2019年,TOEICの勉強に役立つ語学アプリの筆頭であるスタディサプリENGLISHに収録されている「TEPPAN英単語」が,なんと書籍化されました!
しかも,サプリ内でテキスト販売されるのではなく,市販されることになったわけで,より多くの方の目に触れることになるわけです。
とはいえ,TOEICの単語帳市場は戦国時代で,数多くのTOEIC単語帳が出回っています。
そのような中に割って入るということで,本単語帳にしかない特徴が重要視されますが,どうやらその答えは「神講師による解説&アプリとの連携」にあるようです。
もちろん,それだけに留まらない本書の魅力を,当レビューを通して学んでいきましょう!
TEPPAN英単語(書籍版)の特徴

基本情報
書籍名:TOEICテストTEPPAN英単語
著者:関正生,スタディサプリENGLISH
ISBN-13:978-4046024572(改訂版は978-4046052568)
定価:1430円
発売日:2019年3月18日(改訂版は2021年12月24日)
発行元:株式会社KADOKAWA
ページ数:320ページ(改訂版は344ページ)
音声:ダウンロード可
本書の内容に入る前に,スタディサプリのTOEIC対策コースについて説明させてください。
スタディサプリは,2019年版の発売時にすでにシリーズ累計385万ダウンロードを達成していた人気アプリで,私自身,中学や高校内容の復習からTOEICの学習に至るまで,大変お世話になってきました。
TOEIC対策コースは厳密にはスタディサプリENGLISHに属しますが,パート別の攻略法を扱った「パーフェクト講義」や模試として使える「実戦問題集」などの使える学習コンテンツが揃っていて,中でも毎日学習したのが「TEPPAN英単語」だったわけです。
スタディサプリENGLISHのTEPPAN英単語・熟語の使い方で述べた通り,これまでに類を見ない機能を備えているオンライン単語帳になりますが,わざわざ書籍化してきた以上,さらに何かしらの工夫がみられるはずです。
私が1つ思いついたのは,スタサプの有料会員にならなくても人気コンテンツが利用できることで,毎日1時間学習しても1ヶ月くらいはかかる量があるため,学習体験に差は生じるものの,TEPPAN英単語だけを学びたい方であれば,アプリの月額3278円を払うより書籍版を購入する方がお得になります。
中身の方に注目してみると,収録語数はアプリ版が1500語であるのに対し,2019年に出た書籍版は1409語,さらに2021年に改訂されたものは1557語と遜色がなくなりました。
なお,本書の構成面での特徴は,以下の3つになります↓
- 単語の配列順
- 独自解説
- 音声データの用意
2019年の書籍には独自アプリの用意もありましたが,改訂されてからは利用不可となりました。参考として後で紹介していますが,たとえ改定前のものを買ってきても利用できないことにご注意ください。
次章から,上に挙げた特徴について,個別にみていくことにしましょう!
独自データに基づいた単語配列

本書の特徴の1つ目ですが,アプリ版のTEPPAN英単語のクイズ正答率を分析し,結果が良かったもの,つまりは覚えやすいと思われる単語から順番に学習できるように配列されています。
なので,全部の単語に目を通せなくても,TOEIC本番で出会いやすい単語は最初の方でしっかり学べたことになるわけです。
ノートを取る際に最初の方のページはきれいに書けていても,後になると汚くなっていたり,最後まで終えられなかったりする人にとっては朗報でしょう。
なお,書籍内で例として紹介されていた「option(529番目に出てくる単語)からdonation(533番目に出てくる単語)まで」の5つの単語の正答率をみてみると,番号の若い順に,
- 85.47%→85.46%→85.35%→85.26%→85.21%
のようになっていました。
近い番号のもので見てしまえばその差は0.3%程度にしかなりませんが,最初と最後の単語を比較してみると,難易度の違いが明らかです。
同時に,本書の前半に出てくる単語は目標スコアが600点用のもので,最終的には860点目標に至ることにも納得がいくでしょう。
TOEICで高スコアを目指すほど,学習効率は犠牲になるものです。
ちなみに,私が初めてやったのはアプリ版で,記念すべき1個目の単語はdepartmentでした。
それがすごく記憶に残っている自分としては,本書の最初の単語がmachineだったことにショックを受けずにはいられませんでした(書籍版において,departmentは結構後ろの642個目に収録されています)。
といった具合に,アプリと本書の併用では多少の混乱が生じますが,いずれか片方を使うというのであれば特に問題はありません。
いずれにしても,覚えやすいものからどんどん語彙力を増やし,効率良く学習を進めていけるところが本書の1つ目の特徴です。
ところで,いくら多くのユーザー情報から得た信頼できるデータを使用していても,ただ出る順に並べただけでは面白みに欠けてしまうもので,現に「出る順」の単語帳は,すでにいくつか市場に出回っています。
そこで,書籍版の2つ目の特徴である「ユーザーの声&関正生講師の解説」が生きてくることになるわけです。
関正生講師ならではの「神」解説

