今回は,2023年夏にリリースされたスタディサプリENGLISH for KIDSの「特徴」についてまとめてみることにしましょう!
スタディサプリの歴史的にみれば,ここに来て初めて幼児をメイン対象とした講座が登場したことになり,生成AIなどの新技術が登場してきているこの時代において新しいスタンダードになれるのかどうか,今後が楽しみです(小中高校生向けの講座に関しては業界の常識を十分に変えてくれました)。
さて,3~8歳に向けた教材としては「夢中になって楽しく学んでくれること」が重要な判断基準となっていて,そこにさらに「ゴールデンエイジ(何かを習得するのに最適となるタイミング)」の問題も加わってくるわけですから,より厳しい目でもって評価していかなければなりません。
スタディサイトの見解としましては,スタディサプリENGLISH for KIDSの最大の特徴は「英語の音に対する感覚が自然と身に付くところ」にあると考えています。
しかしそれは,本アプリに楽しさや続けやすさを提供する工夫がなされているからこそ実現されるわけであって,より下位の特徴が複数集まって,上述した1つの特徴を生み出しているわけです。
ちょっと難しい話になってきましたが,要するに,for KIDSがどのような特徴でもって子どもが英語に慣れ親しむことを可能にしているかについて分析してみたいと思います。
完成度の高いストーリーに夢中になれる
スタディサプリENGLISH for KIDSの特徴として,ストーリーの完成度の高さが挙げられます。
ただ内容が面白いだけではありません。
それこそ,展開が読めなかったり,感動したり強くなれたり,ただただ明るい気持ちになれたりする他,時には
なんだこれ,変なの
といった感想を持てたりすることも,夢中になれるストーリーには必要なことです。
Journeyが船で世界中を冒険する設定で,場面は火山の島から雲の島へ,氷の島から機械の島へなどと大きく展開していきます。
加えて,是非とも注目していただきたいのがBGMで,島ごとにその特徴を捉えた曲が毎回変わる熱の入れようです。
英語とは直接の関係はないと思われるかもしれませんが,子ども向けの教材で奇妙なBGMが使われているものを私はこれまでにいくつも目にしてきました。
教材の内容が良かったとしても,音に違和感があると台無しです(銀行でパンク音楽がかかっているとか,飛行機の機内でホラー音楽が流れていることを想像してみてください)。
これは登場人物に関しても同様で,変なキャラクターや語り手が出てきてしまうと,たちまち子どもの興味は削がれてしまいます。
作画や画質といった話にも通じるように思いますが,苦手な作画のアニメだったり低画質のドラマを観たりするのは辛いものでしょう。
意外と子どもの方が画面の色や明るさに敏感なようです。

もちろん,スタディサプリENGLISH for KIDSに出てくる音や人物をどのように感じるかは人それぞれだと思うので,無料体験している子どもに「どう?面白い?」などと必ず尋ねるようにしてください。
なお,私が気に入ったストーリーに以下のようなものがあります↓
電車に乗り遅れそうになり,急ぐJourneyでしたが,いざ乗車しようと思った際にさらなる不幸が彼を襲います。確かにポケットに入れたはずのチケットがどこにも見当たらないのです。しかしそんなJourneyに向かって運転手さんは次のように声をかけます。「OK, I believe you. Get on the train. All abord!」と。(出典:STAGE11-7「いそげ!いそげ!」)
実際,この話のオチは別のところにあるのですが,この運転手さんに格好良さを感じ取った子どもが大人になった時,同じような状況で困っている人に優しくできるようになるのだと思うわけです。
なんとも夢のある話ではないでしょうか。
ちなみにこのストーリーでは,電車の「ガタンゴトン」や汽笛のような効果音もふんだんに使われていました。
英語表現的には,子どもはおろか,大人であっても上の「All aboard!(ご乗車の方はお急ぎください!)」などは聴き取れないかもしれません。
