AD/PR

情報モラルについて学ぼう!役立つサイトの紹介も

スマホが普及して年数が経つほどに新しいサービスが登場してくるのが世の常ですが,良い思いができる一方で問題点が指摘されることも増えてきました。

その矛先はウェブサイトにSNSやゲームアプリなどに向けられていますが,これらが存在すること自体にはあまり問題がなく,その使い方に注意を払うべきであることを忘れてはいけません。

そして,これらを利用するにあたっての心構えとなるのが「情報モラル」であり,学習指導要領によると,これは「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方や態度」と定義されています。

当記事を読むことで基本的な考え方や過去の失敗例について知り,いくつかの対処法を学ぶことで,遭遇しうる危険性に対して正しく判断できる力を身に付けましょう!

情報モラルにおける基本的な考え方

デジタル化された情報のイメージ

現在,SNS上での誹謗中傷やいじめ,またはネットやゲームに過度に依存することによる健康被害など,スマホの普及に端を発する有害性や犯罪が問題視されています。

一部の情報によると,ネット上で行われるいじめは全体の3~20%程度と少数派のように言われていますが,かといって無視してよいことにはならないでしょう。

2023年6月には,YouTubeを運営するグーグルの日本法人と,クリエイターを抱えるUUUMやカバー株式会社などからなる誹謗中傷対策検討会が設置されました(参考)し,なりすまし広告に対して有名人が対策を要請しています(参考)。

この他,文科省による学校保健統計調査では子どもの視力が低下傾向にあるとされていますし,SNSを介して第三者と接触したことで犯罪に巻き込まれることもニュースで頻繁に目にする昨今です。

とはいえ,いったん世に知れわたってしまった以上,スマホを禁止するわけにもいきません。

昔は「学校にそんなものを持ってくるな」で済んでいた話ですが,GIGAスクール構想においてはICT機器も文房具の1つとして見なされます↓

親の指導方法についても,「~してはダメ」と禁止事項を増やすようでは失敗と見なされ,子どもは陰に隠れてこそこそと使うようになっては,周りの大人に相談しない人間関係が構築されてしまうでしょう。

ゲーム機も然りで,金庫に隠したところで,あらゆる手を駆使して突破されてしまいます(そのことを知らないのは親だけだったりします)。

というわけで,むしろ積極的に使わせるようにして,賢い付き合い方を学ばせることが正解だということをまず最初に覚えておきましょう。

ChatGPTに代表される生成AIについても同様で,使用自体が禁止されることはなく,当初こそ厳しめの年齢制限が設けられましたが,近いうちに小学生ですら使用できるようになります↓

なお,今後も同じようなサービスが登場してくるわけですから,すべてに共通する仕組みや特性を学ぶことを教育の役割とすべきで,情報や道徳の授業以外であっても折に触れて情報モラル的な考えを教える必要があるわけです。

これはまもなく訪れるSociety5.0で体験することに他なりません。

実際,小学校で情報の授業はないですし,学校で生徒たちがネットとの付き合い方についてのルールを話し合って決めることも少なくありません。

また,子どもに限らず,大人でも情報モラルを身に付けていない人が多いように思われますが,幼少期にスマホが普及していなかった時代に育った人であればそれも当然なわけで,是非,スタディサプリの情報講座などを使って学んでみてください。

管理人
管理人
ちなみに,海外においては情報の授業(ComputingやComputer Scienceや実科など)が小学校の段階からあるのが普通です。

具体的に言うと,以下に関する知識を身に付けた上で,未知の場面に遭遇した際にどう対処するかを正しく判断していくことが重要になってきます↓

  • 情報発信による他人や社会への影響
  • ネット上のルールやマナーを守る意味
  • 情報には自分や他人の権利がある
  • 情報には誤ったものや危険なものがある
  • 健康を害する行動

学習指導要領をみると「自分や他人の権利を尊重し,情報社会での行動に責任が持てる」,「犯罪被害などの危険が回避できるよう,情報を正しく安全に利用できる」,「情報機器の使用が健康に与える影響について理解している」などと書かれていますが,言いたいことは同じでしょう。

ちなみに,情報モラルは学習基盤である情報活用能力に含まれるものの1つです。

これらは学校の内外に関係なく,ICTに触れる機会が増えるほどに意識できるようになるものですが,次章では関連するデータをいくつか提示してみようと思います。

また,保護者が子どものためにできることや情報モラルを学ぶのに有益なサイト紹介もしていますので参考にしてください。

 

