今回ですが,スタディサプリENGLISHの英会話セットプランにおける「講師の国籍とスタンバイ状況」についてまとめてみたいと思います。
本プランがベーシックプランと大きく異なるところは,何といっても,オンライン英会話を使ったアウトプットの練習ができるという点です。
価格的に4000円近く多めに支払うことになるわけですが,使い勝手はその差額に見合ったものでしょうか。
例えば,自分が使いたい時間帯に満足に講師が揃っていない状況であれば困りますし,折角海外の方との貴重なレッスン機会が得られるわけですから,なるべく多くの国の方と会話をしてみたいと思うのは当然です。
なお,これまでに本家のネイティブキャンプを使ったことがある方であっても,スタディサプリのレッスンでは,提供される講師数に限りがあることはご存知でしたでしょうか。
そういった側面も合わせて,1つ1つ検証してみることにしましょう!
スタディサプリのネイティブキャンプについて
スタディサプリの英会話セットプランでは,オンライン英会話を行う際,ネイティブキャンプのアプリやWebサイトを使うことになるわけですが,スタディサプリを介さずに使った場合(これを本家と呼ぶことにします)と比べて,サービス内容に多少の違いがあります。
例えば,本家において受けられる講座としては,キッズコースやTOEIC対策コースだったり,発音コースやカランコースなどがあったりするわけですが,英会話セットプランにおいてはスタディサプリの教材を使った講座のみの展開です。
もっとも,本家で逆にスタディサプリの教材は使えないため,英会話セットプランはアプリとオンライン英会話の両方を使って学べるところが魅力だと肯定的に捉えることもできます。
ただし,講師の国籍に関してはネイティブ講師を指名できないことにご注意ください。
上に載せた比較画像では,右側本家のアプリ画面にはイギリスやアメリカ,オーストラリアといった英語圏の講師がスタンバイしていることが確認できますが,スタディサプリ版の画面では英語のネイティブ講師は選べません。
その他,ノンネイティブの扱いに関しても,日本人やキャラクターを講師に指名できないといった違いが存在します。
とはいえ,本家でネイティブを指名予約する際には,非ネイティブの4倍以上の料金(コイン)がかかることが知られていますし,そもそも,ビジネス英語でコミュニケーションを取る場合,人口比で考えると非ネイティブを相手にすることの方が多いとされる時代です。
さらに,スタディサプリ版のネイティブキャンプに登場してくる講師というのは,スタディサプリを教えるための試験を正式に通過してきた方のみで,英語を第2言語とする国の中でも英語の運用能力が高いとされる国の講師ばかりが確認できます。
そうした講師の特徴として,熱意があって非ネイティブに英語を教えるための資格(TEFLなど)を取得している場合が多く,逆に説明がわかりやすいと感じることすら多々あるわけです。
これは例えば外国人に対して,日本語ネイティブであるはずの自分が教えにくさを感じることがあるのと同じ理屈でしょう。
コスパ面での評価についてはさておき,ここでは,英会話セットプランにおけるネイティブキャンプの講師は,資格や国籍の面で限られているということを一つ覚えていただけたらと思います。
2021年の2月と3月に,それぞれビジネス英語コースと新日常英会話コースのセットプランが開始となってから,ある程度の時間が経って,だいぶサービスの質が落ち着いてきたように見受けられる昨今です↓
ここで一度,使い勝手に関して詳しく調べてみることにしましょう!
