今回は,芦田愛菜さんの著書『まなの本棚』やインタビューで語られた体験を手掛かりに,子どもの読書習慣を育てる方法を考えます。
芦田さんにとって読書は,特別な勉強ではなく,歯磨きや入浴と同じように生活の中へ入り込んだ習慣でした。
刊行当時には,年間100冊以上読む読書家として紹介されています。
ただし,同じ読書量をすべての子どもに求める必要はありません。
大切なのは,子どもが自分で本を選び,短い時間でも楽しんで読める環境を整えることです。
当記事で紹介する芦田愛菜さんの発言やエピソードは,特記がない限り,著書や公開インタビューの内容を筆者が要約・言い換えたものです。原文をそのまま引用したものではありません。
子どもの読書習慣を身につける6つの方法
PARENT GUIDE
「主人公の気持ちを正しく説明して」
「次のページはどうなると思う?」
「気になった言葉や,その行動の理由は?」
まなの本棚の概要

基本データ
- 書名:まなの本棚
- 著者:芦田愛菜
- 対談収録:山中伸弥氏,辻村深月氏
- 出版:小学館
- 発売日:2019年7月18日
- ページ数:240ページ
- ISBN:9784093887007
- 発売時定価:1,540円(本体1,400円+税)
発売から年数は経ちましたが,電子書籍版も刊行されており,紹介されている本の多くは図書館でも探せます。
本書の価値は,書籍の紹介だけでなく,芦田さんが本とどのように向き合い,読書を通して何を感じてきたかを本人の言葉で読める点にあります。
子どもの読書習慣を考える際に,長く参考にできる一冊です。
学習の土台作り:一番最初の「親の役割」
子どもが自分から本を読むようになるまで,親が用意する環境や日頃の関わり方は,読書を身近に感じるきっかけになります。
芦田愛菜さんの母親が,娘の読書スピードの速さを心配して「内容を正しく理解できているか」を確認したエピソードは,まさに学習の土台作りの象徴です。
親にできる工夫はいくつかあります。
本を購入するだけでなく,図書館や古書店も利用すれば,子どもが実際に本を手に取れる機会を増やせます。
親はそばで対象年齢や内容に目を配りつつ,興味を持った本はできるだけ本人に選ばせましょう。
読後も内容を試験のように問い詰めるのではなく,「どこが面白かった?」などと対話しながら理解を確認します。
文字を読む前は読み聞かせや音声を入口にする
まだ文字を十分に読めない時期は,読み聞かせを通して物語に触れる方法があります。
親の声を聞きながら絵や物語を楽しむことで,「本は楽しいものだ」と感じるきっかけを作れます。
芦田愛菜さんの場合,親が声色を変えて感情豊かに読んでもらったおかげで言葉が持つ雰囲気を感じ取ることができたそうです。
毎日の読み聞かせが難しい家庭では,オーディオブックや朗読音声も補助として使えるでしょう。
ただし,音声を流すだけで終わらず,気になった場面について短く話し合うのがポイントです。
こうすることで,内容を理解できているかを確認しやすくなりますし,それをきっかけに文字に興味を持つ可能性があります。
芦田愛菜さんは,読書を通して3歳で平仮名が読めるようになったと述べています。
その後は手紙を書いたり,芝居の台本を読んだりするようになり,文字に触れる機会が増えていきました。
音読で読み方と理解を確認する
子どもが声に出して読むと,漢字の読み間違いや,文の区切り方の不自然さに気づきやすくなります。
ただし,止まらずに読めることと,内容を理解できていることは同じではありません。
音読後に,
- 誰が何をした話だったか
- 気になった言葉は何か
- 登場人物はなぜその行動をしたのか
などを確認すると,音声化だけで終わらない練習になります。
芦田さんも,小6の時に年下の子どもたちに読み聞かせをすることが良い経験になったと述べています。
音読で読み方と内容を確認した後は,以下の記事を参考に,文章の根拠や構造を整理する練習へ進みましょう↓
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読解力の勉強法!4色ボールペンと要約ノートで正確に読む力を鍛える
読解力とは,文章を目で追う速さではなく,言葉の関係を捉え,必要な情報を選び,根拠に基づいて内容を理解する力です。 この力は国語だけでなく,数学の文章題,英語の長文,理科・社会の資料問題にも関わります。 そこで当記事では, ...
