スタディサプリENGLISHにあるTOEIC対策用の学習コンテンツといえば,パーフェクト講義や実戦問題集という名前が真っ先に挙がりますが,今回紹介する「TEPPAN英単語・熟語」もそれらに負けず劣らず評判の良いコンテンツです。
1回あたりの学習にかかる時間はわずか数分ですが,毎日学習しては何度も復習することになるため,トータルの勉強時間は意外と長くなります。
加えて,語彙力はTOEIC全体のスコアアップに影響することもあり,塵も積もれば山となるでしょう。
TEPPANに始まり,TEPPANに終わる。
そんな日々を,私自身,TOEIC対策コースを使っていたときに過ごしていたものです。
今回の記事では,そんなTOEIC学習の基盤となるTEPPAN英単語・熟語の使い方について,実際に画面を見ながらレビューしていくことにしましょう!
TEPPAN英単語・熟語とは
TEPPAN英単語・熟語とは,スタディサプリENGLISHのTOEIC L&R TEST対策コースにある学習コンテンツの1つで,TOEICで頻出,つまり「鉄板」である語句を数多く収録したオンラインの英単語・熟語帳です。
ちなみに,単語に関しては書籍版も発売になっているので,詳しくは以下の記事も参考にしてください↓
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関正生先生のTEPPAN英単語!書籍版の特徴は
この度,TOEICの勉強に役立つ語学アプリの筆頭であるスタディサプリENGLISHに収録されている「TEPPAN英単語」がなんと書籍になりました! とはいえ,今や市場は戦国時代。 多くのTOEIC単語帳が出回っている世の ...
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この「TEPPAN」という言葉ですが,パーフェクト講義の動画でお馴染みの関正生先生の著作である「世界一わかりやすいTOEICテストの英単語」という単語帳の中にも,「出題確実の鉄板単語」というタイトルで出てきます。
関先生にとって,何やら思い入れのある言葉であることがわかるでしょう。
今回はアプリ版の話に限って進めますが,収録されている語句の数は単語が1500語,熟語が530語です。
他に売られているTOEICの単語帳と比較すると分量的には同じくらいですが,目標スコアが600点から990点まで広く対応しているあたり(熟語は860点まで),幅広いレベルの受験生に役立つことがわかります。
英単語は全部で18のレッスン,英熟語の方は7つに分けられ,1つあたりに学ぶ語数としては,大体100語程度になるよう調整されているのがポイントです↓
TEPPAN英単語の構成
- Lesson1 はじめに
- Lesson2-9 目標600点の750語
- Lesson10-13 目標730点の340語
- Lesson14-16 目標860点の230語
- Lesson17-18 目標990点の180語
TEPPAN英熟語の構成
- Lesson1-3 目標600点の230語
- Lesson4-6 目標730点の230語
- Lesson7 目標860点の70語
詳しい学習方法については,TEPPAN英単語のLesson1にあるガイダンス動画の中でも説明されるのですが,簡単に言えば,1日に1レッスン(約100語)終えることが目安となります(熟語も進め方は同じです)。
この学習ペースは,そんじょそこらの単語帳と比べても驚異的なスピードであり,それがそのままTEPPAN英単語・熟語の評価へとつながっていきます。
考えてもみてください。
これはつまり,1冊の単語帳を2週間ほどで一通り終えられてしまうということです。
加えて,冒頭で述べたように,1回の学習時間は数分しかかからないということで,逆に怪しいと思うかもしれません。
ですが,これは本当のことで,次章から,TEPPAN独自の学習方法とトレーニング内容について細かくレビューしていきましょう!