別の話においても,weasel(イタチ)やbeak(くちばし),swim ring(浮き輪)にladybug(テントウムシ)といった単語などが登場してきます。
日本に存在する子ども向けの教材と比べると,難易度は対象年齢をはるかに超えていそうなレベルですが,だからこそリアルさが際立ち,ストーリーが魅力的になるわけです。
そんなとき,子どもの様子を観察してみてください。
きまって一生懸命聞き取ろうとしていることでしょう。
私は,このときの姿勢こそが英語の音感覚を磨くことに繋がるものであると信じています。
そんなfor KIDSのストーリーについて詳しくは以下の記事をどうぞ↓
ゲームや歌で英語の魅力に気づける
繰り返しになりますが,スタディサプリENGLISH for KIDSが対象としているのは幼児から小学校低学年までです。
私は職業柄,30年くらい前から小学1年生に英語教育を施してきた私立校について多くを知っていますが,そこでの教え方は独特なもので,中学校で初めて英語の授業を受けた世代の大人が考える「英語の勉強」とは様子が異なります。
1つ紹介すると,できるだけ多くの感覚を使って学ぶようにしているところが挙げられ,音や色を使って目や耳に訴えかけたり,身体を大きく動かしてみたり声に出して歌ったりすることで,教育効果をより高めることに成功しているわけです。
紙のテキストをただ読むだけでは音感覚は育ちません(もちろん,実際のところは音読してみたり,文字を書いてみたり,色を塗ってみたりなどの作業もありますが)。
思えば,スタディサプリENGLISH for KIDSは,英語を遊びの手段として使い,何かをさせることばかりです。
前章で紹介したストーリーも,主な目的は重要表現を学ばせることでしょうが,無理矢理に勉強をさせられている感じはしません。
そして極めつけが全9種類のゲームで,失敗することはあっても,採点されることやテストの点を競わせられることと比べれば,取り組みやすさは雲泥の差です↓
大人の私からすれば内容的には物足りなかったですが,子どもにとっては良い難易度と感じられるかもしれませんし,ある程度の余裕が持てるからこそ,ストレスをため込まずに楽しめるのでしょう。
接待プレーとでも言いましょうか,余裕があるおかげで,肝心の英語の音の方に気を配れるというものです。
下に印象に残ったゲームを紹介します↓
管理人のおすすめ
あっち こっち きゃっち
こえで まねまね おんすてーじ
めいれい めいろ
「あっちこっちキャッチ」はスマホを傾けて遊ぶのが楽しく,意外と難易度が高くて楽しめました。
2つ目の「声で真似真似オンステージ」は発声することになる回数が多めで,素早く英語の音を言えるようになります。
最後の「命令迷路」は道案内に通じるところが有用でした。
for KIDSにはゲーム以外に歌動画もあり,そこではナーサリーライム(Nursery Rhymes)を中心に選曲されてきています。
ナーサリーライムとは,何かを覚えやすくする意図を持った歌のことを意味しますが,スタディサプリ内では「英語」を覚えやすくするために使われていると考えてください。
韻を踏む,メロディーに英語の歌詞を上手く乗せる,リズムに合わせて踊るなどをしていると,改めて英語の楽しさに気づかされます。
聴いてからしばらくは自然と口ずさんでしまう名曲が多く,YouTubeで調べてみると,中には50億回再生を超えるものもあったほどです↓
これらの動画を退屈で無価値だと感じる方にはfor KIDSは向かないでしょう。
ちなみにですが,私のお気に入りは以下3曲です↓
管理人のおすすめ
Hokey Pokey
Five Little Ducks
Row Row Row Your Boat
「Hokey Pokey」はそのリズムでノリノリになれるので,自転車に乗るときや運動中に思わず口ずさんでしまうでしょう。
「Five Little Ducks」では不安の後に感動が待っているのですが,それにはfor KIDSのアニメーションも影響しているかもしれません。
耳だけでなく目でも学ぶ好例です。
最後の「Row Row Row Your Boat」は大人にこそ刺さる,大変味わい深い名曲のように感じられました。
みなさんも気に入った曲があれば何回も聞いて味わってみてください!
