スマホが普及した今,年数が経つほどに新しいサービスが登場してくるのが世の常となりましたが,良い思いができる一方で問題点が指摘されることも増えてきました。
その矛先はウェブサイトやSNSやゲームアプリなどに向けられがちですが,これらが存在すること自体は悪ではなく,その使い方が問題となっていることを忘れてはいけません。
そして,これらを利用するにあたっての心構えとなるのが「情報モラル」であり,学習指導要領によると,これは「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方や態度」と定義されています。
武器になり得る包丁や工具が許されているのも,使用者の善悪の基準がちゃんとしているからです。
当記事を読むことで情報モラルの基本的な考え方や過去の失敗例を知り,いくつかの対処法を学ぶことで,遭遇し得る危険性に対して正しく判断できる力を身に付けましょう。
小中学生に必要な「情報の勉強法」とは
現在,SNS上での誹謗中傷やいじめ,ネットやゲームに過度に依存することによる健康被害など,スマホの普及に端を発する事件が問題視されています。
2023年6月には,クリエイターエコノミー協会がUUUM・ANYCOLOR・カバー・グーグル合同会社・noteと有識者の山口真一氏で構成される誹謗中傷対策検討会を設置しました。
なりすまし広告に対して有名人が対策を要請したことも記憶に新しいです。
この他,文科省による学校保健統計調査では子どもの視力が低下傾向にあるとされ,SNSを介して第三者と接触したことがきっかけで犯罪に巻き込まれる事件も今なおニュースで頻繁に目にします。
とはいえ,いったん世に知れわたってしまった以上,スマホを禁止するわけにもいきません。
昔は,
学校にそんなものを持ってくるな!
と一喝されて済んでいた話ですが,GIGAスクール構想においてはICT機器も文房具の1つとして見なされます。
「情報の勉強」と聞くと,どうしてもプログラミング教育が真っ先に頭に浮かびがちですが,実際は情報に関する知識,つまり情報モラルを学ぶことも同じくらい重要で,それがまさに小中学生に求められていることです。
情報モラルはスマホ禁止ではなく使い方を学ぶこと
情報モラルで身に付けたい5つの知識
子どもに限らず,情報モラルを身に付けていない大人も多いように思われますが,幼少期にスマホが普及していなかった時代に育った人であればそれも当然なわけです。
しかし,海外においては,情報の授業(ComputingやComputer Scienceなど)が小学校の段階からあるのが普通であり,最近の日本でも,早い段階から情報活用能力を育てる流れが強まっています。
具体的に言うと,以下の5つに関する知識を身に付けた上で,未知の場面に遭遇した際にどう対処するかを正しく判断していくことが重要になってきます。
- 情報発信による他人や社会への影響
- ネット上のルールやマナーを守る意味
- 情報には自分や他人の権利がある
- 情報には誤ったものや危険なものがある
- 健康を害する行動
情報モラルを構成する「5つの知識」
他者・社会への影響
自分の発信が,周囲やネット社会にどう広がっていくかを想像する力。
ルールとマナー
ネット独特のルールを理解し,互いに気持ちよく使うための礼儀。
自分と他人の権利
著作権や肖像権,個人情報など,守られるべき権利への正しい認識。
情報の安全・信ぴょう性
ネット上の誤ったデマや,詐欺などの危険を見極めて回避する対策。
健康への配慮
長時間の使用による視力低下や睡眠不足,依存を防ぐコントロール力。
学習指導要領をみると「自分や他人の権利を尊重し,情報社会での行動に責任が持てる」「犯罪被害などの危険が回避できるよう,情報を正しく安全に利用できる」「情報機器の使用が健康に与える影響について理解している」などと書かれていますが,言いたいことは同じです。
これらは学校の内外に関係なく,ICTに触れる機会が増えるほどに意識するようになるものですが,後の章では関連するデータをいくつか提示してみようと思います。
また,保護者が子どものためにできることや情報モラルを学ぶのに有益なサイト紹介もしていますので参考にしてください。
スマホやゲームを隠れて使わせないために
親の指導方法についても「~してはダメ」と禁止事項を増やすものは失敗と見なされ,子どもは陰に隠れてこっそり使うようになり,周りの大人に相談しない人間関係が構築されてしまうことが判明しています。
スマホやゲーム機も然りで,金庫に厳重に隠そうとパスコードでロックしたところで,子どもはありとあらゆる手を駆使して突破するでしょう(その事実を知らないのは親だけだったりします)。