 

子どものICT活用にまつわるデータ

ICT機器を使う子ども

子どもがICTを使うことで生じる問題としては,「健康に関わるもの」と「犯罪に関わるもの」に2分できます。

どちらも知らず知らずの間に被害にあうこともあるため,予備知識を頭に入れておくことは重要です。

まずは内閣府発表の調査結果をみてみましょう。

ここで注目すべきはインターネットの利用時間です。

10歳以上の小学生でも4割近くが自分専用のスマートフォンを持っている時代ですが,結果は平日1日あたり小学生(10歳以上)が214分,中学生が277分,高校生は345分ほどとなっていて,趣味・娯楽には全学年を平均して169分ほどの時間を費やしていることが判明しました。

毎年増加傾向にあり,令和元年と4年度のものを比べると1.5倍程度にまで増えています。

その利用目的ですが,勉強に使用することも意外と多い(7割以上)ものの,小学生は動画とゲーム,中学生は動画と検索とゲーム,高校生は動画と検索と音楽を聴くが多いのが8割以上を占めているのが特徴です。

毎日2.5時間の利用で年間の授業時間に相当することになりますが,上で見た趣味・娯楽の項目だけでも超えてしまっているので,後述する人間の特性を念頭に入れつつ,それだけの時間を費やす価値があるかどうかについてはよく考えておくべきでしょう。

スマホを使うことで,慢性的な寝不足になってしまったり相手にやり取りを強要したりするようになれば,それは依存と呼べる状態に達してしまっているので病院での治療も検討してください。

その他の健康面での対策としては,

  • 正しい姿勢で画面との距離が近くなり過ぎない
  • 連続使用時間が長くならないようにする

ことに注意してください。

また,著作権や肖像権のような権利について学び,不適切なサイトに惑わされないことが重要です。

余談ですが,数年前に親戚の1人が我が家で写真を撮りその様子をブログで公開したのですが,その際GPSがオンだったために撮影場所の位置情報が画像データに取り込まれてしまい,我が家の場所が流出しまったことがありました。

サイバーパトロールで指摘されるまでわからなかったそうですから,自分が間接的に被害にあうこともあるわけです。

あまりに鮮明な画像ですと,そこに書かれた情報から色々と特定されてしまったり,肖像権などの問題も出てきたりしますので,これまた注意しておきましょう(友達と映った画像をSNSのトップ画にする際にも許可が要ります)。

不適切サイトに対してはフィルタリングをかけること以外に,他人とのコミュニケーションにも注意しなければいけません。

次章で詳しくみていきましょう。

 

 

他人とコミュニケーションする際の注意点

複雑な表情の人たち

人間の性質を念頭に置く

言うまでもありませんが,他人とのコミュニケーションは難しいものです。

1回でも不適切な発言をしてしまえば,それは他人の心に深く刻まれ,後になって取り消すことができなくなることも少なくありません。

また,背景知識(生きてきた環境など)の違いにより,自分の常識が相手に通じなかったりしますし,相手の読む力が不足しているために,意図をくみ取ってもらえないこともあるわけです↓

言葉はその人の鏡なので,言っていることを聞いていればその人の偏見や先入観が浮かび上がってきます。

加えて,対面であれば問題にならないようなことであっても,表情が見えなくなるだけで誤解が生じやすくなるものです。

例えばビデオ会議はどうかというと,これまた雰囲気が伝わりづらくなるため,場所を共有するミーティングには及びません。

匿名性のある電子掲示板やチャットなどでは,参加している年齢はもとい,生きてきた背景もさらに雑多になります。

社会では入学試験や入社試験などもあって,ある程度同じような境遇の人が揃うところが,ネット上ではそうなっていません。

悪人もいます。

同じ組織にいる人においても難しいコミュニケーションが,顔も見えない不特定多数を相手にするのですからより難しくなるのは当然でしょう。

人間は,あえて仲間外れを作ることで自分たちの絆を確かめようとする生き物です。

また,親切心で言ったことも逆効果になったり,正義感から誹謗中傷行為に及ぶ「○○警察」などと揶揄される人も出てくるわけですから,ネットでの発言は慎重に行ってください(DMやコメント含む)。

 

