前回の記事で,スタディサプリ特別講習を予備校のそれと比べてみましたが,今回は「冬期講習」について取り上げ,その豊富なラインナップについて紹介することにしましょう!
この時期の講座ですが,主に「共通テスト対策講座」と「国公立二次・私立大対策講座」の2種類に分かれるのが特徴です(2020年度は後者のみの実施)。
なお,より詳しい講座内容のレビューも行っており,講座としては過去の「センター試験対策講座」のものになってしまいますが,受験直前期の講義の様子を知ったり,どういった対策が可能になるのかなど,参考にしていただける部分は多いように思います。
もくじ
スタディサプリ冬期講習の特徴
スタディサプリの冬期講習ですが,特別講習にあたるサービスです。
月額料金でアーカイブ動画を配信するスタディサプリ大学受験講座とは料金や利用体系が異なるのでご注意ください。
毎年12月から2月までの期間限定で行われ,扱う内容としては,先述した2種類の試験対策に限られます。
つまり,扱う内容が実戦的なものに限られるというのが,この時期に行われる特別講習の特徴です。
アーカイブ動画と異なり,より最新の入試問題や情報に基づいた講義を行うため,的中を狙ったり,得点力を上げることが目的となっています。
予備校でもそうですが,基本的にたった1回の入試のために授業をすることになるため,受講料は高くなる傾向にあり,料金の安さがウリのスタディサプリにおいても例外ではありません。
しかしその分,授業内で語られる情報というのは,普通の参考書からは得難いものかつ貴重なものだとお考えください。
また,必要に応じてアーカイブ動画を併用し,不安な分野を復習したり未習範囲を一気に仕上げるような使い分けももちろん可能です。
そういった復習の必要性に気づかせることも冬期講習の担う大切な役割であり,折角学んだ内容であっても,直前期に復習しておかないことには本番で「やったはずなのに思い出せない」と焦ってしまうことになります。
例えば共通テストの英語における文法に関しては,9割取れるような生徒であっても,直前期にはこれまでやった文法書(1,000問くらい)を1通りやり直す努力は欠かせません。
最後の最後で詰めが甘くならないよう,気合いを入れて冬期講習に臨みましょう!
なお,実際の講義はダウンロードできるテキストが用意されていますので,予め問題を解いてから講義を受けます(場合によっては第1講のみ予習不要な講座もあり)。
一つの講義は90分で,最後の20分間は質問タイムとそれに答える時間になるのが一般的です。
下の画像は過去に行われたある週の時間割ですが,たとえ日付は同じ講座があっても時間帯はズレているので,全講座被ることなくリアルタイムで視聴することが可能です↓↓
また,多忙でその時間に間に合わなさそうな高校生や,共通テスト前の12月後半に駆け込み寺を求めるような方であっても心配無用。
というのも,スタディサプリの特別講習は,過去の動画も録画が利用でき24時間いつでも見返すことが可能だからです。
冬期講習の対策講座について
国公立大二次・私立大対策講座
国公立大の二次と私立大の試験対策を行う講座は,年末年始と共通テストが行われる時期を除く12~2月にかけて行われます。
実際に出題された問題を使って本番さながらの演習を行う他,受験生が対策を怠りがちな範囲を短期間で集中的に伸ばすのが目的です。
扱う分野は幅広く,先に述べたような知識の抜けを確認する復習を兼ねた講座も開講されます。
2020年度のラインナップは以下の通りです↓↓
- 英語:最難関私立大英語<読解編・文法編>,難関国公立大英語<読解編・文法編>,関東難関私立大英語<読解編・文法編>,関西難関私立大英語<読解編・文法編>・国公立大英語<読解編・文法編>,私立大英語<読解編・文法編>※各4講義。読解編を肘井学,文法編を関正生先生が担当します。
- 数学:難関大理系数学,標準大理系数学※各6講義。担当は堺義明先生。
- 国語:難関国公立大現代文,難関私立大現代文,スタンダードレベル現代文,現代文ファイナルチェック<読解法>,最難関私立・難関私立大古文,難関国公立大古文,古文ファイナルチェック<重要語句・文法・敬語>,漢文<実践演習>※各4講義。現代文は国公立を柳生好之,私立大を小柴大輔先生が担当し,古典は岡本梨奈先生が担当。