というわけで,むしろそういうものは積極的に使わせるようにして,賢い付き合い方を学ばせることが正解です。
スマホ・SNS・ゲームと上手に付き合うルール
子どもがICTを使うことで生じる問題は,「健康に関わるもの」と「犯罪に関わるもの」に二分できます。
両者とも知らず知らずの間に被害にあってしまうことが少なくないため,予備知識を頭に入れておくことは重要です。
まずは,青少年のインターネット利用環境実態調査をみてみましょう。
ここで注目すべきはインターネットの利用時間です。
10歳以上の小学生でも7割近くが自分専用のスマートフォンを持っている時代ですが,結果は平日1日あたり小学生(10歳以上)が3時間以上,中学生が5時間以上,高校生は6時間以上となっていて,趣味・娯楽に全学年を平均して3時間以上を費やしていることが判明しました(令和6年度分)。
毎年増加傾向にあり,令和元年のものと比べて1.5倍以上に増えています。
その利用目的ですが,勉強に使うことも意外と多い(7割以上)ものの,小学生は動画とゲーム,中学生は動画と検索とゲーム,高校生は動画と検索と音楽を聴くが約9割を占めている状況です。
スマホを毎日2.5時間使うと年間の授業時間に相当しますが,上でみた趣味・娯楽の項目だけでも超えてしまっているので,後述する人間の特性を念頭に入れつつ,それだけの時間を費やす価値があるかどうかをよく考えるようにしましょう。
なお,健康面での対策としては,
- 正しい姿勢で画面との距離が近くなり過ぎない
- 連続使用時間が長くならないようにする
ことに注意する必要があります。
以下では犯罪予防につながるルールを中心にみていきましょう。
ネット上のコミュニケーションで気をつけること
言うまでもありませんが,他人とのコミュニケーションは難しいものです。
1回でも不適切な発言をしてしまえば,それは他人の心に深く刻まれ,後になって取り消せなくなることも少なくありません。
また,背景知識(生きてきた環境など)の違いにより,自分の常識が相手に通じないことがある他,相手の読む力が不足しているがために,こちらの意図を正しくくみ取ってもらえないこともあるわけです↓
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言葉はその人自身を表す鏡なので,発言内容を分析すればその人の偏見や先入観が浮かび上がってきます。
加えて,対面であれば問題にならないようなことであっても,表情が見えなくなるだけで誤解が生じやすくなるもので,ビデオ会議では雰囲気が伝わりづらくなるため,場所を共有するミーティングに及ばないとされるほどです。
匿名性のある電子掲示板やチャットなどでは,参加している年齢はもとより,生きてきた背景もさらに雑多なものになります。
社会では入学試験や入社試験などもあって,ある程度同じような境遇の人が揃うはずのところが,ネット上ではそうなっていません。
中には,悪意を持って近づいてくる人もいます。
同じ組織にいる人においても難しいコミュニケーションが,顔も見えない不特定多数を相手にするのですからより難しくなるのは当然でしょう。
人は集団の中で,無意識に仲間外れを作ったり,同じ意見の人だけで固まったりすることがあります。
また,親切心で言ったことも逆効果になったり,正義感から誹謗中傷行為に及ぶ「○○警察」などと揶揄される人も出てくるわけですから,ネットでの発言は慎重に行ってください(DMやコメントを含む)。
情報の偏りを前提に読む
情報は発信された時点で何らかの意図が含まれるのが普通です。
ニュース会社がインタビューを行う際は,企画側が望む答えを切り取って使うこともあります。
加えて,情報は伝言ゲームのように,多くの人を介するごとに信ぴょう性が低くなっていくものです。
ある人や出来事について一方的な批判だけを見たときは,反対側の意見や一次情報も確認するようにしてください。
この他,根拠について調べ直したり,事実と推測と感想とを区別できるようにクリティカルシンキングができたりすると効果的です。
世の中について懐疑的になることは今の時代も重要だと思います。
その一方で,気持ちに余裕を持つことができると,コミュニケーションで嫌な思いをすることは少なくなるでしょう。
揚げ足を取って誰にでも噛みつくのではなく,万人にやさしく接することができるのが理想です。
この他,以下のような現象も知られています。
- フィルターバブル:アルゴリズムが利用者の好みを推測し,見たい情報が優先的に表示される結果,異なる意見に触れにくくなる現象
