全国通訳案内士試験は,外国語・日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務に加え,二次の口述試験まであるため,短期決戦よりも中長期の学習設計が重要になる試験です。
特に社会人受験では,すべてを一度に完璧に仕上げようとするより,免除制度も活用しながら,英語と時事は通年で続け,地理・歴史・実務は時期を決めて集中的に仕上げる方が現実的です。
当記事では,その全体像と科目別の勉強法を,実体験ベースでまとめます。
なお,私は通訳案内士の1次試験にのみ合格していて,一昨年,昨年と2次試験に続けて落ちています。合格するまで勉強は続けますが,合格体験記とはなっていないことにご注意ください。
全国通訳案内士試験の難易度について

全国通訳案内士試験とは,JNTO(日本政府観光局)が年に1度だけ実施しているもので,合格すると晴れて「全国通訳案内士」を名乗れるようになります↓
同じ国家試験であっても,受験者数が多いものであれば実施回数が自然と多くなります(例えば,随時実施されている運転免許の学科試験は毎年200万人以上が受験しています)が,こちらは毎年1万人弱なので「少なめ」の扱いです。
おおよその合格率は15%前後ということで,よく有名人が合格してニュースになる宅建試験と似ています(こちらも年1度の実施ですが,受験者数が20万人くらいいます)。
とはいえ,最難関国家資格の一つである司法試験の合格率は40%超えですから,合格率を難易度の指標にするわけにはいかず,冒頭で述べたように,当日の試験問題との相性も大いに影響してくるものです。
試験科目は以下の5つですが,外国語では二次試験(口述試験)が後日行われることを覚えておきましょう↓
- 外国語
- 日本地理
- 日本歴史
- 一般常識
- 通訳案内の実務
上で紹介したものの中では,本人の普段の生活が試験結果を大きく左右する一般常識が実に厄介で,これだけを完璧にやれば安定して高得点が取れる,という種類の科目ではありません。
もちろん,何らかの対策をすることで合格率を高めることはできますが,8割以上を余裕で取れる状態とはならないはずです。
その他の地理や歴史であっても難易度が高まる年がある上,外国語の試験に一般常識を問う問題が出てきたり,通訳案内の実務では読解力がないと解けないことがあるなど,どの科目も,安定して合格点を取るには相応の準備が必要だと考えておいた方がよいでしょう。
とはいえ,前年度に合格した科目は翌年度分が免除となり,一部は別試験の結果を利用することもできます(後述)。
なのでここでは,
試験ガイドラインの文面だけで対策範囲を狭く見積もると,本番で取りこぼしが生じる可能性があります。
とだけ注意喚起しておきます。
一般常識の試験を例に補足しますが,施行要領を読むと以下のような記載があるわけです↓
例えば,試験実施年度の前年度に発行された「観光白書」のうち,外国人観光旅客の誘客に効果的な主要施策及び旅行者の安全・安心確保に必要となる知識,並びに新聞の1面などで大きく取り上げられた時事問題等を問うものとする(参考)
しかし,私が初年度に味わったのは,本年度の観光白書までをも緻密に読み込んでおく必要があり,Yahoo!ニュースを毎日読んでいた程度では合格点に届かないという現実でした。
確かに,上の文章では「例えば」や「等」を用いて含みを持たせた表現となっている他,社会人向けのテストなので文句は言いませんが,余裕での合格を目指すためには複雑な学習戦略を採用しなければならないことを思い知ったわけです。
2023年の問題では「LGBTの各国の取り組み」や「有楽町線や南北線の延伸」,一昨年(2024年度)は「1月に月面着陸に成功した無人探査機の名前」が出題されましたが,当時これらのニュースを目にして興味を持って詳しく調べられた受験生ははたしてどれだけの数いたのでしょうか。