TEPPAN英単語・熟語のレッスン内容
はじめに
まずはTEPPAN英単語の使い方についてですが,真っ先に受講生が観ることになるのは,Lesson1のガイダンス動画となります。
この動画では,単語学習を行う上で誰もが抱く疑問である,「どれだけの量をどれほどのペースでこなしていけばよいか」について,関先生が具体的な数字を掲げながら目安となるものを提示してくれるものです。
1ヶ月の繰り返し回数であったり,毎日触れるべき単語数,そして週ごとの取り組み方についても言及されるのですが,こういったことはあらゆる種類の単語帳にも書いてあるでしょう。
しかし,それが活字で書かれていると,どうしても適当に眺めるだけに終わってしまって,しっかり頭に入っていないことが多々あります。
しかし,動画だとついつい観てしまうわけですから,なんとも不思議ですね↓
関先生の教え方のクセみたいなものですが,「とても良い教材を作ったから,毎日頑張ってやってみてね」などと受講者をほったらかしにすることはありません。
「○○のペースで学習すると,△△のような効果が得られて,結果として□□できるようになるわけです」といった論理的な説明に納得しながら,安心して英単語の学習ができる点が心強く感じられるはずです。
黒板を使うことで,目からも印象に残るように解説してくれます。
これは,アプリだからこそ可能になる,TEPPAN英単語の確かな魅力でしょう。
目標600点の英単語
ここからは,各スコア別に収録されている単語についてレビューしていきたいと思います。
まず最初に気づくのは,TEPPAN英単語の半分(750語)を占めているのは,TOEICの目標が600点の方に向けたものだということです。
ここから,スタディサプリENGLISHの方針として,重箱の隅をつつかないと出てこないようなレアな単語より,テストで高確率で遭遇する単語の意味が瞬時にわかる状態を作ることこそ,最も効果のある勉強法だと考えていることがわかります。
これは,ハイスコアを狙うような中上級者であっても,頻出単語の意味がすぐに浮かぶようになるまでやり直さないといけないという意味です。
具体的には,1つの単語を制限時間にして5秒(理想は3秒)で答えられるようにすることが,TEPPAN英単語における当面の目標となります。
以下が基本となる学習画面ですが,右上にあるタイマーが0になるまでに答えを選ばなければいけません(この場合のタイマーは,残り時間が3秒39であることを示しています)↓
単語(department)の下にあるスピーカーのボタンを押せば,発音を何度も聴くことができます(もっとも,発音確認は後述する別ページでまとめて行うができるので,私はあまり使いませんでしたが)。
最終的には選択肢を見るまでもなくその意味が浮かぶようになるまでになりますが,ヒントが邪魔だと感じる方のために「設定変更」ができ,以下のように選択肢を非表示にすることもできます↓
この状態にすれば,単語の意味は頭の中に浮かべ,正解をチェックして,解答を確認することが可能です。
Lesson1で関先生が語るように,英語を見ては日本語に直すことができる「うろ覚え状態」に達したかどうかは,★が3つ輝く金バッジが10個並んだとき(正答率が100%になったとき)に初めてそう判断できます↓
TEPPAN英単語では正解率に応じて5段階で評価され,低いものから順にバッジの見た目は「銅→銀→金★1→金★2→金★3」と変わるわけです(バッジの違いについて知りたければ,後述する「目標990点の英単語」の最初の画像をみてください)。
なお,一番右にある「Master」という王冠は,正答率には関係なく,全問に1通り目を通しただけで光る仕様なので,こちらはあまり重要な情報とはなりません。
本当にハイスコアを取るには,真の意味でマスターする(すべて金★3にする)必要があることにご注意ください。
目標730点の英単語
TOEICスコアで730点を目指すためには,600点で学んだ英単語に加えてさらに340語を習得しなければなりません。
なお,TEPPAN英単語の選択肢は,似た形の単語の意味が候補になっているので,瞬時に判断するのが難しくなるように工夫されていることも特徴の1つです。
惑わされないためにも,単語だけを見てパッと意味を思い出し,それを右の選択肢から探し出すようにしない限りは,似た日本語の誤った選択肢にまんまと引っかかってしまうでしょう↓
上の選択肢をみると,recruit(~を募集する)を,resign(解雇する)やretire(隠遁させる),そしてreplace(配置換えする)という,似た形の単語と惑わせようとしていることがわかります。
単語がある程度できるようになってくると,こうした引っ掛けのもととなった単語も浮かんでくるようになるので,そういった変化も是非楽しんでみてください。
また以下の画像は,上記とは別の日に同範囲をやり直したときのものですが,以下のような出題となっていました↓
先の画像と比べて,何か違うところに気が付いたでしょうか。
今回のものは,前回と選択肢の表示される順番が異なっていました。
続けて取り組むと,ついつい楽をしがちなのが人間ですが,TEPPAN英単語にはこういった細かい機能もあるため,学習効果が高まることに繋がるわけです。
特に初級者であれば,最初にやったときはわからない単語だらけでしょう。
そんなとき,つい選択肢の位置を頼りに答えを選ぼうとしてしまうものです。
しかしそういった甘え,さらには集中せず取り組むことで犯しがちなケアレスミスは,このTEPPAN英単語では一切許されません。
目標860点の英単語
このくらいのレベルになると,だいぶ単語も難しくなってきます。
スコア860点は,TOEICで最上級にあたるAレベルですが,ここでは230単語を習得しましょう!
