スタディサプリで高校英語を一から始めようと思った場合,たとえ高3生であっても真っ先に取り組むべきは「高1・高2講座」です。

とはいえ,全部で10以上の講座があるので,高3生や社会人のように,急いで高校英語の基礎を身に付けたい方は,ある程度学んだ段階で高3講座(大学受験講座)に移るべきですし,逆に高1生は高1・高2講座をすべて受講することをおすすめします。
ほとんどの講座を担当するのは肘井学先生で,内容は基礎的な英文法と読解以外に,共通テストレベルの長文を扱うものもありますが,詳しくはこれから個別にまとめていくことにしましょう!
【新版】ベーシックレベル英語
高校の英文法を網羅的に扱い,それでいて複雑な説明は他講座に譲ることで,幅広い方を対象にしているのが「ベーシックレベル英語」になります。
例えば,上の助動詞の解説では,8個ある助動詞すべてを覚えるように命じるのではなく,「とりあえずmustの推量の意味だけを覚えてください」と,講師の肘井先生は語るわけです。
重要箇所に集中して学べるので,高校英語に馴染みがない高1生や英語が苦手な方,そして英語をやり直したい社会人に向いています。

塾では,入学先が決まって時間が余っている中3生で,高校で良いスタートダッシュを切りたい方に勧めています。
本講座の大きな特徴は,知識ゼロからのスタートが前提で,予習不要とされているところです。
最初のうちは,中学範囲の復習や文型の解説が並ぶものの,第4講の時制から高校範囲の解説が始まります↓
最初にインパクトの強い問題を持ってきて学習者の興味を引き寄せた後,現在形の3つの使い方を紹介していますが,これは集団塾の講師が主に用いるテクニックの1つです(大学教授も普通に用いています)。
講義動画で文法の解説を見終わったら,すぐに確認問題を通して知識が身に付いたことをチェックしましょう。
基本的な内容が中心の講座ではありますが,発展的な内容がまったく含まれないわけではありません。
例えば,上の画像の右下部分(発展編)まで覚えることができれば,さらなる実力アップが期待できます。
これは言うなれば,教科書の欄外に書かれる内容で,余裕がある方は読むようにしてください。
しかし,毎日勉強する経験がない方(習慣として身に付いていない方)が,むやみやたらに英語の勉強を頑張ったところで長続きはしないものです。
二度と学べないものでもないので,最初は無理せずにやっていきましょう。
ただし,学びやすくする工夫は見られます。
講座は「Chapter(講義)」と呼ばれる数分程度の動画に細かく分けられていて,長く集中することになっても10分ちょっとです。
そのChapterはさらに要点整理と問題解説と確認テストに分けられるので,最初のうちはこれらの区切りごとに数分間の休憩を取ってみても良いでしょう。
いずれにせよ,内容が変わるごとにリフレッシュした気持ちで臨むことが重要です。
実際の講義を具体的にみてみると,先ほど触れた「現在形」は時制①のChapter1で習う内容でしたが,それはさらに7分程度の要点整理と3分程度の問題解説に分かれていることがわかります↓
以前のスタサプでは,Chapter2~6を同じように終えてから,最後に確認テストを一気に解く形でしたが,リニューアル後はChapterごとに確認テスト(テキストだと「復習テスト」と書かれています)を解く構成になり,問題数も10問だったものが18問にまで増えました↓
自信を持って正解できる問題の数が1つずつ増えるごとに,少しずつ英文法がわかってきたように感じられるはずです。
ベーシックレベル英語の講義は全部で「184個」もあるので最初はびっくりするかと思いますが,先述の通り,それぞれの講義時間は短く,復習の仕方によって多少は変わるものの,講義を受けるだけであれば1日1時間の学習でも1ヶ月ちょっとで終わるボリュームとなります。
ただし,そのペースだと毎日スタサプで英語を学んで復習までしないといけなくなるので,多くの方は,完成させるまでに3ヶ月くらいはみておきましょう。

