抜・学校推薦型選抜」は元々「AO・推薦入試」と呼ばれており,個別入学者選抜改革についてはすでに別記事にまとめました↓
とはいえ,名称含めて多少の変更はあったものの,対策すべき内容についてはこれまでとほとんど変わりありません。
ただし,より厳密に選抜試験が行われるようになったことは確かで,例えば,令和3年度の大学入学者選抜における文科省からの通知(令和2年5月公表)においても,実施案に,面接やプレゼンテーション,さらには模擬授業への参加や報告書の作成を取り入れた選抜方法が明示されていました。
なお,スタディサプリに存在する対策講座としては,「総合型選抜対策講座」と呼ばれるものが最有力で,扱うテーマをみてください↓
いかがでしょうか。
まさに,選抜試験で実施される内容そのものになっていることが確認できたかと思います。
1つだけ触れられていない模擬授業への参加についてですが,未来の教育講座にある「よのなか科」を視聴するのがおすすめです。
講座自体は数年前に作られたものなのでやや古い話もありますが,方向性としては令和時代にも通じる内容を語っているところも多く,自分の考え方を広げることは今でも可能だと思います↓
後述しますが,ボリュームとしても結構な量があるので考える題材には困りませんし,気分転換に視聴した場合であっても,将来に対して前向きな気持ちになれるはずです。
なお,小論文が課されるような大学を受ける際には,同名の講座を受講することができます↓
以上のように,かなりの充実度を誇るサービスではありますが,「スタディサプリだけで対策は十分だ」と言う気は毛頭ありません。
実際,私の生徒が総合型選抜(旧AO入試)で合格を決めましたが,1次では不合格になってしまい,2次までの間に報告書を練り直し,面接試験で話す内容を修正する羽目になったのですが,そのような個別対応はスタディサプリでは決してできないことです。
2次で見事に合格したわけですが,彼ほどの輝かしい業績があったとしても決して余裕の合格とはいかないのだと,わが身をもって知りました。
ここでスタディサプリの立ち位置について考えてみたいのですが,そういった予備校に通う(または高校の先生に相談する)前に一通り学んでみるのはいかがでしょうか。
そうすることで,相手は基本事項から説明する必要がなくなり,より深い内容から教え始められるため,限られた時間を有意義に使えます。
加えて,講座の中で自分自身を見つめ直すことは,より良い報告書の文面であったり発言内容を引き出してくれることに繋がるわけです。
高3になるのを待たずに,対策し始めても構わないと言いたいくらいですが,スタディサプリの対策講座は1ヶ月も集中すれば十分に終わる内容ですので,必要な時に開始すれば,費用も時間もほとんどかからずに済ませることができます。
それでは実際の講座の魅力について,次章で詳しくみていきましょう!
スタディサプリの推薦講座の魅力
速習が可能
スタディサプリの総合型・学校推薦型選抜対策ですが,オンラインの強みを生かして「速習」することが可能です。
1講義あたりの時間が長い「総合型選抜対策講座」であっても,1時間程度で1つの講義が終わるので,全部の講義を視聴するのに30時間もかかりません。
もちろん,これはあくまで動画を視聴するだけの場合であって,その後,テキスト内容をもとに自分の考えをまとめるなどの作業をする時間は別に必要となりますが,その段階に至るまでにスタディサプリの契約自体は終えてしまっても構わないわけです↓
テキストはダウンロードしておけば,いつでも印刷することができます。
料金が安い
スタディサプリの受講料金ですが,月額2178円で利用できてしまいます。
他の講座の場合,テキストを購入することもありますが,本講座のテキストは百ページもなければ,必要なページだけをダウンロードする程度で十分ですし,そもそもテキストは販売されていません。
推薦型入試の対策に限れば1~2ヶ月もあれば十分でしょう。
先述したように,場合によっては各種対策講座(共通テスト対策や英検対策なども含む)も追加料金なしで受講できますし,他の塾や予備校に通うのと違って,数万円取られるであろう入会金もかかりません。
スタディサプリの料金と安く利用する方法についても参考にしてください。
内容が詳しく使いやすい
メインとなる総合型選抜対策講座を担当する神﨑先生は普段,ロースクール予備校で教えている方ですから内容はとことん実践的で,最近では大学院にも通われるほどに勉強熱心な方です。
また,テキストは自己チェックがしやすいように工夫されていると感じました↓
このようなチェックリストが出てきたり,実際に自分で書いて埋める作業が多いので,飛ばさずに1つずつ進めていくことで,オンラインながら,しっかりと授業の恩恵を受けることができるでしょう。
