2022年3月から新しく加わった小学校低学年向けの講座ですが,中でも算数は特に充実した内容となっています。
「小1・小2・小3算数」という3つの講座がこれに当たりますが,難易度別に講座が2つに分かれている他,動画まで利用できるというのは,他の教科にはみられない特徴です。
ここでは一体どのような内容を学ぶことになるのか,概要についてみた後は,学年別にレビューしていくことにしましょう!
スタディサプリの小1~小3算数の概要
スタディサプリの小1・小2・小3算数では,それぞれ基礎と応用の2種類が利用可能です↓
小1~小3算数の講義数
小1:基礎76講義+応用55講義
小2:基礎84講義+応用57講義
小3:基礎95講義+応用62講義
「講義」と聞くと,先生が出てきて黒板で説明する光景が浮かぶかもしれませんが,小1~小3算数においてはヨリーというキャラクターが登場する動画で学ぶことになります↓
ヨリーの名前の由来が何かはわかりませんが,英語でJollyと言うと,子ども向けの発音指導の本(Jolly Songs)や遊び道具やお菓子やらが浮かぶので,小学校の「低学年」と何か関係があるのでしょう。
ただし,動画が存在するのは基礎レベルのみであり,応用ではすべてがドリル形式に変わってしまうことにご注意ください。
なお,これらの内容は関連しており,基礎で学んだ知識を難しい問題を使って深めていきたい場合に応用講座を使います。
小4~小6算数においては,基礎と応用では扱う内容が大きく異なっていたことを考えると,そちらで言う入門編と基礎の関係に近いでしょう↓
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ところで,小学校低学年向けの算数や理社の講座では動画がまったく存在しないことを考えると,算数だけが特別なのかもしれません。
レベル設定もひときわ多いですし,令和時代は文系であっても数学が必要になる時代ですから,そういった流れを汲んでのことでしょう。
なお,動画は必要だと思ったテーマにのみ付いています。
また,講義で行うドリルは5分でできる問題集のようなもので,1つにつき7~10問の量です(応用は3~5問ほど)。
テキストは存在しませんが,教科書との対照表がダウンロードできます。
講義と教科書の対応ページはそこから確認できるので,ここでは対象となっている教科書を挙げるにとどめましょう↓
- 日本文教出版
- 大日本図書
- 学校図書
- 教育出版
- 啓林館
- 東京書籍
次章からは,学年ごとに講座内容を具体的にみていくことにしましょう。
スタディサプリの小1算数における学習内容
スタディサプリの小1算数ですが,最初は10までの数字を数えるところから始まるものの,最終的には100を超える数まで計算できるようになります↓
扱うテーマ
数(1桁~3桁),足し算,引き算,時間(時計の読み取り),比較(数の大小,長さや広さやかさ),色々な形
足し算や引き算で扱える数が10,20,100と大きくなるにつれ,結果として繰り上がりや繰り下がりの計算が理解できるようになるわけです。
やり方ですが,まずはドリルを使って,正しい答えを選びながらやっていきます↓
タブレットやスマホをタップして進めていくだけなので簡単です。
加えて,量や長さも比較できるようになる他,時計の読み方や図形についても学んでいきましょう↓
学ぶ順番についてはどこから開始しても構いませんが,基本的にはすべてが積み重ねなので,特に何もなければ最初から順にみていくのが正解です。
なお,上の動画では,紙に置いた箱の形を写し取る問題を解説していましたが,この後,違う面からは違う形を写せることにも言及しています。
このことは,後の投影図の理解につながるもので,遅いと中学で学ぶことになるわけですが,その時にわからなくなる原因が,実は小学1年生での学びにあったとしても,殊更おかしな話でもないのです。
なお,応用講座の問題を解く際にも,基礎で学んだいくつかの概念を組み合わせることがありました↓
例えば,この問題ですと,大小の概念と足し算・引き算の関係の他,正しい計算方法が理解できているかどうかが問われています。
スタディサプリの小2算数における学習内容
小2講座は1年生の復習から始まりますが,扱う数は4桁になり,筆算やカッコのある計算や掛け算も登場してきました。
扱うテーマ
グラフと表,足し算と引き算の筆算,3桁・4桁の数,時刻と時間,水のかさ,三角形と四角形,計算の工夫,掛け算,長さ(cmやmmやm),分数,箱の形(辺や面や点)など
その他,グラフや表に線分図など,使えるツールも増えていきます↓
上と同じテーマを応用のドリルでも行ってみましょう!
一体どのような問題に変わるのでしょうか。
実際は以下のようになり,「残り」や「出ていった」といった言葉についても考えなければならない分,やや難しくなったことがわかります↓
基礎だけで600問近くの問題数があり,応用も250問近くあるので,すべて合わせると約800問です。
これだけみると十分だとは言えませんが,学校のドリルなどもやるわけですし,少なくとも,1つの講義で扱っている問題群については自力で解けるようになります。
スタディサプリの小3算数における学習内容
小3算数で扱うテーマは以下の通りです↓
扱うテーマ
掛け算,割り算(余りあり),時刻と時間,暗算,数(5桁),円と球,分数と割り算,小数,分数と小数,□を使った式,二等辺三角形や正三角形,そろばんなど
図形の中では円が登場したのが大きく,半径や直径といった用語が出てきます。
なお,□を使った式はいずれxのような文字を使った計算をするときの基礎となりますし,そろばんを学べる点も真新しいですね。
暗算というテーマでは,小1で習った数字を分ける技術を用いることで,できるだけ小さくした数を使って計算することを学びます↓
「わざわざこんなことをして計算しないよ」と言う意見を耳にすることが多いですが,計算のアプローチは多く持っておくに越したことはありません。
例えば,20までのインド式掛け算を暗記したり,2桁の数に11を掛けるときの裏技めいたもの(23×11=253で説明すると,答えの赤と青の位置は最初の2桁の数と一致しており,真ん中の緑は赤と青を足したものになる)を知っておくことも,決して無駄にはならないでしょう。
なお,小1講座から毎回登場する時計(時刻)にまつわるテーマですが,基礎レベルの問題も,このように順調にレベルアップしてきています↓
その他,1分10秒を秒だけで表したり,80秒が何分何秒になるか答えるような問題があったところはポイントが高いです。
表には現れてきませんが,こういう計算を即座にそして確実にできることこそが,テストで大きく物を言います。
まとめ
以上,スタディサプリの小学校低学年向け講座から,小1~小3算数の内容についてみてきましたが,どのような感想をお持ちになったでしょうか。
最初は10にも満たない数の計算から始まりましたが,1年も経てば3桁・4桁の計算ができるようになり,多い少ない,大きい小さいといった比較もできるようになる他,線分図やグラフや表の読み取りにも強くなります。
高学年になっていずれは中学校に入学したときのことも考えると,投影図や文字式の基礎だったり,短いながらも頭を使って解く問題に触れたという経験は,後に読解力や論理的な思考力となって現れ,多くの場面で役立ってくれることでしょう。
スタディサプリの小1~小3算数は,国語などと比べれば動画もありますし,親が主体となって指導する際にも使いやすいと思います。
読み書きそろばんの3つ目にあたる算数を,小学生のうちから子どもに是非学ばせてみてください!