2022年3月に新しくスタディサプリの仲間入りをし,2023年9月から2025年4月にかけて講座のリニューアルが行われた小学校低学年向け講座ですが,中でも算数は一段と充実した内容となっています。
今回は「小1・小2・小3算数」という3つの講座について具体的にみていくことにしますが,難易度が異なる問題が用意されているところがユニークです。
かねてからスタディサプリでは算数という教科を重視していたわけですが,令和の時代は文系であっても数学が必要です。
数字や単位に苦手意識を持たないよう,小学講座でしっかりと学んでおく必要があります。
実際,どのような内容を学ぶことになるのか,まずは概要を把握するところから始めて,学年別に詳しくレビューしていきましょう!
スタディサプリの小1~小3算数の概要
スタディサプリの小1・小2・小3算数ですが,まず理解しておくべき事柄として,「小1~小2講座」と「小3講座」とで使い勝手が異なることが挙げられます。
違いを簡単に言ってしまえば,解説のあるアニメーション動画を観て丁寧に学んでいける前者に対し,後者には問題があるのみです。
もっとも,リニューアル前のWeb版(主人公がヨリーのもの)であれば,後者においてもアニメーションを使った解説が利用できますし,いずれは現行版(主人公がキクマルのもの)にも実装されるでしょう↓

なお,小3講座にある理社のコンテンツが小1~小2講座には存在しないなどの違いもあり,学習する上での注意点と合わせて,以下の記事を確認していただけたら幸いです↓
学習時の様子については次章以降で詳しくレビューしていきますが,以下に小1~小3講座のレッスン数を箇条書きにしてみると以下のようになります↓
小1~小3算数のレッスン数
小1:全202レッスン(算数道場の26レッスンを含む)
小2:全215レッスン(算数道場の40レッスンを含む)
小3:全183レッスン(基礎が121,応用が62レッスン)

なお,冒頭で述べた問題の難易度について補足しておくと,小3講座は如実に基礎と応用で分かれていますが,小1~小2講座でも2つの難易度の問題が登場します。
具体的には,単元の最後に出てくる「まとめレッスン」において,学習者の回答状況に合わせて基礎レベル(間違えた場合)か応用レベル(正解した場合)の問題が自動で選ばれてくるわけです。
いわゆる,「個別最適化して出題する機能」が搭載されているわけですが,例えば本章の冒頭で示した画像にある小1算数の「3つの数の計算」の単元で説明すると,最後にある「まとめ(その2)」と書かれたレッスンがそれに当たります。

これについて簡単に説明すると,例えば第1問目が「1+9-2は?」という出題だったとして,それに正解すると2問目が「1+4+5+3は?」と4つの数の計算を提示してくるのに対し,不正解だった場合には「4+6-3は?」と基礎レベルの出題が続くことになるわけです。
どれが応用レベルなのかは「レベルアップ」の文字が表示されるのですぐにわかるでしょう↓
なお,応用レベルの特徴の1つに,基礎レベルで学んだいくつかの概念を組み合わせることがあります。
例えば,
35ページの本があります,4ページ読むと残りは何ページになりますか
という出題では,大小の概念と足し算・引き算の関係の他,正しい計算方法が理解できているかどうかが問われるわけです。
もっとも,スタディサプリの小4~小6算数では基礎レベルと応用レベルとで難易度が大きく異なっていたことを考えると,それらで言うところの「入門編」と「基礎」の関係に近いように思われます。
ところで,小学校低学年向け講座においてテキストは存在しませんが,リニューアル前のWeb版の方で教科書との対照表をダウンロードすることができました。
問題内容から察するに,リニューアル後も扱う教科書に変更はないように思われますが,普段学校で使っているものが含まれているのか,以下で一応確認しておいてください↓
- 日本文教出版
- 大日本図書
- 学校図書
- 教育出版
- 啓林館
- 東京書籍
それでは次章以降で,学年ごとの講座内容を具体的にみていきましょう!