通訳案内士試験の一般常識は,過去問を解いている分には何だかいけそうに思えてくるものですが,市販されている対策本は過去問を基に作成してある場合がほとんどなので,そうした教材を使って対策している方は合格点が取れて当然です。
ところで,試験で一度痛い目をみるとその後は注意深くなり,自然と出題されそうなニュースに目が行くようになるので,これらはあくまで初めて受ける人に限っての話です。
また,昨年(2025年度)のように相性が良いものが相手だと,当記事の勉強法でも8割超えが可能でした。
他科目に目を向けると,地理の問題で「上総大地」や「下総台地」,「おかげ横丁」や「おはらい町通り」の違いをはっきり認識しておくことが合否を分けた回があり,これらの選択肢を見て何らかの関連語が浮かんでくる状態に達している方は合格点に届くイメージです。
英語の一次試験は英検1級やTOEIC900点以上の実力があれば難しく感じませんが,英語力だけでは正解できない問題(地理や歴史など,他教科の知識が必要な問題)が2割くらいは含まれるので,年度によっては80点満点のテストで70点を目指すような戦いを強いられることがあります。
色々と語ってきましたが,要するに,どの科目も安定して得点するには相応の準備が必要です。
全国通訳案内士に合格するための勉強計画
| イベント | 目安時期 |
| 官報公示 | 4~5月 |
| 施行要領公開 | 5~6月 |
| 願書受付 | 6~7月 |
| 筆記試験 | 8月 |
| 筆記試験合格発表 | 9月 |
| 口述試験 | 12月 |
| 最終合格発表 | 2月 |
前章の内容を踏まえて,全国通訳案内士に合格する勉強計画を考えてみましょう。
上に挙げたのは毎年のスケジュール目安ですが,赤背景にした
- 願書を期日内に出す
- 8月と12月の試験に合わせて勉強する
ことが重要です。
客観的にみて口述試験と一般常識が特に難しいため,英語学習と時事ニュースのチェックは毎日のように行う必要がありますが,それ以外の地理や歴史,そして観光白書や旅行業法は詰め込み学習を基本とし,早めの段階で一度通読した後,試験直前で一気に記憶を呼び起こす勉強法を採用します。
また,一度の受験ですべてを突破できるとは限らないため,免除制度も視野に入れながら学習計画を立てることが重要です。
全国通訳案内士試験は科目数が多く,筆記試験当日の負担も決して軽くありません。
そこで,利用できる免除制度がある場合は活用しつつ,空いた時間と体力を一般常識や口述試験の対策に回す,という考え方を採用します。
もっとも,免除された科目の知識も二次試験では普通に問われるため,「受けなくてよい=勉強しなくてよい」ではありません。
あくまで,限られた時間の中で学習の重点を調整するための手段として使うのが現実的でしょう↓
全国通訳案内士試験の学習の軸
通年:英語学習と時事ニュースの確認を続ける
春~夏:地理・歴史・実務・観光白書を整理する
必要に応じて:免除申請に使える外部試験も活用する
筆記試験後:口述試験対策に取りかかる
免除に使える資格(TOEIC,英検,旅行業務取扱管理者,歴史能力検定など)の詳細や,活用時の注意点,おすすめの受験スケジュールについては,以下の専用記事で詳しくまとめています↓
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次章からは,地理・歴史・一般常識・通訳案内の実務・英語の勉強法について,免除制度の利用も視野に入れつつ,科目別にみていきます。
日本地理の勉強方法
日本地理について
- 外国人観光旅客が多く訪れている又は外国人観光旅客の評価が高い観光資源に関連する地理を範囲とする
