今回は「RISU」という,算数に特化した通信教育について取り上げることにし,その特徴や使い方をみていきましょう!
タブレット型の教材ということで小学生は楽しく学ぶことができますし,未習範囲の高速学習にも向いた教材で,算数に特化した無学年教材に相応しい大変ユニークな問題に触れることも可能です。
ここでは,RISUの魅力をまとめるところから始めて,実際にRISUをどのように使っていくことができるのか,塾講師目線でいくつか紹介してみたいと思います。
RISUの魅力
RISUの生みの親は今木智隆氏で,京都大学大学院を修了後,就業先でユーザーの行動調査やデジタルマーケティングを経験し,2014年にRISU Japan会社を創設するに至りました。
氏の主張は「算数だけは苦手にさせてはいけない」ということであり,それは当然ながらRISU開発の原動力にもなっていて,論理的思考力から問題解決能力,さらには情報を整理したり相手の質問を的確に捉えたりする力を育むことができます。
おまけに,子どもは電子機器が大好きですから,RISUのようなタブレット型の教材を使うことで,勉強習慣を身に付ける上で必要とされる「勉強頻度の問題」も解決できるでしょう。
逆にやる気を削ぐことになってしまうバッテリー切れにだけは気を付けたいものですが,後は子どもの目に付くところに置いておけば自然と手に取ってくれるようになります。
なので,パッと開いてちょこちょこ学習できるRISUで勉強回数が自ずと増えることは大きな魅力の1つだと言えるでしょう。
実際,電源ボタンを押してみると,数秒以内に前回の続きから再開することができました。
しかし,それ以上に注目したいのは学習内容の方です。
そもそも,学校で使う教材やドリルというのは学年別にまとまっているため,算数が苦手になった原因が今の学年よりも前に習った内容にある場合はどうすることもできません。
例えば,小学4年生が立体図形でつまづいてしまった際には,小学2年生で習う平面図形のところからやり直すのが指導上のセオリーだとされています。
とはいえ,件の小学生自身はそのことに気づけないわけですから,わざわざ昔の教科書を引っ張り出してくることはなく,
頑張って勉強してみたけれど,できるようにはならなかった
という嫌な記憶だけが残ってしまうわけです。
しかしそんなときにRISUで学んでいれば,わからない単元が判明した際,その前提知識となっている単元にまで大きく戻ることが簡単にできます。
これはRISUの学習カリキュラムが単元ごとに進んでいく形式を採用しているからなのですが,この仕組みにより学習者は学年による縛りを受けることなく,AIを搭載した個別最適化学習の恩恵を享受できるのです↓
学年をまたいで学習できることにはもう1つ良い効果があり,大きく戻った分だけ説明がより簡単になってわかりやすくなるため,
あれ?苦手なはずのところだけど,意外とわかるかも
と,本人が自信を持てることに繋がります。
RISUに「ずいぶん前に習った内容です」などと記載されないため,ある意味,この気持ちは錯覚なのかもしれませんが,個別最適化学習というものはそもそもこういう性質のものであり,本人が気を良くすることは大いに結構です。
褒められて嬉しくない児童は少ないですから,苦手分野をきっかけに自己肯定感を高められてしまうことはRISUで学ぶメリットと言っておきましょう。
学習方法は基本的にスモールステップ(基本的な内容から始めて,標準,応用と少しずつ難しくしていく)方式ですが,ドリル教材のように同じ問題を大量に解くような詰め込み型にはなっていません。
数を多くこなす演習に関しては学校の宿題で普段嫌なほどやらされているでしょうから,家庭学習は良質な問題を使ってできるだけ辛い思いをせずに行うべきだと個人的には思います。
もっとも,出てきた問題にすべて正解できるようにならないと新しい問題は表示されてきませんし,単元ごとにある達成テストで60点以上を取らなければ次の単元に進むことはできません↓
時間制限付きな上,タッチペンを使って計算する必要もありますが,右下に見えているヒントも利用できますし,再挑戦もできるので何にも手がでない状態には陥らず,理解不十分な状態で先に進むこともないです。
その他,間違えた問題を中心に動画が適宜配信されてくるため,メリハリが付いた学習が可能であることもここで併せて述べておきましょう。
ところで,デジタルデバイスを利用するメリットはデータ化しやすいところであり,RISUにおいても10億件以上にも及ぶデータが効率的な学習を生み出すために活用されています。
学習者の正答率以外に,解くのにどれだけ時間がかかったかだったりいつ勉強したかだったりも記録され,これらは後述する進度報告における判断材料として使われることになりますし,ズルしてすぐ答えを見てしまうなどの誤った使い方をすればすぐにお知らせが届くことになるわけです。
この仕組みによりRISUは小学生が独学することを可能にし,変な個別指導塾に通うよりもより厳密に監督してもらえると言えるかもしれません。
その他,ポイントを集めてもらえる景品は本人の実力に応じたものとなるため,やる気の維持に役立ちます↓
色々と魅力を述べてきましたが,ここでいったん整理してみた結果は以下の通りです↓
RISUの魅力
- 学習頻度が増えて学習効果が高まる
- 学年を跨いだ戻り学習が簡単で自信が付く
- データ管理により厳密な指導が行われる
次章からは,これらの魅力を生かしたRISUの使い方についてみていきましょう!
