今回は,スタサプ(スタディサプリ)の高3英語講座から「読解編」を取り上げ,どのようなカリキュラムが組まれているかについて,実際のテキストや画像を見ながらレビューしていきたいと思います。
文法編や英文解釈編で基礎を固めてきた受験生が,いよいよ英語長文を本格的に攻略していくための講座です。
単文を正しく訳せるようになるところから始めて,論理展開や背景知識を武器に,より長い文章を素早く読めるようにステップアップしていきます。
当記事では,大枠となる読解編の授業内容に加え,公式テキストで示されている予習・復習の具体的なやり方まで,元塾講師の視点から詳しくみていきましょう。
スタサプ高校英語 おすすめ学習ルート
⓪ 基礎固め:高1・高2講座
① 英文法の完成:高3文法編
② 構文把握:高3英文解釈編
③ 長文読解:高3読解編(★当記事はココ!)
④ 実戦演習:高3長文演習編
大学入試では英語長文の配点が大きくなりやすいため,ぜひ得点源にしたいところです。
千里の道も一歩からということで,まずはこの読解編を足がかりとして,次の長文演習編(別講座になります)にすんなり入っていけるようにしてください。
スタサプ高3英語の読解編について
高3英語読解編の担当は肘井学先生で,スタディサプリで高1・高2英語や高3読解系講座を多く担当しています。
詳しいプロフィールは以下の記事をご覧ください↓
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今回紹介する読解編では,構文把握から論理展開,背景知識までを段階的に積み上げていきますが,レベル別に「スタンダード・ハイ・トップ」の3つに分かれていて,大枠となるカリキュラムの流れは同じながらも,扱う英文や解説の難易度に差がつけられているのが特徴です。
例えば,対応する大学に注目してみると以下のような違いがあります↓
高3読解編のレベルと目標大学
- スタンダード:日東駒専・産近甲龍・地方国公立
- ハイ:MARCH・関関同立・地方国公立~旧帝大
- トップ:早慶上智・旧帝大・東大・京大・一橋大
ただし,できれば早慶に受かりたいと思っている生徒であっても,現状英語の偏差値が50くらいしかない方が背伸びしてトップレベルを受講するのは間違いです。
身の丈にあった難易度でない限り,着実な実力アップを図ることはできません。
私が塾講師として生徒を見ていた頃も,背伸びをして難問ばかりに手を出し,結局基礎が固まらずに入試で失敗してしまうケースを数多く見てきました。
目安としては,直近模試の偏差値でC~D判定が出ているくらいの大学レベルの講座を選択するようにしてください。
先の早慶志望の生徒であれば,まずはスタンダードレベルで始めて,次の模試で偏差値が上がったのを確認してからハイレベルやトップレベルに移っていくようにします。
焦って上位レベルに進むより,まずは今の実力に合った講座で確実に読める英文を増やしていく方が効果的です。
さて,この高3英語読解編(1レベルあたり前期と後期の合計で24講義です)の大まかな学習内容は以下の3段階となっています↓
- 構文把握(単文編):1文の構造を正確に処理する
- 論理展開(中文編):文と文のつながりを見抜く
- 背景知識(長文編):頻出テーマの知識を学ぶ
これらを,レベルごとに用意された24講義を通して学んでいくことになるわけです。
ちなみに,簡単なレベルになるほど,1番目の「構文把握」に割かれる講義数が増えていきます。
具体的には,スタンダードレベルだと半分の12講義が単文の構文把握に費やされる一方で,トップレベルではわずか7講義しかありません。
逆に,3番目の「背景知識」に関しては,スタンダードレベルでは6講義に留まるものの,トップレベルだと11講義にも達します。
次章では,これら3つについて詳しくみていくことにします。
スタサプ高3英語の読解編で学べる3つの内容

