小学校から高等学校にいたるまでの英語教育ですが,「聞く」を中心としたコミュニケーションから始まり,中学の前半では「書き」に重きを置いた学習,そして中学後半から高校全般にかけて「読む」ことがメインとなるように変わっていきます。
ところで最近の教育改革では「英語4技能すべてが大切だ」と言われているものの,聞けて書ければ話せますし,読めれば聞けるといった具合に,すべての技能を同じタイミングで均等に勉強すべきといった結論にはなりません。
そもそも,学校の授業は集団を相手にするため,得意とするシチュエーションと苦手なところがあり,それは自宅学習する場合においても気にしておきたいところです。
そこで今回の記事では英語学習を助けるため,「学校の授業・テスト・入試対策用にどのような英語ノートを作ればよいか」について,具体的な方法をまとめてみることにしました。
学校の授業やワークといった問題集に取り組む際,当記事の内容を上手く実力アップに繋げていただけたら幸いです。
英語の授業と自宅学習における目的の違い
具体的なノート術の話に入る前に,授業で英語を習う場合と自宅学習する場合とで目的が異なることを理解するところから始めましょう!
ポイントはそこでしか学べないことに注目することです。
学校の授業の目的
学校での授業は基礎力の養成を得意とするため,汎用性のある英文法を学習することで,読んだり書いたりする力に働きかけ,ネイティブによる授業や友達とのコミュニケーションを通して,英語を聞いたり話したりする技能を伸ばすことができます。
教科書の出来は素晴らしいもので,一流のスタッフが作成し新しい教育理論が盛り込まれているので,全幅の信頼を置いて使用することが可能です。
また,グループ内で話し合って,仲間たちに発表したり教え合うことは1人では成し得ない貴重な機会になります。
専門家を招いたり,英語圏の人たちと交流したりすることも学校ならではの経験でしょう。
その一方で,教科書には空欄が目立ち解答が示されていないことも多いために予習には向かず,復習用にはワークを正しく使う必要がある他,英文をたくさん読んでは速読力を身に付けたり,どのように問題を解くかといった実戦力を鍛えたりすることは,学校の授業の目的外です。
授業時間には限りがありますし,学ぶべき教科は英語だけではありません。
おまけに,集団の質に授業の成否が左右されてしまうことも問題です。
最近はICTを使った個別最適化学習も増えてきていますが,授業はこれまでの学習内容を理解していることが前提となるため,理解できなかったことを放置したままの生徒は,わからないところにさらにわからない授業が行われてすぐ置いてけぼりになってしまうでしょう。
予習が必須なのにもかかわらず,それをしてこない生徒がいるために周りが足を引っ張られてしまうことも少なくありません。
学校の先生の方も,決められたスケジュールに遅れそうになるとあり得ないスピードで授業をしたり,とある単元を個人の判断で端折ったりするものです。
自宅学習の目的
学校の授業がわからなかった場合,生徒は「自分の頭が悪いから理解できないのだ」などとは決して思わず,早急な対応を自らに施す必要があります。
ここではむしろ,学校教育でカバーできなかったところを補うために,自宅学習(授業外の勉強も含む)があるのだと理解してください。
理解力が周りより遅かろうと早かろうと,自分のペースに従って学ぶことができるのが自宅学習です。
最低限,授業が理解できているかどうかを確認し,忘れずにワークや問題集をやってみて問題が実際に解けることまでを確認してください。
このとき,人より記憶力が悪い方は気持ち多めに復習しておくことで対応します。
また,予習についても学校から指示されることもあると思いますが,それができる現場が自宅であることも忘れないでください。
また,一般的には娯楽に分類されるようなもの,例えば洋書をよんだり,英語の動画を観たりすることは学校では行いにくく,こちらもまた自宅学習が得意とするところの1つです。
さて,こうしたことを行う際,多くの場面でノートを併用することが予想されます。
まずは次章で,学校の授業理解を助けてくれるものからみていきましょう!
英語の授業用ノートの作成手順
英語の授業では「教科書」という唯一無二の教材を使うことで,幅広い技能を身に付けることができます。
例えば,中学校では英文法の学習が中心になりますが,教科書の本文中に目標となる文法項目が登場し,文章内容に関連した問題を使ってリスニングを行ったりディスカッションしたりする点が特徴です。
コミュニケーションが別の授業として独立しているところも多いですが,ノート作りを頑張るのであればリーディングの授業が中心になるでしょう。
上に例を示しましたが,ノートは見開きで使うことを基本とします。
予習段階では緑で示した①~④の部分の作業を行うようにし,授業を受けてから③~⑤を完成させますが,以下でそれぞれの方法について詳しくみていきましょう!