RISUの始め方
電子機器を使うので難しいかと思っていましたが,RISUの使い方は簡単です。
勉強に必要な道具はタブレットのみで,充電に必要なケーブルや取扱説明書は,初回に送られてくる箱の中にすべて入っています。
本体に目をやってみても,上部に充電用のmicroUSBプラグをつなぐ箇所や音量の大小を調節するボタン,そして電源ボタンがあり,下部には内蔵スピーカーが見えているだけのわかりやすい仕様です。
子どもはタッチペンやらタブレットに興味を示す反面,隙あらばカメラや関係のない機能を使って遊び始めてしまうこともあるため,RISUに余計な機能が付いていないところも良い工夫でしょう。
自宅にあるWi-Fiを使って無事にネット接続できました。
実力テストを解く
簡単なガイダンスでRISUの基本操作を学んだあと,早速実力テストを受けることになります。
これは飛ばすことが出来ない上,かかる時間も30~60分に及ぶ大掛かりなものですが,学年別ではなくあくまで実力に合わせて進んでいくRISUなだけに,スタート地点を決定する実力テストは重要です。
逆にこれさえ乗り切れば,後は自分のペース(例えば1回5分など)で学んでいけるので頑張りましょう!
問題内容ですが,それこそ「バナナは左から何番目にあるでしょう」的な簡単な質問から,「45dLのミルクをその0.4だけ飲みました。残ったミルクは何dLになりましたか」という難しめのものまで,広範囲を総ざらいできるものになっていました。
とはいえ,全部できて「まったく学ぶところがありません」とはなりません。
算数が苦手な子であれば,自分の現学年よりも判定が下に出ることもありますが,むしろそれが自然であって,できないからこそ学ぶわけですから,結果を恥ずべきではないと諭してあげたいところです↓
なお,解けるレベルにあると判断されたステージについては,実際の勉強マップで「テストでクリアずみ!」の文字が表示され,自分に必要なところから開始することができます。
声かけをする
自分が努力したことを周りの家族に知ってもらい,それを褒めてもらえることはこの時期の子どもにとって大切なことです。
RISUで普段取り組む「ステージ」は1つあたり全部で25題(75~100問)から構成され,そのうちの1題を解くのに最低でも2~5分はかかるため,やり遂げるためには1~2時間を費やすことになります。
先述したように,単調な詰め込み型の学習ではないものの,それでも同じ単元を形を変えて何問か解くことにはなるので,やる本人からすれば中々に大変です。
幼い頃の経験は後の人生に大きく影響を及ぼすもので,勉強面での頑張りも例外ではありません。
これについては身近にいる大人が積極的に褒めるようにしてください。
「自分が学んでいる内容に興味をもってもらえているのだ」という安心感がやる気に変わるわけです。
ちなみに,子どもの学習状況は登録したメールアドレスに逐一届けられます(水色部分は子どもの名前です)↓
これ以外にRISUのチューターからもお祝いの動画が届くのですが,このような小まめな声かけがあるからこそ,教育というのは真の意味で効果を発揮することになることを再認識させられるでしょう。
オンライン教育を利用するときには,特にこのことをしっかりと胸に刻んでおく必要があるように思います。
それでは逆に子どもが勉強をしないときにはどうしたらよいでしょうか。
その場合に「RISUをしなさい!」と声かけするのはNGで,「RISUを手伝おうか?」などと申し出るようにしてください。
このときは子どもに寄り添う姿勢を見せることが肝要で,タブレットを開きさえすればある程度の時間は学んでくれますので,まずは日常のどこかでRISUを触らせる時間を設けるところから始めましょう。
マイページを確認する
学習状況ですが,親が子どもに直接尋ねる以外に確認することができます。
その際に用いるのが「マイページ」で,契約情報などの設定が確認できるだけでなく,子どもの学習ペースや進捗状況について客観的に判断することも可能です。
毎日の学習記録からは直近の「7・15・30日」における勉強頻度や平均的な勉強時間を知ることができた他,進捗状況では「○年生のどんな問題にまで挑戦してきたか」まで詳しく表示されてきます↓
コラムでは他のユーザーの実践事例について知ることもできるので,声かけを行なったり勉強法を考えたりする上でのヒントにしてください。
RISUで子どもの算数の苦手意識をなくすには
小学生を教育する上で最も気を付けたいことは苦手意識を持たせないことです。
