今回は,スタディサプリの高3生向け講座から「リーディング<英文解釈編>」についてまとめていきたいと思います。
人気講師である関先生が教える高校講座としては,英単語補充編のようなサブ的なものを除けば「文法編」と「英文解釈編」が主なもので,前者については以下の記事ですでに紹介しました↓
なお,高3英語の講座の中には「読解編」という,肘井先生による素晴らしい講座もあり,似たタイトルでありながらも,今回の英文解釈編と内容的に被っていません。
違いを簡単に言ってしまうと,「文法編」と「読解編」の橋渡し的な役割を担うのが「英文解釈編」となりますが,当記事でその特徴と学び方についてみていきましょう!
スタディサプリの英文解釈編の特徴
「リーディング<英文解釈編>」とは一体どのような講座なのでしょうか。
それについて知るには紹介動画を観るのが一番で,担当の関正生先生がおっしゃっているように,長文読解の最初の一歩となる,英文解釈の技術を身に付けることを目的とした講座です。
スタディサプリの英語講座には他にもいくつか種類があり,例えば先に出てきた肘井先生の「読解編」においては,長文読解の命とも言える大切な考え方を習得することができます↓
構文の把握から論理展開,さらには背景知識までをも学べる講座になっていましたが,それを始める前にもう少し軽めの英文を読みたい方や,高1・高2英語でベーシックレベルやスタンダードレベルを学んだばかりの方に英文解釈編はおすすめです。
もちろん,スタディサプリの文法編を通して関先生が好きになった方にとって,引き続き英文解釈を彼に教えてもらえるというのは朗報でしょう。
とはいえ,高1・高2講座のハイレベルやトップレベルの読解編をすでに学んだ人であれば,英文解釈編を飛ばしてしまっても構いません。
確かに,教わる講師が変わると新しい発見があるものですが,特に受験まで1年を切った状態ですと,この後の読解編や長文演習編の学習に3ヶ月くらいは見ておきたいものですし,時間をかける場合も,読解編や長文編を複数レベル受講する方が良い結果に繋がる可能性が高いように思います。
例えば,
- 高1高2読解編→高3英文解釈編→高3読解編
と取るよりかは,
- 高1高2読解編→高3読解編→高3読解編の高レベル
とする方が良いという話です。

とはいえ,実力がない人が背伸びしても始まらず,とりわけ,高1・高2講座で学んできていないような人はこの英文解釈編を取るか,または高1・高2英語の読解編で学んでください↓
最終的には肘井先生の読解編と長文演習編で学ぶことになることを考えると,個人的な意見としては文法を関先生,長文を肘井先生に習うのがおすすめです。
なお,本講座が扱うテーマは以下のようになっています↓
英文解釈編のテーマ
文型,SVの把握,強調構文,倒置,接続詞,名詞構文,因果構文,イコール構文
文法編のときと比べるとだいぶ少なく見えますが,全部で8講義しかないということで,ボリューム的にはそこまでではありません。
とはいえ,講座のレベルは「スタンダード・ハイ・トップ」の3つが存在し,テキストは要点部分までは同じであるものの,全部学ぶとそれなりの量になります(全24講義)。
レベルが上のものになるほど,難しいテーマに時間を割くようになるのも英文解釈編ならではの特徴と言えるでしょう。
それぞれの講座の目次を比較したものを見てください(左からスタンダード・ハイ・トップレベルの順になります)↓
右列のトップレベルでは,文型の解説が第4講にしかありませんが,中央列のハイレベルでは第1講・第2講・第5講の3回分で学んでいくことになるわけです。
加えて,演習問題の難易度にも差がつけられていて,例えば強調構文のもので比較すると,スタンダードレベルでは穴埋めか文構造がわかりやすい単文を和訳するだけのところが,トップレベルともなると(1)からすでに2つの構文が複合した形となり,(2)では文中にある強調構文を訳す問題となります↓
トップレベルの方が難しいことが明らかで,予習にかかる負担も高くなるわけです(このときの方法やかける時間については後述します)。
また,このときの訳し方を説明する際,トップレベルの講義では「無生物主語がSになっている場合の訳し方」に言及しているなど,授業レベルの高さを感じ取ることができるでしょう。

なお,先ほど「テキストの要点部分はどのレベルでも変わらない」と述べましたが,レベルによっては扱わない項目があります。
例えば,「接続詞に関する要点のまとめ」はハイレベルでは見られません。
そこで私のおすすめですが,英文解釈に自信がない方は,まずはスタンダードの8講義を全て受講し,その次にトップレベルを改めて受講するようにすると大体網羅的に学習できたことになりますし,良いタイミングで同じ内容を復習できることになります。