- 内容は地図や写真を使った問題も含まれる
- 本試験は30分で30問程度の多肢選択式
- 合格ラインは7割
通訳案内士の地理対策ですが,都道府県の位置や県庁所在地,主要な川に山脈,さらには平野名や県ごとの特徴など,小・中学校で習う知識が頭に入っていなければなりません。
いきなり全国通訳案内士試験用の参考書を使って勉強を始めることも可能ですが,そうした基礎知識があるのとないのとでは解説を読んだときの理解力などに大きな差が出てきます。
私は小学・中学内容をスタディサプリを使って短期間で学び直しましたが,本番において有名な川や半島名は正解にはならずとも,文中だったり誤答の選択肢だったりに用意されていることが少なくありません↓
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むしろ,特産品の情報のようにスタサプからしか得られなかった知識まであります。
ただし,小・中学校の知識だけでは通訳案内士試験に太刀打ちできないことも確かです。
なので,都道府県ごとの主な観光資源についても続けて学んでいきましょう。
このときに学んだものは,どんどん白地図に書き込んでいくことをおすすめします↓

書き込みが増えていくほど完璧な参考書へと近づいていくわけですが,この時に記入するのは文ではなく,あくまで単語に留めておくところがコツです。
例えば,「磊々峡」に対して「覗橋」とだけ書き込んだ場合,後でこれら2つの単語を見たときにその繋がりを自分なりに説明できるかどうかで理解度を判断することができます。
白地図のサイズはできるだけ大きいものを使い,細めのシャープペンを使うと書き込みがしやすいでしょう。
自分の地図帳を他人が読むことはないので雑に書いて構いませんが,自分が後から読んだときにわからないことのないようにしてください。
また,読み方がわからなければ必ず確認してルビを振っておきましょう。
調べる際には「固有名詞+読み方」で検索する以外に,公式サイトのURL部分に注目すると楽です↓

いくつかまとめておいて,貯まったタイミングで生成AIに一気に聞いてみるのも良い方法です。
固有名詞を覚えられないのは記憶力がないからではなくむしろ当然のことなので,問題を解いて間違えたか初めてその名前を耳にした観光資源は,生成AIに聞くなどして関連知識までを増やすようにしてください。
「三大○○」が紹介されるたび,似たような名前のものを聞くたび,復習していて疑問が生じるたびに面倒くさがらずにその都度調べることが重要です。
知識量が増えてくると,復習の際に似た地名が頻繁に頭に浮かんでくることになります。
「大塚国際美術館」を学んでいる最中に「大原美術館」が浮かんできたのであれば,相互のページにそれぞれ「大原美術館(岡山)」,「大塚国際美術館(徳島)」などと追記しておきましょう。
ところで,このような方法で学んでいくと,県をまたがって広がる山地や地域など,他県との繋がりを意識することが減ってしまうため,私は白地図の他に全国地図を1枚用意しておき,全国的にどの位置の話をしているのか強く意識するように工夫していました。
画像やイラストで印象付けることも有効な方法で,「浮御堂」と「堅田の落雁」の繋がりがわからなければ,実際に調べてみることで,湖上の仏堂の周辺に鳥が群れているイメージに出会えるでしょう。
白地図に書き込む勉強法を採用するとGoogle Mapsの使用頻度が極めて高くなるため,パソコンを使った学習をおすすめします。
50時間くらい学習すると合格最低点に届く程度の実力が付くはずですが,これは,目をつむった状態で自分の書いた白地図が頭に浮かぶ状態です。
とはいえ,合格ギリギリの得点力では不安なので,10点上を目指しましょう!
