本題に入る前にまずは小学校高学年における理科教育について考えてみたいと思います。
このくらいの年代では「学ぶ環境」というものが大きく結果を左右するもので,例えば授業を担当する先生が何を専門に学んできたかで授業内容は大きく変わりますし,塾に通っている子が相対的に多い学校においては,通塾していない子との間で大きな成績差が生まれているはずです。
しかし実際のところ,小学校の理科は適切に指導されればどのような生徒でも確実に成績を伸ばすことができます。
というのも積み重ねがさほど必要となる教科ではないからなのですが,それでも落ちこぼれてしまう子どもは確かに存在しているわけで,その場合,本人ではなく周りの環境に何か問題があると考えるようにしてください。
また,成績が上位の生徒も被害を受ける可能性があることを忘れてはいけません。
公立の小学校で特に多いのですが,学力差がある子どもを対象に授業をする関係上,やる気があったり能力があったりする子は,往々にして物足りなさを感じることになります。
つまり,理科が得意であっても不得意であっても悩みの種になりがちなのが小学校の理科であり,この傾向は高学年の生徒であればあるほど顕著になっていくはずです。
そのような不満を抱える子どもたちには,家庭で積極的に対策を施す必要があります。
そこで表題にある「スタディサプリの小学講座」の出番となるわけですが,塾に通わずともいつからでも始められて成績をどんどん伸ばしていけるオンライン教育サービスの1つです。
当記事ではその中の小4~小6理科を使って学べる内容や学習を成功させるためのコツについてみていきましょう!
スタディサプリの小4~小6理科について
スタディサプリの小4~小6理科ですが,難易度が異なる「基礎」と「応用」の2講座が存在します↓
公式サイト
利用を開始すると理科に限らずあらゆる科目の教材が学年も問わずに利用し放題となるわけですが,小4~小6理科に含まれる講義数だけみてもかなりの量です↓
小学校高学年の理科講座と講義数
小4理科:基礎25講義,応用30講義
小5理科:基礎24講義,応用30講義
小6理科:基礎26講義,応用30講義
特定の教科書に完全に沿った構成ではありませんが,扱う内容は最新の学習指導要領に対応したものなので,学校のテストにも十分対応できます。
ところで,1つ下の学年向けの小3理科には「基礎」や「応用」といったレベル分けはありませんでした↓
わざわざレベルを分けているからには何らかの意図があるわけで,それは一体どのようなものであるか,次章では小4理科を例に探っていくことにしましょう!
小4~小6理科(基礎)の特徴
スタディサプリ小4~小6理科の基礎レベルの特徴ですが,応用レベルよりも講義数が少ないため,時間的に早くやり終えることが可能です。
本講座の担当は,白衣に身を包みフレンドリーな言葉づかいで語りかけてくる冨山篤先生となりますが,
- テキストを眺め終えてからただ動画を観るだけ
という気軽な授業スタイルが大きな特徴と言えます。
予習で解くべき問題はなく,ただテキストを3ページくらいざっと読むだけでよいので,勉強に慣れていない小学生であっても難解な作業とはなりません。
何となくわからなそうなところや難しそうなところがあったとしても,その後,先生の講義動画を観ながらふむふむと納得していけば良いわけです。
集中力が続きにくい小学生を想定して,スタディサプリの講義動画は10分程度の長さのチャプターで区切られています。
1つの講義は複数のチャプターからなりますが,全部足し合わせたところで45分ほどにしかなりませんから,学校の授業と大体同じくらいの長さです。
とはいえ彼の授業内容は,さすが大手企業が選んできた先生だけあります。
全体的に良質な授業が受けられると期待していて構いません↓
テキストはカラーでないところは残念なのですが,そこは学校の教科書や資料集が手元にあるかと思いますので,しっかり併用するようにしましょう!
