学習指導要領

師匠から学ぶ!『弟子・藤井聡太の学び方』レビュー

今回は、今を時めく棋士、藤井聡太さんの師匠である杉本昌隆さんが書かれた、

弟子・藤井聡太の学び方(PHP出版)』

という本のレビューを通して、将棋界で活躍でする天才に備わっている資質や能力、また周りの大人たちの接し方から、未来に生きる子どもたちへの接し方などについても勉強してみたいと思います。

藤井聡太さんに備わる能力や資質

努力不要の完全に先天的な能力なのか、それとも後からその資質が目覚めたのかはわかりませんが、藤井聡太さんには、師匠が目を留めた才能の片鱗があったのは確かです。

それは彼が小学3年生の頃にすでに形成されていたということで、ここでは師匠が挙げる藤井聡太さんの能力や資質についてまとめてみましょう。

 

負けず嫌い

負けず嫌い』・『悔しがり』という性格が、将棋のような勝負事に向いているのは明らかでしょう。

TVでは泣いた画がクローズアップされることが多いですが、師匠によれば、明らかに誰の目にも負けが明らかなときは泣かなかったそう。

しかし逆転されたときや悔しいときには、それこそ火のついたように激しく泣きじゃくっていたということで、時期としては小学2年生の頃まではそういった子どもだったようです。

さらに将棋以外のカードゲーム(例えばトランプ)であっても負けず嫌いは発揮され、勝つまで止めなかったというのも面白いエピソードですね。

 

切り替えが早い

一方で、その悔しさを次の対局に引きずることはなく、しっかりと次回へのモチベーションに変えられるだけの、

切り替えの早さ

も大いに賞賛されていました。

悔しがって涙し、そこで一度気持ちをリセットすることで、好きな将棋への情熱を持ち続けられたのでしょう。

ちなみに最近見たインタビューで、「負けて落ち込んだ後はどうやって乗り越えているか」について尋ねられた藤井聡太さんは、「すぐに寝てしまうことです」と答えていましたね。

悶々とした気持ちで答えの出ない夜を過ごすのではなく、朝すっきり目覚めて充実した一日を過ごした方が確かに健全な気がしますが、普通の棋士の方は「悔しくて眠れない」と嘆いていたので、もしかすると、これも藤井さんが気持ちの切り替えを得意とする証拠なのかもしれません。

 

「○○なしで生きられない」と言えるものがある

「将棋なしでは生きていけない」という点も、早期に夢を叶えられる子に備わっている資質ですね。

漫画家になった友達はとにかく普段から何か描かずにはいられないようですし、時間があればそれをやっています。

もはや好きという次元を超えて、「○○に魅入られている」くらいのものがあったら、その道に進むことになるのは当たり前なのかもしれません。

 

 

周りの大人たちの働きかけ

sasint / Pixabay

ここではそんな藤井聡太さんの周りの大人(師匠や親御さん)がどのような考えで、成長を見守ってきたのか少しまとめてみたいと思います。

先の資質・能力に入れてもよかったのですが、藤井聡太さんの空間把握能力(主に角を使うときの能力)は群を抜いていると言います。

それには、幼稚園におけるモンテッソーリ教育による創造力の養成や、キュボロという積み木のおもちゃで培われた空間能力が影響しているのかもしれません。

ちなみに同じ高校生のフィギュアスケーターである紀平梨花さんも、幼稚園での運動体験(逆立ちや跳び箱)が番組で取り上げられることが多いです。

こういった幼少期の環境も選択できるようであれば選びたいですね。

もちろん将棋自体との出会いがなければ、今の藤井聡太さんはいなかったわけです。

ただ、このとき、祖父母の棋力がそこまで高くなかったために、数か月後に負かせるようになったことが重要で、それが楽しく嬉しくて続けられた旨の発言を藤井聡太さん自身がしていました。

これは師匠自身も、手の届くところに目標を置くことであったり、わざと勝たせてあげることの重要性について書籍内で語っています。

『兄弟子』と呼ばれる同じ門下の近い年の弟子たちと競わせるのにもそういった理由があったんですね。

 

その他、藤井聡太さんが泣いてしまったときに、親御さんは、「泣くのはみっともない」などと口にせず、叱らずに理解してあげようとする姿勢を見せていたことや、送り迎えにまつわるエピソードなどが載っており、各々が信念を持って見守ってきたんだなぁと感じさせられました。