発展学習には複数の候補が考えられますが,
- 地図帳を読む
- 旅動画を観る
- 旅行雑誌を購読する
のがおすすめです。
白地図ではない市販の地図帳(例:旅に出たくなる地図)を別に買って眺めるようにすれば,隣の県との繋がりが見えやすくなりますし,ガイド試験で狙われそうな知識が独立したページに記載されています(祭りとか鉄道とか)。
動画ですが,たとえアイドルが出てくるVlogのようなものであっても,観ていたおかげで助けられたことが少なくありません。
むしろ,近年は芸能人を使って地元を盛り上げる試みが顕著です。
英語を話す人が日本を旅しているものが好みなら申し分ありませんし,頻繁に旅行するでももちろん構いません。
日本歴史の勉強方法
日本歴史について
- 日本の観光地等に関連する日本歴史についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む)のうち,外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を問うものとする
- 内容は地図や写真を使った問題も含まれる
- 30分で30問程度の多肢選択式
- 合格ラインは7割
通訳案内士試験の日本歴史ですが,前提知識がない方がいきなり高校の教科書から始めると高確率で失敗します。
高校で日本史を選択していたなどの理由がなければ,大学受験用の教材はもちろん,通訳案内士用の市販本すら難しく感じられるでしょう。
そのため,まずは簡単な教材から始めて少しずつレベルを上げ,徐々に難しい教材へ移る形で知識量を増やしていくのがおすすめです。
私自身は理系だったので最初は小学校の歴史教科書から学ぶことにしましたが,これは地理の時と同様,スタディサプリを使い,スピード重視で歴史の流れをまずは押さえました。
次に行ったのは中学歴史の勉強です。
これは結構な回数を読み直すことになるので,教科書めいたものを1冊買ってしまって構いません↓

読み終えたら,通訳案内士用の問題集を買って繰り返しやりましょう。
ここまでやると,通訳案内士の過去問がある程度(最低でも5割くらいは)解けるようになっているはずですが,間違えたものはネットで検索して印象付けるか学んだことをどこかに書き残しておくと忘れにくくなります。
高校で使うような図録も用意し,文化ごとの建造物くらいは写真で確認しておくと効果的かもしれませんが,Wikipediaを使う際は,読んでもわからないことばかりで結構な時間が消費されてしまう恐れがあるため,何か1つでも新しくわかったことがあればそれ以上は深追いしないようにしましょう。
問題がある程度解けるようになったら,再度中学の教科書を読み直すようにしてください。
すると,最初に読んだときよりもずっと理解が深まっていることに気付くはずです。
この時点で試験に合格できる学力に達していないことはないのですが,「余裕で」合格するためには以下の発展学習を行う必要があります↓
- 歴史マンガを読む
- 高校の教科書を読む
私のおすすめは前者で,子ども向けだと敬遠する方がいらっしゃるかもしれませんが,今どきの歴史マンガは注釈が充実しており,大学入試にまで対応できると宣伝されているほどです↓
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特に,年号や人名を正確に覚えると本番で助けられることが多く,例えば昨年(2025年度)の問題では,1083年・1592年・1889年に何があったのかを知っているだけでも9点が得られました。
上で2つ目に挙げた高校の日本史まで学ぶとより合格可能性が高まり,時間が許せばここまでやりたいものです。
一般常識の勉強方法
一般常識について
- 現代の日本の産業・経済・政治及び文化についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む)のうち,外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を問うものとする
- 内容は観光白書や新聞(一般紙)に掲載された時事問題をベースに出題する
- 20分で20問程度の多肢選択式
- 合格ラインは6割
通訳案内士試験で最大の壁となり得る一般常識ですが,これだけやればOKという教材が見当たらないところが厄介です。
さらに悪いことに,免除申請ができる外部試験が存在しないために本試験を受けて合格しなければなりません。
