今回は河合塾Oneで「化学」を学んでみましょう!
世界史や日本史では使えませんでしたが,化学は通常通り「AIおすすめ学習」を利用でき,AIに提示されてきた課題(問題や動画)をこなしていくだけで,自然と化学の教科書範囲が理解できるようになっているというのが河合塾Oneの魅力です。
とはいえ,化学を苦手とする人が教科書や資料集などなしに,初見で解くにはなかなかに難しい問題や解説もありますので,すでに学校で習った範囲を思い出すために使うか,とりあえず1つのトピックをやり終えて,レベルチェックテストがある程度正解できるようになったかどうかで判断してください。
なお,時間にしては大体60時間で全範囲を学び終えることが可能ですが,詳しくは次章以降で解説します。
河合塾Oneの化学について
河合塾Oneの化学は,化学基礎と通常のものの2つがありますが,単元の数としては前者が2つ,後者は6つです↓↓
- 物質の構成(17)(共有結合・分子間力)
- 物質の変化(23)(溶解度・酸化還元)
- 化学反応と電気エネルギー(5)(電池・電気分解)
- 物質の状態と化学平衡(25)(混合気体・結晶格子)
- 物質の変化と平衡(22)(熱化学反応式・pH)
- 無機物質(15)(○族・アルカリ金属)
- 有機化合物(25)(アルカン・セッケン)
- 高分子化合物(20)(糖類・ビニロン)
単元の後ろにあるカッコ内の数字はトピックの数を表していて,1つの単元は大体20のトピックに分かれていることがわかります。
1回の学習で1トピック,ないしは2トピックくらいを学ぶのが一般的です。
ちなみに「物理基礎」について以前レビューしましたが,トピック自体の構成はそのときのものと同様で,1トピックにかかる時間は20~30分程度。
学ぶ順番も同じで「基本事項解説→練習問題1→解説1→練習問題2→解説2→レベルチェックテスト」というのが基本となります。
いわゆる教科書内容のまとめにあたる「基本事項解説(3分)」から始まり,そこで学んだ内容をすぐに確認する「練習問題(2分)と解説(3分)」のセットが2つ,そして最後にはそのトピックの総まとめとなる「レベルチェックテスト(1分)」の時間が設けられます。
解説と名の付くものは,動画による講義形式となり,短いものだと1分ちょっと,長いものだと5分近くになることもありますが,おおむね2~3分の間に落ち着いていました(まれに2つの動画にまたがって5分を超えるものもありますが)。
最後のレベルチェックテストは出来によって2回で済んだり3回やらされたりすることもありますが,結果的に基本事項で習った内容を最大5つの問題を解いて理解することになると覚えておきましょう。
ゆえに,すべてをやり終えるのにかかる時間は約60時間(正確には44~76時間程度。化学基礎のみなら14~20時間)だと見積もることができます。
1日1時間の学習をノルマにすれば2ヶ月。
夏休みなどに一気にまとめてやる場合,1日3時間だとして1ヶ月で終わる計算です。
高3生であれば,夏までに一通り教科書内容は学び終えておきたいので,できれば春か遅くても夏休みまでに河合塾Oneを使って化学を学んでおきましょう。
次章からは化学基礎と理論化学,無機と有機といった分野ごとに,授業内容をレビューしていくことにします。
化学基礎のレビュー
河合塾Oneの化学基礎範囲は,物質の構成と物質の変化からの2単元はトピック数にして全部で40になります。
化学「基礎」ということで,同じ内容であっても出題形式を少しずつ変えながらじっくり学んでいきます。
基本事項の解説は絵や図がないものも多いので,教科書や図録を近くに置いて学ばないと,さすがにこれだけで未習の範囲を学ぶのは厳しいです。
一度授業で聞いたことがあれば,「あー,あれね」とわかるのでしょうが,例えば上の説明で理解できた状態になるでしょうか?
