PCやスマホで使えるWeb辞書として優秀な英辞郎ですが,今回は「Proが無料版より優れているところ」を中心に詳しくみていきたいと思います。
私も数年お世話になりましたが,取引先に英文メールを送付したり仕様書の作成したりする予定があるビジネスパーソンを始め,英語を仕事に使う翻訳家や添削者や純粋に英作文の勉強のお供におすすめです。
是非,ここで英辞郎Proの魅力について学んでいってください!
英辞郎Proについて
英辞郎の有料版ですが,正確には「英辞郎 on the WEB Pro」と呼ばれる年額4950円(月額だと495円)のサービスです。
その他に「英辞郎 on the WEB Pro Lite」もありますが,こちらについてはあとで触れることにしますので,現段階ではとりあえず無視するようにしてください。
製作元はEDPで,英和と和英両方の対訳があるデータベースには一般語以外に経済・法律・IT・医学・スラングといった専門的な用語も収録されていて,オンラインの強みを生かした多機能な辞書をイメージするとわかりやすいでしょう。
一部では英文作成ツールとして使われているなど,通常の辞書として以外の使い方がメインになることも多いです。
以下の記事ではコーパスも含めた一般的なWeb辞書の使い方について言及しているので参考にしてください(英辞郎の使い方も一部レビューしました)↓
有料版を使うことで以下の恩恵を享受できます↓
- 有料版でのみ読める英文がある
- 単語帳が利用できる
- 高度な検索が可能
- Pro版のスマホアプリが使用可能
- 広告表示がされない
最後の1つを除いて,次章から1つずつみていくことにしましょう!
なお,データベースに収録されたデータは随時更新されており,最新版はこのページから確認することができます。
1年に1度は欠かさず更新されてきており,2024年1月10日時点の英和の見出し項目数は232万となっていますが,書店で購入できる辞書が収録しているのはせいぜい10万語程度ですから,どれだけ英辞郎の情報量が多いかわかるでしょう。
豊富な数の例文が見つかる
英辞郎のProでは144万を超える例文を確認することができます。
今回は例として「contingency」という単語について調べた結果を示しますが,Pro版の方でのみ,上から2つ目にある「日本法令外国語訳データベースシステム」出典のような例文が出てくることに注目してください↓
同じ単語を無料版で調べてみたのが以下ですが,有料版と似た順で検索結果は表示されてくるものの,Proで読むことができた例文がきれいに抜け落ちてしまっていることがわかります(無料版の例文数は0です)↓
なので,欲しい情報が見つけやすいのは明らかにProだと言えます。
単語の意味を覚えるだけならコロケーションでも用に足りるのですが,英文を作成しようと思った場合には,信頼できる出典元の例文が特に役立つわけです。
ちなみに英辞郎Proの例文は様々なメディアから抜粋されていては古いものは見直されるため,複数の例文を比較・参照しながら,単語自体のより詳しい使い方を学ぶこともできるでしょう。
上のcontingencyの例においても,国立研究開発法人情報通信研究機構のものやThe Great Gatsbyという洋書から抜き出した英文が確認できました。
加えて,Proでは虫眼鏡のマークをクリックすることで音声再生ができたり,ネット記事における実際の使われ方について簡単に表示することもできるなど使い勝手が優れています。
例えば以下は,先のcontingency fundの使われ方をGoogle検索してみた結果です↓
ここまで2クリックで行けてしまうので,大変ラクに使用法を調べられます。
時間や効率をお金で買っているとも言えるでしょう。
文例と言えば,英辞郎に収録されているEメールや手紙の文例だけをまとめて閲覧する機能もProにはあります。
例えば以下は,ビジネスレターの文例の検索結果に出てきた80件のうちの一部です↓
仕事で海外担当の方がメールを作成する際などに利用できる文例が,題名から結びの言葉まで数多く載っているのが見て取れるでしょう。
単語帳が利用できる
英辞郎Proでは「単語帳機能」が利用できます。
英和と和英の検索結果を最大2万件登録することができ,単語だけに限らず,先に紹介した例文をそのままの形で登録することも可能です(ただし100文字を超える英文は登録不可)。
英検の1級合格に必要とされる語彙数が1~1.5万個ですから,持て余すくらい十分な量であると言えるでしょう。
気になった語句や英文は積極的に単語帳に登録しておくと,いつでも簡単にアクセスすることができます。
これまでにLINE翻訳を使った方ならわかるかと思いますが,一度自分が調べた単語は何度も見直したくなるものです。
発音もすべて聴けますし,メモやタグを付けることも可能になります。
LINE翻訳の場合,多くの単語を遡るには不向きでしたが,Proの単語帳ではこのように,チェックを付けた単語の意味を確認するテストまで実行可能です↓
現代では知識の量よりも使い方を知っている方が価値が高いとされますが,多くの知識があって損をすることはありません。
むしろこんな時代だからこそ,丸暗記や詰め込み学習も積極的に実践していきたいものです。
高度な検索が可能
