はじめに
本記事は,当サイトが提唱する「王道勉強法」の基本ルールを適用し,文章という膨大な情報から論理の骨格を正確に読み取り,指定された文字数にまとめるための「国語ノート作成の実践マニュアル」です。国語の勉強法(全体像)については以下の記事をお読みください↓
今回は「国語の勉強ノートの作り方」についてまとめてみたいと思います。
国語は主に現代文(評論や小説など)と古典(古文と漢文)に二分され,後者は時間をかけて勉強した分だけ得点力が伸びやすいとされます。
かといって,現代文を端から諦めてしまう道理はありません。
もちろん,あれもこれもできないからひとまず古文に集中するという戦略は十分に考えられますが,時間がある中高生は満遍なく取り組むことを基本態度としてください。
本章では,まず最初に現代文のノートを紹介し,続いて古典のノート作りについてみていくことにします。
この記事を読めば解決すること
- 現代文の文章構造を正確に「読み取り」,論理的に読解するノート術がわかります。
- 「文章の要約」を意味のねじれなく行うための具体的な作成手順を習得できます。
- 古文・漢文という昔の言葉を効率よく解読し,テストで再現するためのノートのレイアウトが学べます。
- 生成AIやスタディサプリを「学習サポートツール」として活用する,現代的な勉強法が身に付きます。
現代文の勉強ノートの作り方
受験における現代文では,主に,
- 読解力
- 解答力
- 記述力
という3つの能力の育成が必要です。
なお,学校の授業では1つ目の読解力を伸ばすことに重きが置かれるため,それ以外の2つは,自宅学習の時間を利用して能力アップを図る必要があることを覚えておきましょう。
とはいえ,学校であっても自宅であってもノートを書くことは共通しているわけで,以下では,上に挙げた3つの能力ごとにどのようなノートを作るべきかをみていきます。
読解力を高めるノートとは
解答力や記述力を高めたいと思っても,読解力がなければそれら能力を高めることはできません。
ゆえに国語では学校の授業をしっかり活用することが第一になってきますが,普通は以下の順で進んでいくことがほとんどです↓
- 文章を読む
- 全体の内容を掴む
- 重要な箇所を引用する
- それに対して説明を加える
上に示した授業の流れは入試問題を解くときに行う作業と実は同じなので,授業を入試本番のための訓練場とみなすことができます。
学校の国語の授業が受験の役に立たないというのは真っ赤な嘘です。
このときに作る勉強ノートですが,タイトルや日付の他,引用した箇所のページ番号や行数を後から確認できるよう,しっかり書き残しておきましょう。
読むべき文章が数ページに及ぶことは普通なので,教師はそこからポイントとなる文だけを抜き出して解説していくことが多いです。
そのため,上のような工夫をしておかないと,一体どこから引用したのかを見つけるだけで一苦労でしょう。
なお,ノート術で大切なのは余白を空けることですが,現代文においては,引用した文の間を数行空けるだけでなく,板書の基本部分は黒で書き,教師が強調したテストの重要なポイントは赤で記述します。
さらに,クラスメイトのグループワークで得られた多様な意見(新たな視点)は緑ペンで書き込み,情報の種類を明確に区別しますが,その場合,意見が訂正されたり自分の意見を求められたりすることが多くなるため,書き込めるスペース(黄色矢印)を多く取っておくに越したことはありません↓

このとき,ノートの中心部に横線を引き,板書(結論)部分としゃべり(話し合い)の部分を上下2段に分けて書くのも良い方法でしょう。
ところで,現代文の問題というのは結局のところ,傍線部をわかりやすく言い換えることさえできれば自ずと高得点が取れてしまうものです。
なので,理解のポイントとなる文でありながらも一回読んだだけでは意味がわかりにくい傍線部を中心に,学校の授業で解説を行うことになります。
これはつまり,定期試験前にノートに書かれている引用部分すべてに対し,教科書に傍線を引く作業を行えば,簡単に予想問題集が作れてしまうことを意味しているわけです↓

