今回は「スタディサプリを使って中学社会を学ぶときの方法」についてみていきたいと思います。
基本的には,学校の進度に合わせて講義動画を視聴して確認テストを受けるだけでOKで,中学講座にはミッション機能が搭載されているので,どの講義をどのようなペースで学習すればよいかの指示も明瞭です。
とはいえ,社会は理科と並んで,中学3年生になってから一気に総復習することの多い教科でもありますから,通常とは異なる使い方をせざるを得ない場面も生じてくるでしょう。
その場合,学習態度や復習方法について自ら考えなければなりません。
ここでは,学校の教科書やスタディサプリのテキストを併用して,中学講座で学んだ内容を忘れにくくする工夫についてみていきましょう!
スタディサプリの中学社会講座について
スタディサプリの中学社会ですが,教科書内容を解説する講座(通年講座)と定期テスト対策に使える講座,そして高校受験対策講座の3種類が存在しています。
なお,通年講座が期間限定講座(例えば春休みの総復習講座)を含むことや,高校受験対策講座は小学・高校講座のブラウザ版(その他の講座)からしか視聴できないことにご注意ください。
冒頭で触れたミッション機能も含めて,詳細は以下の記事にまとめました↓
先の3つの中で最も有用なのは通年講座ですので,当記事でもそれをメインにみていくことにしますが,最初に普段使っている教科書を設定し,学校の進度と足並みを揃えて復習重視で学んでいくのが通常の使い方です。
スタディサプリを学期の途中から開始したり,テストや長期休暇中に一気に学び直したりする際も,社会であれば特に大きく前の単元にまで戻る必要はありません。
スムーズに入っていけるでしょう。
ですが,高校入試や模試に向けて中学社会を大きく学び直す際は自分でスケジュールを考える必要があり,その際,講座内容についてよく理解しておくことが必要です。
スタディサプリの中1・中2・中3講座のいずれにおいても「地理・歴史・公民」の講座が出てくるため,まるで9つの講座があるように錯覚してしまうことが知られています。
しかし,同名の科目においては,学年ごとにその内容が異なることはないことを覚えておきましょう。
説明を加えますが,中学の授業について思い返してみると,例えば地理の教科書は,中学3年間を通して1年生のときに配布された1冊のみだったはずです。
これは歴史や公民も同じで,学年が変わることでより深く学ぶことはありません。
小学校と中学校,中学校と高等学校では学ぶ量が変わってくるものの,少なくともスタディサプリの中学社会においては,学年に関係なく,
- 中学地理
- 中学歴史
- 中学公民
の3つの講座のみが存在することになります。
学べる内容は中学校で習う教科書範囲を網羅しており,時事問題は学習指導要領が変わるごとに更新されている他,教科書の欄外部分やグラフの説明に書かれているような発展内容も見受けられるので,高校受験で問われる知識はすべて講義内で語られると言っても過言ではないでしょう。
次章からはしばらく,対応している教科書や講義数などを,先の3つの科目ごとにまとめてみることにします。
スタディサプリ中学地理の講座内容
スタディサプリの中学地理は4種類の教科書に対応しています↓
- 東京書籍 新しい社会 地理
- 帝国書院 社会科 中学生の地理
- 教育出版 中学社会 地理
- 日本文教出版 中学社会 地理的分野
自分が使っている教科書があれば,それを受講するようにしてください。
なお,その他教科書の方は「共通版」を使うことになります。
担当するのは伊藤賀一先生で,講義数は98~104講義なので多くあるように見えますが,1つの講義あたりにかかる時間が約5分なので,1日に何講義分もまとめて観ることが可能です。
なお,詳しい使い方については後述しますが,予習は不要なので未習範囲であっても学ぶことができ,講義を受けたら確認テストで重要語句をチェックするという流れでもって,簡単に進めていくことができます。