英語でのコミュニケーションが取りやすい
スタディサプリENGLISH for KIDSは英語でコミュニケーションを取るための仕掛けが満載です。
1つは「ともだちちゃれんじ」と呼ばれる発話トレーニングで,子ども自身が発声した内容を録音して後で聞くことができます。
ボイスレコーダーを初めて使ったときのことを今でも覚えていますが,自分の声が別人のように聞こえることすら不思議に思えたものです。

学び始めは英語を喋ることに抵抗があるでしょう。
ですが,録音を他人に聞かれて笑われることはありませんから,純粋に楽しい経験になると思います↓
その他の遊び要素としてメッセージを送る機能があり,友達になったキャラクターたちと英語でチャットを楽しむことも可能です。
保護者がキャラクターに扮して子どもにメッセージを送れる他,上で子どもが録音したものは保護者エリアに残り続けるので,実はいつでも聞くことができます(トラウマになってしまうと大変なので,決してからかわないようにしてください)。
少し前の録音と聞き比べてみれば子どもの成長が伝わってきますし,苦手分野を把握しては復習を促すこともしやすくなるはずです。
スタディサプリENGLISH for KIDSをどのように使っていけばよいかについては,子どもが使う場合と保護者が使う場合に分けて詳しく述べました↓
この他,家族が揃うタイミングでスタディサプリのことを話題に出してみたり,新しく友達になったキャラクターを子どもに見せてもらったりすれば,これも立派なコミュニケーションになります。

信頼できるカリキュラムに基づいている
外見ばかり飾り立ててみても,肝心の中身が伴っていなければ何の価値もありませんが,これまでみてきたように,スタディサプリENGLISH for KIDSはカリキュラムがしっかりしています。
それもそのはずで,子どもの教育を熟知した専門家が監修者となっているからです。
本章の内容を読んでいただくと,本アプリの特徴は偶然生まれたものではなく,備わるべくして備わっていることがよくわかるかと思います。
考え抜かれた構成
スタディサプリENGLISH for KIDSにおいて学習の基盤とされるのは,以下に書き出した3つの仕掛けです↓
- 動画によるインプット
- ゲームを通した演習
- 録音機能を生かした発話練習
歌動画はどうなるかというと,目的はゲームのそれに近いので,1つ目ではなく2つ目の仕掛けに分類できるとお考えください。
当記事の最初でストーリーを1つ紹介しましたが,動画の後半では6人のネイティブの先生がかわりばんこにチャンツを行い,英語の音感覚を身に付けるのに重要な耳の能力を鍛えてくれることも忘れてはいけません。
なお,スタディサプリENGLISH for KIDSは先取り学習という位置づけなので,小学校後半や中学校の英語の授業で後々役立つ内容を学ぶことも目標に含まれています。
つまり,ここで英語を学んでおけば,あとになって学ぶものはすべて復習代わりになるわけで,正しい英語が自然に言えるようになった状態で,後から文法知識などで理論的な裏付けを行うことで,より理解が深まり間違いにくく,忘れにくくなるでしょう。
本アプリ単独でみたときも,子ども1人でも学べるように使いやすくなっていて,ゲームや発話練習が復習になりますし,長期間学ぶほど同じ表現や単語に繰り返し触れられることになります。
子どもの英語教育の専門家による監修
スタディサプリENGLISH for KIDSのカリキュラムを担当しているのは佐藤久美子氏と守屋佑馬氏です。
佐藤氏といえば,私は2012年度の基礎英語2のラジオ番組で初めて知りました。
ちょうどCEFRの基準が導入され,コース内容が大きく変わるタイミングだったので印象に残っていますが,津田塾やロンドン大学での学びを通して,英語教育・応用言語学・言語心理学を専門にする博士の方です。
氏のHPをみると,2016年度からは町田市の英語教育に携わっているようで,2500人の小学生に放課後の英語教育を提供したり,身体全体を使って自然に楽しく英語を学ぶ運動型の英語教育(spoglish)を導入したりと精力的に活動されていることがわかりました(出典:satokumiko.com)。
一方の守屋氏ですが,早稲田の法学部を卒業し,河合塾の講師として受験英語はもちろん,英語の資格試験の講座も担当していますが,保育士の資格も持っています(出典:小学英語ワークブック)。
これだけでも子どもの教育に精通していることがわかりますが,両者とも複数冊の著作があり,守屋氏は佐藤氏を筆頭とする幼稚園や小学校での英語教育研修プログラムに携わった過去もあるとのことで,お二人の息はバッチリでしょう。
事実,上のワークブックには佐藤氏からの推薦メッセージが寄せられていました。
コスパとタイパの両面で優れている
ちょっと現実的な話になってしまいますが,スタディサプリENGLISH for KIDSはコスパとタイパの両面で優れています。

高いコストパフォーマンス
12ヶ月パックであればなら通常時であっても実質月額が1580円で,キャンペーン実施時にはさらに安く利用できてしまうのがスタディサプリENGLISH for KIDSの特徴です↓
