「スタディサプリ特別講習」とは,大学受験生が「1年」という限られた時間の中で,最も受験勉強に集中できる時期に限定して行われるオンライン講習です。
私も試しに冬期講習を取って学んでみましたが,大手予備校で行われているものと同じ目的で授業が行われていたことに驚きました。
夏休みや入試本番前といった時期には,毎年のように「受験勉強の進みが思った以上に悪いから,どこかの予備校にでも通って講習を受けた方がよいのでは」と考える受験生が出てくるものですが,そんなときは,スタディサプリの特別講習も選択肢の1つに加えてみてください。
今回の記事では,本サービスの特徴について説明した後で,大手予備校の講習と比較しながら,その長所についてみていくことにしましょう!
スタディサプリ特別講習について
「スタディサプリ特別講習」とは大学受験講座の1つですが,通常のスタディサプリとは別形態のサービスで,オンライン上で予備校の講習が受けられるサービスです↓
公式サイト
通常のものと比べると,比較的最近始まったものだと言えますが,その開講時期は以下のように決まっています↓
- 夏期講習は「7~8月」
- 秋期講習は「10~11月」
- 冬期講習は「12~3月」
いつのタイミングであっても始められて,ありとあらゆる講座が見放題になる通常のスタディサプリとは別ものです。
申し込み自体は,開講時期の2ヶ月前を切ったあたりから開始となります。
なお,オンラインですから定員などは設けられていません。
ちなみに,春の時期限定で,年度末までの特別講習がすべて受けられるようになる「年間パック」の申し込みができたりしますが,それほど早い時点で決断できる家庭はさすがに少ないでしょう(2022年度は3月8日から5月31日にかけて申し込みが可能でした)。
内容としては,昔の予備校でよくあったサテラインやビデオ講座の類いではありません。
自宅や外出先から,定時になったらパソコンまたはスマホを使ってログインし,モニター越しに熱弁を振るう講師陣の授業を受けます。
あらかじめテキストをダウンロードしておいたり,予習が必要な講座もあったりする他,みんなが同時刻に共通テスト(旧センター試験)を解くイベントが行われていた時期もありました。
いずれにせよ,本サービスはもともと「スタディサプリLIVE」と呼ばれていたことからもわかるように(上の画像は当時のものです),内容は必要に応じて,その都度アップデートされます。
ずっと前に録画したものを毎回流すわけではなく,あくまでその年のその時期に流すことを想定して講座が作られているので,講師陣からはその時期に何をすべきかといった指導が受けられますし,通常のスタディサプリと比べると,最新の情報が得られるのも強みです。
ここでスタディサプリ特別講習の特徴をまとめておくと,
- 授業の質が特に良い
- コストパフォーマンスに優れる
という2点が挙げられますが,これらについてはもう少し後で他の予備校の講習と比較する際にみていくことにして,次章ではそもそもの「講習の存在意義」について考えてみることにしましょう!
大学入試における講習の意義とは
一般的に講習とは,短期間で一気に学力を高めるために用いられるものですが,現段階までの学習態度を見直し,進むべき方向性を示してくれるというのが特に大きな効能です。
正しく勉強すれば1年で合格できる生徒がいたとして,「この時期であればここまではできるようになっておくべき」という基準をスタディサプリ側が示し,その生徒が足りないものを適宜補うことによって初めて合格は可能になります。
間違った方向に向かってしまったり,やるべき課題に気が付かなければ良い結末は迎えられないものです。
もちろん,講習の中には得意教科をさらに伸ばすような目的の講座も存在するでしょうが,それは余裕があったらやるべきサブ的なもので,決してメインではありません。
夏期講習
例えば,一般的な夏期講習で考えてみると,講義では「基礎固めがのちのち効いてくる分野や科目」を主に扱います。
2学期ともなれば標準的なレベルの問題を使って演習する時間を増やしたいので,そのとき基礎知識が頭に入っていなければ授業についていけなくなるでしょう。
思い返せば私も,夏に数学Bの基礎固めをするのをついつい後回しにしてしまい,秋が開始してまもなくベクトルや複素数の問題を解くばかりの授業になった際には,大変痛い目を見ました。
夏が「受験の天王山」と呼ばれる理由は,積み重ねが必要な科目に集中して取り組める最後の期間であるからであって,「基礎」であるからこそ,それだけ試験で使う機会が多く,その理解度が得点に大きく関わってくることになります。
スタディサプリの夏期講習も同じ方針で行われているので,詳しくは以下の記事を参考にしてください↓
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秋期講習
次に秋期講習の話をしますが,この時期は,基礎学力を冬からの過去問演習が解けるようにレベルアップさせる時期だと言えるでしょう。
ややさじ加減が難しいのですが,教科書レベルを超えた演習問題を中心に取り組み,生徒には骨のある問題を多少時間をかけて考えてもらうようにし,より理解を深めることを主な目的とします。
さすがに冬ともなってしまえば,1問(または1科目)あたりにじっくり時間をかけるわけにはいかないでしょう。
応用力がどこまで身に付くかは,秋にどこまで深く考えられたかによるといっても過言ではありません。
また,夏の基礎知識のところに曖昧なところが出てくるのもこの頃です。
早く学べば学んだほど,忘れるスピードも速まるので,基礎知識の抜けに気づいたら,いち早く復習しましょう↓
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スタディサプリの秋期講習!何を中心に学ぶべきか