ここ1~2年の知識が出される他,近い将来の内容まで出てきますし,たまに50年前の話題が出題されることもあるので,これらを網羅するにはクイズ王にでもならない限り難しいでしょう。出題内容に沿った試験が他に存在しないわけですから,高校の公民や倫理を勉強したところで歯が立ちませんし,就活生向けの一般常識問題集も対策には使えませんでした。
学習の基本は「観光白書」に設定すべきですが,最新のものは受験年度の6月頃にならないと公表されないことに注意しましょう。
しかも,近年は2年分の観光白書を5回読んだ状態で試験に挑んでも合格点には届かない年があります。
そこで,白書の知識で確実に得点しつつ,それ以外の出題に対しては,日頃のニュースチェック等で知識を補い,消去法などで「勘で当たる確率」を高めておく戦略が必要になります。
市販の対策本に頼って膨大な時間を消費するならば,生成AIに予想させた方が当たるかもしれません↓

提示されたワードごとに,より細かな情報を尋ねてさらに知識を拡張させるようにします。
以上をまとめると,当サイトの結論は以下のようになります↓
- いきなり過去問を解くことから始める
- 最近の観光白書2年分を5回以上通読する
- 覚えるべき数字は試験前に確認しておく
- 時事問題の参考書を1冊は買ってみる
- 理想を追うなら新聞を定期購読する
- 試験に出そうなネットニュースに注意する
- 生成AIに予想させてみるのもあり
- 気になった内容は一段深くまで調べる
全体的に曖昧な物言いが目立ちますが,過去問を解くことで試験に出そうな勘めいたものが磨かれることになります。
その結果,組織名でアルファベット表記になっているものだとか,近くに開催されるイベントの情報を詳しく調べようなどと思うようになって,行動が変化してくるものです。
その意味で,いきなり一般常識の過去問を数多く解いてみることが最も重要と言えるでしょう(解説を読まないようにすれば再利用できます)。
なお,直前になって発表されたニュースは試験問題に反映されないことに注意してください(問題がすでに作られてしまっているため)。
いずれにせよ,一般常識の攻略は最新の観光白書をメインに,長い時間をかけたその他知識の収集も必要で,このこともまた,全国通訳案内士の試験は数年越しで攻略すべきだと主張する根拠になっています。
通訳案内の実務の勉強方法
通訳案内の実務について
- 通訳案内の現場において求められる基礎的な知識を問うものとする
- 内容は観光庁研修のテキストを試験範囲とする
- 20分で20問程度の多肢選択式
- 合格ラインは6割
通訳案内の実務ですが,打って変わってこちらの学習範囲は明確です。
全国通訳案内士試験のガイドラインに書かれているように,観光庁研修のテキストが試験範囲のメインとなっていることは確かで,数年前に発売された参考書であっても現在のものと内容がほとんど変わらないので,大きな変更がない限りは最新データに目を光らせる必要がないところが助かります。
一度読み終えてしまうと数時間で記憶を呼び覚ますことができるので,早めに1度通読しておき,後は記憶が薄れ出すタイミング(1ヶ月おきなど)で読み直してください。
時間がない方には,市販の参考書が上手くまとめられていておすすめで,その場合,通読するのに数時間もかからず1時間で読み終えられてしまうものもあります。
ただし,読んだだけでは余裕を持った合格とはならないので,過去問を解いて間違えたところの関連知識くらいは,観光庁のテキストを使いピンポイントで学んでおきましょう。
なお,これは声を大にして述べておきたいのですが,「テキストに記載されている内容と同じものはどれか」的な安易な出題は見られません。
例えば,貸し切りバスのコンプライアンスに関して,
- 運転者の連続運転時間は4時間が限度で30分以上の休憩が必要
- 1日の運転時間は2日平均で9時間が限度
- 1日の拘束時間は13時間以内
- 実車距離が500kmを超える場合や1日に9時間以上運転する場合は交替運転者が必要
ということを観光庁のテキストで学ぶことになるのですが,通訳案内士試験の本番では,
- 1泊2日の行程で,初日は7時30分に車庫を出発,宿泊地には18時30分に到着し,運転時間は9時間30分だった。2日目は8時に宿泊地を出発し,車庫に19時30分に到着,運転時間は8時間45分だった。
という文面が正しいか正しくないのかを判断する必要があるわけです。
どれも文章が長めなので,読解力がない方(例えば,取扱説明書を読むのが苦手な方)は国語の勉強をやり直す必要があるかもしれません。
最近では,書くことで読む力を伸ばすことができるとも言われているので,試験勉強を通して,メモを用いた頭の整理を定期的に行うようにしましょう↓