上の目次は,読解編のテキストから,内容の違いをよく表している部分を抜き出して繋げたものです。
具体的な講座名は以下のようになります↓
- 【英語音声付き】高3スタンダードレベル英語<読解編>
- 【英語音声付き】高3ハイレベル英語<読解編>
- 【英語音声付き】高3トップレベル英語<読解編>
① 構文把握のやり方(単文)

どのレベルの講義を受けるにしても最初行うことになるのは,単文(一つの文のことです)を題材にして構造分析を行い,英文読解に必要な文法ルールについて学ぶことです。
あまり知られていませんが,英語の文法には「純粋な英文法」の他,「読解の際に必要となる英文法」の2種類があります。
前者は「不定詞」とか「分詞」とかになりますが,後者の例としては「前置詞の付いた名詞は主語にならない」や「無生物主語は副詞的に訳す」といったルールに該当し,これらの文法事項は純粋な英文法で習う内容がベースになってはいるものの,多くは英文読解の問題で問われる内容です。
例えば,前者に属する「分詞構文」は英文読解の方でよく目にする文法事項ですし,読んでいて難しい英文には大抵「倒置」や「省略」が見慣れない形で絡んできていることでしょう。
いずれにせよ,こうした読解用の文法を予め単文を使って学んでおくことによって,長文の中で同じ構造を持つ単文が出てきたときに,
あのとき学んだ形と同じだな!
などとすぐに対処できるようになります。
文構造を正確に把握しながら読むことを「精読」と呼びますが,長文を読めるようになりたい受験生がまず最初に目指すべきは,全ての文章を正しく精読できるようになることです。
もっとも,その重要性については構文把握編をやってみればすぐに実感できるように思われます。
② 論理展開のルール(中文)

精読ができるようになった次に目指したいのは,文章の論理展開に気を配りながら読めるようになることです。
なお,論理展開を示す語句のことを「ディスコースマーカー」と言ったりしますが,「原因→結果」であったり「抽象→具体」といった英文同士の関係性に注目していくことで,より高いレベルでの英文読解が可能になります。
この読み方ができるようになると,長文全体を通して筆者は何が言いたかったのかを理解できるようになるわけですが,
きっとこのようなことが書いてあるのだろうな…
などと予想を交えて文章を速く読むことができたり,未知の単語を推測できるようになったりと良いこと尽くしです。
とはいえ,このレベルに達してようやく難関大ではスタートラインに立てるというのが現代の大学受験英語の非情な現実なわけで,MARCH以上の難関大に合格する生徒というのは,論理展開に気を配りながら英文読解ができなければなりません。
難しい大学の入試問題で,文章全体を通して何を言いたいのかを答えさせる「要約問題」が大きな配点を占めているのもそういう理由からです。
このときに注意すべきこととして,ディスコースマーカーを利用した読解は,そもそも単文を正確に読める精読スキルが身に付いていなければ習得できないことを忘れてはいけません。
③ 背景知識(長文)

読解編の最後には「背景知識編」が控えていますが,ここまで学ぶことで,英文の内容によって長文問題の出来が左右されてしまうリスクを減らすことができます。
これはどういうことかと言うと,一般的に文系志望の生徒は理系内容の文章に苦手意識を持っていることが多い傾向にありますが,たとえ文学部を受験した場合であっても,最低1つは科学や環境論的な内容の出題があるものです。
出題側としても,受験生が得意分野だけで有利になり過ぎないよう,幅広いテーマの英文を混ぜる必要があります。
文系や理系の区別がない共通テストはまさにその典型で,年度によってはすべてが理系の文章で,文系志望者の不利になることもあるわけです。
そのため,前もって様々なジャンルの英文(言語論・文化論・心理学など)に触れておくことで,文理の違いに起因する苦手意識は払しょくされ,論理展開の先読みがよりしやすくなって読むスピードが上がることにつながります。
同じ文理のテーマであっても,その界隈でしか使われない専門用語に強くなれると有利です(法律用語や経済用語など)。
ここまでやったらあとは実践を積むだけの状態になりますが,その役目を担うのは本講座ではなく長文演習編です。
スタサプ高3英語の読解編の学び方(肘井式・秘伝)
ここからは,スタサプ高3英語<読解編>の具体的な学び方をみていきましょう。
長年予備校で教えてきた肘井先生のメソッドは洗練されており,公式テキストには「毎年毎年,奇跡的な合格を果たしている生徒たちに伝授している秘伝」として,具体的な予習・復習の手順が指示されています。
このメソッドは講座のレベルごとにやり方が違ったりしないので,レベルアップする際も大変スムーズです。
一度習慣化してしまえば後は取り組みやすいので,最初の入りだけ特に注意して頑張るようにしてください。
予習する(辞書を引いて書き込む)

