「マインドマップ」は脳の仕組みを最大限に活用できる「万能な」思考ツールです。
仕事のプロジェクト計画やアイディア出しはもちろん,日々の勉強を効率化する「最強のノート術」としても機能します。
早期に書き方を学び,経験を積むほどにより深く思考できるようになります。
そのため,小・中学生の段階から学校のノートをマインドマップ形式で取ってみることは,将来にわたる強力な知的財産(投資)になります。
幸運なことに,現在の教育現場は一人ひとりの個性を尊重する方向に進んでおり,昔のように画一的なノート指導を強制される場面は減っています。
自分だけがマインドマップ形式でノートを取っていても,それが学習効果を高めているのであれば,否定される理由はありません。
私自身は大人になってからこの方法に出会いましたが,塾での指導や日々の買い物リストの作成にもマインドマップを取り入れ,とにかくたくさん書いて慣れるように工夫してきました。
もう,20年以上にわたり普段の思い付きをマインドマップで整理しています。
当サイトの記事構成を練る際も,デジタルツールと手書き(アナログ)を併用することが日常的です。
今回は,そんなマインドマップの基本ルールから具体的な書き方,さらには勉強に特化した実例まで,徹底的に解説します。
マインドマップで守るべき「5つの公式ルール」

マインドマップとは,故トニー・ブザン氏が発明した「脳の自然な働き(放射状に広がる思考)」を模したノート術です。
1960年代の誕生以来,世界中で50年以上にわたり洗練され続けてきました。
「メモリーツリー」や「概念図」と混同されることも多いですが,マインドマップには脳を活性化させるための独自ルールが存在します。
まずは,基本となるルールをしっかりと整理しておきましょう。
1. 紙を正しく選ぶ
マインドマップは「無地で白い紙を横長に使う」のが基本です。
サイズはA4以上が推奨されますが,可能な限り大きいものを用意するのが理想です。
過去には600m2もの巨大なマップが描かれた例もあります。
人間には余白を埋めようとする心理的な性質があり,背景が白であるほど色が鮮やかに引き立ちます。
情報を1枚の紙に収めることで,一見無関係に見えるキーワード同士の「繋がり」をパッと見渡すことができ,新しいひらめきを生むチャンスが広がります。
2. セントラルイメージは目立たせる
中央に描くテーマのことを「セントラルイメージ」と呼びます。
ここは文字だけで済ませず,最低でも3色以上を使って立体的・印象的に描くのが鉄則です。
マインドマップを書いている最中,視線は常に中央に戻ります。
ここを目立つようにしておくことで,思考がテーマから逸れて脱線するのを防ぎ,一貫性を保つことができます。
イメージ(絵)化は暗記術の基本であり,脳への記憶の定着率を飛躍的に高めます。
3. キーワードを「単語」の形で書く
マインドマップに「長い文章」は書き込みません。
詳細な内容はキーワードから思い出すだけにして,あえて文章を書かないのが正解です。
文章にしてしまうと情報がそこで固定されてしまい,脳の柔軟な発想の邪魔になってしまいます。
あえて不完全な「単語」に留めることで,脳はその行間を埋めようとフル回転し始めるのです。
箇条書きのような直線的で退屈な思考から抜け出し,四方八方に広がる脳の本来の力を解放しましょう。
4. ブランチ(枝)をつなぐ
ブランチとは英語で「branch:枝」を意味しますが,マインドマップではこのブランチを使ってキーワード同士を繋げていきます。
- キーワードの長さに合わせてブランチの長さを決める
- 1つのブランチにつき1単語を徹底する
- ブランチごとに色を変え,情報のグループを分かりやすく分ける
これらのルールを守ることで,パッと見たときの視覚的なわかりやすさが向上し,後から見直すスピードが格段に上がります。
5. 配置を工夫する
中央にセントラルイメージを描いたら,そこから放射状に広がるようにブランチを書き足していきます。
このとき,中心部分に近いものほど太いブランチにして,末端に行くに従って細い枝になるように意識すると,頭の中を論理的に整理するのにとても都合が良いです。
ひと目で全体を見渡すことができ,色やイメージごとにどのような内容が書かれていたかをスッと難なく思い出せるようになるのは,マインドマップというツールを使っているからこそです。
それでは次章で,実際にマインドマップを書きながら具体的な手順を確認してみましょう!
マインドマップを書く際の具体的手順
①中央部分から取り掛かる