情報の偏りを前提に聞く

情報は発信された時点で何らかの意図が含まれるのが自然です。

ニュースのインタビューを行う際には,質問者が望む答えを切り取って使うこともあります。

加えて,情報は伝言ゲームのように,多くの人を介するごとに信ぴょう性が低くなっていくものです。

なお,私は,特定の政治家を痛烈に批判する人に出会った際,「それでは,その人の良いところを挙げてみてください」と聞いてみることにしています。

それで何一つ答えられないようであれば,その人の発言に説得力はないでしょう。

悪しかなさない政治家はいないわけですし,悪を語るには善を知らなければなりません。

この他,根拠について調べ直したり,事実と推測と感想とを区別できるようにクリティカルシンキングができたりすると効果的です。

世の中について懐疑的になることは重要だと思います。

その一方で,気持ちに余裕を持っておくことでコミュニケーションで嫌な思いをすることは少なくなるでしょう。

揚げ足を取って誰にでも噛みつくのではなく,万人にやさしく接することができると理想的です。

この他,以下のような現象も知られています↓

  • フィルターバブル:見たくない情報を遮断し,個別最適化された結果だけが表示される
  • エコーチェンバー:SNSなどの限られた世界で自分に共感する意見だけが集まること

これらは,強く意識しておかないと自分の意見が偏っていたり孤立していることに気づけなくなってしまうので,YouTubeやヤフーのコメントなどにおいても同様の注意が必要です。

 

 

親が子どものためにできること

母親と子ども

続いて,親が子どもにできる指導について考えてみましょう。

子どもに接する態度を工夫する

親が子どもに接する時間は多いので,家庭における立ち振る舞いは大きな影響を及ぼすものです。

ここでは4つの工夫を紹介したいと思います↓

  1. 会話の話題に挙げる:ネットの良い点や悪い点を伝えるようにしますが,情報モラルについては親が勤務する会社においても取り上げられることが多いでしょうから,親子がともに学んでいけると良いです。
  2. 言い方を工夫する:先述したように,「~してはダメ」というのではなく「~しよう」という口調を中心に,具体的な理由も添えて説くようにしましょう。反対はするのに,代替案を一切出さない人にならないことです。先述のように,禁止事項を作らないことで,子が親に相談しやすい環境づくりができます。
  3. 子どもに関心を持つ:子どもが使っているSNSを無理のない範囲で一緒にやってみるなど,親が子に寄り添うことも重要です。
  4. 家庭でのルールを決める:ICTと上手く付き合えている家庭をみると,勝手に物を買わない,名前や住所を載せない,夜11時を過ぎたら部屋に持ち込まないなどの決まりを作っているところが目立ちます。ちなみに,小学生では8割を超える家庭でルールを決めていて,中学生だと7割,高校生になると5割弱というのが,先ほどの内閣府による調査結果でした。

 

フィルタリングを利用する

各携帯会社が提供するように義務付けられているのがフィルタリングサービスなのですが,その存在についてはご存じでしょうか。

警察庁発表のフィルタリングを利用していてSNS関連の被害にあった児童の使用割合が1割ちょっとなのですから,被害に遭う確率を低くしてくれていることは確かです(参考)。

種類としては,特定のリストにあるサイトへのアクセスを禁止する「ブラックリスト方式」の他,リスト内のURLだけにアクセスが可能な「ホワイトリスト方式」の2つがあります。

ちなみに,フィルタリングを解除するタイミングで事件に巻き込まれる子どもが多いので,変遷期には特に注意が必要です。

総務省のアンケートによると,解除時期で1番多いのが高校1年生,そして2番目に多いのが中学1年生だとされていました。

フィルタリングに似たものとしてペアレンタルコントロールがありますが,これは子どもがアクセスできるサイトやアプリなどを親が管理できるものとなり,身近なものだとゲーム機の機能として備わっているものが有名です。

 

万一のときの選択肢を増やす

被害にあったときは証拠を押さえることが一番で,匿名のサービスであっても,犯罪となれば加害者を特定することができます。

メールであれば削除せず,書き込みについては消されてしまわぬようにスクリーンショットで撮っておくのがおすすめです。

もちろん,各方面に相談するのも良い方法でしょう。

いじめや家庭内の問題に悩んでいる子どもであっても,文部科学省の24時間子どもSOSダイヤルや法務省による子どもの人権110番が利用できます。

前者はいつでも電話がかけられる点が,後者はLINEやメールなどでも相談できる点がユニークです。

 