肘井先生の英文読解の授業ですが,まずは30~60分(長文は1問30分と時間を決めて)かけて予習をするところから始まります。
英文の意味のまとまりごとにスラッシュを入れながら,全文の文構造に注意しながら読んでいきましょう。
ここで,前講座の関先生の「英文解釈編」では「推測力を鍛えるために辞書は最後に引く」と指示されていましたが,長文読解の段階に入るとアプローチが変わります。
テキストでは「わからない単語の意味は辞書で調べて,テキストに書き込む」よう明確に指示されています。
授業は単語の意味合わせの時間ではないため,予習段階でしっかり調べておき,辞書を引くことで記憶への定着を図ります。
また,予習の際には以下の6つも明らかにしてから講義を視聴するようにしてください↓
- 前置詞の作るカタマリ
- 接続詞(and, but, or)が繋ぐもの
- 代名詞や指示語(it, they, this)の内容
- 関係詞節の範囲
- 不定詞の3用法
- 分詞の名詞修飾
これらはスラッシュリーディングを行う上で意識すべきものの代表例であり,授業内で毎回指摘されるポイントです。
とにかく,講義中に何を尋ねられても,自分の理解した内容をすぐに答えられる状態(=自分の精度の確認ができる状態)にしてから授業に臨むのが英文読解の講義の正しい受け方だと思っていてください。
講義を受ける(板書を取りつつ,解説の理解に集中する)

講義の受け方についても,関先生のスタイルとは明確に異なります。
肘井先生の授業では「僕が黒板に書き始めた途端に,急いでノートを取ってください」と指示されます。
役に立たない内容は板書されないため,手を動かして書いて覚えることのメリットを生かしましょう。
ただし,注意点が2つあります↓
- 本文はノートに写さない:白文がテキストの解答編にあるため,本文と同じ文への書き込みは直接テキストにガンガン行ってください。
- 全訳は書き写さない:全訳は解答に全て載っています。授業中は「どうしてこのような文構造であると解釈できるのか」という解説に集中し,わからない部分だけを書き込むようにしてください。
なお,板書が書ききれないときは動画を一時停止したり巻き戻したりすればOKです(これが映像授業の強みです)。
ところで,人間の集中力というのは1時間も2時間も続くようなものではありません。
長くやっているとパフォーマンスが落ちてくるので小休憩を挟みたいものですが,スタディサプリの講義動画はそもそも30分前後の長さにあえて短く区切られています。
それゆえ,休憩は動画の区切りで取るようにして,動画を視聴しているときは極力集中を切らないように心がけましょう。
復習する(奇跡の合格を生む秘伝)
公式テキストで「これ以上に成績を上げる方法はいまだ思いつかない」と肘井先生が断言するのが,以下の3つの復習ステップです↓
- 本文全体の構文把握:授業中の書き込みを利用し,全訳と照らし合わせて意味を取る。
- 知らない単語を全て覚える:英語→日本語の順に「3回書いて」「10回唱える」。
- 文章を10回音読する(長い文章は5回):構文を追いながら意味を頭で考える。
まずは本文と全訳を照らし合わせながら,正しく文構造が把握できていることを再確認しましょう。
解説を聞いたおかげで,予習のときには誤解していた細かいところまでが正しく読めるようになっているはずです。
復習の2番目に単語暗記を行いますが,解答ページの最後には「重要語彙リスト」なるものが用意されているので,それを使うようにしてください↓