スタディサプリの小1算数における学習内容
スタディサプリの小1算数ですが,最初こそ10までの数字を数えるところから始まるものの,最終的には100を超える数の計算までできるようになります↓
小1算数で扱うテーマ
数(1桁~3桁),足し算,引き算,時間(時計の読み取り),比較(数の大小,長さや広さやかさ),色々な形や図など
足し算や引き算で扱える数が10,20,100と大きくなっていくにつれ,繰り上がりや繰り下がりがある計算ができるようになっていくわけです。
平日に隔日1レッスン(国語も含めると毎日1レッスン)のペースで学んでいくことが推奨されますが,月曜日になるとトップページの「こんしゅうのミッション」が更新されるので,表示されたレッスンを残らずやっていくだけで,自ずと正しいペースで学習できます↓
ただし,自分で自由にレッスンを選ぶこともでき,どんどんと進めていくことも可能です。
その場合,トップ画面下にある「レッスンをえらぶ」から一覧を表示させて取り組むようにしてください。
自由に進めていく際の学ぶ順についてはどこから開始しても構いませんが,算数は基本的に積み重ねが重要な教科なので,特に理由がなければ最初からみていくのが無難です。
計算以外にどのような問題を解くことができるかですが,量や長さの比較や時計の読み方,図形についても学ぶことができました。
例えば,以下は物の形を教えることがテーマになっていますが,身近なものを材料にして,思考力を要する問題になっているところが現代的です↓
これは小学校高学年で習う「投影図」の理解に繋がる重要な概念で,遅いと中学校で学ぶことになるわけですが,その時にわからなくなる原因が実は小学1年生での学びにあったとしても全くおかしな話ではありません。
計算に関しては,計算力が高められる「算数道場」という名の学習コンテンツが利用でき,詳しくは次章の小2講座のところで説明しているのでそちらを参照してください。
その他,リニューアル版で間違いがあると,解説を読んだ後に解き直しを促される仕様となっているため,全問正解するまでは先に進まないことを心がけましょう。
それまでの復習を行なえるレッスンも定期的に登場してくるので,忘れかけたときに記憶を呼び起こすことも考えられた良い教材です(ミッション機能のところで述べた,「隔日に1レッスン」という指示は,復習タイミングも考えてこそのペース配分だったわけです)。
全レッスンを終了した後,学年が上がるのを待つ必要はありません。
続けて小2算数へと進みましょう!
スタディサプリの小2算数における学習内容
スタディサプリの小2算数も,小1のときと同じように進めることができます。
とはいえ,内容の方はより高度化しており,扱う数は4桁となり,筆算が必要なものやカッコを含む計算,はたまた掛け算までが登場してきました↓
扱うテーマ
グラフと表,足し算と引き算の筆算,3桁・4桁の数,時刻と時間,水のかさ,三角形と四角形,計算の工夫,掛け算,九九,長さ(cmやmmやm),分数,箱の形(辺や面や点)など
計算においては,算数道場というコンテンツがメインレッスンの他に用意され,小2算数だと40レッスンは以下のような内容です↓
1レッスンに大体5問あるので,計200問くらいを解くことになるでしょう。
タブレットであればメモ機能があるため,手を動かして計算練習ができます。
解説のあるメインレッスンの方では,制限時間内に解答する「10秒チャレンジ」があり,ゲーム感覚で復習に取り組むことで飽きずに学習を進めていける仕掛けも施されていました。
図形的な単元においては,グラフや表に線分図など,使えるツールが増えていきます↓
上のレッスンでは最終的に以下のような問題が出題され,「残った」や「食べた」といった言葉についても考えなければなりません↓
このように,言葉を組み合わせた出題も思考力を要する問題に分類され,令和時代的な出題だと言えます。
全部がこのレベルの問題ではありませんが,先の算数道場の問題も含めると,スタディサプリの小2算数では1000問以上を解くことが可能です。
スタディサプリの小3算数における学習内容
スタディサプリの小3算数で扱うテーマは以下の通りです↓
扱うテーマ
