今回は,キットやツールを用いたZ会プログラミングシリーズの口コミと料金を中心にまとめてみたいと思います。
LEGO Education,Scratch,ソニーのKOOVといった有名どころをカバーし,通学する必要がない通信教育の形態で学べるところが魅力の1つですが,3ヶ月~1年で完結するカリキュラムにはどのような特徴があるのでしょうか。
Z会プログラミングシリーズは5つの講座に分けることができますが,それぞれの特徴やコース内容についても触れていくので,是非参考にしてください。
Z会プログラミングシリーズの特徴
まずは,Z会プログラミングシリーズの特徴についてみていきましょう!
自宅で学べる
教育改革にいち早く乗り出したZ会が,小学生のプログラミング的思考(創造力・論理的思考力・問題解決能力)の育成にぴったりなサービスを始めたのは2019年のことです。
まだまだプログラミング教育に注目が集まっていない段階から,習い事で多忙な現代の小学生を対象としたサービスを開始したことは,今振り返れば,時代の流れを見据えた英断だったように思います。
とはいえ,Z会では古くから通信講座のノウハウを積み上げてきたわけですから,今になって全く新しい事業を始めたわけではありません。
例えば,所要時間にして3~4時間で終了する月ごとの課題(はじめてみる講座は2時間)は,土日を上手に利用すれば毎週1時間(または隔週で2時間ずつ)くらい取り組むことができればOKです。
これは,習い事で忙しい最近の小学生事情を反映しており,最長でも1年間で完結するカリキュラムは長々と続ける必要もなく,「とりあえず,子どもにプログラミング教育を一通り学ばせることができた」と親が安心できるところも大きな魅力でしょう。
そもそも,本格的にプログラミングを学ぶとなれば,学校の授業では対応しきれません。
学校はあくまで興味を持つきっかけを提供する場にすぎず,次段階として,子どもがZ会のプログラミングシリーズを通して興味を深めるようであれば,続けてロボット教室に通わせるといった流れを踏むのがおすすめです。
いきなり教室に通わせても構いませんが,キットを使った指導がどうしても中心となってしまうため,初期段階から高い費用を請求されてしまう傾向にあります。
大枚をはたいたのにもかかわらず長く続かなかったとあらば,大変残念な結果になってしまったと後悔してしまうかもしれません。
現代は色々な習い事に手を出すことができますから,少し足を踏み入れた状態で進退を判断することが多くなっているわけです。
なお,本シリーズはコースも豊富で,LEGO EducationやScratch,またはSonyのKOOVを教材として選択することができます。
また,年長の段階から学べてしまう講座や,中学3年間のプログラミング内容を扱った講座もラインナップに加わりました。
これらについては,後ほど詳しく説明します。
LEGOを使って学べる
おもちゃで有名なLEGOですが,世の中には「教育版」なるものが存在し,これはまさにプログラミングを学ぶために開発されたものです。
普通のブロック以外に,各種センサー(ジャイロセンサー・カラーセンサー・タッチセンサー)やモーターが封入されており,専用アプリも使いやすいため,本人的には遊んでいるだけであっても,自然と複雑なプログラムまで作れてしまうことになります。
学校におけるプログラミングソフトとしては,定番のScratchを使って授業を進めるところが多いでしょうが,レゴを触って組み立てながらプログラミング教育を学んでいくときの面白さは別格です。
私の教え子に,ロボットのとある大会で日本代表に選ばれたチームの生徒がいましたが,彼もまた幼少期はLEGO Educationを使って学んでいました。
もちろん,純粋にレゴブロックで新しいものを作ることが好きな子にもおすすめです。
安く学べる
Z会の講座の1つに「Scratch」を用いるものがありますが,これは,以下の記事で紹介したように,小学校のプログラミング教育で導入されたツールの1つとなります↓
多くの学校が採用している教材なので,同じものを使うとなれば安心ですし,他のプログラミング講座と異なり,キット代がかからないので最も安く利用できるところも魅力です↓
ワーク形式で課題に1つ1つ答えていくだけで,自然とプログラミングスキルを身に付けることができますが,開始した時期がいつであっても,それから全12回(1年間)で終了となるので始めやすいと言えます。
なお,年長から小学3年生の子どもを対象としたものとして,全3回で完結する講座が2021年の6月から始まっており,こちらは,同じScratchで学びながらもさらに安く受講できる点が魅力です。
Sonyのキットを使える
Z会のプログラミングシリーズでは,ソニー・グローバルエデュケーション製の「KOOV」というキットを用いることも可能です↓
こちらもプログラミング的思考の育成を目指すものですが,3年かけて学べるカリキュラムは全コースで最長となっていて,扱うテーマも身近なものから始まり,抽象的,そして社会的なものへと年ごとに変わっていきます。
最初のLEGOコースが登場してから約1年後に満を持して開講し,国産で固有ファンの多いSony製のキットがコースに加わったことを喜んだ方も多かったはずです(KOOV自体は数年前から販売されているものです)。
なお,キットは3年間同じものを使って学ぶので,1度購入してしまえばあとは受講料だけで済みます↓
Z会プログラミングシリーズのコース紹介
それではZ会プログラミングシリーズのコースについて,より詳しく説明を加えていきましょう!
