小学生の教育改革対策について今一度考えてみると,その対象にプログラミング教育や英語がすぐ浮かびがちですが,もっと根本的な学力に働きかけるものを見落としてはいないでしょうか。
最近YouTubeで観ていた動画の中で,芸人さんが中学1年生レベルの問題を解くという企画が催されたのですが,そこで順位がビリだった方の国語の点数は0点でした。
国語に限らず全教科の得点が低かったわけですが,その原因が「単なる知識不足によるものではない」ところが今回の話のポイントで,実は質問自体の意味をわかっていなかったわけです。
1つ例を挙げると,「特定のことわざを使った文章を書け」という出題に対してことわざの意味を書いてしまっていました。
これではどの教科もお手上げです。
もちろん,これは「つい,うっかり」の一言で済まされる程度の問題ではありません。
思考に関与する能力自体が欠けているということは,日常生活にも影響は及ぶことになるでしょう。
求められる行動が取れなかったり,空気を読めない場面が続いたりすると,特に日本社会では奇異な目で見られがちです。
そこで今回は「現代の小学生における課題と作文の重要性」についてみていきたいと思います。
現代の小学生が抱える問題点
最近の小学生がどのような課題を抱えているかですが,まさに学習指導要領で指導すべきとされる能力が欠けてしまっているように思われます。
読む力と考える力が不足している
全国学力・学習状況調査の結果から,日本の小学生は必要な情報を探し出し,自分の意見を論理立てて説明することができないことが課題とされました。
もちろん,知識問題などと比べてしまえばそもそもの難度が高いわけで,平均点は低く出るのが当たり前なのですが,それでも平均正答率が50%を切っているのは問題です。
中学生になってからも正答率は40~50%台を行き来しているので,小学生のときの読む力がそのまま成長せずに引き継がれてしまっている印象を受けます。
高校生ともなると,今度は国際的な学力調査であるPISAの結果を判断基準にすることになりますが,読解力は2022年に第3位という好成績を修めたものの,それまでは8位や圏外という結果がほとんどで,この先が安泰であるとは到底思えません。
小学生時代に特に時間を割きやすい対象としては読書があり,読み書きそろばんの記事で述べたように,月平均12~13冊程度と良好な数字が出ていますが,中学・高校と学年が上がるにつれて読書量は激減しており,これが読む力が伸びない原因の1つなのではないでしょうか。
近年は著名人のSNSに的外れなコメントを残す大人も増えているように感じられるので,読解力の低下はもはや子どもだけに限った問題ではないのでしょう。
その場合の能力に関しては別で定義されることもあるため,一度以下の記事をチェックしてみてください↓
とはいえ,それ以上に問題なのは自分の意見を述べるのが苦手な小学生が多い点です。
「国語をどうして勉強するの?」
と子どもに尋ねられたら,
「文字の持つ力を利用して,論理的に考えられるようになるからだよ。」
などとすぐに返答できなければいけません。
もちろん,文章を読めなければ考えるも何もありませんが,小学生に限定すればそこに関しては一定の成果を上げており,日ごろから考える練習をしていないから意見を言えないと考える方が自然でしょう。
もっとも,最近の学校現場ではグループワークで意見を出し合っては発表する時間が増えていると聞きます。
その結果が成果となって表に出てくるのはそう遠くない未来のことかもしれませんが,現状は,今後の動向を注意深く見守っている段階です。
主体的に学ぶ姿勢と表現力も不十分である
次に,小学生の学習指導要領にも掲げらえている「生きる力」に目を向けてみましょう!
前節の内容と重複するものもありますが,
- 主体的に学ぶ姿勢(自立性)
- 知識や情報を活用して考える力
- 自分の考えをわかりやすく伝える力(書く力)
などが,令和時代に必要な能力とされています。
今の小学生は家庭での学習習慣をいち早く身に付けては,ネットや書籍で調べ学習ができるようになることはもちろん,オンラインや通信教育を駆使しながら,多忙な毎日であっても効率良く学習していかなければなりません。
流行りの個別最適化学習においては,確かに戻り学習もしやすいですが,できる生徒はどんどん先に進んでいけるとあって,できない小学生との差はむしろ開いています。
もちろん,主体的に学べる能力は大人になってからも大切なので,子どもの普段の勉強方法に目を向けてみては,各自に合った学び方を模索するようにしてください。
続いて表現力ですが,これはアウトプット能力に分類されます。
ところで,英語という教科においてコミュニケーションが重視されていますが,英語を使う以前に何を話したり書けばよいのかが分からなければ大問題です。
その状態ではそもそも答えようがなく,表現するのに必要な英単語や文法知識が備わっていたとしても結果は変わらないでしょう。
自分の意見を持ち,それを理路整然と述べることができるからこその表現力なわけで,どちらかといえば国語という教科がメインとして扱う領域です。
このことが「小学生に英語を教えるのは速すぎる。まずは国語をしっかり学ばせなければ!」という論調に繋がったことも過去にありました。
小学生が作文を学ぶことの重要性
前章の最後では大人でも難しい話になってしまいましたが,ここまでの内容は要するに,現代の小学生は文章を正しく読み,自分の考えを他人にわかりやすく伝える練習をする必要があるということを示唆しています。
よって本章では作文を学ぶ重要性について考えてみましょう!
