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芦田愛菜に学ぶ!幼少期の読書習慣の身に付け方

今回は芦田愛菜さんの体験談を基に「読書習慣の身に付け方」について考えてみたいと思います。

参考にするのは彼女が中学3年生の時に発売された書籍やTV等で紹介されたエピソードで,最新のものでも大学1年時の収録となるため,主に幼少期における読書習慣について振り返った内容が中心です。

記事の構成としてはまずは読書好きの特徴や読書の効果から始めることとし,続いて幼少期に読書習慣を身に付けるためのヒントについてみていきましょう!

芦田愛菜さんに見る読書好きの特徴

まなの本棚の表紙

芦田愛菜さんは2004年6月23日に兵庫県で生まれましたが,彼女が自身の読書遍歴を語った「まなの本棚」という書籍が2019年の7月に小学館から刊行されています。

本書では彼女がこれまでに読んだ本の解説がいくつか確認できるのですが,そこから読書愛好家に特有の意見や子どもに対する親の教育のヒントめいたものを学び取ることが可能です。

そこでまずは読書好きの特徴についてみていきたいと思いますが,芦田愛菜さんは読書することをおもちゃで遊ぶようなものだと捉えています。

読書する内容が何であるかにかかわらず「楽しい」や「好き」といった感情が浮かんでくるのは読書好きにみられる共通の特徴です。

それどころか,時には本を読んでいないと落ち着かなくなってしまうこともあるようで,あえて仕事場に持ちこまないことや電車で読まないことを決めているあたりに多少の狂気めいたものを感じ取ることもできますが,これは読書に限らず,熱中できるものを見つけた人ならではの宿命でしょう。

小説家や漫画家がペンを動かしていないと落ち着かなかったり,スポーツ選手が怪我をしているにもかかわらずウエイトトレーニングを止めようとしなかったりすることも同じです。

私の塾に来ている小学生の女の子が,授業中に設けたわずかな休憩時間に文庫本を読み始めた時にはさすがに驚かされましたが,読書好きでない子からすれば貴重な休みを本を読むこと(彼らにとってこれは勉強するに等しい)に費やすなんてとんでもないと思うでしょう。

なお,芦田愛菜さん曰く,「想像で物語の世界を作れるところが楽しい」そうで,これはマンガや映画では体験できない読書ならではのものです。

ままごとや変身ごっこのようななりきり遊びに近いとも述べています(6歳の頃に即興で披露されたお店屋さんごっこは実に見事なものでした)。

共通点はお芝居においても見つけられるはずです。

読書好きは本に囲まれることで安心するところもあるようで,芦田さんは「本屋さんで布団を敷いて眠りたい」そうですし,無類の本好きである私の高校時代の恩師や父をみても,引っ越しの際に一番気にしていたのは自宅の本をどうするかだったりします。

値段がより高い服や家具などは触れられることもなく,何より紙の本が大切だと思うのは読書家ならではの特徴です。

今では電子書籍も流行っていますが,紙ならではの魅力を訴える読書好きの方は実に多く,芦田さんは製本の糊がはがれる音を気に入っていて,本に挟まった栞を引っ張って抜くことは読書するためのスイッチになると述べています。

集中力を高める際に何らかの行為を儀式のように用いることはよくあることで,野球選手が独特の素振りをしてから打席に入ったり,ペン先や時計の針を見つめて試験に臨む受験生だったりがその例です。

「本の帯すらデザインの一部なので捨てない」という芦田さんの視点はこれまでの私には存在しなかったもので勉強になりました。

 

 

芦田愛菜さんが語る読書のメリット

まなの本棚の裏表紙

読書習慣を身に付けることによって,一体どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず一つ目に文字が身近になることが挙げられます。

芦田愛菜さんの場合,読書をきっかけとして3歳で平仮名が読めるようになったわけで,そこから手紙を書くようになったりお芝居の台本も読書するようになったりと,文字に触れる時間が加速度的に増したのは明らかです。

