今回は「河合塾Oneを使って日本史や世界史を学ぶ際の内容とその勉強法」について考えてみたいと思います。
残念ながら,河合塾Oneがウリにしている「AIおすすめ学習」は社会科に関しては利用できないのですが,教材内容としては,演習問題に加えて,基本解説とレベルチェックテストと遜色ないものが揃っているので,自分で計画して取り組まなければなりません。
なお,当記事では,私が日本史に取り組んだときの方法もまとめているので参考にしてください。
それでは早速,内容の方からみていくことにしましょう!
河合塾Oneの日本史と世界史について
2020年9月,河合塾Oneで学習できる科目に「日本史」と「世界史」の2つが追加されました。
私はこれらの強化を学び直したいと思っていたこともあり,この日が来るのを待ちわびていたわけですが,暗記色の強い科目というのはAIによる恩恵を受けにくく,今回紹介する日本史や世界史には「AIおすすすめ学習」機能がないようです。
この機能というのは,学習者の理解度に合わせて,AIが最適な学習教材を自動で選んできては提示してくれるという,いわば「個別最適化学習」に通じるもので,特に積み重ねが必要な教科において重宝するものになります。
なお,それから数年経って河合塾Oneに「生物基礎」が実装されたわけですが,こちらもAIおすすめ学習に対応していなかったので,その予想は正しかったようです(生物は,理科の中でも暗記する事柄が比較的多いことで知られる科目です)。
なお,基本解説の動画もあるので,インプットして演習問題に臨むことができるようになっています。
それぞれで扱う単元についてまとめておきましょう↓
日本史と世界史の単元
日本史:原始・古代(39),中世(50),近世(68),近代(47),現代(19)
世界史:5世紀(13),10世紀(9),15世紀(34),現代(121)
全範囲を網羅的に扱っていることがわかりますが,カッコの中の数字はトピック数で,例えば,世界史の現代は121個のトピックから成るわけです↓
これらの1つ1つに練習問題が用意され,大体10問くらいを解くことになりますが,詳しくは次章でみていくことにしましょう!
日本史と世界史の演習問題
河合塾Oneで日本史や世界史の演習問題を利用しようと思ったら,マイページにある「教科・単元選択学習へ」をクリックするなどでアクセスできます。
日本史・世界史ともに使い勝手は変わりませんので,ここでは前者から「弥生~古墳時代の社会」を例にやってみることにしましょう。
構成としては「出題文(画像左),設問(画像中央),解答欄(画像右)」の3つがあり,これらの画面を切り替えながら(行き来しながら)解答していきます↓
解答欄に選択肢が12個確認できますが,実際にすべてを使うことはありません。
大体が3択か4択問題です。
また,今回のトピックは全部で10問ありましたが,これらのすべてに解答することで初めて「解答・解説」に進めるようになります↓
丸つけは自動で行われ,問題を読んで解くまでは10分あれば余裕でした。
また,間違えたものだけに解説が表示されるようなことはなく,正解・不正解問わず全ての問題についてが表示されてきます。
解答が自動で採点されてくるところはオンライン教育ならではのメリットだと言えるでしょう。
1つ1つの問題に対し解説がしっかりと用意されており,予備校の解答らしい文面(「~とあれば容易に解答できるだろう」)や,予備校ならではの説明(稲作の開始=弥生時代と安易に考えるのは危険である)が見受けられる点が個人的に気に入りました。
結局,1つのトピックを学習するのにかかった時間は20分程度で,学び終えると学習状況と学習完了率が変化します↓
視覚的に進度が把握できることで,学習者は励まされてやる気に繋がるので,意外と重要な機能だと言えるでしょう。
日本史と世界史の基本解説とレベルチェック
河合塾Oneの日本史と世界史に「基本解説」と「レベルチェックテスト」が実装されたのは2020年12月のことです。
これら2つはいわゆる「メイン教材」にあたり,
- レベルチェックテスト
- 基本解説
の2つから主に構成されます。