- 理科:トップ&ハイレベル化学,スタンダードレベル化学,トップ&ハイレベル物理,スタンダードレベル物理,ハイ&スタンダードレベル生物※各4講義。化学は坂田薫,物理は中野喜允(よしまさ),生物は牧島央武(ひろたけ)先生が担当。
- 社会:日本史ファイナルチェック<頻出テーマ>,世界史ファイナルチェック<頻出テーマ>,政治経済ファイナルチェック<頻出テーマ>※各4講義。日本史と政経を伊藤賀一,世界史を村山秀太郎先生が担当します。
共通テスト対策講座
※2019年度までに行われたセンター試験対策講座に関する内容です。
スタディサプリ特別講習の共通テスト対策講座としましては,冬期に行われる「センター試験対策講座」と夏期に行われる「センター○○(科目名)」という一般講座があります。
これらの違いについてですが,
- センター試験対策講座:本番前の必要知識を総整理する
- 一般講座:センター試験の問題を使って基礎力をアップさせる
と言えばお分かりになりますでしょうか。
開講日程についてですが,すべての講座が12月中に行われます。
その講座の種類についてですが,2019年度は全部で16つ。
そのほとんどは「センター直前まとめ対策」と呼ばれる講座で,以下の科目がラインナップに含まれます↓↓
数学IA・IIB・現代文・古典・漢文・物理・化学・生物・物理基礎・化学基礎・生物基礎・政治経済・現代社会・倫理・地理B・日本史B・世界史B
「政経・現社・倫理」のように複数の科目が1つの講座名になっているものや,国語のように独立した3つの講座に分かれているものもあるようです。
特に後者は,現代文4講義,古典5講義,漢文4講義の全13講義が用意されている熱の入れようです。
そしてさらにその入れ込み具合が顕著に見て取れるのが,上のまとめ科目にはなかった「英語」で,「過去問解説(4講義)」という講座に「直前まとめ対策(筆記編の8講義とリスニング編の4講義)」を合わせると,時間にして24時間に及ぶボリュームに達します。
冬期講習の講座内容をレビュー!
ここでは2018年に行われた「センター試験対策講座(共通テスト対策講座にあたる内容)」を例に,教科ごとの講座内容についてレビューしていきましょう!
英語の講座内容
英語講座は,以下の3講座全16講義が用意されていました↓↓
- センター直前まとめ対策 英語<筆記編>
- センター直前まとめ対策 英語<リスニング編>
- センター過去問解説
まとめ対策講座は,センター試験と同じ出題形式のオリジナル問題を扱い,本番を想定した演習を行うのが特徴です↓↓
講義で扱うテーマは,
- 発音アクセント
- 選択問題
- 整序・会話整序
- 不要分削除
- 図表グラフ・広告掲示
- 小説・随筆・メール
- 長文読解
のように,センター英語の大問1つ1つの解き方を全8講義を通して学べる内容になっており,筆記試験で出題される全形式について網羅的な学習が可能となります。
上記画像では,大問6の要旨問題のパターンについて肘井学先生が解説していますが,
「このパターンは実際の本番で出題される可能性があります。どういうパターンか分かります?こことここが決めにくくなっているのはなぜだかわかります?要は,(4)までで確信を持って答えられると,(5)を考える必要がないから・・・」
といった具合に,本番で役立ちそうな話が毎回聞けるのはさすがの一言。
受験生は自分の得点力がどんどん上がっていくことを感じ取れるでしょう。
なお,本講座はテキストを例外的に購入することができる数少ない講座となっていました。
関正生先生による過去問解説では,センター試験8割突破を目指す受験生を対象に全4回の講義が行われました。
このときの題材に扱った過去問ですが,直近2年分のなんと「追試験」です!
追試験の問題は,普通のセンター試験を病気などの理由で受けられなかった人を対象にしているわけで,本試験よりも遅い時期に行われる分,一般試験より難易度は難し目とされます。
そんな問題をあえてこの時期に扱う理由は,適度に加圧した状態で練習しておくことで,後で普通のセンターを解いた時に,少し簡単に見えてくる効果が期待できるからです。
講師からのメッセージに,「プロフェッショナルの仕事というものをお見せします」とありましたので,本年度も大いに期待しましょう!
