今回は,スタディサプリENGLISHのTOEIC対策コースから,メインコンテンツとも言える「パーフェクト講義」の概要と,実際に使ってみたときの様子についてまとめてみたいと思います。
その存在意義はTOEICを攻略するためのコツを伝授することですが,どのようにスコアアップに貢献してくれるのでしょうか。
どれくらいの分量があり,どういったトレーニング内容でもって学んでいくことになるのか,パーフェクト講義にしかない特徴を中心に解説していけたらと思っています。
まずは概要から始めましょう!
パーフェクト講義とは

パーフェクト講義とは,TOEICの解き方を学べるコンテンツです。
普通に模試を解くのとはアプローチが異なり,得られるものも違います。
例えば,2時間ぶっ通しで問題を解くようなことはありません。
それをしたければ,同じTOEIC対策コースにある実戦問題集を使いましょう。
確かに,パーフェクト講義でも本番と同じ形式の問題を用いますが,問題を解くことを通して何らかのコツを掴むことが求められ,そのサポートとして一流講師による講義までが用意されています。
動画付きのレッスンは小中高生向けのスタディサプリの方ではお馴染みですが,社会人向けのものではそこまで多くなく,TOEIC対策コースでは,他にパーフェクト講義の英文法編や,基礎的な内容を扱う基礎講座くらいです。
ICTが発達した現在であっても黒板を使った解説は魅力的で,これは市販の参考書からは得難く,わかりやすいと感じられます。
なお,文字を介して学びたい方や授業内容を一挙に振り返りたい方もいるでしょうから,その場合,パーフェクト講義のテキストが別売となっているので,そちらを併用しましょう。
さて,令和時代のオンライン教育サービスのトレンドは「短期集中」です。
パーフェクト講義の1レッスンは10分程度で終えることができる分量に調節されているため,スキマ時間にちょこちょこやるのに向いている他,本番まで時間がない場合には,どんどんと次のレッスンに進んでいくことが可能です。
ちなみに,パーフェクト講義の全レッスンをやり終えようと思ったら,単純計算で25時間くらいかかります。
実際は,シャドーイングのトレーニングをやり直したり,実戦問題集を解いていて,
あの技はどういうところに注意するんだっけ?
などと疑問が生じた際に前に戻ったりもするので,私は倍の50時間弱がかかりました。
この場合,毎日1時間のペースで学んでいくと,2ヶ月近くがかかります。
もっとも,仮に1週間で終わるような内容であれば大して実力アップしないでしょうから,量的な不満はありません。
1回のレッスンの構成をみてみると,
- 解説動画
- 本番そっくりの問題
- ディクテーション
- シャドーイング
- 単語テスト
- 本文の全訳
- 本文の音読
となっています。
スタディサプリENGLISHのTOEIC対策コースでは,公開テストで受験者が実際に解くであろう全ての問題を独自に分析し,それを53個のパターン(規則)に分類しているところが特徴的です。
そして,これらの問題を解くための技(コツ)について,全部で150のレッスンを通して身に付けていきます。
講師から教えられたコツは類問の演習を通して習熟度を高めますが,解いた問題をディクテーションや音読の素材などとして再利用し,別の角度から復習をすることで,よりしっかりと身体に覚えこませていくことになるわけで,これはさながら体育会系のスパルタレッスンのようです。
ちゃんとやったかどうかは記録として残るため,ズルをすることはできません。
とはいえ,スマホを使うことでゲーム感覚で学ぶことができ,講義は先述した通り,数分間集中するだけで終わるので,全体的には効率的かつ楽しい学習体験ができるでしょう。
例えば,ディクテーションを行うために,通常であればノートと紙の用意が必要ですが,スマホを使えばアルファベットを入力するだけで済みますし,シャドーイングは内蔵マイクで自分の声を簡単に録音し,お手本と比べることができます。
具体的なレッスンの流れ

パーフェクト講義ですが,詳しい学習内容は以下の通りです↓
- Part1の概要と学習法+5つのコツ(11)
- Part2の概要と学習法+7つのコツ(15)
- Part3の概要と学習法+8つのコツ(33)
- Part4の概要と学習法+8つのコツ(33)
- Part5の概要と学習法+14のコツ(15)
- Part6の概要と学習法+3つのコツ(16)
- Part7の概要と学習法+6つのコツ(25)
カッコ内に示した数字はレッスン数を表していて,上記の他に「はじめに」と「修了チェック」が1レッスンずつあるので,すべて足すと150レッスンになります。
「はじめに」では,TOEICの全体的な説明と,どのように勉強を進めていくべきかという学習法についての講義を受けられますが,スタディサプリでは「600点」というスコアを境に,学習法は初級者向けのものと中・上級者向けの2つに分けているようです(TOEICの運営元は,500~650点を中級,それ以上を上級と定義しています)↓