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なお,復習用途ならば,スタディサプリの通常講座も役立つはずです。
冬期講習
最後は冬期講習ですが,できるはずの問題であっても本番で間違ってしまうことが多い単元や,他の受験生と差をつけられる即効性のある分野を集中的に特訓します。
この時期は,まるで定期テストの1週間前みたいなもので,それまではなんとなくで学んできた知識を一気に呼び起こしては,テストで最高のパフォーマンスを発揮できる状態に持っていくために最も重要とされる時期です。
ですから,冬期講習で解説された内容は「あ,あのことか!」とすぐさま思い出せるものでなければいけませんし,逆にそうなっていなければ,受験で良い結果を出すことは難しいでしょう。
もちろん,的中問題に出会うのもこの時期です。
ですが,もう一つ大切な役割が冬期講習にはあって,ここまで必死に頑張って来た受験生にこそ特に起こりがちなのですが,直前期特有の精神面での崩れを支えて自信を回復させるという,目には見えずらい部分に効く側面もあります↓
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スタディサプリの冬期講習!講座紹介から教科別レビューまで
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夏にA判定やB判定を出していた生徒が,本番が近づくにつれて合格点が取れない状態に陥ってしまった場合,精神面で焦燥しきっていないかと真っ先に疑うものです。
加えて,周りからの無頓着な一言(特に生徒の置かれている状況をあまり理解していない親によるもの)がきっかけで精神的に突如崩れてしまう危機と隣り合わせにあるのも,この時期の受験生の特徴となります。
その場合,受験生の状況をよく分かっている人が隣に座って話を聞いてあげるだけでも見違えるくらい改善するもので,他の受験生が同じような悩みを抱えていることを本人が知ることで復調に繋がったこともありました。
「なんとなく塾に行っておけば(または通わせておけば)安心」と感じるのも,実は精神的な安堵から来ているものです。
といったわけで,講習を申し込む際には,以上で述べたような点を踏まえたところのものを慎重に選ぶべきですが,スタディサプリの特別講習もこれらの条件はすべてクリアしています。
次章では,先に挙げたスタディサプリの2つの特徴について,予備校の講習を受講した場合とで比較しながら考えてみることにしましょう!
スタディサプリ特別講習と予備校の授業を比較
先ほどスタディサプリ特別講習が優れているのは,授業の質とコスパが良いからという話をしました。
ここでは予備校と比較しながら,より具体的にみていくことにします。
授業の質について
実際に講師と対面して授業を受ける予備校と異なり,スタディサプリ特別講習は画面越しですから,「ほどよい緊張感を保ちながら授業を受けることができないのでは」と疑問視される方もいらっしゃるでしょう。
ですが,緊張感のなさが大きな問題となるのは,夏期講習の,それも最初の時期だけです。
本人は入試本番まで半年を切っている状況に置かれているので,夏の初めに「家では集中できない!」などと愚図っていた生徒であっても,黙って自宅で真剣に勉強するようになる姿を塾で毎年のように見てきました。
加えて,授業の質というのは教える講師の能力によって大きく左右されるものです。
私が教えているような個別指導の塾ではよくある話なのですが,普段,大手の塾に行ったことがない生徒が講習期間だけピンポイントで外部の塾を利用することがあります。
しかしその際,その予備校の内部生(普段からそこに通っている生徒)でなければ,締め切った講座以外からしか選ぶことができないことはご存じでしたでしょうか。
そして,そういった「余りものの講座(講師)」の評判は,やはりそれなりのものとなってしまう傾向にあります。
もちろん「人気がある授業=良い授業」とは決して言い切れないのですが,「人気がない=良い授業」とは,それ以上に起こりづらいでしょう。
しかも,長期間かけて信頼を築くわけでもなく,限られた期間だけの関係なのですから。
しかし,スタディサプリの講座を担当するのは,すでに他の大手予備校で輝かしい実績を残し,引き抜かれたトップ講師たちです(採用試験の様子も実際に見たことがありますが,本人にどれだけ学力があっても,簡単に採用とはなりませんでした)。
加えて,担当講師の言葉は,モニター越しではありますがより「本物」に近いものです。
これはテレビ電話に近い効果があり,特に地方の生徒であったり,時間に余裕がない受験生には大変ありがたいサービスだと思われます。
スタディサプリには月額2178円のベーシックコースもあるわけですが,そちらの場合,無駄と思える部分はすべて編集でカットされていますが,特別講習では生徒のやる気を刺激するための雑談を意図的に行っていることも多く,授業で扱う問題はより最新の傾向を踏まえたものです。
ところで私は当初,特別講習のチャット機能をオマケ程度に考えていましたが,実際,周りの同学年の子たちと悩みを語っては励まし合っているのを見てからは,精神的にプラスになっていることを認めざるを得ませんでした。
講師がたまにチャットの質問に答えてくれる時間(質問タイム)も良かったのですが,コロナ禍である現在,リアルタイム放送は残念ながら行われていません。
コスパについて
「コスパ」と聞くと金銭面だけを考えてしまいますが,予備校や学校に通わなくて済む分,時間的にも精神的にも楽できるのは大きいです。
当サイトでは,そういった負担の少なさも考えて「スタディサプリはコスパに優れている」と評価しています。
まずは費用面から考えていきましょう!