ここでは,TEPPAN英単語の書籍版のレイアウトについて,詳しく分析してみましょう!
例えば,先ほどのdepartmentですと,左ページにはその単語の意味と例文(またはコロケーション)が和訳と共に載っています。
その他,派生語や類語が収録されている単語があったり,付属の赤下敷きで意味を隠して学習できる工夫が見受けられたりするのですが,これらは他の単語帳でも普通に見られるものです。
しかし,注目すべきは右ページに書かれている2列分の解説であり,これこそが本書における2つ目の特徴となります。
それはずばり「記憶エピソード」と「カクシン」です。
前者は,アプリ版のユーザーによる覚え方のコツが書かれており,なぜ彼らがその単語を覚えにくいと感じていたのか,またはどのように覚えたら上手くいったのかなどに対して,様々なエピソードが寄せられています。
基本的にTOEICの学習は孤独な作業になりますが,そんな中で,自分と同じような他者の境遇を知ることで,不思議と「自分も頑張ろう!」と思えてくるものです。
次に後者ですが,こちらはTOEIC対策コースの講師でもある関正生氏による,スコアアップに直結する解説が掲載されています。
文字で読んだだけでも単語のイメージが沸いてくるのは,やはり「神講師」と呼ばれる由縁でしょう。
departmentの実例ですが,
いわゆる「建物のデパート」のイメージが強かったので,「部門」と修正するのに苦労しました(通信業・600点台)。
という学習者の記憶エピソードに対して,
そのイメージをきっちりつなぎなおしてみましょう。デパート(department store)は「各部門に分かれた店が集まった大型店」です。
と関先生の解説が続くことになるわけです。
これを受けて,三越や伊勢丹といったデパートがこの単語に由来して名付けられたことにも納得できるでしょう。
さて,このような2種類の解説が用意されていることによって,ただ単に「department=部門」と覚えるよりも,単語自体に馴染みが出てきて忘れにくくなってきたように感じます。
ゆとりと詰め込み教育に左右されない勉強法で述べましたが,一見余計に思える知識であっても,それが忘れにくさを生むわけです。
英語を得意になる方法は誰かに英語を教えることだと言われるのも同じ理由で,一つの単語に関して様々なエピソードを語れることは,自分の理解をその分助けてくれています。
関先生の教えの根本には「単語は丸暗記を必要としない」という信条があるわけですが,学習者の生の声と関正生講師による単語解説が入るところに,本書ならではの特徴を感じ取ることができました。
音声が利用可能

TEPPAN英単語では,角川のサイトから音声データをmp3形式でダウンロードして,それをスマホやPCで再生して聴くことができます。
購入者以外の方も利用できるので,気になる方はチェックしてみてください。
使ってみた感想ですが,アプリを通さず直接再生できる分使いやすく,サイズは159MBとコンパクトで,形式的にはまず単語の発音が読み上げられた後,メインとなる和訳と例文が英語で読み上げられて終わりとなります。
長さ的にはこのくらいが適当でしょう。
1つのトラックに見開きページ分の単語(8語くらい)がまとめて収録されていた他,書籍にトラック番号も書かれています。
TOEICのリスニングセクションでは音を聞いて単語の意味が即座に浮かぶ必要があるため,文字だけで学んでいてもスコアはあまり伸びません。
是非,音声データも併用しながら学ぶようにしましょう!
単語アプリについて

先述した通り,こちらは2019年発行の書籍のみの特典となり,2021年以降に改訂されたものでは利用できません。
TEPPAN英単語の最後のページをみると,上のような袋とじを確認することができました。
関講師のメッセージカードでも入っているのかと思ったらそうではなく,実は本書オリジナルの単語アプリが無料で使用できるようになるものでした(スタディサプリENGLISHのコンテンツそのものが使えるわけではありません)。
袋とじに入っていたのは,その無料アプリ(以下特典アプリとする)を開始するのに必要なコードだったわけです。
本家のTEPPAN英単語アプリについては,先に示した記事の中で詳しい機能を紹介しましたが,こちらの特典アプリも,同様に英単語を4択で出題してもらうことができ,ゲーム感覚でポチポチ学んでいくことができます(選択肢を消して音だけで学習することもできました)↓

トロフィーによる正答率表示や復習機能があった他,例文に記憶エピソード,そして解説も特典アプリ上で確認することが可能です↓

外出時には特典アプリ,腰を落ち着けられる場所では書籍を利用するなど,生活スタイルに合わせた使い分けも可能ですが,本家のアプリを使っている方からすれば,この独自アプリを別に使う必要はそもそもありません。
当初,記憶エピソードやカクシンはこの書籍版のものにしか見られませんでしたが,今や本家においても同一内容を確認することができるようになったからです↓

とはいえ,特典アプリは2021年9月30日をもってサービスを終了したので,現状,アプリ学習をしたい方は本家のアプリを使う必要があります。
まとめ

以上,スタディサプリENGLISHのTOEIC L&R TEST対策コースより,書籍版のTEPPAN英単語をレビューしてきました。
本書の特徴としては,単語配列が出る順になっていること以外に,記憶エピソードとカクシン,さらには音声データの存在が目を惹きます。
スタディサプリENGLISHのユーザーから集めた膨大なデータを使い,学習者に寄り添った形で単語勉強をサポートしてくれる本書ですから,無味乾燥な単語の丸暗記から抜け出して楽しく学べるだけでなく,挫折する可能性をより低くできるでしょう。
2020年の秋以降,一時絶版となっていた時期もありましたが,2021年に改訂されてからは販売が継続しています。
スタディサプリのアプリ内の学習コンテンツは一部でテキスト販売がされているものの,TEPPAN英単語がそうなっていないのは,併用することが想定されていないからでしょう。
これは,それだけ本家アプリ版が優れていることを意味しています。
是非,本書を購入する前に無料体験をしてみてください↓
最後までお読みいただきありがとうございました。