今回は,スタディサプリの高3生向け講座から「英作文」の授業を紹介したいと思います。
わずか7講義から成る講座が1つあるだけで添削のような別サービスは存在しないものの,正確な知識を得るだけでも英作文の点数は伸びるもので,特に初中級者であればひとまず本講座で英作文の型めいたものを身に付けるところから始めましょう。
時間がない方はこのあと早速入試問題を解いてみて,それであまりに戦えなさそうであれば他の参考書だったりサービスだったりを検討するようにしてください。
英作文に関しては,テキストの「はじめに」の部分でも書かれているように,対策を疎かにしてしまう受験生も多いものです。
なので,理想としては夏休み前の時間があるときに一通り観ておくことをおすすめします。
スタディサプリの英作文講座について
英作文には日本語を英語に直す「和文英訳」と呼ばれるタイプの他に,あるテーマについて意見を述べる「自由英作文」の2種類があるのはご存じでしょうか。
スタディサプリにおいてもこの2つを主に扱っていますが,全7講義ということで比較的早く終えられて(1講義1時間程度),しかもその授業展開は効率面を重視してよく練られた内容です。
文法事項はもちろんのこと,よく使う英語表現や似たような単語の使い分け,さらには背景知識についても解説されます。
例えば上記画像はstudyとlearnという似た単語の意味を解説しているシーンですが,
(誤)I learned English, but I can't speak it.
という英文がおかしいことに気づけない方は,この英作文編で学ぶ意味があると思ってください。
learnは受験勉強だとmasterと同義と習うはずなので,英語を習得したのに話せないのは矛盾になってしまいます。
ちなみに本講座を担当するのは,読解編や長文演習編でおなじみの肘井学先生です。
高3講座はレベル別に複数に分かれているのが普通なのですが,この英作文講座の場合,「トップ&ハイレベル」一択となっています。
本格的な英作文が出題されるのはMARCH以上の大学にほぼ限られますから,それ以下の大学を対象としているスタンダードレベルが存在しないのでしょう。
逆に,英作文を学ぶ前段階で,語彙力や文法力が不足していれば太刀打ちできませんから,基礎内容の確認を疎かにすることのないようにしてください。
なお,予習や復習はどうかといえば復習重視です。
特に自由英作文はこれまでに解いた経験がない方は「予習が不要」とまで書かれており,授業内容を理解し,扱った表現が英語ですぐに出てくる状態になって再度解いた際にかけるようになることを目指します。
とはいえ,自由英作文においては2回やったところで完璧なものが書けないことの方が多いですから,何度も書き直して模範解答レベルの答案に近づけましょう。
そのくらい,本番で一度書いた文章に助けられることは多いのです。
本講座は扱う内容的に「和文英訳編」と「自由英作文編」の2つに分けられるのですが,次章では前者についてみていくことにします。
和文英訳編のレビュー
スタディサプリの英作文編の前半部分にあたる3講義では「和文英訳」を扱い,講義ごとに決められた文法テーマについて学ぶ構成です↓
和文英訳編で扱う文法
第1講:比較,関係詞,強調,文型,接続詞,否定
第2講:~な名詞,~な名詞の応用,~な人々,~な固有名詞
第3講:~なのは…こと,~がある,文の終わりに気を付ける
例えば第1講の「比較」のテーマにおいては,6つの英文を通して「~すればするほど」,「~ほど…ない」,「~の特徴の1つは…である」といった頻出表現の書き方を学びことになります。
英作文の学習をすることで,これまでに学んだ文法知識が深まることは嬉しい副作用です。
逆に,詳しくこれらの文法事項を解説してくれるわけではないので,不安分野は見つかり次第すぐにでも復習しましょう。
以下はテキストからの一部引用になりますが,左ページは予習段階で解くことになる和文で,右ページがその解答となります(説明する都合上,並べた画像にしていますが,実際の問題数はもっと多く,解答もすぐに確認できる状態にはなっていないことに注意してください)↓
市販の参考書を使って英作文を学んでいく場合,この状態に解説文が付け加えられているわけですが,スタディサプリではその役割を講義が担います。
なので,講義を受けるたびに自分で書き込みを行い,自分なりの参考書に仕上げていく必要があることは忘れないようにしましょう。
なお,上の3番目の問題では,
この表現には原級の否定形を使ってください。時制ですが最初の文は過去形でよいですよね。「過去」とメモっておいてください。続いて「期待していた」の部分は過去より手前の話になるので「過去完了」を使ってあげなければいけません(第1講の解説動画より抜粋)。