算数の好き嫌いは小学3年生頃に芽生えてしまうとよく言われているので,その時期の前後は特に注意してください。
なお,塾で教えていて強く感じるのですが,正しい順番で教えていって理解できない小学生はまずいません。
もちろん,テストまでの残り日数と抜け落ちた知識量によっては,当日までに間に合わずいまいちな成績を取ってしまうことも無きにしも非ずですが,時間に制約を設けなければ義務教育レベルの内容は誰にでも理解できます。
それが,学校の授業を聞いていなかったり,適切なタイミングで復習しないまま放っておいたりで,少しずつ後れを取ってしまうことに繋がるわけです。
なのでここでは,算数が苦手な小学生ほどRISUで先の範囲にまで学び進めてしまうことをおすすめします。
できない子にまさかの予習を勧める形になるわけですが,むしろそれが正解です。
小学校の早い段階で,6年間を通して習う範囲をひととおり学んでしまえばどのような結果になるでしょうか。
しばらく経って「忘れてしまったから」という理由で既習内容を復習することはあっても,それがちょうど今学校で習っている範囲に重なるくらいには進んでいる状態になるわけです。
わからなくなったときに全く知らない内容であれば恐怖してしまいますが,すでに知っているものを忘れているだけの状態であれば,
どこかで見たはずの問題だけど,どうやってやるんだっけ
などと投げ出さずに食らいついていくことができます。
いわゆる「強くてニューゲーム」ではないですが,巷では「チートだ」などと揶揄されて然るべき学習戦略であっても,これからの時代には大いに採用すべきです。
なお,算数が苦手になっている子には親が積極的に干渉するのが良く,例えば子どもに最近やったところの解説部分を説明してもらったり,問題を何問か選んで解いて見せてもらったりしてください。
以下は小3の図形問題から解説部分を抜粋したものですが,
この内容をふまえて,先生役の子どもに生徒役である親が次のように質問してみましょう↓
- 直径と半径の違いを教えてください
- 他に重要なポイントはありますか
- 三角形には3つのタイプがあるのですか
上はステージ40のものですが,ステージ(単元)の数については各学年15個ほどなので,極端な話,全部で90回ちょっとの説明タイムを設けるだけで小学範囲はすべて修了できます。
そこまで完璧にやる必要はないと思われるかもしれませんが,ここで伝えたいことは,できるだけ親がわが子の勉強に関わるようにすれば,結果もその分変わってくるということです。
勉強時間に関しては「20分集中」を合言葉に頑張ってもらいましょう(最初は10分でも15分でも構いません)。
長すぎても逆効果ですので,最長でも学校の授業時間(45分程度)までにしておくべきです。
先に紹介したマイページから「RISU時間」なるものを設定することができるので,週に2回決まった時間に勉強させると無事にRISUを習慣化できます↓
繰り返しになりますが,日によって勉強時間を変えるのでなく,決まった時間に学ばせるのがコツです。
子どもが学習をしているかどうかは毎日の学習記録欄から確認できますので,サボりが続いてしまうとすぐにわかります↓
ちょうど今解いている問題の出来も確認できるので,正答率がいまいちなようであれば「一緒にやってみよう」と声かけしてみましょう。
RISUで算数を得意にする方法は
RISUを使えば使うほど,算数ができるようになります。
是非好きなだけ使わせて,積極的に褒めるようにしてはやる気を伸ばすように働きかけてください。
なお,最初は闇雲にどんどん進めさせて構いませんが,いずれは目標を定めることも必要になってくるでしょう。
その方がやる気も上昇します。
そして,算数の目標としては「算数検定」が有名です。
その上には数学検定が控えているのですが,6~11級というのが小学範囲の出題になっています↓
ちなみにRISUでは中学受験や中学数学のコースに進むこともでき,前者においては以下のような単元を扱います↓
中学受験コースの学習内容
つるかめ算と過不足算,虫食い算,植木算,旅人算,インド式暗算術,規則性の問題,さまざまな数列,場合の数と確率,和差算&分配算,あざやかに解ける計算,仕事算,相当算
中学受験においては,公立小学校に通う生徒がなんとなくで受験して国公立や地元の私立に受かることもありますので,小6の夏に模試を受けてみて良い成績が出るようであれば,過去問を解いて挑戦してみてください。
RISUをお得に使う方法
最後に,RISUをできるだけお得に使うための方法についてもまとめておきましょう!
