大学受験の化学で困ることといえば,有機化学がなかなか終わらないことだと思います。
特に高分子化合物の対策は後回しになりがちで,そのまま受験期を迎え,特に私立の医学・獣医系学部の入試でガッツリ出題され,「ただ覚えるだけなんだから,面倒くさがらずにやっておけばよかった」と後悔するまでの一連の流れについては私も経験済みです。
高分子化合物も有機の試験範囲に入っているのですから出題されるのは当然でしょう。
それにもかかわらず,どうして当時の私は「糖類だけ勉強していけばなんとかなる」などと思っていたのかについては,今でもわかりません。
みなさんはそうならないよう,早めに有機含む化学全範囲に目を通していただきたいと思いますが,その際,今回紹介するスタディサプリを使うのがおすすめです↓↓
公式サイト
以下に有機化学の速習方法についてまとめておくので,是非参考に利用してみてください!
スタディサプリの有機化学と速習方法
スタディサプリで有機化学を学ぶ場合,以下のような講座が利用できます↓↓
- 高1・高2化学<有機編>
- 高3スタンダードレベル化学<有機編>
- 高3トップ&ハイレベル化学<有機編>
基本的に難易度は下に行くほど難しくなりますが,テキストに要点としてまとめられている内容についてはほとんど違いがありません。
それでは何が違うかと言うと「扱う問題の数と難易度」です。
難しい講座の方が解説に時間がかかるため,講義数も多めになっていて,「高1・高2化学」は20講ですが「スタンダードレベル化学」だと22講,「トップ&ハイレベル化学」ともなると27講義もあります↓↓
それでは,どの講座を視聴すればよいのかといえば,高3生でなければ「高1・高2化学」から始めて「高3トップ&ハイレベル化学」の順で問題ありませんが,大学受験生が素早く全範囲を学び終えるためには,高3講座のどちらかから1つ選択しなければなりません。
なお,基礎が疎かであれば「スタンダードレベル」を選んでください。
後述しますが予習不要で,問題レベルもそこまで負担を感じずに取り組めるはずです。
もちろん基本は大切ですが,わざわざ「高1・高2化学」にまで戻って始める必要はありません。
2講座観るくらいであれば,他教科の学習や化学の他の問題集を解く時間にあててください。
GMARCH以下の大学(共通テストで70点代を目標とするレベル)であればスタンダードレベルでも十分対応できるので,化学は無理なくパッと完成させて,別の弱点教科を伸ばす方が受験ではうまくいきます。
逆に,教科書や問題集が手元にあり,授業も多少聞いていた方で難関大を目指すというのであれば,「トップ&ハイレベル」の講座を受講してください。
ちなみに,高3向けの講座を2つとも受講する必要もありません。
難しい表現を使わないところや,あえて難しい内容に触れない(例えば,不飽和度の計算はトップ&ハイレベル以外の講座では触れられません)などの違いはありますが,授業での要点解説にほぼ違いはないです(左から高1・高2化学,スタンダード,トップ&ハイの順)↓↓
逆に,扱う演習問題についてはレベル間で差が大きく,スタンダードとトップ&ハイレベルの演習問題の難易度は特に大きいように感じます(左が前者)↓↓
右のトップ&ハイレベルの演習問題の方が,明らかに問題の難易度が高く,全問計算が必要で時間もかかります。
「セミナー化学」という参考書を持っている方であれば,
- 高1・高2化学:プロセス~基本問題
- 高3スタンダード:基本問題中心
- 高3トップ&ハイ:発展問題中心
に匹敵すると言えばわかりやすいでしょうか。
とはいえ,セミナーにある問題を1人で解いて解答を読んで理解するときほどに,スタディサプリでの学習は大変ではありません。
というのも講義動画で詳しい解説がなされるからです。
人に習うと断然取り組みやすさが違うことに気づくと思いますし,極端な話,全部わからなくても復習してできるようになればまったく問題ありません。
その他の注意点として,化学特有の計算に慣れていない方は,有機ではなく理論化学の分野に問題があって理解できないことが多いということです。
例えば上のトップ&ハイレベルの問題では有機化学の知識以外として,理論化学で学ぶ中和や物質量,ファントホッフの法則などの知識が必要になります。
特に難関大の問題では,総合力が問われる問題が多く出題されるので,有機化学の問題であっても実は化学全体の知識が問われていることもあるのです。
最後に,テキストのページ数と解くことになる問題数ですが,
- 高1・高2化学:147ページ48問
- 高3スタンダード化学:164ページ58問
- 高3トップ&ハイレベル化学:208ページ82問
となります。
セミナーの問題が,プロセスやら基本例題まで含めると大体同じくらいの量になりますので,スタディサプリの演習量が少ないわけではありません。
スタディサプリの有機化学講座の進め方
1つ講座を決めたら,早速使ってみましょう!