といった内容で解説が行われることになります。
逆に言えば,この説明がわかるだけの文法知識が予め備わっていなければならないということでもあるわけです。
さて,和文英訳を出題する大学側の意図として,「日本語のこの表現は英語だとどのように言うのか知っていますか」ということが挙げられますので,和文英訳編で登場してきた頻出表現は,日本語を聞いたらすぐ頭に浮かぶ状態にまで練習しておきましょう。
もちろん,日本語を英語に直すための練習問題も用意されていて,上の問題では「休暇を取る(take a vacation)」という表現がピックアップされていました↓
すごく難しい日本語を訳せと言われても,いきなり英語に訳すことにはならず,これまでに学んだ表現に近いものはなかったかを探すところから始めるのですが,上の練習はそのときの準備にあたるわけです。
自由英作文編のレビュー
早慶や国公立の2次試験でほぼ確実に出題されるのが,本講座の後半部分にあたる「自由英作文編」で扱う問題となります。
遅かれ早かれ今後はどのレベルの大学でも出題される可能性があるので注意してください。
スタディサプリで扱う内容は以下の4つです↓
自由英作文編で扱う内容
第4講:序章,社会論
第5講:言語論
第6講:教育論
第7講:文化論
各内容はさらに細かく分けられ,例えば第6講の教育論では以下の4つのテーマについて論じることになります↓
「これこれ!こういった内容を書けるようにしておきたいんだよね!」
と思った方も多いでしょうが,それもそのはず。
実際,スタディサプリの自由英作文編では,過去に複数大学で出題された内容のみを扱っているわけです。
志望する受験生であれば過去問に目を通しているのは当然なわけですから,誰もができるものを自分もできるようにすることが目的で,あくまで守りの授業ということはお忘れなく。
とはいえ,こうした頻出テーマに対して自分なりの答えをあらかじめ用意しておくことができれば別のことが問われても応用ができ,ただでさえ試験時間が不足しがちな大学入試なだけに有利に働くことも多いです。
さすがにAの大学の解答例をBの大学の英作文(しかも微妙に質問が異なるもの)に無理やり当てはめたところで高得点は期待できないのですが,最低保証で以外に点数が貰えたりするのが受験の現実だったりします(塾によっては最終手段で勧められる方法だったりもします)。
先の画像の【1】の出題を例に示しますが,スタサプのテキストでは賛成・反対意見やメリット・デメリットなどの根拠がまとめられており,ネイティブチェックを受けた解答なだけに丸暗記にも十分耐えうる内容です↓
繰り返しになりますが,本テキストにある英語だけでもしっかり書けるようにしておくことで,本番で応用が利く表現を多く身に付けることができます。
そのためにも復習を重視して,何度も書いて練習しましょう(本番まで時間がある方は,直前で思い出す作業を忘れずに)!
当サイトでは自由英作文のコツについてまとめた記事も用意しているので,興味があれば併せて読んでみてください。
まとめ
以上,スタディサプリの大学受験生向けの英作文講座についてまとめてきました。
上で紹介できなかったので最後に触れておきますが,本講座には講義内で出てきた単語や表現を確認するための「復習テスト」の用意もあります。
英作文の得点を上げるためのポイントについての記事で語ったように,語彙力というのも文法知識と同様に,減点される要因の1つなので,最終的には上の選択肢を見なくても答えられるようになるまで練習してください。
毎日1講義を目標にして頑張れば1週間で終えられてしまうコンパクトな内容でありながらも,和文英訳から自由英作文まで幅広く学べてしまうのが本講座の魅力です。
この後は実際に書いたものを誰かに添削してもらう作業が欲しいところですが,受講前と比べればその差は歴然としています。
実際,満足に対策することなく本番に挑む受験生もいるくらいです。
「たった1週間で学べる内容をどうしてやらなかったの」と聞いたら,おそらく「スタディサプリの英作文の存在を知らなかった」と答える方が大半でしょうから,当記事にたどり着くことができただけでも運が良いと言えます。
くれぐれも「知っていたけど最後までやらなかった」ことのないようにしてください。
これから申し込まれる方でしたら,スタディサプリのキャンペーンやコードをまとめた記事から最新の入会特典を確認していただき,存分に大学受験勉強に励んでいただけたらと思います。
無料期間が延長されるものが出ているときは狙い目です。
最後までお読みいただきありがとうございました。