全部で337ページに及ぶテキストの構成は学校教科書と多少異なるものの,対応表が利用できますし,全部学ぶことになるので到達地点は変わりありません↓
スタサプ中学地理の学習内容
世界の姿,日本の姿:緯度や経度,大陸の位置について学ぶ
世界の地域1:寒帯や温帯といった気候区分,それに伴う文化的な内容
世界の地域2:アジアやヨーロッパ,アフリカについて具体的に学ぶ
世界の地域3:アメリカ,オセアニアについて具体的に学ぶ
地域の調査,日本の地域:地形図,日本の地形や人口,産業などについて概要を学ぶ
日本の地域1:近畿・中国・四国・九州地方について詳しく学ぶ
日本の地域2:中部・関東・東北・北海道地方について詳しく学ぶ
地域のあり方:身近な地位の調査や発表の仕方を学ぶ
日本に限らず世界を扱い,地域の特色や世界規模の課題について理解を深めることになります。
スタディサプリ中学歴史講座の内容
スタディサプリの歴史を担当するのも伊藤賀一先生です。
先生は歴史マンガの監修もしていることもあって,私の中では歴史を教えているイメージが強くなっています。
スタディサプリが対応している歴史教科書ですが,以下の6種です↓
- 東京書籍 新しい社会 歴史
- 帝国書院 社会科 中学生の歴史
- 教育出版 中学社会 歴史
- 山川出版社 中学歴史
- 日本文教出版 中学社会 歴史的分野
- 育鵬社 最新 新しい日本の歴史
この他,共通版を加えた全7講座の中から,自分の教科書に対応したものを1つ選びましょう。
資料集に出てくるような内容(上の講義では埴輪)も登場してくるので,ビジュアル的にも楽しい授業を受けることができます。
講義数は87~88講義で,地理のときと同様,1つの動画を視聴するだけなら平均5分で視聴可能です。
基本的に年代順に学んでいくことになりますが,テキスト内容を一応確認しておいてください↓
スタサプ中学歴史の学習内容
原始・古代:古代文明の話から飛鳥~国風文化まで
中世:武士の登場から鎌倉時代を経て,応仁の乱まで
近世:ルネサンスや大航海時代の話から徳川家慶時代の天保の改革まで
近代:世界の市民革命から日露戦争後まで
二度の世界大戦:1914年~1945年の二度の対戦
現代:戦後から現在に至るまで
日本史や世界史に繋がる内容で,地理の内容とも関連しています。
スタディサプリ中学公民の講座内容
スタディサプリの公民を担当するのは玉田久文先生です。
小学講座からのユーザーにはお馴染みの先生ですが,ここまでに地理や歴史を挟んでいると,久々の登場のように感じられるかもしれません。
テストによく出るポイントをかいつまんで教えてもらえる講義となりますが,板書内容はテキストにしてあるので,話を聞くことに専念しましょう。
講義数は74~77で,以下の教科書に対応している他,共通版もあります↓
- 東京書籍 新しい社会 公民
- 教育出版 中学社会 公民
- 帝国書院 社会科 中学生の公民
- 日本文教出版 中学社会 公民的分野
- 育鵬社 最新 新しいみんなの公民
講師の人となりについて多少学んでおくと,また違う気持ちで動画を視聴できるので,興味がある方はスタディサプリ講師陣の記事を読んでみてください↓
テキスト内容は以下のようになります↓
スタサプ中学公民の学習内容
現代社会:グローバル化や宗教,現代社会におけるルールなど
日本国憲法:憲法内容と我々が持つ権利が中心
民主政治と社会のあり方:政治とその仕組みについて詳しく学ぶ
経済と私たちの生活:景気や為替,税金や社会問題を扱う
国際社会と私たち:国際社会との経済的,社会的な問題が中心
次章からは,知識ゼロの段階からスタディサプリを使うと仮定した場合の授業の受け方について解説していきますが,中1で学ぶような範囲を中3になってから学び直すことになるので,その場限りではない,後に繋がる学び方をするのがコツです。
学習手順1:まずはスタディサプリの講義を視聴しよう
学校の予習目的であろうと復習目的でスタサプを使おうとも,まずは通年講座を視聴しましょう!
