前回のパーフェクト講義の記事に引き続き,今回もスタディサプリENGLISHのTOEIC L&R TEST対策コースの中から,充実したコンテンツを紹介していきましょう!
当記事で扱うのは,TOEIC対策で言うところの模試にあたる「実戦問題集」です。
先の記事では,TOEICで効率良く高スコアを取得するためにはコツについて知る必要があると述べましたが,その情報を本番で生かせるかどうかは,フルサイズの模試を何回解いたかにかかっています。
自分の環境に合わせて使えるようになって初めてそのコツが役に立つようになるわけです。
例えば,本番以上に時間をかけて正解できたところであまり意味はありません。
それならば,正答率を多少犠牲にしてでも,制限時間内に9割取ることの方が,結果的に良いスコアに繋がるわけです。
共通テストの受験経験がある方は,まさにそこで高得点を取るのと似た能力が問われています。
そうした注意点も含め,以下では実戦問題集の使い方を中心に詳しくみていくことにしましょう。
スタディサプリENGLISHの実戦問題集とは
今回紹介するスタディサプリENGLISHの実戦問題集ですが,TOEICの模擬試験をスマホやPC上で解くことができる学習コンテンツです。

2017年8月のリリース時にはVol.1だけしかありませんでしたが,翌月の9月にVol.2,10月にVol.3といった具合に毎月1冊ずつ追加されてきました。
その後10冊に到達したのを境に今度は「実戦問題集NEXT」という名の10冊が追加され,今では計20冊の模試が用意されています。

テキストに関しては,当初NEXTのものは売られていなかったのですが,2022年の1月から購入可能です。
ボリュームを評価すると,1冊あたりに1回分の模試(200問)が収録されているので,市販されているTOEICの公式問題集(1冊に2回分の模試が収録されている)の10冊分に相当し,膨大な量であることがわかっていただけるでしょう。
TOEICの攻略法の1つとして,とにかく模試を解くようにしては,問題パターンを分析して自分なりの戦略を立ててみては高スコアを取得するという方法は昔から知られています。
なので,変な話,スタディサプリの実戦問題集だけを使ってTOEIC対策するのも考えられないことではありません。
しかもこの実戦問題集,これだけの量の模試を解くことができるだけでなく,アプリの機能を生かした復習も可能です。
通常であれば解説を読んで,和訳を確認して終わりになっていたであろうところを,誤答も含めて書き取りや単語クイズなども交えながら,結構な時間をかけて学び直すことができます。
スマホやPCならではの機能を使って学べるので,大変便利かつユニークなトレーニングだと感心することになるでしょう。
その反面,復習用トレーニングや解答・解説が問題の合間に登場してきてしまうことになるため,2時間ぶっ通しで200問を解くような使い方には向いていません。

なお,この実戦問題集を「もはや公式問題集である」と言っても過言ではないのですが,それには2つの理由があります。
1つ目ですが,Part1からPart7まで,実際のTOEICと全く同じ形式の問題が収録されていることです。
先述した通り,2016年から導入された新形式に対応していますし,市販本にありがちな解説や表記のミスは,過去のユーザーの指摘により次回以降のアップデートで修正され続けてきた過去があります。
また,2つ目の理由は,この実戦問題集を作成しているスタッフに,実際のTOEICの公式問題集を作成したメンバーが含まれていたからです。
こちらに関しては2019年以降,その記述を見かけなくなったので,新しく追加されたものについてはそうではないのでしょうが,それでも,長年TOEICを受け続けてきたスタッフが集結し,新形式に対応したオリジナル演習問題を作成していることは確かでしょう。
もっとも,そういった裏事情については初中級レベルの学習者にとってはあまり関係のないことであり,もしも難易度を気にするという中上級者の方がいれば,手始めに実戦問題集のVol.1を解いてもらい,そこで算出された予想得点とご自身の最新スコアを比べてみていただけたらと思います。
Vol.1の難易度はTOEIC模試として実に見事な出来栄えで,実力通りの予想スコアが出てきたのではないでしょうか。
さて,これから実際の中身を画面とともに詳しくみていきますが,
論よりも証拠。もうここまでで十分わかったから使ってみるよ!
という方は,早速7日間の無料体験を始めてみてください↓
実戦問題集のトレーニング内容をパート別にレビュー
実戦問題集はTOEIC本番同様,7つのパートに分かれています。
ここでは,1つ1つのパートごとに,そこで扱うトレーニング方法を紹介していきましょう!

