今回ですが「スタディサプリを使って通訳案内士試験の対策をする方法」についてまとめてみたいと思います。
年に1度しかない国家試験で,かつ語学系で最難関とされる資格が全国通訳案内士ということで,簡単には合格できない試験であることは明らかですが,スタディサプリを使えば幅広い受験科目の基礎固めができますし,日本歴史や筆記の英語に関してはこれだけでも合格が狙えてしまうほどです。
とはいえ,スタディサプリだけでは合格できない科目があることも確かで,足りない部分は別教材を使って学んでいくことが必要になります。
当記事では,スタディサプリが試験対策として有用な部分と不足している部分の両方にしっかりと触れているので,是非参考にしてみてください!
スタディサプリで通訳案内士の試験に対応できる科目
全国通訳案内士試験は,第1次試験である筆記試験と第2次試験の口述試験の2つからなりますが,まっさらな状態から始める場合,以下の科目を勉強しなければなりません↓
- 外国語
- 日本地理
- 日本歴史
- 一般常識
- 通訳案内の実務
そして,上に示した5つのうち,通訳案内の実務を除くすべての科目に対して,スタディサプリで有用な対策ができます。
日本地理と一般常識については基礎知識が学べるので,その次に高度な学習を行なうとなった際の理解力を高めてくれますし,日本歴史に関しては先述したようにスタディサプリだけでも合格が可能です。
なお,外国語に関しては対応言語が英語のみとなりますが,筆記試験対策ができることはもちろん,試験免除を狙う場合の対策もできます(詳しくは後述)。
一方,スタディサプリで全く対策ができない科目としては,
- 英語以外の外国語
- 通訳案内の実務
があり,上で挙げていない日本地理や口述試験も別で対策することが必須です。
とはいえ,順番としてはスタディサプリで基礎固めを行うことを最優先にすべきですし,通訳案内の実務はこれだけやればOKという教材があるので,さほど難しくないという事実もここで付け加えておきます。
ちなみに,当サイトが考える通訳案内士試験対策の攻略法は通訳案内士試験に合格する勉強法!気長に正答率を上げ続けようの記事で詳しく扱っていますが,ここでは以下の3点に注意するようにしてください↓
- 地理と歴史は小中で学ぶ内容を中心に
- 一般常識は何で学んでみても難しい
- 筆記試験の英語は大学受験勉強が有効
筆記試験の時間配分的には英語が長いですが,1次試験に限ればマーク式かつリーディングのみで,ライティング能力も役立つことはあるものの,英文法の高い知識と読解力さえあれば何とかなるわけで,まさに大学受験勉強で学ぶ知識が大活躍します。
口述試験のことも考えると,英検だと準1級に合格するくらいの実力は必要で,大学受験だとMARCHレベルの問題に手こずるようでは短期間での合格は難しいでしょう。
ちなみに,歴史に関しては大学入試レベルの知識は不要で,地理の方は観光地の地名などを学ぶ必要があり,特別な勉強が必要になる分,難易度は高まります。
極めつけは一般常識で,これだけやれば大丈夫という手段が存在しないために難しく,市販されている通訳案内士の問題集を完璧にしたところで,合格は運任せになりがちです。
以上の内容を踏まえると,英語力が足りない方はまずはそこから始め(口述試験もあるのでまずは英語ができなければ勝負になりません),その後,他教科の知識を基礎部分から徐々に高めていき,スタディサプリでカバーできないところを別教材で補って仕上げるという方針がベストでしょう。
次章からは科目ごとの対策を紹介していきますが,スタディサプリは無料体験ができるので,気になる講座があれば早速使ってみてください↓
スタディサプリを使った日本地理対策
まずは日本地理対策ですが,高校内容までを学ぶ必要はありません。
通訳案内士の受験要領をよく読むと気づきますが,「日本地理」と書かれています。
なので,外国の地理や気候までを完璧に理解する必要はなく,中学校までに習う知識をベースに,あとは市販の対策本などで具体的な観光資源について詳しくなればOKです。
確かに,スタディサプリの地理には工業地帯の説明や地図記号など一見不要な知識も含まれており,本番で有名な河川や山地が出題されることはほとんどありません。
ですが,こういった知識があるからこそ都道府県の特色に馴染みが生まれるわけで,北上川や石狩川を知らずに名取川や創成川を覚えるような勉強は不自然極まりないものです。
日本全国の政令指定都市の名前や位置が怪しいような方は,是非とも小学社会からやり直してください。
おすすめの講座は以下となります↓
スタサプのおすすめ講座
- 小5社会(応用)
- 中学社会地理(共通版)