- エコーチェンバー:SNSなどの限られた世界で自分に共感する意見だけが集まること
これらは,強く意識しておかないと自分の意見が偏っていて孤立していることに気づけなくなってしまうので,YouTubeやヤフーのコメントなどを閲覧する際にも同様の注意が必要です。
個人情報・写真・位置情報を守る
加えて,著作権や肖像権のような権利について学び,不適切なサイトに惑わされないようになることが重要です。
余談ですが,数年前に親戚の一人が我が家で写真を撮り,私の知らないところでその様子をブログで公開していたのですが,その際,GPSがオンになっていたために撮影場所の位置情報が画像データに取り込まれており,自宅の場所が流出してしまったことがありました。
親戚は,「ネットを見ていた第三者に指摘されるまでわからなかった」と言いますから,自分が間接的に被害に遭うこともあるわけです。
あまりに鮮明な画像ですと,そこから色々と特定されてしまったり肖像権の問題が出てきたりもするので,これまた注意しておきましょう。
実際,瞳に映り込んだ景色から自宅が特定された例がありました。
また,友達と映った画像をSNSに使用する際はひと声かけるのがマナーです。
できる対策として,不適切サイトに対してはフィルタリングをかけることに加え,見ず知らずの相手とのやり取りには注意しましょう。
プログラミング的思考は情報Iの準備になる
情報モラルについて学ぶのと並行して,プログラミング的思考も学んでいきましょう。
小学生はブロック型プログラミングから始める
小学生のプログラミング教育では,いきなり難しい英数字のコードを書くわけではありません。
中心になるのは,マウスやタッチ操作で命令のブロックを組み合わせる「ブロック型プログラミング」です。
たとえば,キャラクターを画面上で動かすだけでも,「前に進む」「向きを変える」「同じ動きをくり返す」といった命令を,正しい順番で並べる必要があります。
ここで育つのが,プログラミング的思考です↓

目的を決め,必要な動きを分け,順番を考え,うまくいかなければ原因を探して直す。
この流れは,算数や理科だけでなく,高校で学ぶ情報Iのプログラミングやデータ活用にもつながります。
算数や理科の理解にもつながる
プログラミング的思考は,情報の授業だけで使うものではありません。
たとえば,算数で正三角形や正六角形を描く場合,ただ形を覚えるだけでなく,「何度回転すればよいか」「同じ動きを何回くり返せばよいか」を考える必要があります。
正三角形を描くときに,内角の60度だけを見て命令してもうまくいかず,実際には外側に何度向きを変えるかをよく考える必要があります↓

理科でも同じです。
モーターやセンサーの仕組みを扱うとき,どの条件で動き出すのか,どのタイミングで止まるのかを考えることで,単なる暗記ではなく,仕組みを順序立てて理解できるようになります。
つまり,小学生のプログラミング教育は,プログラマーになるためだけの学習ではないわけです。
算数や理科で学んだ内容を,実際に動かして確かめるための道具でもあります。
中学生は技術・家庭(技術分野)で情報技術を一段深く学ぶ
大学入試へつながる情報の学び
プログラミング的思考の土台
ブロック型プログラミング(視覚的な操作)
🎯 目的を決める・動きを分ける・順番を考える・試して直す経験
情報技術の深化と仕組みの理解
センサーを用いた計測・制御,双方向性のあるコンテンツの作成
🎯 小学校の経験を土台に「反復・分岐・計測・制御」を深く学ぶ
情報I(プログラミング・データ活用)
単なる用語暗記ではない「仕組みの根本理解」とアルゴリズムの習得
🎯 共通テストおよび国公立・私立大の一般入試に対応する武器へ
中学生になると,技術・家庭の技術分野で,小学校よりも一段深い情報技術を学びます。
小学校では,ブロックを並べてキャラクターを動かすような体験が中心でした。
一方,中学校では,センサーを使った計測・制御や,ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツなど,より現実の情報技術に近い内容を扱うようになります。
たとえば,明るさを感知して動きを変えるロボットや,入力内容に応じて表示が変わる簡単なコンテンツなどを考えるとわかりやすいでしょう。
ここで大切なのは,単にプログラムを完成させることではありません。
身近な情報技術が生活や社会にどのような影響を与えているのかを考え,仕組みを理解し,よりよい使い方を工夫することです。
