
数学は積み重ねが必要な科目であり,入試において最も「バグ(不確定要素)」を孕む最難関科目と言っても過言ではありません。
私自身,現役時代に最難関大学を受験し,何も手が出ず,1問も完答できなかった苦い経験があります。
問題の難易度と配点が高く,しかも制限時間内に特殊な条件に気付かなければ大幅な失点を招くとあって,安定して高得点を取ることは困難です。
これが共通テストの数学が難化した際に,SNSで阿鼻叫喚のメッセージが立ち並ぶ原因となっています。
そこで,Learning OS Ver.3.0(正式名称)では「みんなが取れる問題をこぼさない」戦略,つまりは「大失点を回避する戦略」を基本としました。
当記事では,20年の指導歴から導き出した,中学・高校の数学プロトコルを公開します。
基礎という名の「計算エンジンの実装」から,応用という名の「論理の構築」まで,あなたの学習OS(略号)を最短でアップデートしましょう。
高校入試数学プロトコル:演習量による「処理能力」の初期実装
中学数学の根幹は「計算の正確性」と「論理の構築力」です。
ここでの躓きは,OSの将来的かつ致命的なエラーに直結します。
中1:文字式・正負の数プロトコル
代入や移項を無意識に処理できるレベルまで演習を積み,数学脳の基礎を固めます。
中2:1次関数・図形証明プロトコル
合否を分ける分岐点です。
「解法のアルゴリズム」をノートに書き出し,論理の展開を身体に刻みます。
見直し時間を大幅に短縮できたり,計算ミスを少なくするためのノート術もこの時期に学んでおくのが良いでしょう。
中3:過去問スキャンと分野別同期
夏までに過去問をスキャンして傾向を把握。
中高一貫校の生徒は試験勘が鈍らないよう,数検を定期的に受けることをおすすめします。
夏は得意分野の強化,秋以降は苦手分野の穴埋めに専念するのが定石です。
大学入試数学プロトコル:安定解を物理実装する「大失点回避」の運用
高校数学は,中学で培った処理能力をベースに,より高度な「解法パターン」を脳内に蓄積(データ化)するフェーズです。
基礎実装(1~1.5年)
教科書の定理や公式に精通し,典型的な解法を5回以上の復習で同期させます。
このとき,難しい問題も簡単な問題と同じように満遍なくやろうとすると失敗するので注意してください。
なお,学年の途中から一念発起して頑張る場合,1学年下の内容の総まとめテストで8割以上取れることを確認し,ダメなようなら学年を1つ2つと下げるようにします。
応用同期(0.5~1年)
数学IIICは高3前に開始。
薄い問題集を併用し,最高学年を待たずして1冊仕上げましょう。
定石を組み合わせ,制限時間内での得点力を最大化させる感覚を養います。
戦略的撤退の勇気
解説を読んでも理解不能な難問は無視して構いません。
初期学習において,解くのに何時間もかかるような問題も同様です。
1時間などの制限時間を設けて臨むようにし,時間になったらすぐに解答を見るようにしてください。
時間を食いそうな問題は長期休暇に回してしまうのも手です。
英語の単語と同様,学ぶべき範囲を素早く一読してしまうことで視界が開けます。
学習がかなり進んでから,前の問題を見直すと,難しかった問題も「あれ,簡単だ」と思えたり,別の手法で解けることも少なくありません。
難しい問題に時間をかけることは全く無駄なことではありませんが,全員が正解するであろう,教科書の章末レベル・参考書の標準レベルの問題を死守することが,合格への最短プロトコルです。
スタディサプリ活用プロトコル:一貫校のカリキュラムを凌駕する「速度奪取」
これまでの内容から,どうして当サイトでスタディサプリの数学科の記事が最速学習に拘っているかわかったのではないでしょうか。
大学受験で中高一貫校が強いのは,公立よりも「1年以上早い」カリキュラム運用にあり,これは一部の進学塾でも同じです。
この速度差というバグを解消するために,スタディサプリを予習専用のハブとして導入します。
- 予習中心主義:スタサプで先に全体像をダウンロードし,学校の授業を「復習の場」へと格下げします。
- 余剰メモリの活用:学校の進度に依存しないことで,応用力の育成やテスト演習に割く時間を物理的に捻出します。
これにより,学校の授業が無駄になりません。
数学では物理や情報の論理性との相乗効果で,大失点を回避する力が磨かれていきます。
学年に合わせて,学ぶべき内容を身に付けてください。
▶数学OS:学年別実装モジュール
中~高等部・高速同期プロトコル
20年の指導歴が示す通り,盤石なOSさえあれば,どんな難問バグも恐れることはありません。