全部で以下の5コースがあり,年長から中3生までが対象です↓
- with LEGO Education
- with Scratch
- みらいwithソニー・グローバルエデュケーション
- はじめてみる講座
- 中学技術活用力講座(教科実践編・コンピュータ活用編)
with LEGO Education
Z会プログラミング講座with LEGO Educationは小学生向けの講座であり,「SPIKEベーシック編」と「標準編」の2コースがメインです。
なお,以前にあった「基礎編」は2022年3月よりSPIKEベーシック編に変わっています。
小学生がプログラミングを学ぶ場合,ベーシック編でもかなりの程度まで学習可能ですが,高学年となれば,いきなり標準編から始めてしまって構いません。
小学2~5年生を対象とし,1年間(全12回)で完結するベーシック編では「SPIKEベーシック」のキットを使うことになりますが,対象年齢は6歳以上で,レゴブロックの数は449パーツです↓
プログラム制御ハブを中心に,モーター,カラーセンサー,ライトマトリクスが入っていますので,色や明るさ,そして動き方に関するプログラミングができることがわかります。
以下はベーシック編のテキストですが,車庫を出発した車が青いバス停に止まり,その後黄色のバス停に進んで停車するプログラムを作成するものです↓
このロボットは,色を認識して指定された秒数停止しては再度動き出すことができるわけですが,こういったカリキュラムはZ会が独自に設計したものになっています。
なお,本講座を実際に使ってみたときの様子は別の記事にまとめているので,詳しい内容に興味がある方は以下をお読みください↓
続く標準編は小学3年生以上を対象にした全12回(1年間)のコースです。
学校で採用されることの多い「Scratch」というソフトウェアをベースにしているため,相乗効果も期待できます。
型番だと45678となりますが,プログラム制御ハブを中心に,モーターやセンサーを挿し込むことが可能です↓
距離センサーやフォースセンサーも加わり,パーツ数は523個となるなど,ベーシック編よりもやれることが増えます。
with Scratch
ScratchコースはLEGOのように難易度別に分かれてはいません。
毎月テキストが送られてくるので,そこにある課題を1つ1つこなしていきましょう!
4人のキャラクターと共に,身近な問題を発見しては,自分の手で問題を解決していく姿勢を身に付けることができます。
カリキュラムの前半はアニメーションやゲームを作り,自分や家族で楽しむのですが,後半ともなると時計やカレンダーなど家族や地域の役に立つ作品作りを通して,ものづくりの楽しさややりがいに気づくことが目標です。
保護者用ガイドも一緒に届くので,特に子どもが小学1~2年生のうちは,親も一緒に取り組みましょう。
毎月の学習の流れは,
- プログラミングのスキルを身に付ける
- 自由に作品を表現する
- 作品をZ会の会員と共有する
となっていますが,まずはこのように,各ブロックの意味やアルゴリズムについて学ぶところから始まります↓
上の例は「反復」というプログラミングスキルを学ぶためのものになりますが,ここでの内容を応用し,花火の作品例を作っていくのが次の段階です↓
上のテキストのオレンジ色で示されているところに反復の考え方が出てきていますし,花火の形を作る際には数学の角度の概念に触れることができました。
理数の内容は総合的に問われる上,学習が進めば進むほど,学習者独自のアイディアが反映される余地がたくさん生まれるため,複雑な作品が作れるようになります。
そこで作った作品は,多くの人に見てもらいましょう。
Z会では会員の間で作品を共有できるので,コメントをしたり,他人の作品に感化されてさらに高度な作品を作れるようになります。
教育的な狙いもあり,他人と協働する能力を育むことにつながるというわけです。
みらいwithソニー・グローバルエデュケーション
Z会プログラミング講座みらいでは,テキストとなる「みらいワーク」とロボットの「KOOV」の2つを併用しながら問題解決能力を身に付けます。
テキストはスモールステップ式に段階を踏んで学べるZ会オリジナルの教材のため,小学生が十分に自学自習できる内容ですが,保護者ガイドも付いていて,学習の狙いや子どもにアドバイスするときの方法について知ることが可能です。
KOOVのロボットやアプリのイメージについて理解を深めるためには,以下の動画を観てください↓
この他,本コースにおいては,プログラミングの実力が付いたことを診断するテストが全2回実施されるので,客観的な評価が受けられるところも魅力でしょう。
はじめてみる講座
はじめてみる講座は3ヶ月で完結するのが特徴で,プログラミング未経験の年長さんから小学3年生が対象です。
