今回は「スタディサプリ小中高生向け講座の評判」についてみていきたいと思います。
「受験サプリ」と呼ばれていた頃から長い年月が経過し,その間にいくつものリニューアルを重ねながら,ユーザー側の学び方は変わってきました。
昔は,脱落者が出ても厭わないほどのトップ予備校的な講義を提供するだけでしたが,今では誰もが取り残されることなく無理せず学んでいけるような,配慮の行き届いた無難な教材に仕上がっています。
とはいえ,使い方を工夫すれば周りのトップ層に食い込むことは不可能ではなく,そのためのヒントは当サイトの多くの記事で述べさせていただいた通りです。
それでは以下で,最近のスタディサプリがどのように小中高生に評価されているかについて,分析してみることにしましょう!
評判の分析に使ったデータ
小中高生向けのスタディサプリの評判を分析するにあたって,アプリ版のユーザーが比較的最近に書き残したレビューコメントを利用しました。
具体的には,
のレビューを根拠に,スタディサプリの良いところと悪いところを抜き出しています(出典例として,Play Storeのものにリンクを張っていますが,実際はApp Storeのものも含めています)。
なお,小学講座と中学講座のアプリは単一ページとなっており,ユーザーがそのどちらを使っているのか判別できない場合(「サプモンが面白かった」など)には,どちらか一方(この場合は中学講座)に分類していることにご注意ください。
また,スタディサプリENGLISHについては当記事では扱わず,別記事にてまとめています。
興味のある方は,ENGLISHのカテゴリーにアクセスしていただき,併せてお読みいただけると幸いです。

スタディサプリ小学講座の評判
毎週のミッションがわかりやすい!
スタディサプリの小学講座ですが,低学年向けのものと高学年向けのものとで使い勝手が大きく異なり,私の予想としては,いずれすべてが小1~小3講座や中学講座に近い形にリニューアルされるのではと考えています。

独学に便利なミッション機能が搭載され,以下は小学1年生が使う際のトップ画面の様子ですが,何をやれば良いかが明確になっています↓
漢字のレッスンのように,文字をタッチペンで書く問題は見られるものの,基本的には鉛筆を使わずに学ぶことができ,
普通に紙で勉強するよりも面白い!
と評する小学生ユーザーが少なくありません。
どれも数分間集中するだけで解ける問題なので,自分の気が向いたときにサッと学べるところが便利です。
もっとも,学習を継続するためのコツは「必ずこの時間にやるとルール化すること」だと知っておきましょう。
例えば,夕飯の時間にスタサプ理科の動画を必ず流すようにしている家庭があるようですが,家族で話題に出しやすくなる良い工夫だと思いました↓
高校生だと物足りないかもしれないが,小・中学生には良い。
わかりやすく自習に向いている。
という2つのコメントからわかることは,先のミッション機能によって勉強を自動ナビゲートしてもらえるだけでも十分にやっていけるということです。
特に,小学校で学ぶ内容はそこまで複雑怪奇なものではないですし(小6算数の応用は例外ですが),幼さゆえに集中できる時間も限られているため,1つのレッスンが数分で終わるところも都合が良いでしょう。
加えて,教材自体はBGMやイラストを用いた構成で,キャラクターと一緒になって学んでいけますし,ドリル形式の問題は全問正解するまで何度もやり直しを促される他,記憶に残りやすくなるよう,少し経った頃に再度出題されてもきます。
スタディサプリ中学講座の評判
塾に通うのが無駄だと感じられるくらいに勉強が捗りました。
私は普段,個別指導塾で教えているのですが,スタディサプリの方が優れていると思わされることが正直な話,結構あります。
知識や経験に劣る大学生講師と比べてしまうと,スタディサプリの講師陣はレベルが数段上ですし,さらには,個別指導塾の料金はずっと高くなるわけです。
講師1人が生徒を2人見るコースで週に1回の授業だとしても,塾側は月に1万円以上を請求するでしょうし,教材費や施設利用料も別にかかるでしょう(初回には入会金もかかります)。
おまけに,講習期間ともなれば営業をかけて,気持ち多めに受講してもらうように働きかけることがほとんどです。
3倍くらいの値段でも良いくらい。
というコメントも見受けられましたが,確かに,月額2148円で学年を問わず,すべての講義が見放題になるのは破格であると感じます。