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英語の勉強方法
外国語について
- 一次試験は読解問題(40点),和訳問題(20点),英訳問題(20点),あるテーマや用語を英語で説明する問題(20点)からなる
- 二次試験は口述問題で,3つのテーマから1つを選びプレゼンし質問に答える,試験委員が読み上げる内容を英訳して質問に答える
- 一次試験は90分で,二次試験は10分
- 合格ラインは7割
一次試験
通訳案内士の一次試験の英語について勉強することは,二次試験の役に立つことはもちろん,日本の地理や歴史の知識も深まるので無駄が少ないです。
昔と違い試験時間には余裕があり,場慣れにも役立ちます。
英文法が苦手な方や大学受験英語の知識(特にパラグラフリーディング)が抜けている人は多少の難しさを感じるかもしれませんが,構成は以下の通りで,20年くらい前の問題と比べるとずっと簡単になっています↓
筆記試験の構成
大問1:読解問題。単語や文法力,論理力や内容理解などが総合的に問われる。40点満点。目標点は8割で35分以内に解くこと。
大問2:和訳問題。正しく和訳されているものを選ぶが,見比べて訳し抜けや文構造が違うものを消していく。20点満点。1問ミスまでに抑え,目安時間は20分。
大問3:英訳問題。会話における日本語を正しく英訳したものを選ぶ。文法知識の他,違う意味の単語を使っていないかで見分ける。20点満点。1問ミスまでに抑え,15分が目安。
大問4:用語説明。日本語の用語を英語で正しく説明したものを選ぶ。知識がないと解けない。20点満点。1問ミスまでに抑え,15分が目安。
TOEICや大学受験英語と比べて,出てくる英単語が難しいことは確かですが,大問1においてはヒントが必ずと言ってもよいほど文中に存在しているので,意味を推測するのはそこまで大変ではありません。
ただし,大問の4つ目は厄介で,一般常識や地理歴史の知識がないと,どれだけ英語力があっても正解できないことを覚えておきましょう。
上で目安となる解答時間を示しましたが,外国語の免除申請ができるレベルの人であれば大問1を25分,大問2~4をそれぞれ10分以内に終えられるため,全体を2周することも容易です。
時間に余裕があることは重要で,実力通りの結果が出ますし,試験会場の雰囲気に慣れることもできます。
唯一途中退出が許される外国語の試験ですが,時間内に退出する人は皆無でした。
それだけ,みなさん本気ということなのでしょう。
私自身,TOEICは915点を取った年にガイドの過去問を5年分解いてみると全て80点以上でした。
ゆえに,考えられる対策は当人の実力次第で大きく変わります。
とりあえず過去問を1つ解いてみて,その結果を基に判断してください↓
- 時間内に終わり合格点が取れた→過去問または模試を1冊やれば十分。
- 合格点が取れない→高校英語からやり直す。
文構造を把握したり,英文法の知識が問われたりするあたり,大学受験のための英語が役立ちます。
これはTOEICではあまり求められないタイプの知識となるため,これまたスタサプの講座などを使って学び直しましょう↓
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この他,問題集を購入する時は紙のものを買うようにしてください。
英文に意味や文構造など書き込んで音読するからこそ英語の実力は高まりますが,電子書籍だとそういう使い方ができません。
二次試験
外国語に関しては,一次試験よりも二次試験の対策の方が重要です。
一次の英語が得意でも,日本の事柄をその場で英語で説明し,質疑応答までこなす力がなければ合格は難しくなります。
そのため,一次試験対策と並行して,日頃から「日本語で知っている内容を英語で説明する」練習を積んでおく必要があります。
プレゼンや通訳の具体的な勉強法,失敗しやすい点については,口述試験の記事で詳しくまとめています↓
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期間ごとの注意点
最後に,全国通訳案内士試験の勉強中に気を付けたい事柄をまとめておきましょう。
当日の持ち物や会場運営の細かなルールは年度・会場によって異なる可能性があるため,必ず最新の受験案内を確認してください。
試験前
1つ目ですが,先に示した勉強計画では複数の資格・検定試験を受けることになるので,願書受付が想像以上に早く締め切られてしまうことに注意してください。