なお,ここで言うところの「作文」とは,「ある文章や資料に基づき,その内容を理解した上で,問われていることに文字を書いて答えること」を意味すると考えてください。
いくつかの段階を経ることになるため,想像以上に高度な知的活動となるのが作文です。
とはいえ,自分の考えは文字にすることによって明確になることが多く,出てきたものがたとえ正解でなくても考えること自体に価値があります。
最近ではマインドマップのようなテクニックを小学生に教える学校も少なくありませんし,出題する側(評価側)も,社会と自分とを関連付けて考えられているかをチェックするためだけに作文問題を活用しています。
それこそタカ派とハト派ではありませんが,きちんと説明できればどちらの立ち位置であっても構わないのです。
作文の練習を普段あまりしないまま大人になってしまうと,やれ入試や就職だと慌てたところでどうにもなりません。
しかし,苦手意識が根付く前の小学生の段階からどんどん文章を書く癖をつけておけば,定期的に自分を見つめるきっかけとなり,いずれは世の中の問題に目を向けられるくらいにまで成長を遂げてくれるでしょう。
通信教育の作文は新しいスタンダードになる
そんな作文ですが,ただ闇雲に書いてみるだけでは効果は半減してしまいます。
小学生にとってはそもそも少し早いですが,たとえSNSを日記代わりに使ってひたすら呟いてみたところで,作文の代わりにはならないでしょう。
このとき,成長の過程に合った課題を与えられ,書いたものを評価してくれる第三者の協力が必要です。
その意味で,通信教育は作文におあつらえ向きの学習形態と言えるのではないでしょうか。
お金をもらって商売している以上,サービス内容に手は抜けませんし,今や問題が起こればSNSを使ってすぐに暴露されます。
なので,メーカーは楽しく役立つ内容の教材を作り上げることに尽力していますし,添削するのは客観的な視点を持った有能な第三者です。
小学生と添削者の間にあるものはただ答案のみですから,事前情報が入り込む余地はなく,書いた文章だけをもって相手を説得しなければなりません。
もしもこれが顔見知り相手であったり,表情やジェスチャーに容易に頼れる状況だったりすれば,途端に難易度は下がってしまうでしょう。
また,書けば書くほど得意になる作文ですし,読むと書くは表裏一体の関係でもありますから,読書の時間が多く取れる小学生時代になるべく多くの経験を積んでおきたいものです。
そのときの題材としては,国語の文章に限らず,社会的な内容やグラフの読み取りなども含まれているのが理想とされ,そのすべてを満たす通信教育は確かに存在しています。
その1つが「ブンブンどりむ」であり,名前を聞いたときはピンときませんでしたが,監修が齋藤孝氏であると聞いて興味を持ちました。
ベストセラーになった「声に出して読みたい日本語」についてはすでに知っていましたし,TVで見かけることも少なくないでしょう。
詳しくはブンブンどりむの評判を分析!カリキュラムから料金までに書きましたが,この通信教育,学年は小学1年生から6年生まで対応しており,10分間であっても毎日作文に触れられるところが先の目的に適しています。
時間を決めてやらせることにだけ気を付ければ,子どもの方で後は自主的に勉強してくれるでしょうし,もちろん添削課題もあるわけで,デジタルが全盛の時代に今でも手書きで頑張っているところに好感が持てました。
まとめ
以上,昨今の教育改革と関連して,現代の小学生が抱えるとされる課題と作文の重要性についてまとめてきました。
活字を中心とした読解力の育成を基本に,自分の意見を述べるための訓練が必要で,令和時代に求められる「生きる力」や社会で必要な人財となるためにも,書く練習は小学生の時から行っておきましょう。
顔が見えない第三者による添削を備えた通信教育は作文の練習をするのにぴったりで,教材によっては,毎日の学習習慣も簡単に身に付けられます。
このときに培われた論理的思考力はプログラミング教育でも生かされますし,英作文においてはそもそも日本語でものを考えられなければ答えようもないという話をしました。
木を見て森を見ずではありませんが,子どもの将来に役立つ能力が何であるかを今一度考え,これだと思ったものがあれば,小学生のような早い段階から是非身に付けさせるように働きかけるようにしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。