学習法の内容としては,パーフェクト講義に限定せず,その他コンテンツにも言及があり,初級者向けでは「パーフェクト講義-英文法編」の学習期間が設けられますが,この動画が作られた当時に比べて,いくつかのコンテンツが追加されていることに注意しましょう。
パーフェクト講義のレッスン内容のほとんどはパート別対策となり,各パートでどのような出題があって,どのようなところに注意して問題を解いていけば良いのか,さらには普段からどういった学習を行なえば良いのかを中心に解説動画が作られているわけです。
次章において,Part2対策のレッスン内容を例に,実際のパーフェクト講義の進め方の様子をみていきましょう!
実際にパーフェクト講義を使ってみたときの様子

ここでは「概要と学習法→例題→演習」の順番で個々に解説していくことにします。
概要と学習法
まず最初に,Part2の概要について学びますが,
- どのような出題なのか
- 解く際に気を付けることは何か
の2つを動画で学ぶことができました↓

パーフェクト講義を担当するのは関正生先生ですが,彼は,毎年公開テストを受け続けては出題パターンを分析し,全ての回において当然のように満点を取っていた「TOEICのプロ」です。
独自の分析結果は,彼の解説内容の節々によく表れており,受験生がどのような状況に陥りやすいのか,自身の会場での体験を元に詳しく解説してくれます。
いわば,「TOEICのあるある話」とでも言いましょうか。
聞くのと聞かないのとで,TOEICを数回受けた分くらいの差が生じるわけです。
先生は,問題内容だけでなく受験生の様子までを観察しているようですから,会場での周囲の様子も伺い知ることができ,受験前から心の準備が整うことで,有利な状態で本番に臨むことが可能となります。
例えば,上の動画では,
- いきなり音声が流れ始めること
- ミスを引きずらない
という2つのコツを紹介しており,本番までこれらについて知らないままで良いわけではありません。
続く学習法についての動画では,
普段からディクテーションするのが有効です。
と結論付けていました↓

「どうしてディクテーションを行うのか」そして「本番でどのような効果が期待できるのか」といった疑問に対して論理的な解説がなされることで,受講者は安心して今後のレッスン(ディクテーションも当然出てきます)に進んでいくことができます。
わけもわからぬままに,突如「はい,やって」と言われたトレーニングをただ黙々とやらされるわけではありません。
裏にこうした意図があるから効果的なんだ。
と説明され,納得した状態で初めてそのトレーニングを実践することで,取り組む姿勢が変わってくることは明らかでしょう。
さすが名物講師だなぁと,みなさんも感心させられてしまうはずです。
関先生についてもっと知りたい方は,小中高生向けのスタディサプリの講師紹介に目を通してみてください。
例題
ここから,具体的なレッスンにあたる「例題1」に進みましょう!
名前が似ていますが,この例題1の中には「例題」と「例題講義」,さらには「ディクテーション」と「シャドーイング」という4つのトレーニングが含まれています。
TOEICの全問題を53個のパターンに分けた話をすでにしましたが,1パターンにつき1つの例題(今回だと例題1)があると理解してください。
まずはそれを解いて問題意識を高めるようにしてから,講義動画を視聴しましょう↓

今回は「慣用表現」というパターンについて学ぶ回で,Would you do me a favor?という決まり文句の解説から始まりました。
V(動詞)の後に「人+物」が来るとき,Vの意味は高い確率で「与える」という意味になるんだ。
と関先生は語りかけます。
提示された訳は,意図的に「あなたは,私に1つだけでよいので親切を与えてくれませんか」と直訳調で書かれているわけです。
通常であれば,「ちょっとお願いがあるのですが」という意味をただ丸暗記させられるだけの表現ですが,関先生の解説とともに根本から理解できることで,暗記するだけではすぐに忘れてしまうはずの慣用表現も,より記憶に残りやすい形で覚えられることになります。
さらに,例題で扱った英文は,続く「ディクテーション」と「シャドーイング」のトレーニングで即座に復習することができ,スタディサプリENLGISHで前者を行う場合,PCやスマホを使って,聴いた英文の単語を入力するだけの簡単仕様です↓