Sctachの機能を使いながら理解していくスタイルは,2つ前の講座と同じですが,より基礎的な内容を学ぶことができます。
全3回のカリキュラムは,やるべき課題が明確です↓
はじめてみる講座のカリキュラム
1回目:ゲーム作りを通して,キャラクターの動かし方を始めとする基本を学ぶ
2回目:入力した内容によって音色が変わる楽器を作り,記録や再生について学ぶ
3回目:PCやタブレットのカメラ機能やマウス操作を通して,センサーについて学ぶ
教材については,子どもが独学できるよう,動画を見ては実際に動かして試行錯誤できるようになってており,毎月4枚のカードが届くので,スモールステップ方式で1つずつ課題をこなしていくことになります。
子どものやる気を高める仕組みもあるので,気楽に始めたい方にはもってこいの講座でしょう。
中学技術活用力講座 教科実践編
2025年1月の共通テストから「情報」という教科が加わります。
その時に備えるべく,2022年度から,Z会プログラミング中学技術活用力講座が新しく登場しました。
教科実践編は中学で身に付けることが望まれる情報活用能力を扱った講座ですが,小学校高学年~中学3年生までを対象に,カリキュラムが3ヶ月(全3回)で終了できるところが嬉しいです。
比較的短時間で,技術家庭の評定が上がることが期待できます。
将来重要になるにもかかわらず,現状,スポットライトが当たっていない科目なだけに,しっかり対策しておくと後々大きな差となって現れてくるでしょう。
内容としては,Z会オリジナルのテキストと,VIRTUAL KOOVというアプリでの学習となります↓
先程,KOOVのロボットについては動画で紹介しましたが,こちらは「バーチャル」の名前を冠するように,3D空間でのプログラミングが可能です。
Z会の公式サイトにある動画を観れば,中学の物理で学ぶ摩擦や重力の概念を再現できていることがわかるでしょう。
ゲーム的な感覚で課題を解決しては,創造力ややり抜く力を身につけられます。
ロボットのKOOVを使って学んでいる方にはお馴染みのアプリですが,小学校で扱うであろうScratchと同じビジュアル型のプログラミングになるので,導入は極めてスムーズです。
中学技術活用力講座 コンピュータ活用編
同じく中学技術活用力講座になりますが,こちらはコンピュータ活用編となり,12ヶ月のカリキュラムを伴った実践的な講座となります。
キットとして「Raspberry Pi 400」というキーボード型のコンピュータを用いるため,ソフトウェアの活用能力も身に付けていくのが特徴です。
その際に用いるアプリがPROCで,Sonic Pi・GIMP・Impress・Scratch・Python・HTML・CSS・JavaScript・Calc・Mathematicaのようなソフトウェアを実践することができます。
音や動画の他,プログラミング,ウェブ関連,データ分析など,幅広い内容です。
この他,テキストや総仕上げテストもあり,中学の技術の内容に限らず,高校の情報Iの基礎レベルまで到達することができます。
Z会プログラミングシリーズの料金
ここでは,Z会プログラミングシリーズの料金についてまとめましょう!
キットが必要なコースだと,通信教育にしてはちょっと高くついてしまいますが,その分,組み立てて遊ぶならではの楽しさが得られることは言うまでもありません。
また,基本的な使い方さえ学んでおけば,Z会の課題がないときであっても自由に遊べてしまう点も大きなメリットです。
受講料は毎月払いができますが,一括で申し込む方が安く済む講座もあります。
with LEGO Education
SPIKEベーシック編
- 受講料は12ヶ月一括払い56100円
- キット価格は35200円
受講料は1ヶ月換算で4675円ですし,キットは割引キャンペーンが行われていることもありますが,通常のLEGOをいくつも買えばすぐにそのくらいの値段にはなってしまうので,定価で買っても別段高いとは思いません。
初年度の料金をまとめると,91300円となります。
標準編
- 受講料は12ヶ月一括払い62832円
- キット価格は44000円
料金を全部合わせると106832円になりますが,その半分近くをキット代が占めているのは,セット内容の豊富さを考えれば仕方ないでしょう。
センサーなどの精密機械は,どうしても高くついてしまうものです。
ただし,受講料を月額に換算すれば5236円で,1年もの間,このレゴと共に過ごせると考えれば,十分検討するに値する価格だと言えるでしょう。
with Scratch
- 受講料は12ヶ月一括払いで35759円
- キット代は0円
月額に換算すると2980円に相当し,キット代はかかりません。
毎月払いにすることもできますが,その場合は3506円とやや割高になります。
また支払い方法として選択できるのはクレジットカード払いのみです。