Part1対策
行うトレーニング内容
問題演習,ディクテーション,シャドーイング
Part1対策では全6問を解くことになります。
写真が出てくる問題ですが,アプリの画面越しでも写真が見にくいことはないですし,それどころか,音声を何度も聴き直したり,再生速度を変えて聴いたりする使い方ができるのは,アプリならではの強みと言えるでしょう↓
全ての問題や選択肢に和訳が用意されている他,受講者の誤答率が高かった問題には講義動画が後から追加されるほどの親切設計です。
さて,通常であればこのPart1,丸付けをして解説を読んだら,それで終わりにしてしまいますよね。
ですが,そこは定評あるスタディサプリENGLISHで,それだけで終了とはなりません!
解いた問題は形を変えて再度出題され,学習者は「ディクテーション」と「シャドーイング」という2種類のトレーニングを行うことで,一字一句正確に聞き取れているかどうかの確認まで行うことが可能です↓
上のようにアルファベットを入力していくことで,スペルがわからないとか前置詞が聴き取れないなどの弱点が明るみに出てきます。
しかもこのトレーニング対象には,正解以外の選択肢も含まれるわけで,かなりの量の復習を強いられるのが実戦問題集の特徴です。
ですが,こういった苦行を乗り越えてこそ英語の実力はアップするわけで,すべてをやり終えると,
ディクテーションのトレーニングでは学ぶことが多いなぁ
と実感することになるでしょう。
Part2対策
行うトレーニング内容
問題演習,ディクテーション,シャドーイング
Part2対策は全25問です。
Part1と同様のトレーニングが用意されているわけですが,TOEICのPart2ではやや演習量が増えることもあって,学習者の使い勝手の方を優先したのでしょう,Part1では1つしかなかったディクテーションが2つに分けられています↓
少なくとも,各トレーニングの間に休憩が入ることで集中力が続きやすくなったことは確かでしょう。

ところで,実戦問題集に取り組む前に,多くの方はすでにパーフェクト講義をやり終えているはずですから,Part2ではどういった点に気を付けて解けばいいのかわかっているわけです。
例えば以下の問題を解く際,「何の断りもなくいきなり問題が始まる」ということを知識として持っているだけでも,落ち着き具合に結構な差が生じるのではないでしょうか↓
関先生がパーフェクト講義などでしきりにおっしゃっていたように,疑問詞の後の助動詞の聴き取りは難しく,時制も含めて難しいと感じるはずです。
次にシャドーイングのトレーニングについてですが,パーフェクト講義の時と同様,自分の声を録音して,お手本と聞き比べることができます↓
パソコンにマイクが付いていない方は,スマホを使ってトレーニングするようにしてください。
それにしても,自分の声がアプリ内から聞こえてくるのは面白い体験です。
Part3対策
行うトレーニング内容
問題演習,単語・イディオムチェック,ディクテーション,本文チェック,シャドーイング
Part3は全部で39問です。
3問ずつ(大問1個)のまとまりごとに,5つほどのトレーニングが用意されています。
Part3では長い会話文を聞くことになりますが,関先生によれば先読みがポイントでしたね。
問題演習においては,あらかじめ問題を先読みするための時間が与えられるので,時間を意識することになり,良い意味での緊張感を生み出してくれます。
もちろん解説も詳しいです↓
問題演習を終えたら,今度は「単語・イディオムチェック」が待っています。
このトレーニングは2017年11月に追加され,問題演習中に出てきた単語やイディオムをクイズ形式で答えることが可能になりました。
立て続けに10~20問ほどの4択問題が一気に出題され,5秒の制限時間で答えていくことになりますが,出題形式は設定のところから変更することも可能です。
すべての問題をやり終えると,意味や発音,そして例文を一覧で確認することができます↓
本トレーニングを行うにあたって,問題演習のところですでに解説を読んでいるわけですから,簡単にできると思っていました。
ですが,短い制限時間がある中で即座に答えないといけないというプレッシャーがかかると,また違った難しさがあることに気づくものです。
このときに間違えたものがあれば,それは確実に自分の弱点ですので,空欄にチェックを入れ,復習トレーニング(後でまとめて間違えたものを復習できる機能)に加えておきましょう。
Part3のような長文を扱うパートでは「本文チェック(表記はなぜか会話文チェックとなっている)」という特別なトレーニングの用意もあり,流れた文章の訳や単語を音声とともに確認することができました↓
Part4対策
行うトレーニング内容
問題演習,単語・イディオムチェック,ディクテーション,本文チェック,シャドーイング
実戦問題集のPart4対策は全30問です。
アナウンスやナレーションに関する英文が流れ,3つの設問が用意されています。
トレーニングのやり方はPart3と同じですが,会話だったものは長い文章形式へと変わるため,ディクテーションではより集中しなければなりません↓
もっとも,カンマやピリオド,そしてスペースなどの面倒な入力は機械側が自動で入力してくれるので,学習者側はアルファベットのみを入力していけばよいのでラクチンです。
操作もすぐに慣れるでしょうし,スマホの場合はもっと楽に入力することができます。
Part5対策
行うトレーニング内容
問題演習
Part5の文法問題からリーディングパートがスタートです。
本番同様の形式で,全30問を解きましょう!
なお,実戦問題集では問題演習のトレーニングしかありません。
もっとも,解答を確認するだけでも理解は深まりますし,問題によっては講義動画が用意されているものもありました↓