わからないときは一文字ヒントが利用できたり,音声の再生速度を遅くしたりできる他,表示されている音声再生マークを押せば,発音を何度も聴く直すことが可能です。
音声については,解き終えた後の確認画面でも同様に聴き直すことができ,ただスピーカーのマークを押すだけなのでストレスに感じません↓

もう1つの「シャドーイング」についてですが,これは影のように,流れた音声に続いて発音していくトレーニング方法です。
このときもスマホだと,内蔵されている通話用のマイクを使って簡単に自分の声を録音することができてしまいます↓

速度変更や右下のボタンから字幕の有無を切り替えられ,難易度の調節も簡単です。
以下は,速度を「遅く」そして字幕を「あり」に変更したものですが,上記画像では空欄だった中央部に,発音すべき英文が出現していることを見て取れるでしょう↓

一般的には両者とも負荷が高いとされるトレーニングで,中・上級者以外はお断りとなっていたところを,パーフェクト講義ではこうも簡単に難易度を下げて実践することができてしまうことに,当時の私は大層に驚かされたものです。
録音後は,お手本と聴き比べることで自己評価ができます↓

深くには触れませんが,間違えてしまった問題は「復習トレーニング」という項目に入れることができ,後でそれだけを復習できて便利です。
演習
これまでは「例題1」におけるレッスンの取り組み方でしたが,これに似た流れで,次の「演習1」も学んでいきます↓

これは例題で扱ったパターンをより多くの類問で練習できるもので,関先生の話に出てきたコツ(今回なら「疑問詞」に加えて「助動詞」に注意して練習すること)で,聴き取るべき箇所がより明確になって,得点力がUPしたと感じられるでしょう。
特に難しい問題には動画が用意されていることもあります。
ディクテーションやシャドーイングも例題の時と同じ調子でやっていきましょう!
学習が終わると,それぞれのトレーニングごとに正答率や勉強時間が自動的に計測され,総合結果が表示されてきました↓

短時間の学習であっても,頑張ったことを褒められると案外嬉しいものです。
ちなみに,パーフェクト講義をすべて完了した後は,アダプティブ講座に進むことにより,AIが個別最適化した問題を使って効率良く学習することもできます。
まとめ

以上,スタディサプリENGLISHのTOEIC対策コースからパーフェクト講義をレビューしてきましたが,いかがだったでしょうか。
今回の記事では,リスニングセクションに登場するPart2を中心にトレーニング内容を確認しましたが,上の画像で示すようなリーディングセクションの問題においても,スコアアップに役立つコツをたくさん学ぶことができます。
実力がアップするだけでなく,実戦的なコツまでを習得することによって初めてTOEICスコアが大きく上昇するわけで,TOEIC試験に慣れていない方や急遽対策をしないといけなくなってしまった方が真っ先にやるべきなのが今回紹介したパーフェクト講義です。
試験本番まで全く時間が残っていない場合であっても,各パートの最初にある「概要と学習法の動画」の内容だけでもしっかり観て学んで,内容を心に刻み込んでおきましょう。
もちろん,関先生の話にもあったように,知っておくだけで簡単に正解できてしまう問題があります。
パーフェクト講義ではそうした内容をテキスト冊子にまとめたものが別に購入できるとすでに述べました。
紙媒体で勉強する方が早いという方も,セール期間にまとめて購入しておきましょう。
初回申し込みの際にお得なキャンペーン情報と併せて,以下の記事でまとめています↓
実際にパーフェクト講義の例題や演習を解いてみると,「わかる」と「できる」はまったくの別物であると思い知らされるはずです。
これがもし参考書を使っての学習であれば,難しい問題や解説が出てくると読み飛ばしてしまいたい衝動に駆られていたはずで,パーフェクト講義では,ついついサボりがちになるディクテーションであっても,ズルをせずにやり通さなければいつまで経っても完了のマークが付きません。
面倒くさいという気持ちに負けず,すべてのトレーニングで合格点を取りましょう!
ちなみに,今回紹介したものはスタディサプリENGLISHのTOEIC対策コースに存在するものの一部にすぎません。
他にもたくさんの学習コンテンツがありますので,無駄を省いた効果的なTOEIC対策を是非とも体験してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。