このときの具体的な暗記方法についても肘井先生は指定しており,
- 英語→日本語の順に3回書いて覚える
- 英語→日本語の順に10回唱えて覚える
という手順を踏みます。
2,3回繰り返しただけで覚えられないと嘆かないこと。暗記に必要なのは繰り返すことであり,英語ができる子たちは人より多く繰り返しているだけです。
というメッセージの通り,地道に努力しましょう。
そして復習の最後に,書き込みのない「音読用白文」を使って音読を行います↓

具体的な音読法は,
- 解答の音読用英文で,1回読むごとに右上の数字に斜線を入れる。
- 自分なりの発音で1文目を発声する(自習室なら自分に聞こえる程度の声で)。
- 構文を追いながら,意味を頭で考える。
- これを最後まで読み,10回(長い文章は5回)繰り返す。
という流れです。
音読することで,単語が実際に使われる「生きた状態」で学べ,正確な構文力が身に付きます。
肘井先生曰く,
単語の意味が正確に出てきて,構文をすばやく取れる。それこそが速読の真の正体。
であり,英語を英語のまま理解できるようになる最強のトレーニングです。
1日1文,1週間で5文を目安に進めていけば,3ヶ月ほどで「以前より速く正確に読める」という実感が出てくる人も多いはずです。
復習テストを行う

最後にダメ押しで「復習テスト」を解いてから,次の講義へと進むようにしましょう。
最初に並ぶ単語問題は先ほどの重要語彙リストからの出題になっており,その後,授業で扱った要点を確認するための問題が続きます。
前回やった内容からの出題ですので,「必ず満点で先に進んでください」と指示されます。
満点を取れなかったら戻ってやり直すなど,厳しい姿勢で臨むようにしてください。
独りで学ぶオンライン教育だからこそ,自分の理解度を正確に把握することが大切になりますが,これだけ明確に復習のための教材が用意されている点は,スタディサプリの大きな強みです。
まとめ:読解が終わったら次は「長文演習」へ!

以上,スタディサプリから肘井学先生の教える高3英語の読解編について,学習の流れと学び方を中心にレビューしてきましたがいかがだったでしょうか。
実際に授業を受けてみると確信するのですが,スタディサプリの英語科の理念は,華やかな宣伝文句からは想像できないほど,地道で王道を行く学習スタイルを貫いていることがわかります。
英文読解では,
- 単文:構造分析による精読
- 中文:文章の論理展開を追う
- 長文:背景知識を増やす
といった3つの段階で学ぶことが大切とされますが,本講座では,着実にステップアップできるよう,予習から復習に至るまで様々な工夫が施されているのが印象的でした。
そして,予習から復習に至るまで,公式テキストで指示されている具体的なアクションは以下の通りです。
- 予習で辞書を引き,構造把握の6つのポイントを明確にする
- 授業では「板書を急いで取る(書いて覚える)」
- 全訳は書き写さない
- 単語は「3回書いて10回唱える」
- 白文を使って「10回(長いものは5回)」音読する
- 復習テストは「満点」で突破する
こうした学びやすさの背景には,短く区切られた講義構成や,肘井先生の解説の整理の上手さがあります。
そのうえで,毎日の音読を通して「前より読める」と実感できること自体が,学習継続の大きな支えになります。
スタディサプリの読解編をやり終えたら,模試や過去問でその効果をさっそく実感してみてください。
読解編で「精読・論理展開・背景知識」の武器を手に入れたら,次はいよいよ総仕上げの「長文演習編」へと進み,入試本番で通用する得点力を高めていきましょう↓
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