また,本を通して友だちとの話題に事欠かなくなったり,お気に入りの作家さんや自分の運命を左右する1冊と出会ったりすることもあったでしょう。

これらも読書をしていたからこそのメリットです。

小説を読むときは場所や小道具といった情景だったり服や髪型といった登場人物の容姿だったりを自分の好きなように想像することになるわけですが,それを芦田愛菜さんは「プロデュース」という言葉でもって表現していたのが特に印象に残っています。

本の内容に自分が引き込まれると,頭の中に自然とイメージが浮かんでくるのは実に不思議な体験で,まるで鮮明な夢でも見ているかのようです。

読む本が将来の職業すらをも決めてしまうことが多々あり,iPS細胞で有名な山中教授のようにSF小説や科学の本が好きだった人が研究者になるケースも少なくありません。

もっともこれはドラマを観てもマンガを読んでも同じでしょう。

いずれにせよそうした情熱を早期のうちから持つことは重要で,「特に10代のうちに読んだ本は特別だ」と芦田さん本人も述べています。

彼女の場合,読書する行為はお芝居に通じるものだったわけですが,一時期は法医学の方にも興味を持っていて医者という進路も視野に入っていたわけです。

このことからわかるのは,その都度好きなもののために頑張ることが重要で,結果的にどの職に就こうともその時の努力は無駄にならないということだと思います。

ほとんどの人は学生時代の間に自分が好きなものに出会っているわけで,大人になってから「自分が本当にしたいことが何なのかわからない,見つけられていない」などと悩み始めてしまった際には,10代の頃の自分の軌跡を振り返ってみるのがおすすめです。

ところで,幼少期のうちから大人顔負けの堂々たる佇まいができる人を目撃した際,「人生何周目?」といった感想でもってその驚きを表現することがありますが,読書を通して自分とは違う誰かの人生や心の中を知ることを繰り返してきた芦田愛菜さんにとっては当然のことかもしれません。

彼女は「年間100冊以上読む(月に60冊読むこともある)」と述べていましたから,それを10年も繰り返せば1000人以上の人生をこれまでに生きてきたことになります。

読書によって自分一人では考え付かない発想ができるという指摘についてはグループワークを行うことでも享受できるメリットの1つですが,芦田さん1人と話しているようでも実際は数千人を相手にしていると考えれば合点がいくかもしれません。

管理人
管理人
高い想像力を備えた人というのはありとあらゆることを疑似経験することができるわけで,ベッドで目をつむった状態のまま海外旅行に行けますし,私の尊敬している哲学者は「思考することで宇宙にすら到達できる」そうです。

 

 

子どもに読書習慣を身に付けさせるには

渋谷の街並み

ここからは教育する観点から読書をみていくことにしますが,子どもに読書習慣を身に付けさせるためにどのような工夫が考えられるでしょうか。

前章までの内容から,「楽しい・好き」と思わせられたならば時間が許す限り子どもは読書しようとするわけですから,本がある環境を作ってあげることが重要です。

図書館に行くのも良いですが,本屋さんで購入すれば返却期限を気にせずに済みます。

本棚にずっと置いておけるため,何年も経ってから同じ本を読み直すことでまた別の感想を抱くことも少なくありません。

汚れも気にせずに済み,線を引こうと折り目を付けようともすべて本人の自由です↓

犯人を知ってしまったミステリー本を再度読むことに一見意味はなさそうですが,芦田さんによれば,むしろ違う発見があって楽しいそうです。

答え合わせの感覚で,作家さん目線での仕掛けに気づくことになるのでしょう。

次章以降ですが,親は自分のためになった本を子どもに買い与えてやるべきなのか,はたまた読み聞かせをしてあげるべきなのかについて考えてみたいと思います。

 

 

読む本は他人が決めるべきではない

芦田愛菜さんが勧める子ども向けの本

子どもが読むべき本ですが,芦田愛菜さんは「本は人に勧められて読むべきではない」と基本的には感じているそうです。

これには私も同意見で,他人から無理矢理押し付けられたような本は「意地でも読みたくない」と感じることすらあります。

確かに,子どもが自分で決められる年齢になるまでは親が干渉することになるわけですが,その場合においてもジャンルは固定せずに多種類の本から自由に子どもに選ばせてやるなどの選択の余地を残すことが重要となるのではないでしょうか。