中学生ともなれば,一人でどんどん学んでいける生徒もちらほら出現し,中学生活の悩みを相談できる話し相手はスタサプでは作れないものの,動画を観て確認問題を解き,定期テスト前にはそれ用の対策講座で学ぶだけでもすぐに良い成績が取れるでしょう。
中学講座の学習スタイルに関しては,
動画を観た後だと問題がスラスラ解けて良い。
動画を観てから問題を解くという順番が秀逸。
というコメントがありました。
難しそうに見える未習の内容であっても,わかっている人(神講師)に教えてもらうと,意外と大したことはないと気づくはずで,特に暗記科目はテキスト&動画の勉強スタイルと相性が良いです。
長期休暇中になると,例えば,「夏休みミッション」などが登場するので,それをやり遂げることを目標に設定するだけでも結構な成績アップが見込めるでしょう。
実際,以下のような評判が寄せられていました↓
ミッションをコンプリートできると嬉しい。
試験でオール5(または満点)を取れた。
2週間で英語の成績が50点も上がった。
副教科の勉強もできる。
オマケ要素であるサプモンの評判も良く,モチベーションの維持に役立っているようです。
スタディサプリ高校・大学受験講座の評判
高校・大学受験講座ともなると,学ぶ内容は高度化かつ複雑化し,総合的な学びをスタディサプリに任せっきりにすることは少なくなってきます。
なので,特定の教科や分野に絞って学ぶユーザーが増え,
関先生の英文解釈で共通テストの点数が20点アップした。
伊藤先生の歴史総合が俯瞰的な視点で語られていてわかりやすい。
牧島先生の生物で基礎知識が確認できて良かった。
定期テスト前に,特定の単元がわからない時に利用している。
といった,具体的な講座や講師を指定してのコメントを多く確認できました。
スタディサプリは講座の種類も多いので助かります。
英検や情報,小論文や総合型選抜対策講座までが揃っているオンライン教育サービスというのは,周りを見渡してもまだまだ少ないです。
先述したように,高校で習う内容はかなり高度なものですから,真面目に授業に参加しなかった時期があったり,中学時代の知識が抜け落ちたりしている場合には,スタディサプリのように戻り学習ができる無学年教材が特に活躍するでしょう。

1つ1つの動画はスキマ時間で学べる仕様ですが,知りたいことはしっかり学べますし,丁寧な解説と程良い数の確認問題があります。
もちろん,講義の内容は大手予備校で行われているものと遜色ありません。
そもそも,スタディサプリの講師たちは,そういった大手塾で人気を博していた人たちが選び抜かれてきているわけですから当然でしょう。
近くに塾がない田舎の生徒や,不登校や通信制高校で学ぶ生徒にもスタディサプリは有難がられています。
その他,大人が脳トレ代わりに使うのも人気のようで,
倍速で観るようにして枠組みだけ理解するような使い方をしている。
子どもに教えるために親が学んでいる。
社会人になって英語をやり直すのに役立った。英語を武器に,無事,会社に採用された。
といったコメントもありました。
私自身,だいぶ前に学んで詳細を忘れている範囲の確認だったり,自分が学生だった時になかった教科(例えば,情報I)を生徒に授業したりする前に,スタサプの動画を観ることがあります。
悪いと評価されていたところ
動作が悪くイライラする。
予想通り,動作の不具合を指摘するコメントが多かったです。
読み込みのマークが長く消えなかったり,開いて欲しいページが表示されなかったりすると,途端にやる気は失われてしまうものですが,広告ブロックのソフトがスマホに1つ入っているだけでも開かなくなることがあります。
イヤホンを使用するだけでも,動画が観られなくなることもあるようで,自分が普段使っているスマホとスタディサプリの相性が影響してくることが少なくなく,万人が快適に使える状況は当分の間,訪れなさそうです。
確かに,以下のようにアップデートが頻繁に行われているところに好感を抱けますが,良かれと思って行ったアップデート後に不具合が生じるようになったり,以前の方が使い勝手が良かったというコメントが寄せられたりすることもあります↓
こうしたことから,これからも挙動不審に怯えながら恐る恐る使うことになるのでしょう。
ちなみに,ユーザーが気になった点として指摘されていたものには,以下がありました↓
不満が挙がっていた箇所
- 画面を移動する際の読み込みが遅い
- 次の講義に進む際,簡単に飛べず集中力が切れやすい
- 毎回ログアウトされてしまい,ログインし直さないといけないのが面倒くさい
- ダウンロード機能がいまいち使いづらい
- 志望校や対象科目を変更すると受講科目がリセットされる