加えて,小学校で育てた「目的を決める」「動きを分ける」「順番を考える」「試して直す」という経験は,中学校で反復・分岐・計測・制御を学ぶときの土台になります。
こうした積み重ねが,高校で学ぶ情報Iのプログラミングやデータ活用につながっていきます。
家庭でできる情報モラルとプログラミング学習
続いて,親が子どもにできる指導について考えてみましょう。
親子でルールを決める
親が子どもに接する時間は多いので,家庭における立ち振る舞いは大きな影響を及ぼします。
ここでは4つの工夫を紹介したいと思います。
情報モラルは「禁止」から「自立」へ
✕ 一方的な禁止(失敗例)
- スマホやゲームを厳重に隠す
- 「~してはダメ」と制限を増やす
【結果】隠れて使い,親に相談しなくなる
◯ 賢い付き合い方(成功例)
- 積極的に使わせてルールを学ぶ
- 「~しよう」と具体的な理由を添える
【結果】トラブル時にすぐ相談できる関係へ
- 会話の話題に挙げる
- 言い方を工夫する
- 子どもに関心を持つ
- 家庭でのルールを決める
まずはネットの良い点や悪い点を伝えるようにしますが,情報モラルについては親が勤務する会社においても取り上げられることが多いでしょうから,親子がともに学んでいけると良いです。
2つ目ですが,先述したように「~してはダメ」というのではなく「~しよう」という口調を中心に,具体的な理由も添えて説明するようにしましょう。
禁止事項を作らないことで,子が親に相談しやすい環境づくりができます。
3つ目として,子どもが使っているSNSを無理のない範囲で一緒にやってみるなど,親が子に寄り添うことも重要です。
最後はルール決めですが,私の指導経験上,ICTと上手く付き合えている家庭をみると,「勝手に物を買わない」「名前や住所を載せない」「夜11時を過ぎたら部屋に持ち込まない」などの決まりを作っているところが目立っていました。
ちなみに先の調査結果によれば,小学生では8割を超える家庭がマイルールを決めていて,中学生も8割以上,高校生でも6割強です。
フィルタリングとペアレンタルコントロールを使う
各携帯会社が提供するように義務付けられているのがフィルタリングサービスなのですが,その存在についてはご存じでしょうか。
警察庁の発表によると,SNS関連の被害にあった児童のうち,フィルタリングを使っていた子はわずか1割程度でした。
導入することで被害に遭う確率が下がるといえます(参考)。
種類としては,特定のリストにあるサイトへのアクセスを禁止する「ブラックリスト方式」の他,リスト内のURLだけにアクセスが可能な「ホワイトリスト方式」の2つがあります。
ちなみに,フィルタリングを解除するタイミングで事件に巻き込まれる子どもが多いので,変遷期には特に注意が必要です。
総務省のアンケートによると,解除時期で1番多いのが高校1年生,そして2番目に多いのが中学1年生でした。
フィルタリングに似たものとしてペアレンタルコントロールがありますが,これは子どもがアクセスできるサイトやアプリなどを親が管理できるもので,身近なものだとゲーム機の機能として備わっているものが有名です。
万一のときの選択肢を増やす
被害にあったときは証拠を押さえることが一番で,匿名のサービスであっても,犯罪となれば加害者を特定することができます。
メールであれば削除せず,書き込みについては消されてしまわぬようにスクリーンショットで撮っておくのがおすすめです。
もちろん,各方面に相談するのも良い方法でしょう。
いじめや家庭内の問題に悩んでいる子どもであっても,文部科学省の24時間子どもSOSダイヤルや法務省による子どもの人権110番が利用できます。
前者はいつでも電話がかけられるところが,後者はLINEやメールなどでも相談できる点がユニークです。
ブロック型プログラミングを体験する
家庭でプログラミングを学ぶ場合,最初から本格的なコードを書く必要はありません。
小学生であれば,命令のブロックを並べてキャラクターを動かすような教材から始めるだけで十分です。
大切なのは,完成した作品の見た目よりも,うまくいかなかったときに「どの命令が原因なのか」「順番を変えるとどうなるのか」「くり返しを使えば短くできないか」と考えることです。
プログラミングは,一度で正解を出す勉強ではありません。
試して,失敗して,原因を探して,少しずつ直す勉強です。
この試行錯誤の経験が,算数の文章題,理科の実験,さらには高校情報Iのアルゴリズム理解にもつながります。
保護者が横で見る場合も,すぐに答えを教えるより,
どこまではうまく動いた?
次に変えるならどのブロック?