 

情報モラルを学ぶのに役立つサイト

文化庁による著作権を学ぶ教材の例

ここまでに学んできた内容ですが,私自身,これまでに色々なサイトを読みながら理解してきたものだったりします。

そこで,本章では家庭で情報モラルを教える際に役立つページをいくつか紹介しますので,興味があるものがあれば,各自で学びを深めるようにしてください↓

日本教育情報科振興会のページ

ネット社会の歩き方では,動画形式の教材から,イラスト教材,シミュレーション教材,そして冊子教材までが揃っていて,幼児を相手にしても利用することが可能です。

図鑑のように詳しく調べられるものもあれば,マンガを読む感覚で最近の事例について理解を深めたり動画で学んだりすることもできます。

冊子教材にあるコンセンサスゲームは,クリティカルシンキングを育むために使うのが良いでしょう。

文化庁のページ

著作権について学ぶなら文化庁のページがおすすめです。

Web教材は小中高生用のものが揃っているので,簡単に学ぶ目的で利用しやすく,より詳しい内容は著作権テキストで学習できます。

東京都教育委員会のページ

GIGAワークブックとうきょうでは,ワークブック形式で情報活用力をアップさせることが可能です。

大変詳しい内容で,チェックリストやグループワークができるように空欄交じりの教材がダウンロードできるのですが,複数人が意見を出し合いながら学ぶものなので答えは掲載されていません。

法務省のページ

大人の道しるべでは,その名の通り,成人になるにあたって役立つ内容(お酒やクレジットカードや少年法など)を中心に学ぶことができます。

簡単なマンガを読んで理解を深めたら,クイズを解いて解説を読むことで理解を深めましょう。

同じ法務省の作成したもので人権について学べるページもあります。

文科省のページ

情報科社会の新たな問題を考えるための教材ということですが,作りこまれたYouTube動画が新鮮です。

対象年齢が小1から中学1年生までと低年齢寄りなものの,数分間の動画は解説付きで問題点がわかりやすく気軽に観ることができます。

総務省のページ

インターネットトラブル事例集は,「ネットで親身になってくれた相談相手に会いたい」などの具体的な事例ごとに解説してあるのが特徴です。

全部で16個と学びやすく,よくある質問からはリンクを辿ることでより知識を深めていけます。

警察庁のページ

性的な犯罪に対しては,警察庁のページから啓発資料を読んでみてください。

 

 

まとめ

以上,情報モラルについて大切な事柄をまとめてきましたが,何かしらの学びがあれば幸いです。

情報は正しく活用すれば,日々の生活をより充実したものへと変えてくれます。

多才なクリエイターが作った動画は多くの学びを含んでいますし,色々な人とコミュニケーションをすることは楽しいものです(実際,今の小中高生が1日の自由時間の多くをインターネットに費やすと聞かされたときも私は驚きませんでした)。

しかしその一方で,知らず知らずのうちに誰かを傷つけたり,犯罪に巻き込まれてたりする危険性もあるわけで,情報モラルを学ぶことなしに好き勝手に使うことは大変危険です。

多人数で弱者を責め立てるのは人間の特性ですし,責任の所在を他人に擦り付けることは昔から行われていることでしょうから,匿名という群れの中に逃げ隠れて,こちらに悪意を向けてくる人間が出てきてもおかしくありません。

もちろん,悪いことをする人がいなくなる世界を実現することが理想なのですが,今日もメールボックスにたくさんの詐欺まがいのメールが届いていたのを見るに,残念ながらこの先は険しいように感じています。

みなさまには本記事の内容や紹介したサイトをもとに,情報モラルについての知識を充実させていただき,それでも扱いに困るような際には,「これは自分の成長や他人の幸せに繋がるのか」を基準に,自分なりのルールを持って付き合っていただけたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人
blank

スタディサイトの管理人

通信教育の添削や採点業務に加え,塾や家庭教師を含めた指導歴は20年以上になります。東大で修士号を取得したのははるか昔のことですが,教授から「ここ数年で一番の秀才」と評されたことは今でも私の心の支えです。小学生から高校生にまで通ずる勉強法を考案しつつ,気に入って使っているスタディサプリのユーザー歴は6年を超えました。オンラインでのやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです!

-教育改革