それに,まだ何も知らない状態で受講しているのであれば,教わる内容のほとんどが目から鱗状態で,新鮮な気持ちで視聴できると思います↓
大学生になって就職活動する際に自己分析シートを作ったりもしますが,その時にもきっと役立つ内容なので,後々にも役立つ知識です。
総合型選抜対策講座について
ここでは「総合型選抜対策講座」についてみていきますが,こちらは大学受験生・高校3年生向けの講座内にある点に注意しましょう(高1・高2講座や通年/国語の講座内にあるわけではありません)。
また,名称は「総合型選抜」となってはいるものの,学校推薦型選抜の対策にもなるので,後者だけを利用する予定の方も本講座を使って対応することが可能です。
予習は不要で,必要な情報はテキストに書き込むようにしましょう。
先に示したように,結構な量のワークがあるので復習は必須です。
内容的には細かく5つに分かれます↓
スタートアップ編(4講義):総合型選抜や学校推薦型の基礎知識や志望校の選び方についてまとめたもの
出願書類作成編(8講義):総合型・学校推薦型選抜のいずれにも関係する志望理由書や自己アピール文の書き方について学ぶ
事前課題型小論文編(4講義):事前課題に小論文やレポートを課せられた際の作成方法について学ぶ
面接編(6講義):面接における心構えやよくある質問の受け答えを学ぶ。オンライン面接の対策方法も
プレゼンテーション編(6講義):プレゼンテーションを行う場合の資料作りや表現方法について学ぶ
このうち,最初の2つは選抜方法に関係なく,誰もが受講すべき講座ですが,残りの3つについては各自が必要なところだけを選んで受講するようにしてください。
なお,コンテストの出場や調査書については高3の1学期には結果が出てしまうので,もし計画的に業績を残すのであれば,高1などの早い段階から準備しておく必要があるでしょう。
なお,スタートアップ編の第3講において大学に行く理由について考えることは,選抜形式に関係なく,全受験生にあらかじめ行っていただきたい内容です↓
大学受験のモチベーションが下がってきたときにはこの講座を視聴するようにして,原点回帰してみるのも良い使い方になるのではないでしょうか。
よのなか科について
直接的に役立つかと問われれば,前章の対策講座よりも重要度は落ちると言わざるを得ませんが,自分の考え方を広げ,新しいアイディアを仕入れるという目的で「よのなか科」を受講するのはおすすめです。
元リクルートの藤原和博氏が,全59講義の中で,これからの社会を生きるためのコツについて語ってくれます。
1つの講義自体は10分ほどで終了し,別に答えが提示されるわけではないのですが,大学の模擬授業のように利用し,講義内で与えられたテーマに対して何かしらの意見を言える状態にしていくことで,面接やディスカッションに強くなれるはずです。
扱うテーマは「経済・学校・仕事・社会・起業」が中心ですが,多くのテーマは以下のように複数からなり,楽しい内容のものが並びます↓
よのなか科はかなり初期の頃からある講座なので,内容的には古い部分も見られますが,多くは数十年後の未来について語っていることから,今でも通用する考え方は多いです。
まとめ
以上,これから総合型選抜または学校推薦型選抜を利用して大学入学を考えている方に,初めの1歩として使えるスタディサプリの各種対策講座の紹介でした。
このオンライン教育サービスを使うことで,速く学べるだけでなく,料金も低価格で利用でき,予備校にいるような大変充実した講義が受けることができます。
とりわけ,総合型選抜を受ける方は,1~2ヶ月で終えられるので,是非受けてみてください。
ところで,私自身は学校の教師の言うことに懐疑的で,口ではうまいことを言っていても,実は裏で生徒を差別することもあると思っています。
実際,同じ内申点の生徒が2人いて,どちらも同じ大学の学部(定員1名)を志望していたとして,片方は模試の成績も良くA判定が出ていて,逆にもう1人は一般選抜は絶望的だった場合,後者が学校推薦選抜されることの方が多いわけです。
高校としては合格者数を宣伝したいわけですし(教師のボーナスにも影響しますから),できる子をあえて推薦せずに,一般選抜で受かってもらえば2人の合格者を出せることになります。
もっとも,総合型選抜に関してはそういったことはないのでしょうが,自分の一生にかかわることを他人に任せっきりにするのは怖いものです。
スタディサプリは一例にすぎませんが,自分の将来について考える時間を十分に取るようにしていただけたらと思います。
なお,もし長期利用を考えている場合であれば,スタディサプリのキャンペーンとコードのまとめを確認するのをお忘れなく。
ここまでお読みだき,誠にありがとうございました。