杉本師匠も、「弟子に迷いがあるときは一緒に落ち込むことはせず、どっしりと構えること」と推奨されていますし、お母さんは、子供にやりたいことをやらせてあげるとともに、聡太さんが有名になっても振り回されずに普段通りの生活を送らせようと努めてきたことは見習いたいものですね。

自分の弱みを子供に見せたり、おやつタイムを設けることは、私も指導のときに意識的にやっていることで、その価値を再認識できました。

 

 

勉強面での学ばせ方

klimkin / Pixabay

師匠の教えの中から、勉強面で役立つようなことを最後にいくつかピックアップしてみましょう。

 

藤井聡太さんは、高校進学を選択されましたが、長く活躍するためには広い視点が重要で、高校での学びや将棋以外の友人からの刺激が豊かな人生観を育み、それが結果的に『ひらめき』につながるというのは大いに共感できるところ。

困ったときに浮かぶ直感というのは、その人の根底から生み出されるものだと師匠は言います。

もちろん気に入らない先生は反面教師にしたという師匠のエピソードであったり、プロにならなかった弟子たちの現在の様子は大変興味深く読めました。

 

また、決められた時間の中で集中させることがダラダラと時間をつぎ込むよりも効果的だという意見は、実際に杉本師匠の体験に基づいており、時間的な制限を決めて、その中で最大限集中という学び方を実践したい気になること間違いなしです!

また、やや専門的にはなりますが、私が塾で子どもに勉強を教える際は、その子の学力レベルよりもちょっと難しめの問題をセレクトし、また、本人が答えへの道筋を自力で発見できるようなヒントを与えることこそが講師の腕の見せ所だと思っています。

その他、師匠だからと何かためになることを言おうとせず、やれることに全力を尽くす(母親であれば、環境を整えてあげる)だけで十分というのも、師匠のお人柄が表れていますね。

 

また現在のネット社会では有り余る学びの中から捨てるものを選ばないといけません

本に書かれていた、中毒性・自分で考えなくなること・個性の喪失については今後しっかりと考えていかなければならないテーマですね。

もちろん将棋の反省会のように、負けた後でもしっかりその一日を振り返り、どうやったらもっと良くなるか考えるのも、勉強全般に通じる態度のように感じます。

 

 

まとめ

以上、杉本昌隆さんが書いた、

弟子・藤井聡太の学び方

を題材に、天才と呼ばれる棋士の資質・能力や学ばせ方のヒントについて考えてきましたがいかがだったでしょうか。

年始の豊島将之二冠との対局も楽しく観させてもらいましたが、輝く高校生というのは見ている我々に本当に元気を分けてくれるなぁと感じました。

将棋を指すことで何時間も考える集中力もちろん将棋がわかる方は、違う視点で、藤井聡太さんから人生を充実して生きるためのヒントを感じ取るのでしょう。

 

今の時代はどこの業界においても草食系というか、どこか熱くなれない子たちが多いと聞きます。

そんな中、好きなこと、楽しめることがあるのは幸せなことです。

 

この世界にいる間は真摯に取り組み、気持ちがなくなったらやめる。

それは挫折でも逃げでもなく、新しい道に進む『卒業』である。

 

このような内容が本書に書かれていましたが、大変良い言葉ではないですか!

アイドルでよく『卒業』という言葉を耳にしますが、今後はまた違ったふうに聞こえてきそうです。

 

全部で2時間ちょっとで読めてしまう本ですが、大変示唆に富む面白い内容でしたので、藤井聡太さんに興味がある方は是非一度お読みください!

なお、彼の通う高校についての記事もよろしければどうぞ↓↓

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  • この記事を書いた人

スタディサイト管理人

都内で塾運営にかかわってから,講師歴も15年以上になりました。小学生から高校生まで,英数を中心に学校の定期テストから大学入試まで幅広く教えています。最近の関心事は「教育改革」で,塾に入ってくる情報に加え,セミナーや書籍,信頼のおける教育機関より得た情報をまとめています。すぐに実践できる勉強法やオンライン教育サービスを利用した学習戦略も意欲的に掲載。ネットを介したやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てたらと思います。

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