①タイトルや出典を書く
英語ノートの上部には,教科書のページ数やタイトルを書くようにします。
これは,後から見直した際に,どこをやっているのかを探す手間を省くための工夫で,これは何も英語に限らず全教科共通です。
なお,問題集を同様の方法でやることもあるため,それと区別するために「教科書」などと明確に書き加えてしまって構いません。
②本文を写し取る
教科書の文は手書きで書き写すでも構いませんが,内容を理解できていない文章をただ写すだけでは学力がアップしないことを覚えておきましょう。
なお,ある程度長い文章になってくると書き写すのは大変です。
そのような場合は,本文をコピーして貼りつけてしまうことをおすすめします。
書き込みがしやすいよう,行間のスペースを広くしたり,あまり多くの英文を詰め込んで書かないように注意する工夫も重要です。
予習段階においては,辞書で調べた単語の意味をメモしたり,構文が不明な点に印を付けておくなどの工夫をすると良いでしょう。
上で示したノートでは,授業で板書されたところがわかるよう,番号や行数を振っています。
③単語をピックアップする
本文中で難しかった単語をピックアップしますが,縦に揃えて書くことが重要です。
このように揃えて書くことで,紙や本で片側を隠しながら,簡単な理解チェックテストを行うことができます。
上の③のところを,
「renovation(再新),head toward(頭を~の方に向ける),draw(人を引き寄せるもの),attractive(魅力的な)」
などと,横につらつら書き連ねてしまった場合と比べてみてください。
学習効果の違いは一目瞭然でしょう。
意味についてはネットや生成AIに尋ねればすぐにわかりますが,1つの単語に複数の意味がある場合も多いため,すべて書き出しておくのもおすすめです(後で吟味するわけです)。
揃える関連の話で言うと,見開きでノートを使っていることで,左の英文(②)と右の和訳(④)が明確に分かれることにもなっています。
これにより,右ページを隠しながら日本語訳を考える練習や,和訳を見て英文を暗唱するといった勉強法も可能になるわけです。
ちなみに,板書(授業でのディスカッションや配布資料も含む)が多い授業である場合,単語は後述する単語ノートにまとめ,③の部分を丸々板書ノート(⑤)に変えてしまうでも構いません。
④和訳を書く
予習時点では自分の訳を書くようにしますが,今の時代,DeepLなどの翻訳ツールに文章を入力すれば自動で英訳されるので,答えがわからないことはありません。
なので,和訳をする主題が出た際は,極力自分のみの力で解くことが求められていると考えてください。
言い換えれば,できないところがどこかを理解した状態で授業に臨むことが期待されているわけです。
ゆえに,授業を受けた際,必ず1つはわからない部分が出てくることを想定しておかなければなりません。
そのためにも,事前に1行ずつ空けて書くことによって,後で直せる余白部分をあらかじめ取っておくところがポイントです(上の画像では,赤ペンで書いた部分が修正訳となります)。
また,もう1つのポイントとして,予習段階でうまく訳せない部分があった際には,空欄のままにしておくのではなく,適当であっても何らかの訳を書くようにしてください。
過去のできない自分(明らかな誤訳であるほどに効果的です)をいつまでもノートに残しておくことで,後で振り返った際に自分の成長に気がつくことができるのです。
⑤板書を写す
英語ノートの右ページ下部は板書用(授業を受けてからの書き込み用)として使います。
本文との対応がわかるように番号を振っておく他,復習する際は,ノートを読み返してわからないところがないかをチェックすることが大切です。
「私は本文のこの部分をこういった内容で理解しましたが,その解釈は正しいでしょうか」的な質問は,授業が終わってノートを見返してから初めてできるようになります。
ところで,復習する際には,自分の訳が間違っていた原因を必ず書くようにしましょう。
先に示したノートは,授業を受けたものの,まだ復習をしていない段階のものになりますが,「And yet=それにもかかわらず」や「to不定詞以下を主語にして文が成り立たないとき,それは名詞的用法ではなく,原因や条件を表す副詞的用法と解釈する」などと書き込むことが予想されます。
先生に後日質問するような内容は見つからなくても,間違いの原因を書くことくらいならできるはずです。
ここまでは,その日のうちにやっておきましょう。
余談ですが,AIの翻訳は中学や高校の教科書に出てくる英文ならまだしも,大学受験に出てくるものに関しては訳しミスが生じることも少なくありません。
先ほどの文章はかつて東大に出題された和訳問題なのですが,共通テストのリーディングを解かせてみると7~8割程度の正解率を誇る生成AIとはいえど,精読能力はまだまだです(青色部分を和訳する問題ですが,以下の赤線部分に間違いがあります)↓
訳し抜けがある他,肝心の結論が真逆になってしまっています。
定期テスト用の英語ノートの例
定期テストの結果は内申点に関係してくる他,クラス内の順位というのは普段の学校生活を送る上でのモチベーションにも大きく影響するものです。
なので,日ごろの努力がしっかり報われるように,それ専用のノートを作って対策しましょう!