結構な数の単語を間違えてしまうことになるので,頻繁に復習する必要が出てくるものですが,自分なりのルールを決めて取り組むのがおすすめです。
例えば,TEPPAN英単語では,10問学ぶごとにそれまでの単語を一覧形式で見直すことができるのですが↓
このとき,発音も一気に見直すことができるので,4択問題を解く際は正解選びにのみ専念し,発音の確認はこの一覧でまとめて行うことに決めてしまうのも良い方法でしょう。
私も,実際発音を聴いてみて,自分が思っていたのと違う位置にアクセントがあり,何度もドキッとさせられたものです。
高校までの勉強に慣れていると誤解しがちですが,単語勉強はリーディングのためだけにやるわけではありません。
リスニングセクションの内容をしっかり聴き取るためにも行っていることを,くれぐれもお忘れなく。
スピーカーのアイコンをクリックすることで何度も発音が聴けますので,しっかりと確認するようにしてください。
なお,上記画像をみると,右の方に「帽子,吹き出し,例」を表す3つのアイコンが並んでいると思います。
左から順にクリックすると,帽子からは関先生の解説が登場し↓
吹き出しのマークをクリックすると,受講者の声を読むことができました↓
最後の「例」は,例文またはコロケーションのことです↓
スピーカーのアイコンがあることからわかるように,こちらも音声を聴くことができます。
余談ですが,この音声機能が付いたのは2018年1月のアップデート以降であり,帽子や吹き出しのアイコンが搭載されたのは2019年6月のことです。
このように,時間が経つごとにより使いやすくなるよう改良され続けているのもスタディサプリENGLISHの大きな特徴だと言えるでしょう。
目標990点の英単語
TEPPAN英単語もこれで最後かと思うと感無量です。
ここでは,TOEICスコアで990点満点を取るために必要な180語が厳選されてきています。
その難易度は流石の一言で,どこかで見たことがあるようなものも含まれますが,まったく馴染みのない単語に関しては完全にお手上げとなるでしょう↓
この単語,知っていましたか?
発音は「ゲイラ」となり,意味は「祭り」だそうです。
とはいえ,こんな難単語であっても5回も繰り返せばできるようになってしまうのが,繰り返すことの素晴らしさだと思います。
できなくて当然,できたら儲けものの精神で頑張ってくださいね。
TEPPAN英熟語
TEPPAN英熟語は2022年11月に実装されました。
上の英単語の代わりに熟語が出題されるもので,形式的には同様ですが,収録数は約3分の1と少なくなります。
とはいえ,熟語というのはそもそも単語並みに数を覚えるものではないので不都合はないでしょう。
ところで,上のhang upは「吊るす」だけですと,「電話を切る」という意味は浮かびづらいかと思います。
ですが,昔の電話はこの画像にあるように受話器が吊るされていたわけですから,そのときの名残が今に残っているというわけです。
由来まで覚えるかはさておき,すぐに意味が出る状態にしておかなければTOEICテストでは役に立ちません。
それ以上に,英熟語の絡む問題というのは,単語以上に意味を知っておかないと正解できないものが多いので,油断せずにしっかりと覚えていきましょう!