管理人
管理人
とはいえ,3歳頃の子どもは自分の感情に素直なので与えてみたところで本人が気に入らなければ「もういらない」などと自己主張するものです。なので,無理に読ませないことや子どもが選択した本を否定するような物言いをしないことを注意すべきは小学生以降が中心になるでしょう。

それにもしもその本と縁があれば,その時が来れば必ず手に取ることになるもので,例えば私は小学生の時にまったく興味を持てなかった「ああ無情」や「日本の古典各種」を大人になってから自分の意思で読むようになりました。

芦田さん曰く,書店や図書館で背表紙を見ていると「本に呼ばれたような感覚」が生じるようですが,そうなった本のあらすじや帯に書かれた文面を見て最終的な購入を決めると言います。

本を選ぶ際のジャンルは問わず,作者にもこだわらず,時にはジャケ買いすることもあり,売れている本や受賞作の中から選ぶでも中古であっても構わないということで,単に自分の興味や直感に従ってのみ選べば良いという彼女の教えの根幹にあるのはまったくの「自由」です。

読書好きでない人はそもそも読書を難しく考えすぎる傾向にあるということなのでしょう。

本のジャンルに貴賤はないのですね。

 

 

読み聞かせをすることは重要

教師が読み聞かせを行う教壇

親が子どもに読み聞かせをすることにプラスの効果があるのは確かですが必須とまでは言いません

というのも,実際,親の読み聞かせがなくても読書好きに育った子どもがいるからで,特に令和の時代は両親が共働きのケースも増えていると聞きますので,その場合は子どもが1人でも読書できる習慣を身に付けさせておくのが良いでしょう。

例えば図書カードを作って借り方を教えてあげたり,好きな本を自由に買い与えたりすることが考えられます。

とはいえ,子どもが平仮名を読めないうちは大人の誰かが読み聞かせするしかないわけで,それによって文字が身近になった芦田さんのような好例もあるわけですから,環境が許すのであれば読み聞かせをするに越したことはありません

芦田愛菜さんの場合,親が声色を変えながら感情豊かに読み聞かせてもらったおかげで言葉が持つ雰囲気を感じ取ることができたそうなので,淡々と読み聞かせるよりお勧めと言っています。

なお,読み聞かせをするのは何も親ばかりではありません。

子ども自身が読み聞かせをすることも有益な方法で,芦田さんも小6の時に自分より学年の低い子たちに読み聞かせをすることが良い経験になったと述べていますし,ナレーターや声優としての仕事にも生かされていることでしょう。

学校においても国語の授業で音読させられることがある他,英語の勉強ですら音読は登場し,教師は読み方を聞いただけでもその子の理解度を推し量れるわけですから,思った以上に読む行為には高い価値があるのかもしれません。

 

 

読書の時間を設けることも有意義

学校の校舎

読書時間は中学生の私にとっては無意味な時間でしたが,今思えば読んでいた本がつまらなかったのが悪かったのかもしれません。

思い返すに自分の好みに従って選んだものではなかったはずです。

少なくとも,友達と同じ本を読むことによってその本の話題で盛り上がるくらいの方法は試すべきでした

友達と議論することで仲が深まるだけでなく自分では気づけなかった視点が得られることもあるそうで,それこそ芦田さんのように,男女ならではの価値観の違いだったりに驚かされることにもなったでしょう。

読書時間は学校ならではの特権のように思えますが,自宅でも実践可能です。

例えば家族が揃う晩御飯の前に読書時間を設けるようにしては,家族が子どもと同じ本を読むことで,食事中に感想を言い合うこともできます。

同じ本でも読む人によって受ける印象が違うわけですから,子どもが親を尊敬することに繋がることやはたまたその逆の結果になることもあるやもしれません。

管理人
管理人
親の方に余裕がないと,自分の子どものことであっても細かいところまでよく観察できていないものです。

 

 

親が干渉する際のヒント

散策中のネコ

とはいえ,親が干渉する期間は子どもがまだ文字を読めない時に基本的には限定されるわけですが,芦田愛菜さんの母親が娘が本の内容をちゃんと読んでいることまでチェックしていたことは,まさに親が子どもの成長を気にかけていることの表れでしょう。