スタサプ版ネイティブキャンプの講師のスタンバイ状況
調査方法
英会話セットプランにおける,ネイティブキャンプ講師陣のスタンバイ状況ですが,以下の条件で調べています↓
- 今すぐレッスンが可能な講師人数を調査
- 国籍,性別,年齢の指定はなし
- 6時から24時までの時間帯で調べる
- 各時間帯のサンプル数は13以上
- 調査は2021年7月の平日を中心に実施
- 土曜(7/31)と日曜(8/1)にも調査(n=40)
ネイティブキャンプでは,今すぐレッスンの他に予約レッスンも受けられますが,各講師ごとに受け入れ状況が異なりますし,後者は予約さえすればほぼ100%の確率で希望のレッスンを受けられることもあり,あくまで,アクセス時にレッスンをすぐに開始できる前者のみで計測しました。
なお,毎週月曜日の0~6時は,ネイティブキャンプがメンテナンス中で利用できないことや,多くの方の生活リズムなども考慮に入れて,調査時間は6~24時までとしています。
また,週末や仕事が休みの日は,比較的空き時間が作りやすいように思われるため,何回かアクセスしていれば,どこかしらのタイミングで今すぐレッスンを受けやすいはずです。
ゆえに,ここでは平日の状況を基本に調べることにしました。
具体的な調査方法ですが,各時間帯を「0~20分,20~40分,40~60分」の3つにさらに細かく分け,それぞれで同程度に講師を検索し,最終的には3つの区分の結果を平均して算出することとします。
例えば「8時10分・8時30分・8時50分」にそれぞれ5回ほど検索し,今すぐレッスンが可能な講師が「14人が5回・13人が5回・18人が5回」だった場合,8時のスタンバイ人数は(14×5+13×5+18×5)÷3=15人のように求めるということです。
調査結果
さて,上記調査の結果ですが,平日におけるスタンバイ状況は,以下のグラフのようになりました↓
横軸は6時~24時までの時間帯を表し,縦軸がその1時間にスタンバイしていた講師の人数です。
黄色の実線が平均を示していますが,緑色の線は計測した中で最も多かった人数を,逆に青線は最も少なかった人数をそれぞれ示しています。
このグラフをみると,朝の一部時間を除くほぼ全ての時間帯において,10人以上の講師が即座にレッスンを開始できる状態でスタンバイできており,15時以降は平均して20人以上の講師が待機している時間帯が長く続くことがわかりました。
なお,平均人数がピークとなるのは19時で,最も少なかったのは8時です。
全時間帯の平均だった17.8人に近い14時のデータ(18.0人)を基準に,これら時間帯と比べてみましたが,どちらも統計的に有意でした(t検定を行った結果。19時と比較した際のp=3.0×10-4,8時と比較した際のp=4.0×10-6)。
今回の調査で有意差が認められた(p<0.05)時間帯は,以下のように分類することができます↓
講師数に差のある時間帯
- 少ない時間帯は6~9時
- 多い時間帯は16~19時
なお,1人も利用可能な講師が存在しない時間は,調査期間中に1度もありませんでしたが,7~8時の時間帯において,講師のスタンバイ人数が1~2名だったことがありました。
逆に19時には最大となる53人が確認でき,最小との差は37名と最大でした。
また,土曜日と日曜日のスタンバイ人数を調べたところ,
土日のスタンバイ状況
- 土曜は平日と有意差なし(p=0.83)
- 日曜は平日より有意に少ない(p=3.1×10-7)
となっています。
特に日曜日は,調査した時間帯の平均人数が6.19人と少なく,今すぐレッスン可能な講師が11人以上だったタイミングが40回中3回しかなかった他,平日+土曜日には一度も見られなかった「講師数0人」という数字を,わずか1日の間に2回も目にすることになりました。
考察
16~19時といった夕方の時間帯において特に多くの講師が確認できたことから,仕事終わりの社会人の利用が増え始めると想定される時間帯において,講師数は十分な数スタンバイしてくるようです。
よって,夜にオンライン英会話を利用する方であれば,心配せず快適に学習することができるでしょう。
逆に,朝のうちにすべてを終わらせようと計画している方は,講師数が特に少なくなっている6~9時の時間帯は注意するようにしてください。
ところで,同じ時間帯であっても,スタンバイ状況はちょこちょこと変動する場合があります。
これは,最大と最小の人数差が特に大きい時間帯において顕著で,例えば,1回目に「8人」という検索結果であっても,その数秒後に検索し直すと「18人」になることも普通にあるということです。
気に入った講師が見当たらない場合も,画面を更新し直すことで状況が改善される可能性があることを覚えておきましょう。
また,スタンバイしている講師ですが,スタディサプリのレッスンのためだけに存在しているわけではありません。