私自身,国内旅行業務取扱管理者試験の申し込み期限が過ぎていることに気付かず,総合の方だけを受ける羽目になってしまいました。
全国通訳案内士試験が開催されるのは,お盆休み明けの暑くて台風が来るような時期で,帰郷も絡むと意外と忙しくなる時期ですが,勉強はポモドーロテクニックなどを用いて短時間の集中を回数こなすようにして乗り切りましょう。
勉強中はわからないことだらけでうんざりすることが少なくないように思われます。
ですが,わからないということはその知識を身に付ければ確実に賢くなれることをも意味していますから,その事実を純粋に喜ぶようにしてください。
また,試験の受験表は,スマホで表示する以外に印刷もできるので両方とも用意しておきましょう。
私は筆記試験の当日,スマホを家に忘れてしまったのですが,あらかじめ印刷しておいたおかげで取りに戻らずに済みました。
試験日
試験中は誰かのスマホの通知音が鳴ったり,大声でため息をつくような人がいたりと,教室によっては気が散りやすい環境になりますが,自分の力でどうにもならないものは諦めるようにしてください。
私が受験した回ではペットボトルは外装を外せば机上に置けましたが,水筒は注意されている方がいましたし,タオルや時計を個別にチェックされている人も見かけました。
本番中に知らない用語に出会った際は,そのこともまた1つの判断材料になります。
これまで多く勉強してきたからこそ,質問内容が自分の知らないことであった場合,見知らぬ選択肢が答えである可能性が高いわけです。
なんとなくで選びがちなものが誤答として用意されていることが多いようにも思うので,確信が持てない場合は特に注意してください。
「この答えなら自分は納得できる」と思えるかどうかが唯一の判断基準です 。
なお,マークについては問題番号と解答番号が異なることが,後半になるほど多くなっていくことにも気を付けましょう。
特に時間ギリギリになって重複してマークしていることに気が付くとパニックに陥ってしまうはずです。
試験ごとの間の時間の過ごし方ですが,免除科目がある時間帯にも会場内に座るスペースが用意されていた他,外国語の後の昼ご飯の時間には教室内での飲食が可能でした。
二次試験においては数時間と千円以上を費やしてわずか10分のテストを受けに行くわけで,私のように連続で落ちていると,もしも受かる見込みがなさそうであれば意味がなさそうとまで思うでしょう。
しかし,すぐ次にまとめているように,実は翌年以降の頑張りに繋がる貴重な経験です。
試験後
試験が会心の出来であれば大変結構なことですが,私のように二次試験で大失敗したことが自分でもわかってしまった場合であっても,
翌年度にまた失敗しても怖くないな。
と思えるようになります。
試験前に胸の中にあった,
失敗したらどうしよう…
という未知への恐怖は,現実に失敗したことで,自ら対処可能なトラブル程度にまでになりました。
不合格を一度経験すると,翌年は必要以上に萎縮せずに試験に臨めるようになります。
同じ状態になっても,大きくは崩れませんし,会場の校舎がまるで自分の庭のようにすら感じられます。
試験の直前期ともなれば,誰しも普段以上に本腰を入れて勉強するようになると思いますが,身に付いた良い習慣をできるだけ長く維持していくことも大事です。
二次試験であまり手応えがなかったときも,翌日から来年に向けて勉強している自分がいれば,それは物凄い変化といえるでしょう。
まとめ
以上,通訳案内士の受かり方についてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
初めての一次試験は全科目を受け,帰宅した際にひどく足が痛むなどの多大なダメージを受けたことで,免除申請の重要性を痛感した私です。
一次試験は時間切れの心配はないので実力通りの結果になりやすいですが,そもそもの時間が短い一般常識や通訳案内の実務は,見直しの時間までを十分に取ることができないので,これまでの注意点を念頭に置きあらかじめシミュレーションをしておきましょう。
読み間違いや読み抜けがあると,正解を導くための重要なヒントを見落としてしまうことに繋がりやすいため,変に焦らず,時間を程よく使って解くことを心掛けてください。
科目数が多く大変な試験ですが,通年で続けるものと直前に集中するものを分けて考えると,対策の見通しはかなり立ちやすくなります。
当記事が,これから全国通訳案内士試験に挑戦する方の学習設計に少しでも役立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。