これらを見ながら,ノートに書いた板書や先生のしゃべり部分を再現できれば準備は万全です。
とはいえ,学校の定期テストでは,問題を作成する教師と自クラスの担当が異なっていたり,授業の展開次第では,解説される文の種類がクラス間で違ったりすることが少なくありません。
これにグループワークも積極的に取り入れるともなれば,より様々な意見が飛び交うことになるでしょう。
なので,自分たちのクラスで扱われなかった箇所が出題されるリスク(情報の抜け漏れ)を防ぐため,他クラスのノートを見せ合って情報を補完することも,テストで高得点を取るための重要な戦略です。
もちろん,見返りに自分のクラスのノートもコピーさせてあげればWINWINの関係になります。
解答力を高めるノートとは
今度は,問題に解答する力を磨くノート作りについて述べていきますが,問題用紙にまったく線を引かずに解いてしまっては,いつまで経っても現代文を勘で解くことから抜け出せず,成績は安定しないでしょう↓

ちなみに,上の生徒はこんなふうにワークを完璧に正解できていたにもかかわらず,実際のテストの出来はいまいちでした。
テストを受けた後,なんとなくで「できた・できなかった」を判断している方は,文に線を引くところから始めてください。
結局,文中に書かれていることしか答えの根拠にすることはできず,誰が解いても同じ答えを導き出せるからこそ現代文の問題として成立するわけです。
なので,大変厳密かつ論理的に問題は作られています。
問題用紙に線を引かずに目で追うだけの読解は,ノーヒントで暗号を解読しようとする致命的な間違いであると理解してください。
なお,線を引くのは本文だけに留まりません。
質問や選択肢についても,重要な部分(「不適当なものを選べ」や「なぜか」などの指示)であったり,誤りだと判断した根拠だったりにバッテンや三角の印を付けておきます↓

国語という教科においては,文章を読んでただ問題を解くことよりも,どんな解き方をしたのかをよく理解しておくことの方が圧倒的に重要です。
どんな問題にも通じる解き方を身に付けることを目標に,1つの文章から多くを学び取りましょう!
しかしそのためには,全問正解した問題であっても解説をしっかり読み,客観的かつ論理的な説明でもって正解にたどり着けたかどうかを,いちいち検証する必要があります。
私は,国語の問題集の選び方について生徒に聞かれた際,「解説が分厚いこと」を条件の一つに挙げることにしていますが,それは上記のような理由からです。
分厚い問題集ほど解説の量が多くなるため,より多くの学びを得られます↓

解説の中に,国語の問題を今後解く際に役立つであろう部分を見つけられたら,それにも線を引いて強調しておきましょう。
記述力を高めるノートとは
さも当然であるかの顔をして,
記述問題は面倒だからやりません。
と言ってくる生徒が一定数いますが,たとえ本番の試験で選択問題しか出題されないからといって,記述問題を解かない理由にはなりません。
というのも,記述問題では自分がどのような論理で答えに至ったかを答案にしっかり残す必要があるからで,なんとなくの誤魔化しが通用しないからです。
大体,記述問題を嫌がるのは,深く考えることから逃げている証拠でしょう。
要約とは,長い文章から不要な情報を削ぎ落とし,重要な部分だけを残す「情報の整理」作業です。
まずは絶対に必要な「キーワード」を抽出し,そこに主語と述語の「骨組み」を組み,最後に修飾語という「肉付け」をして文章の形を整える。
この論理的な作成手順を踏むことで,意味のねじれのない正確な要約が完成するわけです。
国語で身に付く論理力は英語でも理社でも役立ちますし,そもそもノート術を学びたい人間が書く作業を嫌がるなど言語道断です。
必ず手を動かし,記述問題に取り組むようにしてください。
なお,このときに使う題材は,学校ですでに扱った文章を用いるで構いません。
文章の要約をすることが最終目標となりますが,まずは問題集の傍線部分を使い,それを具体的に言い換える練習から始めるのがおすすめです。
やり方は簡単で,傍線部を意味のまとまりごとに分けたら,それぞれを本文中にある言葉を使って言い換えていきます↓