具体的には「演習ノート」と「単語ノート」の2つが考えられます。
演習ノート
演習は,ワークや問題集に答えを書き込まずにやることが鉄則です。
学校に提出する必要がある場合も,ギリギリまでノートに何回かやって最後に仕上げとして書き込むようにするか,あらかじめコピーを取っておいてください。
実際のノートの作り方ですが,以下のように答えを書くだけではノートを書く意味はほとんどありません↓
丸付けまでしている点は褒められますが,記号問題の解答を「ア」だの「イ」だの直したところで,一体,何を間違えたのか,後からうかがい知ることはできません。
ワークの使用を前提とせずとも復習できてしまうのが演習ノートの強みです。
なので,演習を行う際には,このように英文をすべて書き取るようにしましょう↓
こちらは先のものと同じ問題をやったノートですが,英文が書かれているので何をどう間違えたのかが明確になっているはずです。
上のノートでは,自分なりに覚えておくべきポイントを,青ペンでさらに書き込むという工夫を施しています。
この演習ノートであれば,後になって単独で見返したときに学びが得られるでしょう。
なお,私が塾で指導する際,ワークをやる回数は5回を標準としていますが,その内訳は以下の通りです↓
- 授業後すぐに行う
- テスト2週間前から行う
- テスト1週間前に間違えた問題を見直す
- 提出する場合に備えて書き込む
- 直前に間違えたものがあればチェック
5回やるといっても,間違えた問題のみを解くことも含んでいるので,例えば初回と5回目とで同じだけの時間がかかることにはなりません。
それこそ,4回目に全問を解き直す際には,ほとんどの問題が「あー,あれね!」とわかるレベルになっているはずで,驚くべき速さで総復習が終了してしまうものです。
このときに忘れてはならないポイントは,チェックボックスを利用することでしょう。
問題にあらかじめ用意されている場合もありますが,存在しない問題には自分で四角形を書き加えます。
使用の際には以下のルールに従ってください↓
チェックボックスの利用法
- 1回目に解くときには何も書かない
- 2回目では間違えた問題にチェックボックスを書く
- 3回目に正解したら全部塗るが間違えたら斜線を引く
- 4回目で正解したら斜線の半分を塗る
- 5回目に正解したら斜線の残り半分を塗る
例えば,以下の赤矢印で示した部分は,3回目に正解して全てを塗ったもの(上)と,4回目に初めて正解できた問題(下)とをそれぞれ示しています↓
単語ノート
ただ単に語彙力を付けたいだけであれば,単語帳を使用するのが効率的ですが,定期テストの前となれば,教科書に載っている単語をもれなく暗記したいものです。
もちろん,ワークにも単語の意味を問う問題はありますが,英語から日本語に直すのか,それともそ日本語から英語を書くのかのいずれか片方しかないことが多いため,どちらの方式で聞かれるのかわからないテスト対策としては不安が残ります。
一般的には,英語を見て日本語を書く方が,その逆をするよりも簡単とされているため,テストまでの残り時間が短い場合は前者に集中して,とりあえず日本語に直せるように詰め込みましょう。
とはいえ,ここで紹介するのは,日本語から英語に直せるようになる完璧な覚え方であり,そのために単語ノートを作ることにします。
そのやり方ですが,まず,ワークや教科書に出ている単語の日本語訳をノートに書き取りますが,このときノートを4分割するのが基本です。
線を引いて分けるようにしますが,ノート自体を折り曲げて作っても構いません。
いずれにせよ,そうしてできた2列目と4列目をまずは使います↓
この状態でコピーを数枚取っておくのがプロの技なのですが,これは後で,日本語から英語に直す確認テストとして使うことができるからです。
次に,日本語を見ながら英語を書いていきましょう!