Part6対策
行うトレーニング内容
問題演習,単語・イディオムチェック,本文チェック,スピード音読
実戦問題集のPart6は全部で16問ありますが,トレーニング内容としては,問題演習はもちろん,Part3対策のところで紹介した単語・イディオムチェックや本文チェックの他に「スピード音読」というトレーニングが新しく加わります。
とはいえ,このトレーニング内容についてはPart7対策のところで説明することにしましょう。
本パートでは,文法問題だけでなく,文章の論理展開も考えて解かないといけないので大変ですが,復習時に解答や解説の他,全訳や語注まで利用できるので,内容の理解自体はそれほど難しくありません↓
内容の理解はゆっくりかつしっかりと行うようにしてください。
Part7対策
行うトレーニング内容
問題演習,単語・イディオムチェック,本文チェック,スピード音読
TOEICで最も難しいPart7ですが,全部で54問です。
とはいえ,実戦問題集でのトレーニング自体は,問題演習での質問の数が2~5つに増えること以外,PART6で紹介したものと基本同じになります。
制限時間は問題数によって変わりますが,2~6分で解いていかなければなりません。
アプリ操作が必要なので,TOEIC本番とはやることが多少異なりますが,実際,試験会場で解いていても冊子に書き込みすることはできないわけで,文中のどこに何の情報があったかはある程度頭に入れておく必要があります。
つまるところ,全く違う環境だとも言えないわけです。
また,こちらのPart7においても,和訳や語句を確認することができます。
本文チェックのトレーニングでは特に念入りに発音を聴くようにしてください。
というのも,次に行うことになるのが「スピード音読」だからです。
このやり方自体はシャドーイングと大体同じですが,音声は流れません。
その代わり,読む英文の長さに応じて制限時間が変わるわけですが,これがなかなかに厳しい制限時間のように感じられます。
もたついた文があったら,自分の発音をお手本と比べてみてください。
発音もよく聴いてみると,正確に言えていなかったのではないでしょうか↓
最後に一覧で確認できるところはシャドーイングのときと同じ仕様です。
以上をもちまして,実戦問題集のすべてのPartについてトレーニング内容をレビューしてきたことになりますが,最終確認として修了チェックテストをやりましょう!
修了チェック
実戦問題集を一通り解いたとしても,理解し切れていない部分があれば何度か復習する必要があります。
この修了チェックは,これまでの学習内容を完璧に理解できたのかを最後に確認するためのもので,質問自体は実に簡単なものです。
「Part2のディクテーションは全問正解できるようになりましたか」と聞かれるので,はいと答えて先に進むと,★3つの金メダルを目指すようにと指示されました↓
実際は★2つの金メダルで限界という問題もありましたので,メダルはあくまで目安の1つと考える程度でよいかと思います。
それよりも,復習トレーニングの中に放り込んだ苦手問題を減らすことを最優先に勉強してみてください↓
いずれにせよ,ノーミスを目指して繰り返すことが大切です。
さいごに
スタディサプリENGLISHのTOEIC L&R TEST対策コースは有料サービスということで,使い勝手の良さはもちろん,トレーニング内容もかなり凝った作りになっています。
そして今回紹介した実戦問題集は,復習に重きを置いた,他には類をみないTOEIC模試に仕上がっていました。
無料会員ではサンプル問題すら確認できませんが,今回の記事を通して各パートを学ぶときの様子が伝わったら幸いです。
ディクテーションやシャドーイングはスマホでも行えるように工夫されていましたし,難しい問題には後から解説動画が追加される他,数多くのトレーニングでもって復習することができます。
勉強に必要な教材を沢山持ち歩かずに済むのも,アプリになっているからでしょう。
もちろん,上記トレーニングの中には,人によっては不要と感じるものもあるかと思います。
ですが,これくらいしつこくトレーニングする方が,TOEICの特に初中級者には合っているわけで,そもそも上のように感じられる方というのはおそらく,解説などなくても,どんどん自分自身で学んでいける上級者でしょう。
そういった方はすでに記事にした実戦問題集のテキストを購入し,時間を測って模試を解いてはアプリでしっかり復習するという完璧な布陣で,TOEIC対策を実行されることをおすすめします。
最後になりましたが,これから申し込まれる方は,以下のキャンペーンコードの記事にも忘れず目を通しておいてください↓
最後までお読みいただき,ありがとうございました。