さて,このTEPPAN英単語・熟語ですが,10単語あたりの学習時間は最短で数秒です(長くても1分以内に終わる場合が多いです)↓
何度もやって理解が深まってくると,100語やっても1分程度しかかかりません(実際は復習とか操作に時間が取られるので,数分かかってしまうこともありますが)。
毎日単語をやるのは有効なTOEIC対策の一つですが,電車の待ち時間などを利用すればコツコツやっていくことが簡単にできます。
アプリで単語を学ぶという行為は,想像以上に快適な使い心地です。
「敬遠しがちだった単語・熟語学習が,思っていたほど苦にならない!」という驚きにも似た感想を,ほとんどの方が持たれることでしょう。
復習トレーニングと使い方
2018年3月,待望の復習トレーニング機能が実装されました。
だいぶ前の話になりますが,私がまだスタディサプリENGLISHのユーザーとなる前に口コミを調べていたときには,「間違えた単語だけ何度も復習したい」という声が結構数あったものです。
もうそのときから10周年が経過し,色々な使い勝手が改善されてきています。
復習トレーニング機能の使い方は簡単で,
- TEPPAN英単語・熟語をただやる
- 解答の一覧画面で,復習したい単語にチェックを入れる(間違えた問題は自動でチェックが入るので,あとはお好みで追加する)
- レッスン一覧画面の右下にある「復習トレーニング」のボタンをクリックする
だけです。
そうすると,以下のような復習トレーニング画面が開き,苦手な語句だけを細かく復習できます↓
復習トレーニングでは,通常とは異なり,複数の復習方法が用意されていて,これまでに不正解の問題だけを解いたり,チェックが付いた問題だけをすべて解くなどの使い方ができます↓
ちょっと自信がなかったけど,なんとか正解できたような単語もチェックを付けておけば安心です。
ただし,目標スコアをまたがって復習することはできないので,そこだけは注意しましょう(目標600点の単語は1~400語と401~750語の2つに分けられてしまっています)。
いずれにせよ,普通に何周も繰り返すことと,この復習トレーニング機能を使った2つの学習により,正答率と解くのにかかる時間が日に日に改善されていくのがわかるので,自分の語彙力の伸びを実感できるはずです。
まとめ
以上,スタディサプリENGLISHから,TOEICの単語学習に使えるTEPPAN英単語・熟語の使い方と復習トレーニングについて解説してきました。
発音や例文が何度も聴き直せる機能に加え,アップデートによりさまざまな機能が追加されてきた過去もお話ししましたが,やはりなんといっても,一回に多くの語句を学習でき,顔なじみの単語・熟語の数を短期間で一気に増やせることが,このTEPPANの魅力です。
私は大学時代,多くの外国語を話せる友達に,「そんなに沢山の国の言葉をマスターできたなんてすごい!どれほどの努力をしてきたの?」と尋ねたことがありました。
すると彼女は,「全部の言葉で読みも書きもできるようになんて到底不可能で,私の頭じゃ覚えきれないわ。だから私は必要なことだけに集中するの。例えばドイツ語は聴くと読むだけできるし,フランス語は話すことしかできないわ」と答えたのです。
TOEICの英単語に限ってみても,多義語の意味を全部覚えたり,英語から日本語はおろか,日本語から英語への変換までも完璧にできるようにしたり,中学レベルの英単語にまで戻ってやり直したりするのではなく,まずはこのTEPPAN英単語・熟語に出てくるものだけを完璧にしてみてください。
単語を見て「なんか悪い意味だった気がする」だとか「株の話で出てきた単語だったな」とかわかるだけでも,問題の正答率はグンと上がります。
これこそが,先述した,単語と顔なじみになることによる効果です。
実際のTOEICでは,例のgalaが出ることを楽しみに,スタディサプリENGLISHでの学習を続けていってください(なんと,最近受けたテストで出ました笑)。
私自身は,全部で20時間ちょっとかけて10周したくらいで,ようやく「覚えた!」という実感がわきました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。