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短い読書時間を生活の中に組み込む
読書習慣がない段階では,毎日5~10分程度,本を開く時間を決める方法があります。
ただし,読書量やページ数を厳しく管理したり,興味のない本を指定したりすると,読書そのものが負担になりかねません。
読み続けたい日は延長し,集中できない日は数ページで終えて構いません。
本を開く,決まった椅子に座るといった動作を読書の開始ルーティンにすることで,習慣にしやすくなる子もいます。
実際,芦田さんも栞を抜く動作がスイッチになると述べています。
開始ルーティンの作り方は以下の記事を参考にしてください↓
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勉強のやる気維持と習慣化のコツ!学習OSの開始ルーティン
勉強で一番難しいのは,参考書を選ぶことでも,難問を解くことでもありません。 毎日,机に向かい始めることです。 どれだけ良い教材を用意しても,スマホ通知に気を取られたり,失敗を引きずったり,孤独感で気持ちが折れたりすると, ...
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本選びでは子どもに選択権を渡す

物語,図鑑,伝記,マンガ,ゲームの攻略本など,最初のジャンルを狭く決める必要はありません。
芦田さんも,本は他人に勧められて無理に読むものではないという趣旨を述べています。
書店や図書館で背表紙を見ていると,本に呼ばれるような感覚になることがあるようで,ジャンルや作者,受賞歴にこだわらず,表紙や帯にひかれて選ぶこともあったそうです。
新品か中古かにもとらわれず,自分の興味や直感を大切にする姿勢が一貫しています。
読書の入口に,ジャンルの優劣を設ける必要はありません。
読書は他者理解や進路を考える材料になる
読書を通して,自分とは異なる時代,地域,職業,立場や価値観に触れることができます。
小説であれば,文章を手掛かりに場所や人物の様子を想像し,その行動や感情を自分なりに理解していきます。
それだけで将来を正確に予測できるわけではありませんが,自分が経験していない選択肢を知り,物事を複数の視点から考える材料にはなります。
また,物語や科学の本をきっかけに,特定の分野や職業へ興味を持つこともあります。
子どもが本を通して関心を示した分野があれば,関連する本,施設,体験活動へと学びを広げてみましょう。
読後の疑問を大人やAIと話し合う
本を読んで生じた疑問や,自分とは異なる解釈を知りたい場合は,保護者や教師,生成AIと対話する方法があります。
家族で同じ本を読む機会があれば,夕食時などに感想を共有できるでしょう。
同じ本でも,読む人によって印象に残る場面や受け取り方が異なります。
その違いについて話すことが,自分以外の視点に触れる機会になります。
また,読後にAmazonなどのレビューを読むことも,ほかの読者との対話に近い行為です。
自分とは異なる感想や,読み落としていた場面への言及に触れることで,同じ本を別の角度から見直せます。
生成AIには,
- この場面を別の登場人物の立場から説明して
- 自分の感想に論理の飛躍がないか確認して
- この本と関連するテーマを3つ挙げて
などと尋ねられます。
生成AIを使う場合は,各サービスの年齢条件や保護者同意の要件を事前に確認してください。対象年齢に達していない子どもに単独で利用させることは避け,利用規約の範囲内で,保護者が内容を確認しながら活用しましょう。
なお,AIは作品内容を誤って説明したり,原文にない情報を加えたりすることがあります。
回答は本文や信頼できる資料と照合しましょう↓
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まとめ:読書習慣は本を選べる環境から始まる
子どもの読書習慣を育てるうえで大切なのは,多くの本を無理に読ませることではありません。
手の届く場所に本があり,興味を持ったものを自分で選び,短い時間でも安心して読める環境を作ることが出発点です。
まだ文字を十分に読めない時期は読み聞かせや音声を利用し,読めるようになった後は音読や感想の対話を通して,内容を理解できているか確認しましょう。
親は理解度を試す人になるのではなく,本との出会いを用意し,子どもの選択や感想を尊重する伴走者でいることが重要です。
まずは図書館や書店へ出かけ,子ども自身が気になった1冊を選ぶところから始めてみてください。
当サイトでは,芦田さんと同年代である藤井聡太さんの学び方についても解説しています。
興味がある方は,ぜひあわせてご覧ください↓
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