掛け算,割り算(余りあり),時刻と時間,暗算,長さ(km),数(5桁),円と球,分数と割り算,小数,分数と小数,□を使った式,二等辺三角形や正三角形,そろばんなど
図形の単元において円が登場してきたところに注目で,「半径」や「直径」といった用語を学びます。
なお,□を使った式は,いずれxやaといった文字を使った計算をするときの基礎になりますし,そろばんについて学べるところも旧学習指導要領で育った大人世代からすれば目新しいものに映るかもしれません。
暗算というテーマにおいては,小1算数で習った「数字を分ける技術」を用います。
例えば,以下の問題だと68を60と8に分け,まずは100-60=40を計算して小さくした状態から8を引くという2つの計算を組み合わせるという工夫ができるわけです↓
わざわざこんなことしないよ。
と思う方もいらっしゃるでしょうが,計算するときのアプローチは多く持っておくに越したことはありません。
ちなみに,私は塾で20までのインド式掛け算を暗記させたり,2桁の数に11を掛けるときの裏技めいたものを教えたりもします。
後者に関して「23×11=253」の式を例に説明してみますが,答え部分の赤色と青色の数字の位置は最初に示した2桁の数(23)と一致しており,最後,真ん中の緑色の数字は赤と青を足したものになっているわけです。
この法則を覚えれば,「45×11を解いてみろ」と言われても,すぐに495と答えられるでしょう。
折角の機会なので,同じ数を使った掛け算について私が塾で教えている語呂合わせを紹介させてください↓
同数の掛け算と語呂
- 11×11=121(いちいちいちいち人に言う)
- 12×12=144(イッチニイッチニイッシッシ)
- 13×13=169(筆算筆算一郎君)
- 14×14=196(いいよいいよと一苦労)
- 15×15=225(良い子良い子2人でにっこり)
- 16×16=256(色々煮込むちゃんこ鍋)
- 17×17=289(良いな良いな二泊の旅)
- 18×18=324(一杯一杯酒に酔う)
- 19×19=361(低め低めの寒い夜)
読んだときの感じを重視して余計な語句(ちゃんこ鍋など)を追加しているところもありますが,すべて暗記してしまったときの効果は強力です。
例えば,この先に円の面積を求めることは結構な頻度であるかと思いますが,その際にも重宝します。

講座内容の紹介に話を戻しますが,小1講座から毎回登場する時計(時刻)の単元だけみても,小2と小3で順調にレベルアップしてきていることがわかります(左から小1,小2,小3の順)↓
スタディサプリにおいてはその他に,1分10秒を秒だけで表したり,80秒が何分何秒になるか答えたりする問題があったところを個人的には評価したいです。
一見地味ではありますが,こういう計算を即座にそして確実にできることこそが,テストで大きく物を言います。
また,小3講座はアニメーションによる解説動画がありませんが,基礎レベルと応用レベルが明確に分けられているので,学校の復習用と割り切れば使いやすいでしょう。
ちなみに応用レベルは難易度だけでなく,量が多かったりします。
例えば,先に説明した暗算の問題も,1問あたり3つの計算をさせられたり,文章題となって登場してくるわけです↓
まとめ
以上,スタディサプリの小学校低学年向け講座から,小1~小3算数の概要と具体的な内容についてみてきましたが,みなさんはどのような感想をお持ちになったでしょうか。
最初は10にも満たない数の計算から始まる算数講座ですが,1年も経てば3~4桁の計算ができるようになり,多い・少ない,大きい・小さいといった比較もできるようになる他,線分図やグラフや表の読み取りにも強くなります。
小学校高学年になっていずれは中学校に入学した後のことまで考えると,投影図や文字式の基礎だったり,短いながらも頭を使って解く問題に触れたという経験は,読解力や論理的な思考力を育み,その後の多くの場面で役立ってくれるでしょう。
特にスタディサプリの小1~小2算数は,未習範囲であっても独学しやすいように思います。
読み書きそろばんの3つ目を担当する算数なだけに,小学生のうちに得意科目にしておくことを目指しましょう。
これから申し込む方は,以下の記事に目を通してから始めてください↓
最後までお読みいただきありがとうございました。