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大学受験のスケジュールと入試方法のまとめ

ここでは高校3年生が大学受験をする際のスケジュールについてまとめてみました。

具体的には「総合型選抜,学校推薦型選抜,共通テストを含めた一般選抜」の3つを基本に,大体どのくらいの時期から出願や試験が開始になるのかみていくことにしましょう!

また,それぞれの入試方法についても補足説明していますので,適宜お読みください。

大学受験のスケジュール

秋のイチョウ

資格の取得や内申点など,調査書内容を上げるための活動は高3になる前から行うことも考えられますが,純粋に入学選抜の動き出しに限ってみれば,夏が終わってからが本番です。

出来事
6月 個別学力検査の実施教科・科目や入試方法の発表
7月
8月
9月 1日:総合型選抜の出願受付開始
10月
11月 1日:総合型選抜の合格発表,学校推薦型選抜の出願開始
12月 1日:学校推薦型選抜の合格発表
1月 14~15日:共通テスト本試験
28~29日:共通テスト追試験
2月 1日:私立大学個別入試開始
25日頃:国公立大学前期試験
3月 8日頃:公立大学中期試験
12日頃:国公立大学後期試験
25日:入学試験期日
31日:合格発表期限

※上記に示した日程は【令和4年度(2022年4月~2023年3月)】のものとなります。

試験科目や入試方法は6月中旬から7月末の間に発表となりますが,コロナの影響により,令和3年度にはその後日程が変更されたこともあり,例えば総合型選抜の出願時期は当初9月1日に予定されていたものが2週間ほどずれたわけですし,共通テストの追試もコロナから回復するのに必要な2週間の間隔をあけて2回ほど実施されたので注意が必要です。

また,各大学の募集要項は12月15日までに発表され,総合型選抜や学校推薦型選抜において,大学側が学力検査(口頭試問や実技などは除く)を課す場合は,一般選抜と同じ,翌年の2月1日から3月25日の間に行われます。

学校推薦型で落ちた場合,一般選抜に移行するのが一般的ですが,前者の合否は共通テストの前日までかつ一般選抜の10日前までには発表されるので,結果を受けてからその後どうするかの判断が可能です。

なお,合格後に入学辞退をする場合は,年度末(3月31日)までに意思表示をすることで授業料や諸会費が返還されます。

それでは以下で,これら入試方法の日程以外の点について説明を加えていきましょう!

 

 

入試方法の基礎知識

落ち葉と本

個別学力検査だけで決まると思われがちな一般選抜ですが,国の実施要項によれば,調査書や小論文,エッセイ,面接,集団討論,プレゼンテーション,各種大会での表彰記録や探究活動の成果などから,多面的かつ総合的に評価・判定することになっています。

ゆえに,「学校の勉強は適当でいいや」などと蔑ろにせず,貴重な協働活動の場としたり,人間観察の場だと思ってできるだけ真剣に取り組むようにしてください。

実際,調査書には高校1年生の時点から学年ごとに記載する欄が設けられているので,第3学年のときだけ頑張ればよいという話ではないのです↓

調査書の記入欄

また,これをみると,ボランティアや留学経験,または特定の分野において秀でた能力があると多少有利になることもわかるでしょう。

資格・検定試験としては英検やTOEFLの他,国際科学オリンピックや国際バカロレアの名前が実際に挙げられていました↓

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TOEFLの申し込み画面
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小論や面接,討論,実技などの試験では採点官の間で,評価や判定がぶれたりしないよう,マニュアルを整備することになっています。

入学定員に関してはそれを著しく超えて入学させないことが徹底されており,MARCHや日東駒専といった名のある大学の偏差値が急激に上がることも多いです。

余裕があれば募集要項に書かれた各大学のアドミッションポリシーを読んでおくことで,高校卒業までに何をどの程度学んできてほしいかであったり,どのような基準や方法で評価・判定するかがわかります↓

慶應義塾大学文学部のアドミッションポリシー

こちらは慶應義塾大学のものですが,読む前と後とで目標がより明確になったのではないでしょうか。

志望校が早めに決まった方や面接がある方は特に目を通しておきましょう!