スタディサプリの化学は「予習・授業・復習」の3つの段階に分けられます。
どの講座を取るのかでも,やり方が多少異なりますので,1つ1つ見ていきましょう。
予習について
予習についてですが,「高3トップ&ハイレベル化学」では,テキストに出てくる内容に不明点があったら,そこを教科書や準拠問題集で復習してから授業に臨むのが基本方針です。
とはいえ,1講義あたり目を通すべき要点はページ数にしてわずか2ページ程度ですので,そこまで時間はかかりません↓↓
例えば第3講の場合ですと,「幾何・光学異性体やシス・トランス型の区別,鏡像体,不斉炭素原子」という言葉に慣れておけばよいと思うので,問題集のまとめ部分や基本問題で確認しておきます↓↓
とはいえ,予習の段階ではそこまで頑張らないでOKです。
授業で演習問題を解く際や講義後の復習の方が断然時間がかかりますし,予習で理解が甘くても,実際授業を聞きながら「あれ,これ何だっけ?」となった時点で調べればよいと思います。
基本それで事足りますが,広範囲にわたってあまりに分からないようであれば,その講だけスタンダードレベルの演習問題の方に浮気してみるのもよいでしょう。
とはいえ,できない問題を解けるようになったときに実力がアップするので,なるべく頑張って食い下がってください。
また,「高3スタンダードレベル化学」や「高1・高2化学」の講座では予習が不要です。
これらの講座については,しっかり授業を受けて,完璧に復習しましょう!
授業について
授業時間は1つにつき1時間程度です。
要点を説明し終わったところ(約20分)か,キリのよいところ(演習問題1つ解き終わったところ)でチャプターが分けられており,演習問題が2問あるときは,要点の補足と演習問題の解説が入れ違いに出てくる場合もあります。
以下は,とある日の授業の時間配分を2講分まとめたものです↓↓
- 要点(24分24秒)→解説(23分42秒)→解説(25分24秒)
- 要点(17分44秒)→解説(9分39秒)→要点(10分28秒)→解説(4分43秒)
要点を扱うチャプターでも,ただテキストを読むだけにはなりません。
知識の整理が行われるとともに,トップ&ハイレベルの授業では応用的な知識も語られるので,1語1句テキストに書き込みましょう!
第3講では「マレイン酸とフマル酸の溶解度,融点,さらには電離定数(第2段階まで)の違い」について講師の坂田先生は言及し,その理由について考えました。
なぜこのような現象が起こるのか,どんなふうに起こるのかについて深く理解することが,思考問題多めの難関大の入試には役立つのです。
それにしても先生の語りは驚くほどに流暢で,完成された授業をされますね。
もう数えきれないくらい集団授業を経験してきたのでしょう。
復習について
授業時間内に理解しきれなかった部分については,たっぷり時間をかけて復習します。
例えば,「化学図録」を使ってビジュアルで確認してみたり,上のような分子模型を使って考えてみてもよいでしょう。
「化学の新研究」のような詳しい参考書で調べてみるのも勉強になります。
例えば,マレイン酸はフマル酸に比べて登場機会が少なく,異性体の範囲くらいしか出番がない可哀そうな物質ですので,ここで取り上げておくと,
マレイン酸は極性が強く水によく溶ける(有毒)のは極性が強いからである。またフマル酸よりも融点が圧倒的に低い(フマル酸の300℃に対し133℃)理由は分子内水素結合(写真の①の部分)を作る分,分子間の水素結合(②の部分)が少なくなるからとされる。第1電離定数は水素が電離し,残りのカルボキシル基のH原子を引き付けて分子内水素結合を作って安定化するためであるが,それゆえ第2電離は起こりにくいので,第2電離定数はフマル酸より小さい。
などとまとめられるでしょう。
1問1問を大切にして,深いところまで理解しておくと,その分忘れにくくなります。
もちろん,こういった調べものはテキストに書き込んでおきましょう!
さらに,先の授業動画で扱った演習問題にまったく手が出なかったようでしたら(解答が出せず,ただ講義動画を観るだけだった場合),復習の段階でもう1度解き直してみてください。
授業を聞いて理解できても,自分でやり直してみるとできないことが多々あります。
直後だからと油断せず,心してやってみてください。
そして仕上げに「確認テスト」を解きますが,これは全く新しい問題ではあるものの,授業で扱った内容で解ける仕様になっています↓↓
これはトップ&ハイレベルの確認テストになりますが,演習問題に比べればずっと簡単です(解説はなく解答のみが手短にまとめられています)。
必ず正解しましょう!
また,その日だけの復習で終わりとせず,数週間経った頃にまた演習問題だけを解き直すことがとても大切です。
授業まで観返す必要はありませんが,間違えた問題の解説授業については再度観てもよいでしょう。
まとめ
以上,スタディサプリ高校・大学受験講座から有機化学の授業を取り上げて,その内容と速習方法についてまとめてきました。
今回の要点ですが,
- コースは全部で3つ
- スタンダードレベルは基礎知識が乏しい方向け
- トップ&ハイレベルはGMARCH以上の志望者
- 予習はトップ&ハイレベルのみで必要
- 演習問題は必ず解くこと
- 復習はしっかり行い深く学ぶ
- 演習問題の解き直しも念入りに行う
となります。
また,有機化学の1講義にかかる時間をまとめると,
- 予習:0~30分
- 授業:90~120分
- 復習:30~60分
となり,1日2時間かければ,2日で1講義がラクラク終わる計算です。
このペースで学習すれば,2ヶ月もあれば有機化学はマスターできるでしょう。
もちろん,速く学んだ分,忘れるのも早いので,もう1ヶ月は演習問題や参考書を解き直す時間を取るようにしてください。
まずは無料体験から始めてみてください↓↓
なお,キャンペーン情報は以下でまとめています↓↓