まずはセントラルイメージを描きます。
A4用紙の場合,縦横5cmくらいにするのが目安と言われますが,先述したように,強く印象に残り,かつ創造力を刺激できるよう,3色以上を使って文字を太字にしてください。
②メインブランチを伸ばす
次に,セントラルテーマからメインブランチ(太い枝)を1つ伸ばし,その上にキーワードを1つ書きます。
具体例では「ルール」と書き込みましたが,枝は太い曲線にして,目立たせると同時に適度な「緩さ」を出すのがコツです。
決して定規を使って機械的に直線を引いてはいけません。
③サブブランチを伸ばす

書いたキーワードの先からサブブランチ(細い枝)を複数伸ばし,そこから連想される言葉やイラスト(記号)を,同じように書き足していきます。
メインブランチの時より,さらに具体的な内容が記入されていくはずです。
多少関係がないように思っても,頭に浮かんだものはできるだけ書き残すようにしましょう。
④全体を充実させる

同じ調子でメインブランチを次々と書き足していきますが,大きな枝が全部で5~6本になるのが理想です。
人間の短期記憶的に一度に覚えられるのは「7つ」の事柄が限界とされているため,情報量と覚えやすさを求めた結果がこの数字になります。
最後に全体を見渡し,離れた場所にある枝同士で関連性があれば矢印で繋いだり,グループ化したいものを線で囲ってみたりして仕上げ完了です。
マインドマップを勉強に用いる
マインドマップは,仕事や勉強はもちろん,将来の目標や今日の夕飯の献立を考える際にも役立ちます。
学生であれば,授業で習ったことや部活の反省点をマインドマップでまとめることで,考える力を鍛えるのがピッタリでしょう。
なお,勉強目的でマインドマップを使う場合,いくつかの用途が考えられます。
先ほど授業ノートに言及しましたが,学校のノートをマインドマップ形式で書いている人は周りにそうそういないでしょう。
先生の板書を何も考えずに丸写しするのではなく,「今先生はどのテーマの話をしているのかな?」と考えながら枝を書き分けていく作業をあえて行うことで,自分だけが大変高度な学習トレーニングを行うことができます。
学校の授業が退屈だからノートの端に絵を描いていました。
と告白する生徒は経験上少なくありませんが,マインドマップの作成にはそれと似た楽しいお絵描きの要素が含まれているのは特筆すべきところで,しかもそれがそのまま成績アップに繋がるわけです。
マインドマップを書くことで論理的かつ創造的な思考力を身につけることは,これからの正解のない時代を生き抜くための強力な武器にもなります。
学校の授業中に書くのが周りの目が気になって恥ずかしい方は,家に帰ってから授業内容をまとめる復習用のノートとして使ってみると良いでしょう。
小・中学生の場合,学校で学んだことをマインドマップにまとめて,家族にプレゼンテーションして(説明して)みるのはいかがでしょう。
長期休暇を利用すれば,自分の「弱点分野」を分析する際にも大活躍します。例えば,英語の弱点をマインドマップで整理してみると以下のようなものが出来上がります↓

これは,夏休みにそこまでに教えた範囲の総まとめテストを行った際の反省として,生徒に実際に作らせたものです。
上のマインドマップでは5色を使っていますが,ここで使った色のルール通りに,普段のノートや長文問題でも同じように色分けしていくことで(青色で前置詞,緑色で指示代名詞をチェックするなど),その後の学習において自分の弱点により一層の注意を払うことができるようになります。
このような勉強法に興味がある方は【英語ノートの書き方】授業・定期テスト・入試で差がつく最強のまとめ方を読んでみてください。
受験生であれば小論文が試験に含まれることもあるかと思うので,マインドマップを使って文章の構成(話の流れ)を考えてみると良いでしょう。
マインドマップは書き終わった後に全体をパッと見渡せるところが優れていて,下書きの段階で使えば,意見の漏れや重複がないかの確認ができて非常に便利です。
マインドマップを書く際に役立つおすすめ文房具