 

 

総合型選抜について

笑顔の面接官

「総合型選抜」は,詳細な書類審査と丁寧な面接を組み合わせて,志願者の能力・適性や学習意欲や目的意識を総合的に評価・判定する入試方法です。

誰でも出願できる公募制なので,学校ではなく本人自らが記載する活動報告書や希望理由書,学習計画書などが積極的に活用されることになります。

活動報告書だけとってみても,学内での活動内容(総合的な学習の時間や部活動,生徒活動などで取り組んだ課題研究)や学外の活動内容(ボランティアや大会・コンクール,留学・海外経験)はもちろん,課題研究などに関する活動(課題テーマを選んだ理由や概要・成果),資格検定などに関する活動を十分に記載することが可能です↓

活動報告書のイメージ

ただし,大学側としては具体的な実力を測らないわけにもいかないので,資料を提出する以外に何らかの試験(面接や小論文)が課されたり,共通テストの成績を提出させられることになります。

例えば千葉大学の教育学部では共通テストがほぼ全てのコースで必須でした↓

千葉大学教育学部の選抜方法

まず最初に合格内定者を決定し,その後共通テストで一定の成績に達したものを最終合格者としているわけです。

なお,私立大学ではいまや半数以上が総合型選抜や学校推薦型選抜を利用している事実も踏まえ,積極的に利用するようにしてください↓

討論する公務員
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学校推薦型選抜について

話をする高校3年生たち

学校推薦型選抜はその名の通り,高等学校長の推薦に基づき,調査書を主な資料とした入試方法です。

大学の募集人員は定員の5割を超えない範囲とされ,総合型選抜のときと同様,こちらも実力を証明する資格・検定試験の成績やテストが課せられる場合があります。

とはいえ,最も気にするのは評定と学習成績概評でしょう↓

学習成績概評と評定の関係

基本的にはこの数値が大きい人ほど,良い大学を選べます。

実際は同級生との情報戦になることが多く,夏休みの前と後で言っている話が違うなどと嫌な思いをする場面にも出くわすでしょう。

特に私立で多いですが,2人の生徒が同じ評定になったとき,どちらか1人を選ばなければならない場合においてはブラックボックスになっていることも多く,個人的には一般選抜で受かりそうな生徒の方をあえて落とすような気がしています(高校側としては2人の合格者を出す可能性が高くなる方を選ぶということです)。

合格が決まった後は,大学入学までの学習計画や取り組み状況を高校を通じて大学に報告することが望ましいとされていますが,合格者の方は一般選抜をしているクラスメイトの横で旅行のパンフレットを広げることのないようにお願いします。

そして,残念ながら不合格になってしまった方も,変に投げやりな状態にならず,一般選抜の突破に全力を注ぐようにしてください。

 

 

一般選抜について

共通テストの会場

共通テストでは誰もが同じ問題を受けることになるのですが,できるだけ多くの教科や科目から選択・解答させることとなっています。

一般選抜で共通テストを併用する場合は,同じ教科・科目が個別学力検査にある際,異なる能力判定に力点が置かれることに注意してください。

同じ内容をわざわざ2つの試験で問うことはないのです。

なお,今では大変多くの選抜方式があります。

うまく自分の強みが生き,弱みが表に出てこないようなテストを選んで受けるようにしてください。

以下は明治大学のものですが,同じ学部であってもどの科目を使うかであったり,併願を踏まえた戦略を練る必要があります↓

多種多様な明治大学の一般選抜

また,先の千葉大の例のように,ある点数以上を取れば,それ以上の点数の差は不問とする入試方法も増えてきました

なお,コロナ禍においては一般選抜に必要な科目数や出題範囲を減らすなどの工夫もみられましたが,高3生が特に気にすべきは,個別学力検査を実施せず,共通テストの試験と推薦書をもとに一般選抜を行った横国大のようなケースでしょう↓

横浜国立大学のコロナ禍における個別学力検査について

これからの時代は,たとえ私大が本命であっても共通テストの受験が必須のように思われます

無駄な科目を勉強する時間はないと切り捨てるのではなく,純粋に合格するチャンスが増えると前向きに捉えましょう。

共通テストについて詳しくは以下の記事を参考にしてください↓

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なお,各大学は個別学力検査の問題や解答を公表し,成績や入試データの開示も可能な限り行わなければなりません。

 

 

まとめ

高校の教室風景

以上,大学受験のスケジュールと各選抜試験についてのまとめでした。

最初から一般選抜に絞るのではなく,たとえそうだとしても,学校の勉強は普段からしっかりと行い,できれば総合型選抜や学校推薦型選抜も視野にいれて計画してください

なお,コロナ禍における共通テストは,唯一確実に受験できるものだと言っても過言ではありません。

追試も最大2回まで準備され,個別学力テストが行われない場合にも焦らずに済みます。

一般選抜の形式は一昔前と比べて,圧倒的に多種多様になりました。

自分の実力について知り,どのテストをどうやって受けてば最善の結果につながるのかという,自己分析とタイムマネージメントも求められるのが令和時代の入試なのかもしれません。

受験生の方は是非頑張ってください!

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スタディサイトの管理人

通信教育の添削や採点業務に加え,塾や家庭教師を含めた講師歴は20年を超えました。東大で修士号を取得したのははるか昔のことですが,共通テストやTOEICの結果を見る限り,まだまだ学力は維持できています。小学生から高校生まで通じる勉強法を考案しつつ,スタディサプリのユーザー歴は5年以上となりました。オンライン上のやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てたら幸いです!

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