まず最初にタブレット代ではないですが,1年分の基本料金が33000円かかります。
これは途中解約しても返ってこないお金ですが,RISUで配布されるタブレットは返却の必要がありませんし,進めたステージまでの問題は解約した後も一生使うことができるので,そういった料金だと考えておきましょう。
これに加えて利用料金が毎月かかりますが,高速で小学範囲を進める場合,月に3以上のステージを進むことになるため,上限の9350円(ただし初月のみ6600円)です。
なお,毎週1ステージ終わるペースで学習すれば,2年ほどで小学範囲をすべて学び終えることができるので,その場合,RISUにかかる総額は
- 33000円×2年+9350円×24ヶ月=290400円
で,これを月額換算すると12100円となります。
もちろん,小学1年生のレベルから開始とはならない方も多いでしょうから,もし仮に1年で終わるようであれば,ちょうど上の半分の料金(33000円×1年+9350円×12ヶ月=145200円)で小学算数を学び切ることが可能です。
机上にタブレットを開いて置いておき,いつでも手に取りやすい環境を作れさえすれば不可能なペースでもありません。
見事やり終えた暁には6年分の教材が入った状態のタブレットが丸々残るわけですし,何より子どもが算数を得意になってくれたことに勝る喜びはないでしょう。
中途解約する場合は翌月末まででストップとなりますが,その間に1ステージ以上進めなければ利用料金はかかりません。
なお,RISUにはクーポンコードが存在します。
ちなみに当サイトが交渉した結果,タブレットの送料+保険料をすべて含めて「1980円(1週間限定)」で利用できるようにしていただきました。
是非,申し込みの際には以下のコードをご利用ください(後述する案内ページにアクセスしていただくと,自動でコードが取得できる仕組みです)↓
aib07a
特典の内容的にはいわゆるお試しに適したものと言え,1週間使わせてみて,継続できなさそうであればそのまま解約していただいて結構ですし,継続する場合は当然ながら通常と変わらないサービスを受けることができます。
なので,上記のコードはあくまで,保険の付いた状態で申し込めるようになるクーポンだと考えるようにしてください。
ここまで小学生の利用を中心に述べてきましたが,「RISU算数」の他に年中から使える「RISUキッズ」の2つがあります。
詳しくは,公式の案内ページを参照してください↓
小学生向けページ 年中~年長向けページ
まとめ
以上,RISUを使う魅力について考えるところから始めて,様々な使い方の工夫について解説してきましたがいかがだったでしょうか。
小学生の教材には今や様々な種類がありますが,科目を1つに絞ったものは目標が明確になる分,特に取り組みやすいように思います(RISUでは最近になって英語や国語の教材も利用できるようになりましたがメインは算数で間違いありません)。
これからの時代,算数が苦手だから文系,国語が苦手だから理系に進むといった判断は通用せず,文系学部であっても数学が必須になってきていますし,分野に縛られない総合的な考え方ができる人材がますます求められることになるはずです。
複数ある教科の中の1つにしかすぎませんが,算数の得意不得意が後に及ぼす影響を考えると,決して蔑ろにはできません。
私自身,小学校の算数で培った計算力や論理的な考え方が,大学受験含め,大人になった今も大いに役立っているように感じています。
今やRISUのような便利な教材がそれこそ幼児のうちから利用できてしまうわけですから,各家庭が柔軟な方針でもって子どもの教育方針を考えるようにしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。