このうち「基本解説」は基本的に練習問題とその解説までがセットになっていて,上記画像で示したような動画を使って,モニター越しに予備校の授業を受けているような感じで学んでは,レベルチェックテストを解いて理解を確認するという流れです。
なお,理想を言えば「レベルチェックテスト」というのは基本解説の受講前と受講後でどれだけできるようになったかを確認するためのものですから,動画を観る前にも一度解いておくとベターでしょう。
レベルチェックテストは1つのトピックにつき全10問があり,解説も用意されていますが,こういった問題を解けるように基本解説がなされるわけなので,受講前のレベルチェックテストでは熟読する必要はありません↓
なお,レベルチェックテストに取り組んだ回数は即時反映され,そのときの詳細(出来や日時など)は学習履歴の方に記録されます。
そして,これらのトピックと前章で紹介した演習問題は完全に対応しているので,復習用として毎回使っていくことになるでしょう。
ただし,レベルチェックテストの出来がイマイチであれば,こちらを復習用に使うということも可能です。
次章では,そういった河合塾One社会科の勉強法を紹介します。
河合塾Oneを使った日本史と世界史の勉強法
最後に河合塾Oneを用いた日本史と世界史の勉強法についてまとめておきましょう。
1つ目に紹介した演習問題については,現時点での知識量によって解答・解説を読むのにかかる時間は変わってくるものですが,20~30分もあれば1つのトピックの学習は十分可能です。
解説の質はさすが河合塾といった内容で,学習者の誤解しやすいポイントや間違えやすい用語を比較して示すなど,教科書に載っている解説よりも実践的な形で伝授してくれます。
順番としては,当記事の紹介順とは異なり,
- 基本解説・チェックテスト
- 演習問題
- 河合塾One以外の問題集
といった流れで取り組む方法がおすすめです。
以下は,日本史や世界史の参考書として有名な山川出版社の一問一答になりますが,こちらは完全に答えだけしか載っていないため,基本解説・チェックテストに加えて演習問題までの単元(日本史だと原始・古代,中世などとなっているもの)を終えた時点で,一問一答で深めることになります↓
もっとも,一問一答までやれば大学受験にも対応できる力が付いてしまうので,その代わりに学校で配られているワークや問題集(より易しいもの)を使うでも構いません。
大変さを取る分,獲得できる総知識量は増えますが進みが遅くなってしまうので,これはみなさんの目的次第です。
また,河合塾Oneの基本解説ではイラストや写真も豊富に出てきますが,少なくとも問題を解いていて間違えてしまったものに関しては日本史図録(図説)やインターネットを使って別で調べることで,より記憶を鮮明にとどめておくことができます↓
暗記科目は時間の経過とともに忘れ行く運命にありますが,一度深く学んでおけばおくほど,後になって思い出す際に必要な労力がより少なくなるので,重要な試験前に一気に見直せばよいだけのことです。
まとめ
以上,河合塾Oneの日本史と世界史について,教材内容の簡単な紹介と勉強法についてみてきましたがいかがだったでしょうか。
教科書範囲をしっかり理解するというのが河合塾Oneの基本方針ですから,学校で配布された教科書と図録さえあれば,あとは基本解説と演習問題を使うだけでも十分な学習ができるように思われます。
時間にして1つのトピックあたり30分とすると,全部で200トピック程度ですから100時間あれば1つの科目について学習が一通り完了するので,長期休暇の2ヶ月間,毎日2時間学習すれば十分に学び終えられる点は,未習範囲の多い高校生にとっては嬉しいでしょう。
もちろん,AIの恩恵を受けられないことや使い勝手の悪さ(演習問題の画面切り替え)もあるでしょうが,多くの人は英語や数学のような教科を河合塾Oneのメインとして学んでいるでしょうから,そのおまけとして,日本史や世界史の学習コンテンツが付いてくると考えれば決して悪い気はしません。
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最後までお読みいただきありがとうございました。