彼らは本家のネイティブキャンプのコースも担当していて,さらに言えば,日本人以外の顧客にも対応しているわけなので,英会話セットプランでは,スタディサプリに対応できる講師のみが画面に表示されていることになります。
よって,利用者が増える時間帯においては,講師の選り好みがすぎると,決めた相手がすぐに取り込み中になってしまうこともあるので気を付けてください。
いったんレッスンがスタートすると数十分は戻ってきませんので。
なお,調査日数はわずか1日となってしまいましたが,土曜日の講師数は平日とそれほど変わらないことがわかりました。
しかし,日曜日に関しては明らかに様子が異なり,講師のスタンバイ人数が平均で10人を超えることはありませんでした。
これは,予約レッスンを日曜日に行っている人が多いことで,フリーな講師の数が少ないためだと考えられます。
今すぐレッスンを全く受けられないことはありませんが,平日と比べると大変取りづらいことは確かです。
よって,日曜は予約レッスンの日と決めておく方が無難でしょう。
スタサプ版ネイティブキャンプ講師の国籍
先述したように,スタサプ版のネイティブキャンプは本家と異なり,英語圏や日本出身の講師は含まれないのですが,理論上は127ヶ国もの講師が選べる計算です↓
- アジアの16ヶ国
- ヨーロッパの40ヶ国
- アフリカの35ヶ国
- オセアニアの2ヶ国
- 中南米の23ヶ国
- 中東の11ヶ国
ここで「理論上」と断ったのは,検索条件にある「国籍」という項目において,127個の国々が確認できるにすぎないからであり,実際使っていると,あらゆる国籍の講師が同じ頻度で指名できるわけではないことに気が付きます。
極端な話,1日中,画面に張り付いていたとしても,特定の国籍を持つ講師を1人も発見できない場合も往々にしてあるということです。
調査方法
そこで,前章の調査を行うと同時に,確認できた講師の国籍についてまとめてみました。
調査方法は以下の条件で行っています↓
- 今すぐレッスンで確認できた講師の国籍を記録
- このとき,人数や時間帯までは調べない
- 調査は6時~24時に実施
- 最後に1日あたりの平均を求める
- 参考として日曜日の講師国籍も調査(n=1)
調査結果
今回,スタサプ版のネイティブキャンプで確認できた講師の国籍は以下の通りです↓
今回確認できた国籍(五十音順)
アフガニスタン・アルバニア・アルメニア・アンゴラ・インド・インドネシア・ウガンダ・エチオピア・カメルーン・ガーナ・北マケドニア・キルギス・クロアチア・ケニア・コロンビア・ザンビア・ジャマイカ・ジンバブエ・スリランカ・セルビア・トルコ・ナイジェリア・パプアニューギニア・バングラディッシュ・フィリピン・ブルガリア・ベナン・ボスニアヘルツェゴビナ・南アフリカ・メキシコ・リベリア・ルーマニア
今回の調査期間においては,全部で33ヶ国の講師が今すぐレッスンに登場し,平均して毎日24ヶ国の講師を確認することができました(n=6)。
また,日曜日の国籍に関しては11ヶ国でした。
これらは,今すぐレッスンの場合に限ったものではありますが,講師のほとんどはフィリピンの方だと考えておいてください。
体感的には,8割程度の講師はフィリピンの方で,残り2割を他国の講師が占めるイメージです。
なお,上の国名で赤色になっているものは,極めて遭遇する確率が低い国籍となっています(1週間に1回見つけられるかどうか)。
考察
ここでは,フィリピン人の講師が多い理由について考察してみますが,日本との時差が1時間しかないことが特に大きいのではないでしょうか。
例えば,日本が20時のとき,フィリピンは19時とほとんど変わりません。
このように,私たちと生活リズムが近いため,ネイティブキャンプで見かける頻度も多くなるように思われます。
逆に,日本が深夜から早朝の時間帯にかけては,ナイジェリアやカメルーン国籍の講師が多くなるのですが,これも時差に注目すれば納得でき,例えば日本の5時はナイジェリアでは21時です。
ところで,日本におけるオンライン英会話の本場と言えばフィリピンで,短期留学の舞台としてのセブ島も有名だと思います。
また,ネイティブキャンプでは講師陣のちょっとしたプロフィールが見られるのですが,同国の方には英語教育に長けている講師が多く,日本におけるウーバーイーツではないですが,コロナで職を失った優秀な方の生活を支えるという役割を担っているのかもしれません↓
-
スタディサプリの英会話セットプランの使い方
スタディサプリENGLISHでは,2020年の時点ですでにオンライン英会話が利用可能でしたが,2021年の2月と3月に,インプットとアウトプットの連携をより強固なものとした「英会話セットプラン」が満を持して登場しました。 ...