特に後者においては中学や高校で使用頻度が極端に少なくなる生徒が多くなる現状を鑑みて,早い段階から使う癖を身に着けさせることをおすすめします↓
今回の内容とは関係ないですが,資料集や図録を適当にパッと開いて読んでみるだけでも以外に楽しめるものです。
もっとも,スタディサプリの小4~小6理科の講義は,講師が板書したものをただ観たり写したりするだけの退屈なものではありません。
たまに登場してくる実験動画は見た目にも楽しく,知的好奇心が刺激されるでしょう↓
視覚がもたらす印象というのは概して強烈なもので,上のような実験映像は問題を解くときにも大いに役立ってくれます。
講義を受けたら復習としてテキストを再度読むようにしますが,この時は最後に付いている確認テストを解くようにしてください↓
保護者の方はこのときの問題文をよく読んでいただきたいのですが,そこに書かれた内容を知るだけでも,小学校と子どもの家をつなぐ通学路は違った風景へと変化することでしょう。
例えば,上のイラストに似た鳥を目にしたとき,これまでは「小鳥さん」としか認識できなかったものが,スタディサプリの受講後からは「あ,ツバメさんだ!」などとしっかり認識できるようになるわけです。
さらには,ツバメが冬の間は南国の温かいところにいて,春になると海を渡って日本にやってくることを知ることで,遠くの国からはるばる日本にやってきた彼らに対して何か労いの言葉をかけられるようになるかもしれません。
小4~小6理科(応用)の特徴
次に小4~小6理科の応用レベルの講座説明に移りますが,基礎のときよりも講義数は増え,内容的にもやや発展したものを扱いますが,それ以上に強く思うのは,担当講師が相馬英明先生に変わることでテキストの編集や授業スタイルが大きく異なるということです。
例えば,応用の授業では講師による解説が中心とはなっていません。
良問を実際に解くことを通して,理科に必要な思考回路を形成していく授業と言えば伝わるでしょうか。
これは,ある程度勉強習慣が身に付いていて,自分1人でも考えられる(学べる)ように習慣づけられた小学生に向いている授業スタイルです。
なので,人によってはいきなり応用講座から始めると「理科って難しい」と感じてしまうかもしれません。
とはいえ予習は不要です。
実は,動画の中で基礎事項の確認や考え方についての説明があるため,「○は△だよね。それじゃあ,問題を解いてみよう!」という授業の流れとなります。
動画を観終わってからテキストにある問題をすべて解き,その後に答え合わせをして全部正解できたことを確認してから次のチャプターの動画を観る順番になりますが,この一連の作業を4~5回繰り返すと1回分の講義がようやく終了となるわけです。
仕上げに確認テスト(こちらについては動画の解説はありません)を自力で解くことによって,その日の講義内容をすべて理解できたかが確認できます。
このような調子である程度の期間(大体1ヶ月くらい)受講してから,テキストに載っているこれまでに解いた問題を最初から解き直してみるようにすると良い復習になるでしょう。
演習量はなかなかで好奇心を刺激するような出題も見られ,「どうしてだろう?なぜだろう?」と立ち止まっては考えさせられる問題が多かったように思います↓
「どれかな?」という質問文の物言いからは柔らかい印象を受けるものの,問題自体はそのまま受験に出てもおかしくないものです。
小学生が中高一貫校への進学を希望する場合は中学受験が必要になりますが,公立でありながらも受験が必要な中学校は私立よりも準備期間が短く済む上,何より学費が安いこともあり,気軽に受けられると人気を集めています。
もしここにいずれ受験する小学生がいたとして,なるべく早い段階から以下のような問題に触れ,自分の言葉で論述する練習を積んでおくとどうなるでしょう↓
日常生活にも理科的な事象が含まれているため,知らず知らず日々生活しているうちに,思考力を要する問題への苦手意識も払しょくされていくはずです。
無論,進路が未定の小学生であっても,こういった問題を通して科学的な物の考え方について学んでおくことは今後の人生に役立ちますし,純粋に地頭が良くなります。
小4~小6理科の講座選びのヒント
以上,小4~小6理科の基礎と応用の違いについてざっと内容を紹介してきたわけですが,どちらを視聴すればよいのかと聞かれれば「応用」がおすすめです。
ですが先述したように,勉強することに慣れていない子どもにはやや受講のハードルが高いため,「もう勉強やーめた」と投げ出しかねない危険性も併せ持っているところは否定できません。
特に勉強を始めたばかりの小学4年~5年生であれば,30分以上も机に向かって先生の話を聞くことは大変困難なはずです。
理科が苦手な子はもちろん,勉強習慣のない子はまず基本レベルの講義を受講し,とにかく動画を観ることにのみ全力を注いでみてください。
「折角だから,学校では受けられない難しい内容の講義を受けてほしい」
「思考力を問うテキストで,わが子の才能が目覚めるきっかけになれば」
といった親の期待は二の次になります。