【新版】高1・高2スタンダードレベル英語<文法・読解編>
続いて,ベーシックレベルよりも1つ上のレベルにあたる「高1・高2スタンダードレベル英語」について学んでいきましょう!
「文法・読解編」とあるように,英文法の解説を聞きながらも,読解に繋がる知識もちょこちょこ学べる,一粒で二度おいしい講座です。
基本的にはこのスタンダードレベル英語を「標準」とし,これに付いていくのが辛いようであれば,ベーシックにレベルを落として始めるのが良いでしょう。
スタンダードレベル英語を学び終えた後は,続けてハイレベル英語に進んだり,時間がない方は一気に高3講座に入っていく使い方が考えられます。
ちなみに,本講座から予習が必須となってくるわけですが,あくまで数分あれば終わる内容です。
とはいえ,文法事項の何がどれだけ難しいのか知るためにも,問題演習を解かずに授業に臨むことがないように気を付けてください。
本講座を通して,予習することが当たり前のように感じられるようになってくれば大成功です。
さて,スタンダードレベル英語の講義時間ですが,こちらもベーシックのときと同様,時制①を例にみていきます。
ベーシックレベルのときよりもは講義数は少なく,6つあったChapter(画像左)が3つに凝縮されていました(画像右)↓
それに伴って,Chapterあたりにかかる時間は20分程度と増加しており,単純に倍の集中力が求められます。
授業内容の方はどうでしょうか。
先のベーシックレベル英語と比べると,スタンダードレベルでは,要点のところで解説される内容に抽象的な概念が入ってきますし,確認テスト(問題演習)はより難しくなったように感じるでしょう↓
講義数こそ全部で72講義と少なく見えますが,予習や内容理解のために必要になる時間を考慮すると,ベーシックレベル英語と同じくらいの時間がかかると言えます。
私が講師として横でフォローしながらであれば1ヶ月ちょっとで終わりますが,独学する場合,3ヶ月はみておきたいところです。

なお,スタンダードレベルからは長文編が利用可能です(後述)。
【英語音声付き】高1・高2ハイレベル英語<文法編>と<読解編>
続いてみていくのが「高1・高2ハイレベル英語」となります。
このレベルからは文法編と読解編が別になっていて,講義数(ハイレベル以上はChapterとは言いません)は計48個となり,見た目的には4分の1の量になるものの,情報量(授業時間)はベーシックレベルの倍くらいです。
とはいえ,英文法編で扱う内容にことさらに難しいものは含まれておらず,これまでに紹介した講座で学んだ内容に知識が追加される形になります。
例えば,以下の赤で示した範囲はハイレベル英語で新しく習う内容です↓
ベーシックレベルで語られる内容(印が付いていないところ)に加え,こうした発展知識を解説に含めた結果,授業時間が倍に延びるのでしょう。
ここで注意してほしいのですが,復習の時間も倍とは言わないものの多少伸びることになるため,その分,挫折してしまうリスクが高まります。
ハイレベル英語から学習を開始しようと考えている方は,場合によってはレベルダウンも検討してください。
しかも,文法編だけで終わりではなく,後に読解編が控えているわけです。
後者は長文というより,あくまで長めの1文を扱う対象にしていますが,和訳問題が登場するところが特徴で,最後の第23~24講では完全な文章を扱います。
ところで,読解編の多くは,文法の講義で扱った項目と同じテーマです。
文法事項に加えて文章の訳し方まで学ぶことでより理解が深まるため,文法編の第1講→読解編の第1講→文法編の第2講→読解編の第2講といった順番で学んでいくのも良いでしょう。
もちろん,文法だけを全部終えてから読解編に移ることで,文法編の復習になります。
スタサプの合格特訓コースに申し込めば,この辺の事情を踏まえて指導が行われることになるでしょう。
いずれにしても,以下は受動態の読解編での様子で,肘井先生が文法の解説を行いながら英文の訳し方について講義していることがわかります↓
文法編で基本知識と文法問題の解き方を学び,読解編で訳し方について学ぶことになると考えておきましょう。
読解編の問題数は数十にも及び,十分な情報量です。
そして,復習テストでは語句や表現の意味を確認することになります↓