大体,予備校の講習料金の相場(集団授業の場合です)は「1時間あたり2000~3000円」として計算します。
大体1つの講座を取ると,1.5時間(90分)の授業が5講義とかになりますので,費用は1講座15000~20000円くらいになっているはずです。
個別指導の教室では,講習期間中は元が取れないためマンツーマンでの対応はほぼあり得ず,1人の講師が受け持つ人数は平時よりも多くなってしまいます(もしくは授業料を高くします)。
実際に通塾するとなれば,交通費の他,新規の予備校であれば入会金も別にかかってくるでしょう。
しかも,予備校によっては冬期講習の他に直前講習が別に用意されていたり,分野が細かく設定されていて「1講座では不十分です」などと言われたりするわけですから,「これだけ取れば十分です」などと言われることはまずありません。
家庭の経済事情を気にして「取りたい講座があっても,全部取りたいだなんて到底親には言えないんです」と生徒が漏らしているのをみると,毎年心が痛みます。
こうした事情を考慮すると,スタディサプリ特別講習の受け放題セットは一定額で全講座が見放題になりますし,夏の基礎固め講座に始まり,2月の志望大学別講座に至るまでのすべてが,人数制限や入会金を払わず,誰でも一律料金で受けられてしまうわけですから,金銭面の負担は少ないです。
なお,どうしても忙しくてリアルタイムで観られない講座があっても録画放送が利用できるので,学校行事などの予定が急に入っても振替授業を申し込むことなく,後でいつでも受講できるところも好評となっています。
また,金銭面以外の点においても,いくら受験生だとはいえ,身だしなみに多少なりとも時間を取られますし,変な病気をもらって帰ってくるリスクもあり,体調不良にでもなってしまえば,上で述べた対面授業のメリットを打ち消してしまうほどの大きなマイナスとなるでしょう。
加えて,多くの人が厄介だと感じる,分厚い講座紹介のパンフレットに目を通す必要もなくなるわけですから,時間的かつ精神的負担はかなり少ないです。
「この日はこの教室でこの先生の授業を取って,次は別の教室に移動して,空いた時間は自習室を利用して…」などと考えている時間が,結構無駄な時間だったりします。
まとめ
以上,スタディサプリ特別講習の特徴と各時期ごとに考えておきたい心構えに加え,受講するメリットを予備校の講習と比較しながらみてきましたがいかがだったでしょうか。
授業の質とコスパの両面に優れる本サービスは,金銭面にかかわらず肉体的かつ精神的な負担の少なさからも,どこの講習を受けるか考える際の選択肢の1つになることがわかっていただけたかと思います。
- 夏は基礎固め
- 秋は応用力の養成
- 冬は得点力と精神面でのケア
というのが各時期の講習における目的であり,最新の入試情報を取り扱っている講習は,それなりに有意義な情報が得られる確率が高くなるので,時間に余裕がある限り,できるだけ受講するようにしてください。
精神論は好みでない方もいらっしゃると思いますが,講習期間であればこういった助けも必要になると信じて私も授業を行っています。
スタディサプリ特別講習では早く申し込んだ方が割引になる場合もあるので,気になっている方は最新情報を以下のページで確認してみてください↓
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普段からスタディサプリのベーシックプランで学んでいる方は,普段とは違う講師の熱意に圧倒され,努力でそれに応えようと思うはずです。
頑張ってください!