ここであえて何も見ないで書くことで,早速英単語を書いて覚える練習ができます↓
さて,この次はどうしたらよいでしょう。
もちろん,作り上げたばかりの状態ですから,いきなり単語を正確なつづりで書くのは難しいはずです。
そこで,上の質問への正解としては,和訳が書かれた列を手や紙で隠しながら,日本語が言えるかどうかのチェックを1単語ごとに行っていくことにします。
その後,今度は英単語の書かれた列を隠しながら,何回も単語を書いて覚えましょう!
そして最後に,先ほどコピーしておいた用紙を使って仕上げのチェックテストを行うといった流れです。
最初に紹介した普段の英語ノートも定期テスト対策として用いることにします(というか,普段の勉強は定期テストを意識したものですから当然でしょう)。
その際は,左上の教科書本文だけを読み,最初からすべて訳していけるかどうかを確認してみてください。
授業から時間が経ってしまうと,書き残した板書内容を読んでもわからないことがあるのが普通ですが,当時復習する際に自分の言葉で書き込みをしているほど,後でその効果をより実感できるものです。
加えて,一度隅々まで理解できたものは,時間が経って忘れてしまっても思い出すのにそれほど苦労しません。
入試用の英語ノートの例
模試や入試と比べれば,学校の定期テストというのは,短期間でも集中すれば何とかなってしまうものです。
しかし,そうした数週間程度の勉強ではなく「数ヶ月」といった長いスパンで役立つ英語ノートを作るためには,これまでに紹介した方法とはまた違った目的のノートを用意しなければなりません。
以前紹介したディクテーションのやり方!英語力を総合的に伸ばそうにおいても,ノートに書き取る際のポイントについてまとめましたが,それもまた入試対策に使えるノート術の1つです。
上の記事では,リスニング的かつ文法的な内容を含むノートを作ることを目的としましたが,今回紹介するのは文法と読解に特化したノートとなり,前者では「例文暗記ノート」を,後者では「苦手分析ノート」をそれぞれ作っていきます。
例文暗記ノート
文法を覚えて自由自在に使いこなせるようにするためには,いつでも例文がパッと頭に浮かぶ状態になっていないといけません。
いわゆる「クジラの公式」と呼ばれるものに,「A whale is no more a fish than a horse is.」という文がありますが,これを細かい文法的な説明から入るようでは経験上,良い結果に繋がりにくいです。
導入時はとりあえず例文を覚えさせてから,構文の持つ意味について教える方がずっと頭に入っていきやすいように感じています。
文法問題を解く際,こういった基になる例文を頭に浮かべながら解くようにすると,思いのほか簡単にできてしまった経験は誰にでもあるように思いますが,例文暗記ノートを作ると,まさにこれと同じ体験ができてしまうわけです。
暗記すべき例文の候補はワークで間違えた問題や,数百からなる暗唱用例文の参考書を手に入れて,それらの中から選ぶでも構いません。
このときの注意点として「同じ文法項目を問う問題は選ばない」ことと「学び終えた単元から選択する」ことの2つを挙げておきます。
理由ですが,例文暗記ノートは問題集ではないので,狭い範囲を形を変えて何度も練習し直すという使い方ではなく,最小限の努力で広範囲を復習できるようにしたいからです。
さらには,大事な例文というのは,その単元を学び終えたときになってようやく選べるようになることも理由の1つになります。
もしも複数の文法事項が混ざっているようなものを選ぶことができれば,1つの例文から多くを学び取ることができますし,先の授業ノートに示した東大の長文めいたものを覚えてしまっても構いません。
とはいえ,まずは学校の1つの文法単元(またはレッスン)から「10文」を選ぶことを目標にやってみましょう!