続きを見る
まとめ
以上,スタディサプリの英会話セットプランで利用できるネイティブキャンプの講師陣に対する調査結果について考察してきましたが,いかがだったでしょうか。
スタンバイ状況に関しては,平均で18人ほどの講師が絶えずスタンバイしており,国籍は少なくとも毎日平均して24ヶ国は確認できたため,バリエーションは豊富だと感じました。
ただし,月~土の6~10時は少なくなることと,16~19時にピークを迎えることを覚えておきましょう。
そして,日曜日は全体的に利用可能な講師数が少なくなるため,基本的には予約レッスンをおすすめします。
このように考えると,予約レッスンの講師については完全に好みで決めるものの,今すぐレッスンの場合は,これまでに会話したことがない国籍の講師を優先して選んでみるようにすると面白いかもしれません。
もっとも,時差の問題や,その国籍を保有する講師がほぼオンライン状態にならない場合もあることを考えると,こだわりすぎた結果,講師を見つけられないまま時間だけがただ過ぎていく状態が続く可能性もあるので要注意です。
ところで,ネイティブキャンプを利用する目的が,スタディサプリの教材内容を十分理解して自分のものにすることである以上,発音やカランメソッドなどに目移りすることなく,ある程度の制限が設けられた中で自由に使えるところが,英会話セットプランを利用するメリットだと言えるかもしれません。
今回のスタンバイ状況や講師の国籍を考えると,英語で自分の言いたいことを伝える練習は十分にできると判断できますし,何より,アプリを使ってしっかりと勉強した上でオンライン英会話に臨めることは,スタディサプリならではの魅力です。
ネイティブキャンプの講師も,スタディサプリの教材に精通しているわけですから,ある程度,心の準備ができた状態でスタンバイしているでしょうし,英会話セットプランで練習して慣れてきてから,いよいよ本家の方に切り替えるといった選択肢も考えられます。
どちらから入るのが良いかについては人それぞれだと思いますが,スタディサプリのアプリの利用価値が高いと感じるような方であれば,英会話セットプランの方に軍配が上がるでしょう。
いずれにせよ,両者ともに無料体験ができますので,あらかじめどちらも試すようにしてください↓
また,その際は,自分のライフスタイルと講師のスタンバイ状況を,よく観察しておくことをおすすめします。
私が学生だった頃,日本人同士が英語で会話するという授業スタイルには大変抵抗があったのですが,語学の本質がコミュニケーションにあることに気づいてからは,「これもまた貴重な実践の場なのだ」と考えを改めるようになりました。
ネイティブや非ネイティブなどと考え始める前に,まずは相手に英語で自分の言いたいことを伝えられるかどうかを第一に考えることが,語学の上達に必要な態度であると今の私は考えています。
会話を楽しむ気持ちは忘れずに,レッスンに励んでいきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。