みらいwithソニー・グローバルエデュケーション
KOOVのコースは1年目とそれ以降で料金が異なります↓
- 1年目:53856円
- 2年目:67320円
- 3年目:67320円
キット代は初年度のみかかり,通常5万円以上するものが24970円で購入可能です(ただし2年目の継続受講が前提)。
初年度の料金を合計すると78826円となり,LEGOと比べると多少安くなります。
何にせよ,一度どちらの資料も取り寄せてみて,ゆっくり判断してみてください。
はじめてみる講座
はじめてみる講座は,タブレットかパソコンが自宅にあることが前提で,Z会を介在することでiPadを安く購入することもできますが,もちろん自宅にあるものを使って始められます。
月額で1980円ですが,3ヶ月まとめて,最初に5940円払ってしまうことも可能です。
本講座に限りませんが,Z会のプログラミングシリーズはどのタイミングでも開始できるので,小学校入学前のタイミングや長期休暇などを利用して,本格的な授業に備えましょう。
中学技術活用力講座
教科実践編は月額4840円ですが,3ヶ月一括で払うと12342円となり,月額払いよりは少し安くなります。
こちらはキットを別に必要としません。
タブレットかパソコンがあれば,いつからでも学び始められます。
一方のコンピュータ活用編は12ヶ月の講座で一括払いで56100円の受講料がかかる他,命とも言えるキットが17600円です(この他,繋ぐTVかモニターが必要です)。
合わせると73700円となりますが,1ヶ月で考えれば6000円強と,学べる内容からすると決して高くありません。
Z会プログラミングシリーズの口コミ
最後に,Z会プログラミングシリーズを受講した方の口コミについてみていきましょう。
東京都・小1
レゴがプログラミングで動くことに驚きました。たくさんのギヤやピースを組み合わせて多くの動きができるのが楽しく,面白い動きをどうやって作ろうかとワクワクしています。
iPadで作った命令をLEGOが受信して,モーターが多種多様に動く様は確かに圧巻ですよね。
千葉県・小2
これまで見たことがないレゴに大興奮!ワークブックに載っているプログラミングを終えた後は,他にも何かできないかと,とりあえず触ってみるの精神で頑張っています。作ったロボットに名前を付けていて,もう立派なお友達のようです。
もともとロボットに名前は付いていますが,上の子の場合,自分独自の名前を考えているのでしょう。
既存のLEGOとも互換性があるので,自分なりに飾り付けては愛着を持つことが大切です。
愛知県・小3
親としては,「おぉー!」という声が隣から聞こえてくるたび,きっと新しい発見や驚きがあったのだなぁと嬉しい気持ちでいっぱいです。たとえ思った通りに動かせなくても,失敗から学ぶことが多いのがプログラミングの魅力。1年後にはさまざまな思考力が身についていることを期待します。
大人になると感動の気持ちも薄れてきてしまうものですが,子どもたちには驚きや楽しいといった気持ちを大切にしてほしいものです。
遊びと勉強はもはや別物ではありません。
発展編・小4
あっという間に組み立てて,2つ上の兄と2人で工夫しながら難しいプログラミングに挑戦しています。外出できない日にも取り出して遊ぶほどに楽しんでおり,今から次の教材がくるのが楽しみです。
Z会のプログラミングシリーズでは,課題に取り組んだ様子をコンテストという形で動画投稿することもでき,今は形式を変えていて外部からは確認できないのですが,過去に行われたもののいくつかは以下のページで確認することができます↓
通信教育のメリットとして,親が子どもの頑張りを近くで見守ることができる点も忘れてはいけませんね。
まとめ
以上,Z会プログラミングシリーズに含まれる講座ごとの特徴や教材内容,さらには料金や口コミについてまとめてきました。
やや高価になってしまいがちですが,キットを使って学べる講座は特に魅力的であり,小学生の指導要領にあるプログラミング的思考が短期間で完成できてしまうカリキュラムですから,どんな教育をわが子にさせればよいかに悩む親にとっては,大変わかりやすいものだと言えるでしょう。
加えて,通信講座の性質上,キット込みでも月額6500~9000円程度で利用できるというのは,どこぞの教室に通学した場合と比べれば,ずっと安く済むものです。
また,説明書を読み解いて創造力を働かせては新しいものを作り出すという行為には,他人に頼らず独力でやらないといけない要素も含まれています。
以下の記事で述べたような資質・能力を,本講座を通してぜひ身に付けてみてください↓
なお,特設ページから資料請求することで,各講座のより詳しい内容を知ることはもちろん,小冊子(STEAM教育プログラミング教育など)がもらえることもあるので,申し込みの前にチェックしてみましょう↓
最後までお読みいただき,ありがとうございました。