私としては,イメージがわかない用語については,せめてウェブを使って画像検索していただきたいと思います↓↓
クロマトグラフィーについて検索しただけでも,定番の紙を使ったものからカラムを利用したものまで見つかったので,これだけでもだいぶイメージを補完できるでしょう。
講義の後は練習問題を解きます。
上で学んだクロマトグラフィーが以下のどれにあたるかわかるでしょうか↓↓
正解は(う)です(カラムの中にはシリカゲルなどの吸着剤が充填してあり,目的の物質を吸着させた後,有機溶媒の濃度を変えて洗い流すことになるわけです)。
もちろんこのような問題が数題続きますし,練習問題には同じような解説動画までありますので,1度目は不正解でも何度か解いているうちにできるようにはなります。
理論化学のレビュー
続いて通常の化学の前半部にあたる「理論化学」の分野は全52トピックとなり,これはあらゆる分野の中で最大です。
ここではどうしても手を動かして計算することが多くなるので,電車内などで行うのは難しいでしょう。
是非,自宅や自習室などの落ち着いた環境で行うようにしてください。
ちなみに河合塾Oneではハイレベルな入試問題に対応できる「これぞ塾技!」といった解き方は学べませんが,基本となる考えは,熱化学方程式を始め,反応速度式や電離平衡の式など,幅広いトピックにおいて学ぶことができます。
どんな難しい問題も,基本ができなければ太刀打ちできませんので,まずはこれらの問題を完璧に,そして速く解けるようになってください↓↓
千里の道も一歩からです。
また,よく理論化学の計算ばかりにはまってしまい,全然その先の無機や有機範囲に入れない生徒がいます。
歩みを止めないよう,くれぐれも注意してください。
無機化学のレビュー
続いて無機化学ですが,14族~17族(リンとかハロゲンとか)であったり,アルカリ金属や錯イオンなどについてそれぞれの性質を学びます。
全15トピックは必要にして十分。
そしてこの分野では,再び画像検索が活躍します!
AgClやPbCl2で学ぶような白色沈殿が多いのですが,それ以外の色の沈殿については一度は調べておきたいものですし,例えば錯イオンのテトラアンミン銅(II)イオンは「深青色」として出てきますが,一体どんな色なのかその名前からでは想像できないでしょう。
画像検索でも,YouTubeや知恵袋のようなサイトが引っかかってくるので,そういったものもヒントにできそうです↓↓
ただし,あまりに調べすぎても,情報が不正確だったり,時間の無駄になったりするので,私的には基本,画像検索止まりにしておくことをおすすめします。
河合塾Oneの講義で扱う範囲は十分ではないですが,一通り学んだことにはできる絶妙なラインをキープしているので,詳しい問題集に挑戦してつまずき,肝心な部分がどこかで抜け落ちてしまうよりかは,ここで学んだ範囲についてだけは完璧にしておくことで堅実な得点力が身に付くでしょう。
合金の分野など,意外と抜け落ちている受験生も多いですから↓↓
難しい問題を解けるのに,こういった「ただ覚えておけばできたはずの問題」を落としてしまうのは大変にもったいないことです。
有機化学のレビュー
油脂を水酸化ナトリウムでけん化すると,グリセリンというアルコールと高級脂肪酸ナトリウムが得られます。これをセッケンと言います。そのセッケンの構造と特徴がどのようになっているかと言うと,セッケンはたくさんの炭素原子がつながった炭化水素基の部分とカルボン酸イオンの部分に分けられます(7-15:セッケンの基本事項解説より引用)。
これはセッケンの基本事項解説から抜き出したものですが,たかだか30秒程度の説明で,もはやこれだけの情報量になりますから,場合によっては一度動画をストップして,一つ一つの用語を確認するようにしてください。
練習問題の最後に合成洗剤(強酸と強塩基による塩でセッケンの弱点を補ったもの)の説明があったり,「セッケンは羊毛などの動物性繊維の洗浄には適さない」という記述があったりと,生活に役立つ知識が得られるのが化学の魅力ですね。
温泉地だとセッケンの代わりにシャンプーが置いてあるのですが,その裏には上記のような理由がありました。
硬水といえばヨーロッパの他,中国や韓国でも水の硬度は実は高めです。
現地でセッケンが使われない理由はもう分かりましたね。
ここでは,有機の講座としては後半部にあたるセッケンのトピックをレビューしてきましたが,初期段階においては示性式や構造式,アルカンやアルケンなどの話から始まるのでご心配なく↓↓
トピック数は25。
実際はこの後に高分子化合物も続くので,そちらの学習もお忘れなく。
まとめ
以上,河合塾Oneの化学についての学習内容についてざっくりとみてきましたが,いかがだったでしょうか。
化学基礎の内容から始まり,理論化学,無機,有機,そして高分子化合物と学ぶことになるわけですが,幅広い範囲を網羅していて,一通りやった状態になるには十分です。
期間にして1~3ヶ月で学習でき,受験生は本講座を夏までに終えてから,いよいよ実践的な問題に入っていくとスムーズですし,未習範囲があるからと焦らずにいられるでしょう(もちろん高1や高2の間に終わらせておくに越したことはありません)。
未習の場合,基本事項の解説を理解するところが難しいところもあるでしょう。
その場合は教科書を読むなり,先ほど紹介したウェブの助けを借りるなりして,決して曖昧な理解のまま進めないことが大切です。
まずは一度無料体験してみてください↓↓