国語の講座内容
スタディサプリ冬期講習ですが,国語の試験対策が目的で申し込まれる方も多いのではないでしょうか。
というのも,普段から英語や数学,または暗記科目の社会や理科はやっていても,どうしても対策せずにこの時期まできてしまうのが国語という科目だからです。
講座は3つ用意され,現代文を小柴大輔先生が,残りの2講座を岡本梨奈先生がそれぞれ担当します↓↓
- センター直前まとめ対策 現代文
- センター直前まとめ対策 古文
- センター直前まとめ対策 漢文
また,先の英語の予想問題演習に加え,これら3講座がセットになったテキストが発売になることがあります。
なお,講義数は現代文と漢文が4講義の古文が5講義です。
全部受講すれば19.5時間にもなりますので,これだけでも料金の元は取れてしまうでしょう。
2018年に受講したときの感想ですが,現代文はごく最近のセンターの過去問とオリジナル問題の両方から基本なっていますが,授業で扱う問題を「問6」だけに絞っているところが特徴的でした。
配点が高く,是非とも正解させたい問6の解き方を,論説文・小説文のジャンルを問わずに学ぶことで,どこに着目すれば間違いの選択肢に惑わされなくなるのか理解することに専念するというわけです。
もちろん,国語全体の気になる時間配分であったり,総合的な解き方(まずタイトルを読んでから設問を見て,といった手順)についても基本的な説明はありました。
古文については正解率8割を目標に総合的な対策を行いますが,扱う問題はオリジナル問題(第2講と第3講)か追試験のもの(第4講と第5講)です。
すでにセンター国語の過去問を解き始めている人でも,初見の問題を使って演習できるかと思います。
ちなみに最初の講義は問1(短語句解釈問題)と問2(文法問題)についてのものでしたが,前者については,過去に出題されていて再び狙われるであろう単語・慣用句が5ページ以上にわたってまとめられていて,総復習が可能です↓↓
古文の文法問題も「に・なり・ぬ・ね・る・れ・らむ・し・なむ」の識別などが一覧になってまとめられているので,センター対策に限らず,私大対策としても活用できるはずです↓↓
数学の講座内容
数学は以下の2講座(各5講義)からなります↓↓
- センター直前まとめ対策 数学IA
- センター直前まとめ対策 数学IIB
どちらも担当するのは山内恵介先生で,「時間内に解き終わるためにはどういうところに気を付ければよいのか」,スピード重視の解法を学んでいきましょう(授業もさくさく進みます)。
IAの講座内容は以下のようになっていて↓↓
- 式と計算・関数・命題
- 三角比・データの計算
- 場合の数・確率
- 整数の性質
- 図形の性質
大問1個につき2~3問を予習で解いてから授業に臨みようにしますが,一方の数学IIBも網羅的なラインナップになっています↓↓
- 指数関数・対数関数・図形と方程式
- 三角関数
- 微分法・積分法
- 数列
- ベクトル
後半に行けば行くほどに扱う分野が少なくなってくるのは,それだけ内容的に難しくなるからです。
これら講座を受けながら,受験生は「覚えておきべき公式はしっかり入っているか,分野別の弱点はないか」などと自問し続けることになります。
そしてその結果,どこを振り返ればよいのかが明確になり,効果的な復習へとつながっていくことになるのでしょう。
チャットでのコメントを眺めていると,かなり数学ができる生徒でも忘れてしまっている公式は多いようです↓↓
上では,IIBのベクトルで面積を出す公式について解説しているところですが,知っているか知らないかで,運命が大きく分かれてしまう出題もありますからね。
「○○の範囲が出たら捨てます」などと決して諦めてはいけません。
社会の講座内容
社会は科目数が多いですが,それぞれに対応した講座はもちろんありますので,安心して受講しましょう↓↓
- センター直前まとめ対策 政治経済・現代社会・倫理
- センター直前まとめ対策 地理B
- センター直前まとめ対策 日本史B
- センター直前まとめ対策 世界史B
まずは伊藤賀一先生による日本史Bの講座内容ですが,以下のようになっています↓↓
- 大テーマと原始・古代(センター過去問の問1と問2)
- 中世と近世(問3と問4)
- 近代と近現代(問5と問6)
- 総まくりテスト1
- 総まくりテスト2
- 総まくりテスト3
全部で6回の講義のうち,前半でテーマ別の知識を深めたら,後半で全時代を総まとめしていくカリキュラムです。