- ユーザーインターフェイスが古臭く動きが遅い
- 授業の巻き戻しがしにくい
- 講義の音量がとりわけ小さく感じる
人によっては,学習者IDとパスワードを入れてもエラーになることがあるようで,そうなれば使うことすらままならなくなり,目も当てられません。
ただし,コメントの中には団体会員(学校が契約して利用させるもの)も含まれていて,通常のものと使い勝手を比較することはできないでしょう。
その他,講義内容が「つまらない・普通だ」と感じる方もいるようです。
解説部分の音量が小さいので字幕が欲しい。
という意見がありましたが,2025年2月から一部講義で字幕が表示できるようになりました。
ただし,対応しているものはベーシックレベル数学IAや情報Iなど,まだまだ少なく,生成AIによるものなので,不完全な部分も目立ちます。
その他,中学講座で
国語の教材が少ない。
という指摘がありました。
確かに,光村図書にしか対応していないところは気になりますが,かといって,他社の教科書は著作権の問題などで教材にできないのでしょう。
実際,大学受験の入試問題に出てくる文章(志望校別対策講座にあるもの)も,結構な数が使えなくなっており,その度にスタディサプリから講義が除かれています。
一部の生徒に的を絞りすぎても費用対効果が低くなるため,東大や早慶対策講座が内容的に薄かったり,英検1級や準1級の対策講座がなかったりするのも無理はないでしょう。
サーバーに関しても,多くのユーザーがアクセスしてもびくともしないものになれば理想ですが,それだとレンタル料が膨大になり,月額料金は上がってしまうはずです。
多くのユーザーが同時に接続するとサーバーが不安定になることに関連して,
18~20時にフリーズすると画質が荒くなる。
というコメントが見つかりました。
アプリの調子が悪くなったときに備えて,動作の安定しているブラウザ版を使うようにするか,紙のテキストを用意しておき,いざとなったらそちらで学ぶことが考えられます。
スマホで容量が気になるプランだと,Wi-fiが利用できないところではあらかじめ動画をダウンロードしておくなどの工夫が必要になるため,使いづらさを感じるでしょう。
また,ダウンロードした動画は個別に消せず,全消去となります。
機能としては,
筆記が必要な問題があるが,メモ機能が欲しい。
という不満が見られました。
中学講座には搭載されている機能ですが,高校講座には存在しないため,計算が必要な数学では確認テストを解く際などに不便と感じるはずです。
とはいえ,中にはパソコンを使って視聴しながら,メモ機能が欲しいと言っているユーザーもいたので,1つ述べておきますが,あくまで,ノートを使って学ぶ(手を動かしながら学ぶ)ことの方が普通であることを忘れないようにしましょう。
スタディサプリで最大の学びを得るためには,テキストに書き込みを行いながら受講すべきです。

まとめ
以上,スタディサプリの小中高生向け講座に寄せられたレビューを紹介してきました。
使い勝手やわかりやすさはどの講座においても共通で,多少,情報が古いものもなくはないですが,教材の良さについてはほとんど全員がその価値を認めています。
とはいえ,不具合が起これば,その良さを帳消しにしてしまうくらいの破壊力があるため,体験期間中に色々と試すようにしては,いざというときに備えましょう。
低評価コメントを付けていたのはほとんどが不具合の報告か,スタサプを団体利用している会員の所属する学校への不満でしたが,スマホでの持ち歩きが学習スタイルの中心を占めている場合にも問題となるようです。
特に,パスワード入力や退会処理の手続きが,多くのユーザーのストレスに繋がっていたように思います。
まとめると,小学講座や中学講座は学校の定期テスト勉強にピッタリで,ミッションはわかりやすさとやる気に貢献していた他,高校講座以上では学ぶ範囲を絞って使い,不具合に備えておくことが必要だということがわかりました。
コロナ禍を中心に,数多くの教育動画が他社製のものを含めて作られましたが,当時出されたもののうち,最新の学習指導要領に合わせて更新を続け,今なおちゃんと機能しているサービスはいくつあるでしょうか。
当時は良くても,その後の撮り直しにまで応じてくれる人材は少ないでしょうし,そんなギリギリの環境下で,何とか学べる形を維持できているのは凄いことで,スタディサプリに対して,心からの感謝とエールを贈り,終わりの言葉とさせていただきます。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。