テキストは別に購入するか,あらかじめ印刷をしておき,講師が喋った内容でテキストに書かれていないことがあれば,どんどん書き込んでいくのがポイントです。
なお,最初はどこが大切なのかわからないため,色ペンは使わないようにします。
何も書くことがないという人は,その日に授業を受けた感想であっても構いません。

1回の授業は数分なので,動画の途中で集中力が途切れてしまうことにはなりませんが,続けていくつも観ていくと,ボーっとしてしまうことがあるかもしれません。
そのような状態に陥った場合は,すぐに休憩しましょう。
オンライン学習の魅力は自分のペースで利用できるところです。
また,書き込みの時間を取るために一時停止することもできますし,倍速にして視聴することで逆に集中力を高めることもできます。
学習手順2:教科書を読んで講義内容を補足しよう
一度他人に習った範囲であれば,教科書を読むことになっても不思議と苦痛に感じないものです。
なので,スタディサプリの講義後は教科書を読み直してみることをおすすめします。
このとき,面白いと思った内容があればスタディサプリのテキストの方に書き込んで補足しましょう。
書き込みが多くなると愛着が沸きやすいため,メインはスタディサプリのテキストにする方が良いと思います。
ちゃんとした冊子を揃えておくと達成感を得やすいので,できれば購入しましょう↓
ただし,学校のノートを普段からしっかり作っている方であればそちらを充実させる方が良いです。
その場合,スタディサプリのテキストをダウンロードして印刷し,必要な分だけ切り取って貼り付けるノート術を採用しましょう。
いずれにせよ,自分なりの参考書を作り上げることこそが,中学社会を学ぶ良い方法に他なりません。
これが自分の財産となり,未来の自分を助けてくれるわけです。
以下の例では,伊藤先生の話に出てきた「奴隷」について調べたり,場所がわからなかった国名をデフォルメした地図上にまとめてみました↓
学習手順3:スタディサプリにある確認テストを解こう
スタディサプリの講義後は確認テストがあるのでそれを解きましょう!
基本的には全問正解になると思いますが,1日後や1週間後,そして1ヶ月後に再度取り組んでみると忘れてしまっていることがあるはずです。
確認テストは,手順2で挙げた教科書での学び直しの後に,広範囲を一気に総復習するときに使うこともできます。

なお,確認テストはテキスト内にも掲載されています。
総復習として使う場合には,間違えた問題にチェックボックスを書き加えるようにして,再度間違えたものだけをやるなどと工夫しましょう↓
ちなみにですが,この確認テストだけを取っておいて,ランダムに数枚選んで復習するような使い方もできます。
確認テストが簡単すぎると言う中学生であれば,用語を先に見てからその意味を説明する練習をしてみてください。
上の(1)で言うと,「地中海式農業」という用語を見て,「アフリカ州北部の地中海沿岸や南部の温帯地域などで行われている農業」と答えるわけです。
ダウンロードできる「解答あり」のテキストでは答えが縦に揃って書かれているので,ノートなどを使って簡単に隠すことができます。
もう1つの案として,確認テストを利用して教科書をチェックペンで色分けしていくのも良い方法です↓
ここでは用語を青,説明部分を赤で色分けすることで,オリジナルの確認テストを作成することができました。
このようなノート術については,以下の記事で詳しく紹介しています↓
まとめ
以上,スタディサプリの中学社会の内容についての紹介と,実際に授業を受けるときの学習手順について,私が塾で教えている方法も併せて紹介してきました。
玉田先生は小学講座を使っていた方であればお馴染みでしょうし,伊藤先生はしゃべりが大変上手で引き込まれてしまいます。
例えば,日本の農業の解説のところで,
あのねー,僕京都出身なんですけど,日本で一番パン食が盛んなのは割合的に京都なんですよ。びっくりしません?なんか和食のイメージが強いから米食べてそうな気がするじゃないですか。京都の人ってイメージで言うと,朝ごはんじゃなくて「朝ごパン」なんですよ,もう。
といった余談があるように,ためになる知識が授業内で多く語られますし,授業後も記憶に残りやすいです。
「楽しい,わかりやすい!」という感情が芽生えると,勉強に対する見方は大きく変わるもので,特に社会や理科は積み重ねがそこまで要らない教科でもあるため,これまであまり勉強してこなかった中学生であっても一気に点数を上げることができるでしょう。
さらなる発展学習としては,高校受験対策講座を中学社会の総まとめ代わりに用いたり,大学受験を見据えてスタディサプリの高校講座を使ったりもできますし,例えば歴史であればマンガで学んでみたり歴史検定を受けたりすることも考えられます↓
記事内で紹介した勉強法を参考にして,是非ともスタディサプリで中学社会を頑張ってください!
これから初めて使うという方は,以下の記事をチェックしてから申し込んでいただくのがおすすめです↓
最後までお読みいただきありがとうございました。