その総まくりテストですが,1問1答的な問題が500問以上用意されていました↓↓
政治経済&現代社会&倫理(6講義)においても,担当が同じ伊藤先生だということもあり,前半の講義で全範囲を過去問演習,後半で総整理していくというメリハリのついた授業展開が魅力です。
世界史Bは村山秀太郎先生による講義が4つで,講義ごとに扱うテーマが異なっています↓↓
- 中東(オリエント~イスラーム史)
- 近代以前のヨーロッパ
- 近現代史
- 東部ユーラシア史
この時期は「土台を固める最後のチャンス」ということで,資料集を手元に用意し,地図が多めのテキストで学ぶことで,誰もができる基本問題を確実に正解できる力を養いましょう↓↓
地理Bは4回の講義を通して,的中を狙った2回分のオリジナル予想問題をやっていきます(第1講で第1~3問,第2講で第4~6問対策といった具合に)。
担当は鈴木達人(たつじん)先生で,個人的には彼の板書が好きです。
理科の講座内容
最後は理科の対策講座についてです。
こちらもセンター8割を目指して,誰もが間違えやすい問題だけをピンポイントで学習できる内容になっています。
用意されている講座は以下の4つ↓↓
- センター直前まとめ対策 物理
- センター直前まとめ対策 化学
- センター直前まとめ対策 生物
- 冬期センター過去問解説 物理基礎・化学基礎・生物基礎
物理も同数の講義から構成され,中野喜允先生が担当します↓↓
- 力学・波
- 電磁気・熱力学
- 原始と原子核・正誤問題
- 2018年度の本試験
坂田薫先生による化学は5講義で,テストは過去問を使用し,取りこぼしのないように授業を行う方針です↓↓
- 理論のまとめ
- 無機・有機のまとめ
- テスト1
- テスト2
- テスト3
テキストを見ると特にわかりますが,ボイル・シャルルの法則や電池から始まり,各種イオンを含む水溶液や有機溶媒を分離する操作まで,直前期に確認しておきたかったところがしっかり網羅されていました。
生物は4講義,牧島央武先生が担当です↓↓
- 光合成・呼吸
- 生物の環境応答
- 遺伝子
- 発生
という切り口で,初見のデータをどう攻略していけばよいのかといった「考察問題の対策」を学べるのが本講座の特徴です。
私大の入試もこういう考察問題ばっかりですので,本講座で解き方のコツを是非とも掴んでおきたいですね!
最後に「○○基礎」と名のつく講座ですが,各科目ごとに2講義が用意され,どれも最新の過去問から本試と追試を用いて対策します。
まとめ
以上,スタディサプリの特別講習から冬期講習の特徴とラインナップ,そして実際の講義内容について,センター対策講座を例に詳細をまとめてきました。
一人で過去問を解くだけではわからなかったであろう,勉強の進め方に対する確信めいたもの(これでよいのか)が得られるので,受講後に自信をもって試験に臨めるようになるのは,スタディサプリの冬期講習を受けてこその結果でしょう!
最初にも言った通り,入試本番で高得点を取るためには,これまで培ってきた知識(実力)を得点力に変えていかなければなりません。
この最後の段階をないがしろにしてしまうと折角の努力も水泡に帰してしまうので,大変辛い時期ですが,ぜひとも頑張っていきましょう!
なお,スタディサプリ特別講習は速習できるといった魅力もありますが,やはりリアルタイムで受講するのは良い刺激になります。
冬期講習も最終日ともなると,「絶対に本番で9割取ってきます」とか,「落とさず頑張ります」といった受講者の前向きなコメントがチャットで見られるので,自分の中のやる気(というか本気の覚悟)が高まっていくのを感じ取れるはずです。
さらに,普段スタディサプリのアーカイブ(録画編集動画)では見られない,講師の心のこもったメッセージ(私は君と共にあります的なもの)であったり,はたまた体調が悪いにもかかわらず授業をしてくれている講師の様子を見るのも,「これはこちらも弱音など吐いていられないぞ」と思うきっかけになるかもしれません。
共通テストや国公立二次&私大試験の得点力もギリギリまで伸びます!
本気度の増した冬の時期なら,自宅であっても集中して勉強できるはずですので,スタディサプリの特別講習を使って頑張りましょう!
これから申し込まれる方は,最新のキャンペーン情報を是非チェックしてください↓↓
最後までお読みいただきありがとうございました。