中高生が英語に苦手意識を持つタイミングとその原因

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今や小学校でも英語を教えるのが当然の時代となりましたが,中学や高校時代に英語が得意だった生徒が,大学生や社会人になって苦手意識を持ってしまうことは珍しくありません。

とはいえ,苦手になる時期がそれより早まってしまうと受けるダメージが大きくなってしまうので,最悪でも高校受験,できれば大学入試が終わるまではそうならないでほしいと全員が願っているわけですが,中高生のうちから英語を苦手としてしまう生徒は結構います。

昨今の教育改革でもそうなのですが,今後ますます英語は様々な評価基準に用いられることが予想され,読解問題ではより多くの英文を素早く読まされることを強いられ,聞く・話す・書くの配点はこれまで以上に高く設定されるでしょう。

逆に,英語が得意な人には明るい未来が待っているわけですが,当記事では,とあるアンケート結果を元に「中高生が英語に苦手意識を持つタイミング」を中心に理解を深め,そうならないように今後どういった英語対策を行っていけばよいかについて考えてみることにします。

英語に関する意識調査について

自信があるか自問する女性

2017年9月,GMOリサーチ株式会社から,英語に関する意識調査の結果が公表されました。

対象は,中学生や高校生を中心とした未成年とそれ以上の成年で,彼らの英語意識を調査して比較したものとなります。

具体的な調査内容は以下の通りです↓

テーマ:英語に関する意識調査

調査対象:15~19歳の男女5000名+20~59歳の男女5000名

調査時期:2017年8月25日~9月22日

調査した人数が1万人ということで,結構大規模なものになっています。

また,もう1つの調査として,東京大学とベネッセの共同研究という形で実施された高3生の英語学習に関する調査が知られていて,小6生から高3生に至るまでの英語学習に関する意識と実態を調べたものですが,概要は以下の通りです↓

テーマ:高校生の英語学習に関する意識と実態

調査対象:全国の高校3年生991名

調査時期:2021年3~4月

対象者のうち322名は小6・中1・中3・高1の時期に行った調査(小学生の英語学習に関する調査や中1生の英語学習に関する調査など)にもすべて回答してきており,経年変化を追うこともできています。

そういった意味で,調査人数的にインパクトはなくても貴重なデータであり,当記事ではこれらのうち,中高生の結果を中心に考察していくことにしましょう。

管理人
管理人
以下では,1つ目の調査を「GMOの調査」,2つ目のものを「東大の調査」と述べることにします。

 

 

英語が得意または苦手な人の割合は

中高生のうち,英語が得意と感じている生徒の割合は,GMOの調査では全体の30.8%を占めており,大人の13.2%に比べて倍以上になっていることがわかりました↓

未成年と成人の英語の得意・不得意について示したグラフ

とはいえ,もっと多いに越したことはなく,少数派であることに変わりありません。

一方,東大の調査では,中3の段階で54.4%,高3の段階だと41.6%となっています↓

英語の得手不得手の割合

多少高くなっている理由として,GMOのものとは調査時期が異なるため,2017年から2021年にかけて英語が得意な生徒が増えたことが考えられますが,あくまで推測の域を出ないので,2つの調査をまとめて,中高生の3~5割が英語を得意と感じていると理解することにしましょう。

もちろん,その裏には英語を不得意だと考える生徒も控えているわけで,普通と答えた生徒を除いても,5~6割程度とされています

加えて,GMOの調査からは英語を苦手とする成人の数が大変多いことがわかりますし,東大の調査においては,年齢が上がるほど,苦手意識を持つ中高生の割合が増えることもわかるでしょう。

もっとも,中学や高校では学習内容がどんどん難しくなるわけで,大人になるにつれて英語を使う機会も減る一方ということを考慮すれば,このような結果になることは十分予想できます。

ここまでの内容をまとめると,英語が得意な中高生は想像していた以上に多かったですが,それでもなお,英語を苦手とする生徒の方が多いようです。

それでは,中高生が英語を苦手だと感じ始める時期は一体いつ頃とされているかについて調べてみることにしましょう。

 

 

英語が苦手になる時期は

次の表は,GMOの調査で,小中高生や大学生が英語を苦手だと感じ始めた時期に対する回答をまとめたものです↓

学生が英語を苦手だと感じるようになった時期

この結果から,最も多くの人が英語に苦手意識を持つようになるのは「中学1年生の時」だということがわかりました。

次点として「高校1年生」や「社会人以降」が挙げられます。

偶然ではないと思いますが,小学校から中学校に入学するなど,大きく環境が変わるタイミングで苦手意識が芽生えやすいようです。

その原因は,教育課程が変わって英語の難しさが一段と高まるからでしょう。

例えば英検では,3級から準2級のように,たった1つ級が変わるだけで問題の難しさが段違いに感じられるもので,進学先における勉強内容の違いというのはこのときの変化に似ているわけです(余談ですが,格差を解消すべく,2025年度から準2級と2級の間に準2級プラスが導入されました)。

入試や入社試験を経て,属する組織の質が大きく変わることももちろん影響しているでしょう。

実際,小学校や中学校あたりまでは周りに様々な学力レベルの同僚がいますが,受験を経て一定の学力レベル以上の生徒がふるいにかけられると,結果的に周りの英語レベルが上がったように感じられるものです。

また,社会人になれば,英語を業務レベル(実用レベル)で使うことになるので,また別の難しさに気づかされるのだと思われます。

 

 

中高生が英語を苦手とする理由

英語の品詞の種類

社会人については環境の違いが大きいので触れないことにして,ここでは中高生がどうして英語が苦手になるかについて,実際に対象者の理由を聞いてみることにしましょう!