上の例では,「宇宙的」と「単純な事実」という言葉を中心に要約作業を行ったものですが,添削作業として,第三者に評価してもらうことが必要不可欠となるので,周りの教師に頼みましょう。
何回かできる人に頼んでやってもらっていると,自分でも解答を見れば添削ができるようになってきますが,その状態に至るまでは自分で採点したものと教師が採点したものを比較する作業が必要です。
次に要約の練習ですが,評論文では各段落の要旨をまとめることとし,小説ならば登場人物の心情の変化を追っていきます。
具体的な方法としてよく知られているものに,
- 文章を削っていく方法
- キーワードから始める方法
の2種類がありますが,ほとんどの方は前者を採用しているように思うので,ここでは後者の方法を用い,ある段落で語られている内容について一言で要約する練習を紹介することにしましょう。
まずは,その段落のキーワードを見つけるところから始めますが,仮に以下のようになったとします↓
キーワード
「てつがく者」
カッコ書きをされているので,特殊な意味を持つ言葉です。
キーワードを抜き出しただけでは要約になりませんので,肉付けして文章に変えていきますが,主語と述語を中心に加えたものが以下です↓
主語と述語を加えた例
人は花屋の店先を通りかかる時,「てつがく者」になる。
このとき,本文で使われている言葉を使って充実させることがポイントで,曖昧な言葉や特殊な意味で使われている言葉を含めてはいけません。
自分で読んだときに変だなと感じないことも判断基準の1つです。
最後に,修飾語や節を足して形を整えたら完成となります↓
修飾語や節を足した例
人は花屋の店先を通りかかる時,命の誕生と譲渡に思いをはせる「てつがく者」になる。
こうした具合に,段落ごとに要約文を1つずつ作っていき,最後にそれらを始めから繋げて読んでみて,文全体の内容がわかれば完璧です。
古典の勉強ノートの作り方
今度は,古典のノート作りについてみていきましょう!
先述したように,こちらは時間をかければ伸びる分野ですが,古文→漢文の順で学ぶと無駄がありません。
古文の文法を暗記し,その知識を生かしつつ漢文の句法を暗記するのが王道とされますが,よく考えてみれば,日本において漢文を白文のまま読むことはなく(中国人は白文のまま読みます),古文として読めるように工夫されているわけです。
現代文のとき以上に古典では予習を念入りにしたいところで,テストまでに
- 品詞分解ができる(古文)
- 書き下し文が作れる(漢文)
ことを目標にしましょう。
復習する際に暗唱まで行うようにすれば,自然と現代訳が書けるようになりますし,授業で習ってから時間が経って忘れてしまった記憶も,暗唱することで蘇ってきます。
古典という言わば数百年前の「古い時代の言葉」の解読ノートを,上記目標に達することを意識して作るとどうなるでしょうか。
具体的には,見開きの2ページを1つとして使い,原文を上ページに配置しては,現代語訳を下ページの上半分に書き,それ以外の部分に板書やしゃべり,文法や語彙のまとめ(上ページ左)を作るようにします↓

この「見開きで左右を分けるレイアウト」を作ることで,原文と現代語訳を明確に分離でき,自分で確認テストができる環境が自動的に整います。
本文を拡大コピーして貼ると行間が取りやすくなり,転記による時間の無駄も避けられますが,中学の文章のように写す量が少ない場合は手書きで構いません。
ただし,1行空けて書くことを忘れないでください。
なんだかんだで書き込む内容があります。
余白が足りないときは紙を横に貼るなどして対応しましょう。
先に注意が必要だと述べた生成AIですが,古典の時代背景や言葉の由来といった「前提知識の習得」には圧倒的な能力を発揮します↓

実際の景色や日本史的な知識も,古典を読み解く際に欠かせません。
詳しい使い方については。AIアシスタントを活用する勉強法の記事をお読みください。
なお,漢文のノートも古文のものと同じように書くことができます。
まとめ

以上,国語の勉強ノートの作り方について,現代文と古典のものを別々にみてきました。
学校の現代文の授業では読解力を高めることができ,ノートに多くの意見や説明を書き込みますが,自宅学習では線引きを行なったり,傍線部の言い換えや要約を書いたりすることで,解答力や記述力を高めるように工夫しましょう。
古典に関しては,学校の授業で最低限の文法・句法の知識を身に付けておくだけでも,いざ受験生になったときに焦らずに済みます。
この際,実践用のノートが活躍することになるため,当サイトの王道勉強法マニュアルを参考に,その時に備えましょう。
今の時代は生成AIの力を借りやすく,詳しく解説しているWebページが見つかることもあるはずです。
古典の勉強が遅れている人は,すぐにでもスタディサプリを学校の授業と併用し,出てきた知識で知らないものはAIに尋ねて,その場で確認する癖を付けましょう↓
最後までお読みいただきありがとうございました。