1つ目に挙げた社会講座は小学5年生向けですが,標準ではなく応用レベルの方から始めてしまって構いません。
さらに言えば,第20講以降の地方別の講義を視聴するだけでもよく,第1~第19講の内容をより詳しく解説したものになっています。
この後,中学社会の地理に進みますが,こちらも世界の地域についての講義は視聴せず,日本の内容に絞って学習しましょう。
こちらは第11~第18講を中心に視聴してみてください。
なお,学習効果を高めるために白地図を併用するのがおすすめです。
白地図には47都道府県のそれぞれについての情報を書き込むようにし,その他,日本全体の山脈や岬,国立公園の位置などが一覧できるものも別に作っておきましょう。
もちろん,ここまでやってからが本当の意味でのスタートです。
この後,温泉や名勝などの観光資源について学ばなければいけないわけで,過去問を解いて出題傾向を学び取り,試験用の参考書などを購入して学びを深めていくようにしてください。
スタディサプリを使った日本歴史対策
通訳案内士の筆記試験で,比較的オーソドックスな内容が出題されるのが日本歴史です。
とはいえ,文化史を中心に細かい内容が問われることもあるので簡単なテストではありませんが,日本史探究まで完璧に学んでおけば合格点が取れるという意味では,努力が報われやすい科目であると言えるでしょう。
英語の筆記試験や口述試験で歴史の知識が役立つ場面は結構ありますし,地名を地図帳で確認すれば地理の勉強にも役立つということで,他教科の理解度にも良い影響を与えてくれるのが日本歴史です。
なお,高校レベルの知識が求められる歴史能力検定2級が取れれば通訳案内試験の日本歴史の試験が免除となる他,かつてはセンター試験の日本史Bが60点以上あっても免除となっていたことを覚えておきましょう。
単純に考えて,高校の日本史を6割程度理解するだけで合格点が取れてしまうわけです。
さて,スタディサプリで対策できる講座ですが,以下の2つとなります↓
スタサプのおすすめ講座
- 小6社会(応用)
- 中学社会歴史(共通版)
- ベーシックレベル日本史探究
大学受験で日本史を選択した方であれば小6講座は飛ばしても構いませんが,歴史を変えた大事件がいつ起きたかだったり文化ごとの主な特徴だったりがパッと言えないような方は,小6社会の第1~第22講で歴史の大きな流れを把握してから,中学内容に入っていくとわかりやすいです。
その後は教科書を通読し,市販の参考書を使って演習問題をひたすらに解くようにしてみては,図録などを使って実物を確認するなどの努力を積み重ねることで合格できるレベルに到達します。
高校講座にあるベーシックレベル日本史探究(理想はスタンダードレベル)まで学んでおくとより合格率は上がりますが,2年計画の方は11月に実施される歴史検定の日本史2級に合格しておくと,翌年度の通訳案内士試験の日本歴史が免除になるのでおすすめです。
スタディサプリを使った一般常識対策
通訳案内士試験の一般常識は,産業・経済・政治・文化(これは日本に限りません)を知っておく必要がありますが,時事問題について学んでおくことも重要です。
過去には,藤井聡太さんの連勝記録や,特定の映画について聞かれたこともありました。
とはいえ,うろ覚えで正解できるようなものではないですし,普段から色々なニュースに興味を持って自分の方でも調べているのかといった姿勢めいたものが問われる出題なので,世の中に無関心な方には特に難しいテスト内容です。
免除条件をもとに学習目安について考えると,センター現代社会で80点以上が必要となっているので,対策としては現代社会を学ぶのが良いかと思ってしまいますがそれは誤りで,過去の試験と現行のものとでは聞かれる内容が大きく異なります。
つまり,公民について学んだところで三権分立も議院内閣制なども出題されないこの頃ですが,まったく不要な知識と断定することもできないため,心配な方はざっと目を通しておいてください↓
スタサプのおすすめ講座
- 小6社会(応用)
- 中学社会公民
小6社会は日本歴史の章でも紹介しましたが,一般常識は第23講以降が対応します。
素早く基礎知識を得てから,合格に必須とされる観光白書や新聞を精読することで,より効率良く知識を身に付けていくことができるはずです。
スタディサプリを使った英語対策
通訳案内士試験の英語ですが,毎年問題形式が変わらず,時間にも余裕があって実力通りの結果になるため,正攻法で突破することが可能です。
とはいえ,TOEICなどと異なり,英文法の知識や英文の精読・文脈理解能力が特に問われるため,大学受験勉強で身に付く能力が特に必要となってきます。
幸運にも,スタディサプリは英語講座が特に充実していることで有名ですので,時間はかかるものの,初期レベルから合格レベルにまで持っていけるという意味では学びやすい教材の1つです。