と声をかける方が効果的です。
正解を覚えさせるのではなく,考え方を育てる。
これが,小中学生のプログラミング学習で最も大切なポイントです。
生成AIを学習アシスタントとして使う
ChatGPTに代表される生成AIサービスは,年齢制限を確認したうえで,対象年齢に達している場合は,保護者の同意と見守りのもとで利用することができます。
ChatGPTは13歳以上が対象で,13〜17歳は保護者の同意が前提です(13歳未満は利用できません)。サービスごとに年齢制限は異なるので,使う前に必ず規約を確認しましょう。
今後も同じようなサービスが登場してくるでしょうから,すべてに共通する仕組みや特性を学ばせることを意識すべきです。
情報や道徳の時間に限らず,折に触れて情報モラル的な考えを教える必要があります。
保護者の管理下で,わからない言葉を聞く・要約してもらう・考えを整理する補助として使いましょう。
情報モラルを学べる公的サイト・教材

ここまでに学んできた内容ですが,様々なサイトを通して学ぶことができます。
そこで,本章では家庭で情報モラルを教える際に役立つページをいくつか紹介します。
興味があるものがあれば,各自で学びを深めるようにしてください↓
ネット社会の歩き方では,動画形式の教材から,イラスト教材,シミュレーション教材,そして冊子教材までが揃っていて,幼児を相手にしても利用することが可能です。
図鑑のように詳しく調べられるものもあれば,マンガを読む感覚で最近の事例について理解を深めたり動画で学んだりすることもできます。
冊子教材にあるコンセンサスゲームは,クリティカルシンキングを育むために使うのが良いでしょう。
GIGAワークブックとうきょうでは,ワークブック形式で情報活用力をアップさせることが可能です。
大変詳しい内容で,チェックリストやグループワークができるように空欄交じりの教材がダウンロードできるのですが,複数人が意見を出し合いながら学ぶものなので答えは掲載されていません。
大人の道しるべでは,その名の通り,成人になるにあたって役立つ内容(お酒やクレジットカードや少年法など)を中心に学ぶことができます。
簡単なマンガを読んで理解を深めたら,クイズを解いて解説を読むことで理解を深めましょう。
同じ法務省の作成したもので人権について学べるページもあります。
情報化社会の新たな問題を考えるための教材ということですが,作りこまれたYouTube動画が新鮮です。
対象年齢が小1から中学1年生までと低年齢寄りなものの,数分間の動画は解説付きで問題点がわかりやすく気軽に観ることができます。
インターネットトラブル事例集は,「ネットで親身になってくれた相談相手に会いたい」などの具体的な事例ごとに解説してあるのが特徴です。
全部で16個と学びやすく,よくある質問からはリンクを辿ることでより知識を深めていけます。
性的な犯罪に対しては,警察庁のページから啓発資料を読んでみてください。
高校の情報Iにつなげるために大切なこと
高校では情報Iの授業でプログラミング教育を行います。
以下が学習内容ですが,赤字に注目してください↓
情報Iの学習内容
- 第1章:情報社会の問題解決
- 第2章:コミュニケーションと情報デザイン
- 第3章:コンピュータとプログラミング
- 第4章:情報通信ネットワークとデータの活用
もうお気づきだと思いますが,小中学生の段階で大切なことは,情報Iの内容を先取りして完璧に覚えることではありません。
スマホやSNSを安全に使う情報モラル,情報の正しさを疑う読み方,ブロック型プログラミングを通じた試行錯誤,そして生成AIを丸投げではなく学習アシスタントとして使う姿勢。
これらを少しずつ身につけておくことで,高校で情報Iを学ぶときに,単なる用語暗記ではなく「仕組みを理解する教科」として受け止めやすくなります。
まとめ
小中学生にとっての情報の勉強法は,スマホやSNSを禁止することではありません。
情報を安全に使い,自分や他人の権利を守り,必要な情報を見極め,目的に合わせてICTを活用できるようになることです。
その土台になるのが情報モラルであり,物事を順序立てて考える力を育てるのがプログラミング的思考です。
動画やゲーム,SNSには楽しい面がたくさんあります。
一方で,時間の使いすぎ,誹謗中傷,個人情報の流出,知らない人との接触,情報の偏りといった危険もあります。
だからこそ,家庭でルールを決め,困ったときに相談できる関係を作り,公的な教材やフィルタリングも活用しながら,少しずつ情報との付き合い方を学んでいきましょう。
小中学生のうちに,情報モラルとプログラミング的思考を育てておけば,高校で情報Iを学ぶときにも大きな助けになります。
情報をただ消費するだけでなく,自分の学びや生活をよりよくするために使う。
その姿勢こそが,これからの時代に必要な「情報の勉強法」です。