本を1冊購入してみたり英語のカード的なものを1つ買ってみたりするだけでも1500円くらいしますので,1980円で1ヶ月間だけ利用するような場合であっても,費用対効果は決して悪くありません。
無料体験期間が2週間あるところも大きいです。
さらに,子どもの数にして3人までは1つのアカウント(契約)で使えることもあり,兄弟姉妹ごとにデータを分けて管理できますし,子どもの2周目用に別にアカウントを作ってみたり親が予習したりする場合にも利用できます。
料金は安さよりも値ごろ感が大切だと思っていますが,英語教室に通うことを考えれば少額で始められるので私としても勧めやすいですし,通塾するとなれば週1回の授業で月謝は1万円くらい簡単に超えてきますし,入学金や管理費,それに教材費もばかになりません。
一度入塾してしまうと教材は先行投資で買わなければならなくなる上,良い先生に巡り合えた場合,今度は逆に辞めるタイミングが難しくなってしまうといったジレンマが生じることにもなります。
英語に興味を持てない子どもとやる気ある子どもとの間の格差も激しいので,その場にいるメンツ次第で授業の質が変わってしまうことも日常茶飯事でしょう。
for KIDSではそうしたリスクを回避できます。
高いタイムパフォーマンス
スタディサプリENGLISH for KIDSですが,1回のレッスンは10分ちょっとです。
英語の本を読んではカードや図鑑などで音に親しみ,YouTubeなどで動画を観て歌うことでも同じような効果が期待できるでしょうが,それらの準備をするだけで結構な時間が経ってしまいます。
それでいて,各教材の連携は取れておらず一貫性がないため,復習するタイミングの見極めは難しく,親が学習状況を確認することも容易ではありません。
その点,スタディサプリENGLISH for KIDSであれば,保護者エリアで学習時間や発話パフォーマンスを確認し,必要に応じて励ましたり必要な対策をピンポイントで行なったりすればよいわけですから,子どもも保護者も時間を無駄にせずに済みます。
結構な数の小学生を教えてきた経験がある私からすると,生徒が「楽しい」と感じてくれていたとしても,それは勉強と直接関係がないところ,例えば一緒に通っている友達や先生との雑談によるところの影響が大きいです。
しかも,3~8歳が相手となれば客観的に英語力を判断するデータが取れないため,この時期の子どもの時間対効果はわかりづらいように思います(小学校低学年でも,英語のテストがあるところは稀でしょう)。
ならば,同じ時間をかけて少しでも楽しい時間を送れる教材で学ぶことを最優先にするのも,全くおかしな話ではないと思うわけです。
まとめ
以上,スタディサプリENGLISH for KIDSの特徴について,音感覚を身に付けることに繋がるものを中心に紹介してきました。
今回,具体的に述べた特徴は以下の5点です↓
- 引き込まれるストーリー
- 魅力的なゲームや歌
- 英語で意思疎通が取れる工夫
- 信頼の置けるカリキュラム
- コスパとタイパの高さ
これらすべてが,子どもが英語に親しむことを可能にしています。
「英語学習のゴールデンエイジが3~8歳にある」とまでは言いませんが,塾での経験上,幼少期に正しい英語の音に触れた生徒というのは音感覚に優れることになり,将来,例えば大学受験時の共通テストの英語リスニングの問題を容易にこなせる確率が高まるわけです。
子どもを厳しく学ばせるよりも,続けやすく進めやすく,そして身に付く教材を使って学ぶに越したことはありません。
子どもの英語指導に明るい佐藤久美子と守屋佑馬の両氏が監修したカリキュラムの下,夢中になれるシナリオと魅力的なキャラクターが登場する動画を観てはゲームや歌で復習し,極めつけに発話のトレーニングを行い,保護者が学習状況を簡単に把握できてしまう特徴までをも備えているのが本教材です。
それがリーズナブルな料金設定で教室に通うことと比べて遜色がない高いコストパフォーマンスを誇り,10分ちょっとの短時間で様々な面から音感覚を養成できるタイムパフォーマンスにも優れているわけですから,子どもやスマホとの相性問題さえクリアできれば申し分ありません。
様々なコミュニケーションを通じて英語をアウトプットする楽しさに気が付くことができれば,その子の英語に対する学びの姿勢も大きく変わることでしょう。
例えば,歌動画が気に入ったのであれば洋楽を使った勉強法を試してみればよいですし,英語のコミュニケーションを求めるのであればオンライン英会話に手を伸ばすなど,自分の意思で積極的に勉強しようと考えられるようになるはずです。
3~8歳の英語教育について色々悩まれる方も多いように思われますが,別に何か1つに絞らなければならないものでもありませんので,平日はfor KIDSで学び,休日は英語を話せる施設に足を運んだり,英語の絵本を読んだり図鑑を開いてみたりする時間を設けてみてください。
その際にも,スタディサプリENGLISH for KIDSに含まれているコンテンツが教材選びの指標となるはずです。
わが子の英語教育に興味がある方は,是非1度試してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。