ハイレベル英語で学び終えた後は,トップレベル英語に進む他,<長文編>と呼ばれるものに進んでいく選択肢がありますし,はたまた高3講座に進んでしまうこともできます。
こちらに関しては,現在の学年や目的に応じて判断するようにしてください。
【英語音声付き】高1・高2トップレベル英語<文法編>と<読解編>
高1・高2英語講座において最高峰にあたるものが「トップレベル英語」です。
こちらも文法編と読解編の2つに分かれていますが,前者のテキストは以下のような内容に変わり,これまでに紹介してきた講座に比べてレベルの違いは明らかでしょう↓
英文法の基礎知識が頭に入っていることを前提に,大学入試で実際に出題された問題を演習していく講座になります。
問題数にしてみると,全部で何と1000問です!
普通の文法問題集であれば1冊分に相当するであろう演習量をこなすことになる上,解説内容はかなり深いところまで掘り下げられています。
スタディサプリの高3の英文法講座は関正生先生が担当しており,別視点での知見が得られることは確かですが,扱う内容はほぼ変わらないと言っても過言ではないでしょう。

20分かけて問題を解くことが予習で求められるものの,1つの講義あたり1時間程度で終わるところはこれまでと同様です。
論理的な根拠を述べながら復習を行い,応用が利きやすい抽象的な概念を中心に理解していきましょう。
続いて読解編ですが,こちらは前半こそ単文(1つの英文)を扱っているものの,後半は共通テスト(旧センター試験)の一部や大問を丸々使った実践演習となります↓