学校のワークを使って行う場合,基本例文や一度間違えた問題の例文が候補となりますが,普段からチェックボックスを付けて学習する癖がついていれば探すのも簡単です↓
使うことにした例文には線を引いておくことで,後に書き加える際も重複することなく選ぶことができます。
選んだ例文はノートに和訳とともに書き出しますが,やり方としては,1度に1文ずつ暗記するよりかは,
- 3文くらいをひとまとめに覚える
- 書いてチェックしてみる
- できたらまた次の3文に進む
といった具合に,複数のまとまりごとに覚えていくとスピード感が出るのでおすすめです↓
もちろん,先の単語ノートのときと同様,書き写しが勉強になるよう,英文を音読してから見ないで写し取ったり,右に和訳を書いてから再度英語が言えるかをチェックしたりしてください。
上の例では,日本語から英語を書くことを主な目的としているため,左の列に日本語を書いています。
このとき,情報カードを使っても構いません↓
こちらは1つのカードに1文しか書かないようにし,文法項目ごとにストックしておいては復習時に使うようにしますが,これまでの全カードをシャッフルしてランダムに解くようにすれば総合的な文法力を高められる他,ひいてはスピーキング力までをも身に付けることができます。
このときできなかった問題があれば,文法項目別に分類してみてください。
もしも特定の項目のものだけができないようであれば,それがあなたの弱点です(そのためにも文法ジャンルを記載しておくのがおすすめです)。
その範囲だけを持ち歩いたり,問題集で別に演習したりすることも検討しましょう。
なお,私は生徒の学年に合わせてサイズの違うものを使い分けていますが,悩んだら大き目のものにするで間違いありません。
英文の苦手分析ノート
長文の演習は学校ではできないことが多いので,メインは自宅でやることになります。
その場合,テストで理解度をチェックしてもらうことがないので雑な勉強になりがちです。
そこで,入試対策として使っている長文問題集を使って,自分が苦手とする文を探しましょう。
やり方は簡単で,読んでいて意味がわからない文章に線を引いておくだけです。
その後,普通に問題の丸付けをしてから,全訳や解説を読みながら,できなかった原因をノートにまとめてください。
自分1人でできなければ,先生や周りの大人に聞いて解決するようにしますが,完成形は,最初に示した学校の授業用ノートと似たような構成です↓
先述したように,左ページにコピーを貼っている他,単語は縦に揃えて書くようにしていますが,右ページは板書や全訳の代わりに,わからなかった文の訳と解説を書くように工夫しています。
こうしたノートを続けて何枚も書いていると,自分の弱点が自然とわかってくるもので,例えば上のノートだけみても,省略のある文や前置詞について,より注意しながら読む必要があると分析できました。
発展形としては,判明した弱点ごとに色を決めて塗り分けの作業をしてみましょう。
「前置詞=青,省略がある=赤,代名詞や指示語=緑」と決めてやったものが以下のノートですが,前置詞の練習をしたければ,青色の部分だけをすべて日本語に訳してみればよいことになります↓
夏休みなどに長文問題集を1冊仕上げる際は,是非やってみてください!
なお,ここで学んだ内容をマインドマップにまとめてみるのもおすすめです↓
折角,色分けしたわけですし,枝の色は同じ赤・青・緑に対応するように作ってみてください。
まとめ
以上,英語の普段の授業に使えるノートから,定期テスト用のノート,そして入試にも対応できるノートについて実際の例を使いながら詳しく紹介してきました。
ノート作り自体を楽しめると勉強が苦になりません。
ノートはきれいに取れるようになりますし,定期テストや授業中にやる小テストの点数も良くなって,結果的に良い成績となって表れてくるはずです。
これが「また頑張ろう」というモチベーションへと変わり,ますます勉強するようになるといった好循環が生まれれば,大学受験までもう何の心配も要りません。
今回紹介したものの中では,縦に揃えて書くことを意識したり,チェックボックスの書き方やワークブックに書き込まないことを知って実践したりするだけでも,だいぶ勉強の質は変わってくるように思います。
できれば,的確な分析の目を持った大人に弱点を分析してもらったり,ノートを評価してもらえたりすると最高なのですが,今は自宅学習の機会も多くなっていますし,気になったことだけは学校の先生に聞くとしても,基本的には1人で勉強するようにしてください。
今回紹介したノート術は,塾では当たり前のように指導しているものですが,体験授業に来た生徒に尋ねてみると,ほとんどはこういった方法について習うことはないようです。
生徒が書いたノートを集めて評価している学校もあるようですが,実際,今回の記事で悪い例として紹介した「解答を記号でしか書いていないノート」であってもAの評価が付いているのを見たことがあります。
かといって,私自身が実践している方法が絶対的に正しいという保証もありませんから,不服を唱えることはしません。
あくまでもノートの出来を判断するのはみなさん自身であるということを前提に,何か1つでも実践してもらえたら,わざわざ記事にした甲斐があるというものです。
ノートをうまく活用し,英語勉強の方,ぜひとも頑張ってください!