私がマインドマップを書く際に長年重宝しているおすすめのグッズです↓
トリプラス(カラーペン)
ステッドラー社のトリプラスは滑らかで細い文字を書くことができます。
太い字にしたり広い面を塗ったりするのには向いていませんが,情報量が多くなる勉強用のマップにはこのペンの太さがぴったりで,色数も豊富で発色も良くてとても使いやすいです。
ケースの蓋を折り曲げるとペンスタンドのようになってすぐにペンを取り出せるため,勉強中の集中を妨げません。
私は生徒用に10色セットのものを用意し,自分は20色セットのものを使って指導するようにしています。
美術が好きだったり絵を描くのが得意な子の場合,たくさんの色から選ぶことを好むので,20色セットを買ってあげる方がより一層やる気を出してくれるかもしれません。
トリプラスの優れた特徴として,
- 持ちやすい三角形の形をしている
- うっかりキャップを閉め忘れても,2日間なら乾かずにいつでも書き出せる
- 水性なので服に付いても洗い落とせる
という点が挙げられます。
ニーモシネ(ノート)
マルマン社のニーモシネは,まさにマインドマップを書くために存在しているといっても過言ではない素晴らしいノートで,「書くこと,考えることが仕事を創造的にする」というキャッチコピーが気に入っています。
普通のノートより少し高級なので学生にとっては贅沢かもしれませんが,自分のアイディアや勉強のまとめにはそれだけの価値があると思える方には絶対におすすめです。
とてもなめらかでストレスなく書くことができ,用紙の上部にあるミシン目に沿って綺麗に切り取れるところが本当に使いやすいです。
発売当初は廃番にならないか心配したものですが,もう10年以上愛用し続けています。
おすすめは「特殊無地のA4サイズ」です。普通のコピー用紙などにカラーペンで書くと,裏に透けたり滲んだりすることがありますが,ニーモシネはとても良質な紙を使っているのでそういった問題は一切生じません。
後から見返す視点でみても,一番上に日付やタイトルが記入できる欄があるところが優れています。
私は,塾で授業を行った後に,その日の重要ポイントをこの紙にマインドマップでまとめて生徒に渡すことが多いです。
Xmind(アプリ)
Xmindはこれまでの文房具とは打って変わって,パソコンやスマホで使えるソフトウェア(アプリ)です。
私はイラストや色をほとんど付けずにシンプルに使っているので,これまでに述べてきた手書きの「公式ルール」に従えば厳密にはマインドマップにはなっていませんが,こちらも10年以上使っていて手放せないツールのひとつです。
例えば,パソコンで作業中に思いついたことをどんどん書き出していくような使い方をしている他,旗などのマーカーの色を変えることで,やるべきことの「重要度」や「緊急度」を区別しています↓

キーボードですぐに枝を追加することができ,デジタルなので配置を移動するのもマウスのドラッグ&ドロップで一瞬です。
パソコンでの情報整理には最高ですが,記憶への定着という面では手書きのマインドマップには劣るので,目的に応じて使い分けてください。
料金は有料版もありますが,私はずっと無料版を使っています(無料版で十分すぎるほど高機能です)。
ブザン氏の著書
今回の記事を書くにあたって,トニー・ブザン氏の「マインドマップ最強の教科書」を改めて読み直しましたが,氏の著書は日本語に翻訳されたもののほとんどすべてを持っています。
同書には,今回紹介した内容よりもずっと詳しい理論や背景が書かれているので,本格的に学びたい方は是非読んでみてください。
ページ数が少なめの書籍(「マインドマップfor kids」など)は小中学生が最初に読むのに最適です。
試験直前に実力を120%引き出す「A4まとめマップ」への進化
マインドマップという「思考を見える化する道具」を使いこなせるようになったみなさんに,当サイトが提唱する王道勉強法における究極の活用法を提案します。
マインドマップの基礎的な書き方をベースに,試験本番という極限の緊張状態において,これまでに学んだ知識を100%引き出すために考案したのが「A4まとめマップ(最強の直前見直しシート)」です。
私が受験生に作らせている「A4まとめマップ」は,トニー・ブザン氏の公式ルールをベースにしながらも,テストという戦場で確実に点を取るために以下の独自のアレンジを加えています↓
- 中央には「励ましの言葉」または「試験での注意点」を書く
- 後から色を塗る
この「A4まとめマップ」は,試験会場という限られた時間と空間の中で,全教科の重要知識を素早く見直すための「最強の直前お守りツール」となります。
マインドマップという基礎を習得した方は,ぜひこの技術を日々の勉強と組み合わせ,試験本番で自分の実力を120%発揮するための「最強のA4用紙」を作成してみてください。
もちろん,日々の勉強や頭の整理には演習ノートやまとめノート(スパイダー図やマインドマップを適宜使用),試験直前はこのA4まとめマップと,目的に応じて使い分けるのが非常に効果的です。
ところで,この記事の最初の方で例に挙げた「8つの単語」をまだ覚えられているでしょうか。
青い服を着た子どものお話です。
もし今でもスラスラと思い出せるなら,イメージ(映像や物語)の力はあなたの脳にとって間違いなく有効だという証明に他なりません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