小学生というのはわからないことがあると基本落ち込んでしまうものなので,勉強が嫌いにならないよう,多くを求めない姿勢が重要です。
もう1つの案として,担当講師との相性を重視して決めてみてはいかがでしょう。
とりあえず冨山先生(基礎)と相馬先生(応用)の授業を両方とも受けてみて,以下の点をチェックするようにしてください↓
ポイント
- どちらの講師の方がわかりやすかったか
- 考えるのは楽しかったか
好きな先生が見つかればもうそれだけで頑張ってくれますので,気に入った先生の講座をやることを優先しましょう。
どちらも良い先生だった場合,応用講座の問題を無理なくこなせたかどうかを基準に判断してください。
「あー,なんだかテキストを開くのが面倒くさいなあ」などと感じてしまったら勉強は長続きしません。
それこそ学校がない週末にやるだけでも構わないので,毎週何かしらを学び続けていこうとする姿勢が大切です。
親も一緒になって授業を受けるようにすれば,授業の印象がひときわ強くなりさらに効果的かもしれません。
もしも時間に余裕がある場合,まずは基礎を一通り視聴して,さらに応用レベルを受講することで基礎レベルの復習代わりとして使う方法も考えられます。
どちらも毎日1~2日で1講義のペースで観られれば1~2ヶ月で見終わる分量なので,「基礎レベルが最後まで続くようなら応用レベルに進ませる」といった姿勢で構えておくのも良いでしょう。
図鑑や小道具を使用して興味を広げよう
スタディサプリを効果的に使うコツですが,小学校高学年の理科の場合は図鑑や小道具を使うと功を奏すことが多いように感じています。
図鑑は先に紹介した資料集とともにカラーで内容を補足してくれますし,サイズ的にも小学生の使い勝手を考慮して作られているので,是非シリーズで揃えたいものです。
最近の図鑑は内容的に大人も楽しめるほどマニアックで,逆に子どもの方が大人より詳しくなってしまって驚かされたという話も多く耳にします。
実際,目の前を通った蝶の名前を瞬時に言い当てたり,何の変哲もなさそうにみえる土の中から甲虫の幼虫を掘り当ててしまうほどです(虫嫌いの方はすみません)。
また,小道具としては顕微鏡や双眼鏡の他,星については興味を持つ小学生も多いでしょうから,星座板もおすすめできます。
例えば小4理科で星の動きについて学んだ後は星座板の使い方を教えてしまって,その夜一緒に外に出かけてみても良いでしょう↓
身の回りに当たり前のように存在している「自然」ですが,普段見慣れている月についても「満月が東の空に見える時刻が必ず夕方である」ことに気がついていない人も多いわけです。
まとめ
スタディサプリで小4~小6理科を勉強する必要性がどういった場合に生じるかについて考えてみると,
- 学校の授業についていけない
- 中学受験を考えている
- 地頭を良くして中学生活に備えたい
などが挙がるでしょうが,このいずれにおいてもスタディサプリの小4~小6理科はおすすめです。
1の場合ですが,理科は積み重ねを必要としない教科なので,学校の授業範囲に対応した講座で学習するだけですぐに成績が上がると述べました。
また,今後の授業で学ぶ予定がある範囲を予めスタディサプリで学んでおくことで,学校の授業が復習代わりとなります。
そのことで,周りと比べて理解に時間が多くかかる子どもであっても学校の授業に十分ついていけるようになるわけです。
2に挙げたように中学受験を考えている場合は早めにスタートを切るほどに有利ですし,残り時間が少なくても一気に視聴できるオンライン教育ですから,速習するのにも向いています。
上で「理科に積み重ねは必要ない」と言いましたが,しっかり学んでおくに越したことはありません。
小学校の理科知識は中学でも再登場しますし,先のツバメの例のように知識が増えることは何かを判断する際の物差しになり得るため,新しいことを創造するときの力に変わることもあるでしょう。
頭が柔らかい小学生のうちにできるだけ多くの知識を吸収できたかどうかで今後の人生が左右されてしまうと言っても過言ではありません。
もっとも,理科以外の「読み書きそろばん情報」の方が大きく影響することは確かだとは思いますが,ともあれまずはスタディサプリの小4~小6講座を上手に使って,有意義な理科学習の時間を過ごしてみてください↓
他教科の進め方や実施中のキャンペーンの詳細については以下の記事で案内しています↓
-
スタディサプリ小4~小6講座の使い方!導入時の心得とは
私の塾に進路相談をしに来られた,小学生の子を持つ保護者の話を聞いていると, のいずれかの考えであることが最近多くなってきたように感じています。 少子化が進むにつれ,より多くの親がわが子の進路を気にするようになったからなの ...
続きを見る
-
【2024年12月】スタディサプリのキャンペーンコードまとめ
当記事では「スタディサプリのキャンペーンコード」に関する最新情報を記載しています。 ところで,一口に「スタディサプリ」といっても様々なコースやプランが存在し,コーチに見てもらえる合格特訓コース,スタディサプリENGLIS ...
続きを見る
最後までお読みいただきありがとうございました!