そもそも英語を使う機会が少ないからだと思います。

という意見が多かったですが,より具体的なものとして,

  1. 文法がわからないから
  2. 単語が覚えられないから
  3. 英文読解ができないから

という順番で,大人の我々にも馴染みがある回答も見受けられました。

読解は文法や単語理解の先にあることを踏まえると,文法や単語がわからなくなってしまったがために,英語に苦手意識を持ってしまう中高生が特に多いようです。

一般的に,これら2つは英語の基礎学力を構成する両輪とされ,英語4技能すべてに関わる大切なものと考えられています。

私の講師経験を振り返ってみても,ネイティブスピーカーによる授業があり,使う教科書はイギリスで使われているものをわざわざ取り寄せて授業をしている名門校の生徒でさえ,

ナチュラルイングリッシュは学べても英文法の方はさっぱりわかりません。

と悩んでいたものです。

実践的な英語を中心に授業が行われるようになると,文法は授業とは別で独学する必要が出てきますが,一体何をどうしたらよいのかがわからず,途方に暮れてしまう保護者も少なくありません。

とはいえ,上のような悩みを抱えた生徒に,一貫した学習計画に基づいて丁寧に文法を教えてみるとちゃんと理解できるわけです。

その一方で,周りに教えられる人がいないから「もういいや」などと諦めてしまう現実があることについて,しっかりと向き合わなければならないようにも感じています。

一方,単語については通学の間を縫うなどして,10分程度の学習を数回行うことで簡単に対策できるものです。

環境的に集中力が途絶えやすいことを考慮して,長文の勉強を電車やバス内でするのは避け,すぐに学習を終えられる単語をやります。

1日に触れる単語の量ですが,10個程度を完璧に覚えるような勉強法を採用してはいけません。

広く浅く学ぶのがポイントで,1日に100語くらいには触れるようにしてください。

 

 

英語の苦手意識をなくす方法

スマホとイヤホン

現代の生徒は何かと忙しく,時間が取れるのは通学時と週末くらいであることも珍しくありません。

特に,運動系の部活に所属している生徒は真面目に熱を入れて練習に打ち込むわけですから,平日は学校の宿題くらいしか体力的にやることができず,終えたらすぐ寝てしまうことがほとんどです。

そうした背景があることを踏まえると,少しでも楽にそしてちょっとした合間に勉強できるよう,スタディサプリのようなオンライン教育を導入するのが現実的だと思われます。

特に,先に挙げた英文法や単語,英文読解の3つについては,優秀な講師陣の解説動画を使って無駄なく楽しく学べる他,全学年の講座が見放題になるため,高校生が中学内容を復習することも容易ですし,通学時のすき間時間はもちろん,週末や長期休暇を利用して集中的に学習することも可能です。

例えば,以下の記事で述べたような使い方ができます↓

ついでに大人の英語事情についても触れておきますが,文法だけでなく,リスニングやスピーキングができないことが苦手意識に繋がりやすいです

そもそも発音記号などは,中学1年生のときにわずかに習ったものの,それ以降一切触れられなかったはずですし,教師側も能力的に満足な指導ができなかったかもしれません。

昔は今よりも,音を使って授業を行うのが難しかったわけです。

リスニングやリーディングはできても,スピーキングやライティングができないというのが多くの成人に共通する悩みですが,社会で必要とされる能力は,よりによって「話す・書く」の方だったりします。

センター試験が共通テストに変わったことで,後者の能力が重要視されるようになったのは良い傾向ですが,今度は中高生も同じような悩みを抱えることになるかもしれません。

リスニングもそうですが,上のようなアウトプット型の学習は,毎日少しずつでも英語に触れることが大切です。

こちらに関してはスタディサプリENGLISHが対応でき,ビジネス英語や日常英会話など,今の自分の置かれた環境に一番近いものを選ぶと上手くいきやすいでしょう↓

 

 

まとめ

ここまで,中高生における英語意識のまとめと苦手分野の対策を中心に述べてきました。

所属する学校が変わるなど,環境が大きく変化するときには特に注意するようにして,英語学習が順調かどうかにたえず目を光らせるようにしてください。

オンラインサービスを用いる場合,子ども1人に学ばせるだけでなく保護者も一緒になって学ぶ姿勢を見せることで,中高生はより積極的に取り組んでくれるように思います。

英語が苦手な中高生が上位に挙げた英文法を中心に,単語や読解,はたまたリスニングやライティングなどにも学習範囲を広げていってください。

小学生であれば,英語を教える前にまずは国語を教えるべきだ。

という意見が昔は多かったですが,今や小学5~6年生で英語の学習は教科化され,小学3年生から英語教育が行われています。

管理人
管理人
英検の3級以上に合格する小学生も少なくありませんが,彼らは確かに漢字が書けなかったり,論じられているテーマが何なのかわからなかったりしていて,その都度,親が国語を教えていました。ですが,その形で何とかなっているので,国語力が育つまで決して英語を学んではいけないとはならないわけです。

そんな時代だからこそ,早い段階から毎日15分程度の英語学習を取り入れてみてください。

良いものであることがわかれば,現代の子どもたちはすぐに受け入れて真面目に取り組んでくれるはずですし,それができる能力は十分に備わっています。

最後までお読みいただき,誠にありがとうございました。

  • この記事を書いた人
学校の教室

スタディサイトの管理人

通信教育の添削や採点業務に加え,塾や家庭教師を含めた指導歴は20年以上になります。東大で修士号を取得したのは遥か昔のことですが,教授から,数年に一度の秀才と評してもらったことは今でも心の支えです。小学生から高校生まで通じる勉強法を考案しつつ,お気に入りのスタディサプリのユーザー歴は8年を超えました。オンラインでのやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。

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