なお,関先生は高3英語の文法編も担当されていますが,そこで語らなかった内容がこの講座で補完されていることも付け加えさせてください。
事実,本講座のテキストには「英文法の講義を確認してから受講するのが望ましい」と書かれているわけで,学ぶ順番としては「文法編→英文解釈編」という流れで視聴すべきです。
スタディサプリ英文解釈編の学び方
それでは続いて,リーディング<英文解釈編>の予習と復習の方法について確認していきますが,ここでは,予習と受講そして復習の3つに分けてまとめていきましょう!
予習する
英文解釈の勉強では和訳作業が基本となりますが,塾でみていると「わざわざ日本語訳を書くのは面倒くさいし時間の無駄だ」などと,ノートに訳を書き残さない生徒がいます。
彼らは,頭の中で何となく訳して終わりとしてしまうのですが,本講座を予習する場合,そのような態度では実力が付きません。
文字を書くことで,自分の日本語に気を遣えるようになりますし,「なんとなくできた」などと曖昧な評価を下すことがなくなります。
ノートに間違いの痕跡がしっかり残ると,自分ができないところを客観的に認識できるので,手を動かすことは重要です。
予習の手順は以下に従い,時間にして45~100分をかけてください↓
- 構文を把握する
- 和訳する
- 数回読み直す
- 知らない単語の意味を推測する
- 辞書を引く
- 重要語句リストを確認する
主述関係の把握から始めて,接続詞や関係詞などを詳しく確認していきますが,知らない単語の意味はとりあえず無視して,文構造の理解を優先させましょう。
続いて,構文に忠実に訳していきますが,直訳して文の意味がわからないようであれば,構造か単語の理解のいずれかが間違っているはずです。
何度も読み直して,見落としているところがないか確認しましょう。
知らない単語があれば,まず先に品詞を見抜いてから意味を予測するようにしてください。
この練習は共通テストや大学入試本番でも役立ちます。
また,この順番で行うことで,無理やり自分に都合の良い訳をでっちあげることが少なくなることも見逃せません。
辞書を引く回数は最低限にとどめ,意味の分かる単語から別の単語の意味が推測しようとする態度が重要となります。
予測した単語も含め,訳が完成してから初めて辞書を引くようにしますが,見当違いな訳を当てはめてしまった場合はその結果を深く受け止め,最後に以下のような重要語彙リスト(講義に出てくる単語がまとまっているもの)をチェックしてから講義に臨みましょう↓
講義を受ける
英文解釈編の講義時間は約60分です。
なお,関先生の授業の特徴を一言で表せば「コンパクト」となり,和訳はもちろん板書内容はすでにテキストに書かれていますし,要点もまとめ形式で見やすくレイアウトされています。
書く必要がない分,講義の内容理解の方に集中してください。
頭の良い人は喋るのが速い傾向にありますが,関先生も例外ではありません。
ゆえに,人によっては理解が追いつかない場合もあると思うので,その場合は動画を一旦停止し,そうでない場合もチャプター(約15分程度のまとまり)ごとにそれまでの内容を振り返るようにしてください。
このアプローチについては文法編で学んできた方なら慣れたものでしょう。
自分の言葉で説明しなおすことで,知識がより自分のものになった感じがしてくるはずです。
余談ですが,本講座は比較的最近追加されたものなので,スタディサプリが開始されて10年近く経ち,関先生に貫禄が出てきたように思います。
撮影や音声技術も良くなっていて,スタディサプリらしいカメラワークも完成されたように感じました。
雑談めいた話もすべて英語や学生生活に関連しているものなので無駄がなく,知的な話を楽しめる方であれば,大変満足度の高い講義となるはずです。
palmの説明に,ヤシの木の葉っぱや野球のパームボールの話をするのはまだしも,パームトップPCの話にまで言及されるあたり,先生はコンピューターにハマっていた時代があるのでしょう。
復習する
本講座に限らず,スタディサプリの読解講座では「音読」が推奨されています。
英語を英語のまま理解するためにも「英文は最低でも30回(できれば50回)読むように」と言われますので,これはかなり大変です。
とはいえ,1日に5回読むのを6日続ければ30回になりますし,毎日30分は必ず音読するよう習慣づけて,それを3ヶ月も継続できれば,自分がモノにした英文数も増え,確かな実力アップを実感できるでしょう。
なお,普通の先生であれば「何回も読んでおいて」と言うだけのところですが,関先生はより具体的な数字を挙げて指導している点が特徴で,
文法や構文を意識して10回,内容を意識して10回,スピードを意識して10回行ってください
といった具合に,意識する場所を回数に応じて変えていく指導をします。
「発音の仕方がわからないよ!」と言う方は心配しないでください。
というのも,スタディサプリの英文解釈編には「音読トレーニング」というコンテンツがあり,ネイティブによる発音が聴けるからです↓
スタディサプリの英語講座では長文を扱う講義には大体こういったお手本が付けられています。
英語4技能のことも考えて,より音声コンテンツ面を充実させた結果,このような形に落ち着いたのでしょう。
まとめ
以上,スタディサプリより高3生向けのリーディング<英文解釈編>の内容と使い方についてみてきました。
今回の要点をまとめると,
- 英文解釈編は文法編の次に観る
- 高1~高2生向け講座で学んだ方は省略も可
- レベル設定は3つで8講義ずつ
- テキストの要点はレベルごとに差はない
- 問題演習の難易度や講義内容は異なる
- 予習の取り組み方に注意
- 音読は毎日30分。10回ごとに意識する点を変える
のようになります。
なお,私のおすすめである「スタンダードレベル→トップレベル」の順に学ぶとすると,音読を毎日30分行うと仮定しても約50時間がかかる計算です。
とはいえ,毎日決まって1講座ずつ進めるのは現実的ではなく,毎日2時間勉強できる状況であっても「予習で1日,講義の視聴と復習で1日」といったペースで進めていくことになります。
つまり,1つの講義を終えるのに2日かかる計算で,全16講義は順調に行っても1ヶ月以上かかりますし,特に最初の方は予習や復習の作業により多くの時間が取られるはずです。
1つのレベル(8講座)だけを学ぶ場合であっても,1ヶ月近くがかかると見積もっておきましょう。
もちろん,「早く終わらせなきゃ」などと焦ってスピード重視で進めた結果,予習や復習が雑になってしまっては本末転倒ですので,着実に実力アップを図っていくようにしてください。
関先生曰く,音読は3ヶ月続けてようやく効果が表れると述べているほどです(その場合,音読練習は講義終了後もしばらく続ける必要があります)。
英文解釈編が終わったら,次は肘井学先生の読解編に進みましょう!
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最後までお読みいただき,ありがとうございました。