一般的に何かを検索する際には,スペースを使ったAND検索はもちろん,「-,|,""」といった記号を駆使したり「NOT検索,OR検索,フレーズ検索」などを行ったりするわけですが,有料版ではそういった記号を介さずとも,簡単に検索条件を設定することができます。
こちらも効率化に繋がるわけですが,やり方としては,検索窓の右下にある「条件を詳細に指定して検索」のところをクリックするだけです↓
例えば上の検索方法ですと,通常は[run] {1} awayなどと入力しなければいけないのですが,画面の指示に従って入力していくだけで,同じ検索をより簡単に行うことができました。
単語間の語数を指定し,動詞の変化形も含めて検索した結果は以下の通りです↓
なお,右上にある「検索結果を共有する」というボタンを押すと共有用のURLも即時発行され,同僚とシェアすることが可能です。
また,私が便利だと思うのが「頻度集計」という検索方法で,例えばある語句の前後にどういった単語が使われることが多いかという頻度について調べるときに使っています。
以下はon the accountの後に来やすい語を調べたものですが,予想した通りofが圧倒的だった中で,that節も使用できることがわかりました↓
さらに青字をクリックすれば使用例が確認できます。
スマホアプリもPro版が使える
英辞郎はスマホでも利用できますが,Proの利用者はPro版が使えます。
使い勝手は良好で評価も高く,自宅ではウェブ版,外出先ではPro版と使い分ける方も多いでしょう。
ログインする必要があるということは,データが共有されるわけです。
使えばすぐにわかると思いますが,レイアウトもスマホ用に作られていて,検索結果はすべて音声が聞けるなどウェブ版より優れているところも見受けられます(無料版も音声は聴けます)。
とはいえ機能に制限が設けられている部分もあり,例えば先の「頻度集計」は不可ですし,単語帳の復習テスト機能も使えません↓
とはいえ先述したように,出先では調べ学習を中心にし,自宅で分析や復習を中心に行うといった具合に使い分ければ問題ありません(単語帳に登録した内容はウェブ版とアプリ版で共有されます)。
これまでに紹介したもの以外にも,小窓モード(小さく表示)や検索履歴(調べた語句が50件まで履歴に残る),はたまた見出し語の数や表示されるまでの時間が短いなどのメリットもありますが,めぼしいものは上で説明したので省略させてください。
ProとPro Liteの違い
同じ名を冠していても,ProとPro Liteの間にも違いがいくつかあるので最後に述べておきましょう。
一番大きな違いは,Pro Liteは登録するだけで無料で使えてしまう点です。
もちろんその代わりに広告が表示されてくるなどの制限が設けられるので,まず最初はPro Liteで使ってみて,満足できなければ課金してください。
ProでできてPro Liteではできないことは以下の通りです↓
ウェブ版にある音声再生が利用できない:発音を確認したい人は利用したい。
検索結果の保存数が少ない:Proの2万語に対してPro Liteは100語のみ。単語帳機能を使うのであれば課金したい。
ユーザー辞書の作成や単語テストの利用が不可:主に学習目的に英辞郎を利用する方は使いたいと思うかもしれません。
あいまい検索の利用が不可:完全に一致する文や単語以外の候補が類似度順に表示されます。上では説明してきませんでしたが,この機能も使い勝手に大きく貢献しており,Google検索やメルカリなどで似たような記事や商品が表示されてくることがありますがそれに近いです。
整列・頻度集計が利用できない:先に示したコーパス的な使い方はPro Liteでは使えません。コーパスで他のサービスを使っていない方は有料版にしてください。
最初のところで144万件収録と述べた例文数についても,Pro Liteでは21万件(7分の1程度)と差が付けられてしまっています。
まとめ
以上,英辞郎Proが無料版よりも優れている点を中心に紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
最後に英辞郎Proの主な特徴を再掲しておきます(赤字はマイナス要素です)↓
- 年額4950円(アプリ内課金は割高)
- 各種英文(例文,メール,VOA)を含む例文
- コーパス的な頻度集計
- 高度な検索設定
- 単語帳機能
- Pro版のアプリ
ここまで読んだ方ならProかPro Liteの2択で悩むことになると思いますが,有料版の利用料金と英語学習や英文作成の効率化を天秤にかけ,決めるようにしましょう。
なお,これから新規で有料版に申し込まれる方は最初の2週間は無料で利用することが可能です。
先ほど「最初はPro Liteで使ってみて機能制限に不満があればProに変えれば良い」と述べておいてなんですが,いきなりProで使い始めて,特に役立たなければ解約するという使い方もありかもしれません。
利用開始のための手順は,
- 年額コースで申し込む
- 無料期間2週間
- 本契約開始
と簡単です。
なお,無料期間中はウェブ版やアプリ版だけに限定せず,どちらも利用するようにしてください。
デバイスが異なるとどうしても使い勝手で違和感が生じてくることが多いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。