現在の英語力は人によって様々でしょうから,場合によっては高1・高2講座から始めることになるかもしれませんが,最終的には高3内容の文法・英文解釈・読解・長文読解(場合によっては英作文)までを学び終えるようにしましょう↓
スタサプのおすすめ講座
- 高3スタンダードレベル英語(各種)
講座の進め方に関してはスタサプの高3英語は英文法編から!関正生先生の授業を受けようの記事を参考にしてください。
試験本番では見たことのない単語が登場することも多いですが,周りをヒントにほぼ正確に意味が推測できますし,口述試験の対策は別にすると思うので特に単語勉強を別にする必要はありません。
それよりも,日本史や地理,一般常識で学ぶ知識を身に付けること(大問4の対策)や過去問を解いて経験を積むことの方がずっと重要です。
昔は免除申請を狙うのが王道でしたが,現在の問題レベルから考えるにわざわざ他の科目の勉強をする時間を犠牲にしてまでTOEICや英検の勉強をする必要はないように思われます。
とはいえ,筆記試験の英語はすでに受かる実力がある方であっても,免除申請をすることで体力が温存できることは確かです。
また,あまりに英文法が苦手な方はTOEIC勉強に専念することで,一から大学受験の勉強をし直すよりも短時間で筆記試験英語を突破できるかもしれません。
なお,英語の試験の免除申請方法は,
- 英検免除
- TOEIC免除
のいずれかとなっており,前者は「1級合格」,後者は「Listening & Reading 900点・Speaking 160点・Writing 170点」のいずれかが必要です。
英検1級に合格するにはTOEICで945点くらい取るくらいの実力が必要になるため,ハードルはより高くなります。
確かに,英検1級であれば有効期間が設定されていないので受ける日を気にせずに済むのですが,英語力だけでみれば通訳案内士試験よりもずっと難しいというわけです。
なので,これから免除を狙うという方はTOEIC狙いでいくのが無難でしょう。
なお,TOEIC免除を申請する場合,通訳案内士試験がある年の1年前の4月1日以降に受けたものに限られること,願書提出締切日(7月上旬)までに結果が出ている必要があることに注意してください。
対策としてはスタディサプリENGLISHを使い,TOEIC対策コースが普通でしょうが,ビジネス英語コースでS&W試験を狙うのもおすすめです。
後者はオンライン英会話セットプランが選択可能で,ここで英語をしゃべる訓練をしておくと,2次の口述試験にも良い影響を及ぼしてくれるでしょう。
L&Rと異なり,SpeakingかWritingのいずれかを突破すれば申請できるという点も,いざというときの保険になります。
それぞれの評判については,以下の記事を参考にしてください↓
まとめ
以上,スタディサプリを使って通訳案内士に合格するための対策についてまとめてきました。
口述試験の対策講座や総合的な問題演習など,通訳案内士試験の専用講座的なものはスタディサプリには存在しませんが,それらの問題を解くための基礎固めをすることは十分に可能です。
中でも日本歴史に関しては,問題集を別にやる必要があるものの,スタディサプリの内容だけでほぼ合格できてしまうはずです。
その他の科目に関しても,今回紹介したスタディサプリの講座を視聴する前と後で,通訳案内士用の別教材に取り組む際の理解度を高めてくれるでしょう。
なお,各科目どこまで深く学ぶかについてですが,実際に通訳案内士になったら,何事も詳しく知っておくに越したことはなく,旅行客に尋ねられて良い返答を返せる可能性は,学べば学ぶほどに上がっていくものです。
後で自分を助けるものと考えれば,無駄にはなりません。
とはいえ,試験本番までに限られた勉強時間をどの科目にどれだけ費やすかという時間配分は重要なので,まずは小学生レベルの理解,次に中学生レベル,最後に本番レベルといった具合に,全体的な理解度を1段階ずつ上げていくことを優先してください。
できるだけ全科目を毎日学ぶことを心掛ければ,バランス良く能力を高めていくことができます。
今回紹介したスタディサプリの講座を使えば,時間や金銭面でやや得をすることになるはずで,余ったものを市販の参考書だったり,はたまた2次試験対策をしてくれるスクールの代金だったりに回すこともできるでしょう。
そういう意味で,スタディサプリは通訳案内士試験の勉強を直接的かつ間接的にサポートしてくれる教材であると結論付けられます。
是非,試験対策の初手として,スタディサプリを使うことを検討してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。