あまりに愛菜さんが早く本を読んでいたために「ちゃんと内容を理解しているのか確認したかった」というのが真意のようですが,子どものことを気にかけていなければそのようなチェックをしようとすら思わないはずです。

改めて言うようなことではないのですが,親は愛情をもって子どもの読書を見守ることを心掛けましょう

同様に,子どもが欲しいと言った本はできるだけ用意してあげることです。

できるだけ親の基準で禁止の判断をくださないことも重要で,これは読書する行為(内容ではない)に大きな価値があることを親自身が認めていることの表明でもあります。

子どものためを思って買い与えた本をたとえその場ですぐに読んでくれなくても,いつか気にかけて手に取ってくれるときは必ず来るので気長に待ちましょう。

親のかけた言葉や行為の意味を今はまだわかってもらえなくても,子どもが大人になって「あの時に親が言っていたことはこういう意味だったのか」とわかることも多いものです。

 

 

まとめ

芦田愛菜さんに関連する書籍

以上,芦田愛菜さんの著書やインタビューから読書習慣の形成に役立つ内容を紹介してきましたが,読書好きに見られる特徴から読書の持つメリット,そして数多くの子どもの教育に使えるヒントめいたものを学び取ることができたのではないでしょうか。

管理人
管理人
彼女の本質は何事にも頑張る努力家であるところで,興味を持ったことにはたとえ不得意であっても挑戦してみては最大限に楽しむところにあるように感じました(長期間継続する力にも優れるので上達するまでがセットです)。

読書家は,好きという純粋な感情に基づいて自由気ままに読む本を選んでは所構わずに没頭できます。

数多くの本を読むということはそれだけ多くの人生を経験してきたことをも意味しており,ことばに対する感受性を高めては文字を身近な存在へと変えてくれることでしょう。

10代に読んだ本というのはその子の将来をも決定してしまうことが多いので,その時に備えるためにも親は子どもが平仮名を読めないうちから本を読み聞かせたり読書の時間を設けたりするなど,愛情を根底に置きながらも子どもに積極的に干渉していくことをお勧めします

良い歳をした大人の私にとって読書というのはもはや論文を読むことと何ら変わらず,読むものも専門書や哲学書などと読み解くのに大変な労力を要するものばかりで,どちらかといえば辛い作業を強いてくるもののように捉えていましたが,当記事は昔を振り返る良いきっかけになりました。

そういえば小学生の時は図書委員をやっていたこともありましたし,江戸川乱歩やミヒャエルエンデを図書館で読み漁り,シリーズものとしては「ズッコケ三人組」を楽しく読んでいたことを思い出しました。

「ゲームブック」というジャンルの本も好きで,ページを行き来しながら読み進めては自分の選択によってクリアできるかどうかが決まるマンガ本のようなものでしたが,周りに好きだと公言できない恥ずべき対象のように捉えていながらも実は自分の論理力を鍛えるのに役立っていたのかもしれません。

このようなことに気づけたのは芦田愛菜さんのおかげですね。

是非みなさんも「まなの本棚」を読んで,自身の読書習慣を振り返るきっかけにしてみてください。

私も早速,本の中で紹介されていた本を何冊か読んでみることにしました。

当サイトでは他に,芦田さんと同年代である藤井聡太さんの学び方についてもまとめているので興味がある方はお読みください↓

2人とも「そうですね」という口癖が共通していたり,対談も多くて成長を垣間見れることができたりするので毎回幸せな気持ちで眺めながら元気をもらっています。

今後の活躍をお祈り申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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スタディサイトの管理人

通信教育の添削や採点業務に加え,塾や家庭教師を含めた指導歴は20年以上になります。東大で修士号を取得したのははるか昔のことですが,教授から「ここ数年で一番の秀才」と評されたことは今でも私の心の支えです。小学生から高校生にまで通ずる勉強法を考案しつつ,気に入って使っているスタディサプリのユーザー歴は6年を超えました。オンラインでのやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです!

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