予習で問題を解き,文構造を把握するまでを1時間かけて行います。
復習は全訳をもとに,誤解があった文の構文把握をやり直しますが,同時に単語暗記もしましょう。
肘井先生の授業ではもはや定番となっていますが,この後,音読を10回行い,復習テストを解いたらようやく終了です。
読解編の全講義に「音読トレーニング」が付いていますが,音として聞くことで正しいアクセントやイントネーションで話せるようになるだけでなく,構文に沿って,頭から音声と同じ速さで音読していくことでネイティブ感覚も身に付きます。
これはつまり,リスニング力と速読力を高める練習をしていることと同義です。
専門的に言えばリピーティングとシャドーイングを行っていることになりますが,後者においては最初は速度を遅くして行うか,英文を見ながら行うでも構いません↓
いずれにしても,復習ではこれだけやるべき事柄があるわけですから,時間にして1~2時間を用意する程度では足りないです。
また,予習や復習のやり方についてテキストの初めに詳しい説明が書かれていますので,最初のうちは,そちらをしっかりと読んで正しく実践するようにしてください。
読解に苦手意識がある方は,次章で以降で紹介している「長文編」も受講するようにして,違う文章を使って英文の読み方を身に付けましょう!
トップレベル英語の講義数は文法編と読解編のどちらも24講義ずつですが,ハイレベルの講義と違って,文法編と読解編を行き来する必要はありません。
もっとも,文法と読解の片方だけに触れる日が長くなってしまうのは,勉強の効率的には良くないとされるため,バランスを意識して学習してください。
【英語音声付き】高1・高2スタンダードレベル<長文編>
ここからは長文編となります。
上の目次を見ただけでも,実践的な内容であることが伝わってくるはずです。
開始するにあたって,文法編と読解編の知識が身に付いていることが前提であることを忘れないようにしましょう。
それもそのはずで,解説内容に文法用語が登場してくるのですが,「不定詞の3つの用法のどれか明らかにせよ」と指示されたときに,それぞれがどのような内容なのかパッとわからなければ答えられるはずもないのです。
さて,高1・高2スタンダードレベル<長文編>で扱う文章の難易度は高校入試レベルですが,予習に必要な時間は30~1時間と,文法編や読解編よりもずっと多くなっています。
問題は後のものほど難しくなる傾向にあるので,早いうちに学習ペースを掴みましょう!
最初こそ,以下のような長さですが,最終的には3ページにまたがる長文を読むことになります↓
もっとも,あくまで長文の導入用と言うことで,内容的に,高校受験をする中3生の練習用として使用することも可能でしょう。
高1・高2トップ&ハイレベル英語<長文編>
講座の名前が「高1・高2トップ&ハイレベル」となっていることから明らかなのですが,難易度的にはハイレベルとトップレベルの間に位置する講義です。
数としては10講義が用意され,1つにつき長文問題を1題扱います。
30分~1時間かけて問題を解くようにしますが,構文を把握する作業に加え,わからない意味を辞書で調べたり,指示語や代名詞の内容を明らかにしたりしてから授業に臨むようにしましょう。
間違っているところがあってもちろん構いませんが,肘井先生の授業中に何を尋ねられたとしても,自分なりの答えが言えるようにしておくことが重要です。
入試としてみたときの長文レベルとしては易にあたる難易度ですが,実際の大学入試で出題されただけあって,問題の質はちゃんとしています↓
なお,全問正解できたとしても,問題文で尋ねられていない部分まで含めて完全に理解できている人は少ないはずです。
ゆえに,英語を得意にしたい方であれば,最初の予習段階において,完全に肘井先生と同じ解釈ができるレベルを目指すようにしてください。
単語にしても,語注が付いているような単語まで覚えてしまうことが,周りのライバルたちと差を付けることに繋がります。
復習用の素材としては,以下のような重要語彙リストと音読用の白文が毎回用意されていました↓
こちらも音読トレーニングを使って,ひたすら音読に励みましょう。
問題の数的には全部で10題しかありません。
ですが,1題からできるだけ多くのことを学べるように復習を徹底的に行うことで,高校の授業で扱う英文とは比べ物にならないほどの知識が得られることになります。
これこそが,まさに予備校の講義の真髄なのかもしれません。
中学総復習英語
なお,高1・高2講座で学んでいく上で,中学英語の知識があることは前提条件です。
これは,英検で言うところの3級レベルが達成できていれば良いわけで,スタディサプリの英検対策講座を視聴することで,直接実力を試すこともできますが,高校生以上が中学英語を理解できているか簡単に確認する際には「中学総復習英語」を使ってみてください。
この講座は全部で10講義からなり,高校英語でよく登場する分野に絞って,中学範囲の総復習を行うことができます↓
中学総復習英語で扱う分野
助動詞,不定詞,動名詞,接続詞,疑問詞,いろいろな疑問文,感嘆文,文型,There is~.の文,分詞,関係代名詞,比較,現在完了,受動態,不定詞の構文,仮定法
まず最初に確認テストを解いてみるようにして,そこで8割以上取れないようであれば,中学英語の範囲に弱点がある可能性が高いです↓
英語は積み重ねが必要な教科なので,土台がぐらつくようでは高度な知識を吸収できません。
変な話,スタディサプリの中学英語講座にまで戻ってやり直すことも検討してみてください。
無学年教材であることがスタサプの強みですし,簡単な内容であれば倍速にして素早く学べばよいだけの話です。
なお,本講座の担当は,中学講座でお馴染みの竹内先生となります。
講師紹介については以下の記事を参考にしてください↓
まとめ
以上,スタディサプリから高1・高2英語講座のまとめでした。
今回紹介しただけでも9つの講座がありましたが,スタンダードレベル英語を基本とし,より簡単なベーシックレベル英語や中学総復習英語から始めてみたり,ハイレベル英語から開始してトップレベルや長文編の講義に進んだりと,予備校のトップ講師による授業が自宅で簡単に受けられるものでした。
なお,今回紹介しなかった講座については以下の記事に書いたので興味があれば読んでみてください↓
オンライン授業の弱点として,取り組む態度がどうしても甘くなってしまうことが指摘されがちですが,そうならぬよう,スタサプでは予習や復習の方法について具体的に言及されますし,復習テストの出来や音読回数は真面目に取り組んだ証拠となるため,満点を狙って回数をこなすようにしましょう!
これから新しくスタディサプリで学ぼうと思われている方は,キャンペーンコードが利用できないかチェックしてください↓
最後になりましたが,受験は英語の成績だけで決まるわけではありません。
その他教科も是非,スタディサプリ(そして願わくば当サイトの記事)でもって学んでみてください!
この度は当サイトにお越しいただきありがとうございました。