スタディサプリの中学講座を使って高校受験した人というのは,一体どのような合格実績を残しており,実際どんなふうにスタディサプリを使っていたのでしょうか。
今回の記事を書くにあたって,高校に合格した先輩の口コミから,合格者に共通して見られる「賢い使い方」的なものがあるかどうか分析してみたのですが,タイトルにもある通り,どうやらポイントとなるのは「短さ」と「少なさ」のようです。
さっそく次章からみていきましょう!
スタディサプリ中学講座の合格実績
私立の開成,国立の筑波大学付属駒場,都立の日比谷。
これらは都内における難関校の一例です。
私の塾の合格者を見ていると,開成と日比谷をどちらも受けると両方合格する生徒がほとんどで,私からすると多少もったいないと感じることもあるのですが,「開成を蹴って日比谷に行く」選択をする生徒の数も最近は多くなっています(もっとも,開成のような中高一貫校の場合,中学からの内部進学組と高校受験組の間で学習カリキュラムに差がついてしまうことがあります)。
ところで,スタディサプリの中学講座を利用した方の合格実績の一部を公式サイトから確認できるのですが,上記3つの高校を含む上位難関校名を省略することはないでしょう。
ゆえに,スタディサプリ中学講座で学んだときの最大到達地点を確認できると思って,私は注意深く毎年見ているのですが,むしろ,有名どころは順番も前の方に並べられているため,すぐにわかるでしょう↓
公式サイト
それでは,いったいどれほど上位の高校に合格できているのでしょうか。
偏差値的に全国トップ10とされている高校について調べてみた結果,最新の実績は以下の通りとなりました↓
2022年度の合格実績
- 灘高校(偏差値79):報告なし
- お茶の水女子大学付属高等学校(偏差値78):報告なし
- 開成高等学校(偏差値78):報告なし
- 筑波大学付属高等学校(偏差値78):報告あり
- 筑波大学付属駒場高等学校(偏差値78):報告なし
- 東大寺学園高等学校(偏差値78):報告なし
- ラ・サール高等学校(偏差値78):報告なし
- 慶應義塾女子高等学校(偏差値77):報告なし
- 東京学芸大学付属高等学校(偏差値77):報告あり
- 神戸高等学校(偏差値77):報告なし
詳しい人数まではわかりませんが,2022年度はトップ10のうち2つの高校で合格者を確認することができました。

とはいえ,「このような難関校にスタディサプリの利用者が合格している」という事実は,これから高校受験に向けて頑張ろうと思っている後輩たちの背中を押してくれることでしょう。
ここで「一部の頭の良い子だけが,上手く使って受かっている」などと穿った物の見方をする必要はありません。
「今後の勉強次第で誰もが志望校に合格できる」と前向きに捉えるようにしてください(ただし,旧講座の応用コースを用いるなど,各自で使い方を工夫してはいます)。
もちろん,これが大学受験となれば,本人の能力によっては限界が来てしまうことになるため話は別です。
私自身,塾でのこれまでの指導経験から,MARCHまでは誰でも入れるが,それ以上は特別な能力がないと無理だと考えています。
しかし,こと高校受験に限れば状況はまったく逆で,むしろ明るいと言えるでしょう(もっとも,大学受験に関しても,高校3年間の勉強期間では人によって到達できる限界に終わりがあるという話であり,才能が後で開花する可能性を否定しているわけではありません)。
さて,そんな合格者たちのスタディサプリ利用法ですが,やはり各人が工夫を凝らして使っています。
今回の記事を書くにあたっては,2019年と2022年度の計140件のコメントを参考にしましたが,学習スタイルと講座選びの2つの観点から分析してみたところ,歓喜に満ちたコメント以外に,どうやら「短さ」と「少なさ」というのが共通していることが分かってきました。
詳しくは,次章から1つ1つ説明していくことにしましょう。
スタディサプリは短く使おう!
合格者のコメントでまず最初に気づいたのは,スタディサプリを短く使っているということです。
これは,短時間と短期間の両方を意味します。
まず前者においてですが,「1日または1週間のうち,スタディサプリは短時間だけ集中して視聴する」という利用者が多く見受けられました。
上記画像で示したコメントにもあるように,通学または帰宅後の予復習に1回あたり15分程度の時間を割き,その代わりに回数を増やすよう工夫することで,短時間の集中を何度か繰り返すのが秘訣のようです。
例えば,通学の行き帰りで2回勉強できますし,帰宅後にすぐ1回学び,食事のときか寝る前にもう1度頑張れば計4回になりますから,これだけで計1時間の学習時間になります。
眠たければそのまま寝てしまい,翌日そのぶん早く起きて,視聴してから学校に行く準備をする。
こうした工夫をすることにより,「毎日1時間の学習時間は意外とすんなり確保できる」というのが合格した人の主張です。
また,スタディサプリ中学講座の先輩たちの中には,芸術系の高校(偏差値57など)に進んだ人も少なくありません。
彼女たちはピアノや絵の練習をするのに必死で,とてもじゃないですが学習塾に通っている時間はないわけです。
そのため,上記のような勉強スタイルで利用できるスタディサプリとは相性が良かったのでしょう。
これは,部活と勉強の両立をする場合にも同じことが言えます。
お風呂に入っている間に視聴していた先輩もいました。
一方,利用期間の面からみると,「中学3年間ずっとスタディサプリを利用していました」という人は少なかったです。
中2から始めた人も意外といるのですが,中3の夏休みになってからという合格者もいて,その時期になってもまだ本気になれず,2学期にオープンキャンパスに行ってようやくやる気になったという先輩もいました。
特に後回しになりがちな「社会」という教科においても,夏休みに鎌倉~江戸時代,冬休みに明治~昭和時代を学習し,開始前に4割程度だった得点率を本番で6割6分取れるほどに上昇させた人もいて,彼女は結局,偏差値62の高校に合格しましたが,これまた短期集中の利用法が上手くいった例です。
オンラインはその性質上,短期集中に向いていることは明らかなので,模試の判定がずっとCで家族や学校の先生に合格は無理だと言われ続けても,2月の直前期に一気に実力を伸ばして逆転合格を果たした先輩(偏差値67~69の高校に合格)もいます。
直前期には高校受験対策講座を使って多くの問題を解き,苦手分野を克服したという合格コメントも参考になるでしょう↓
たとえ内申の点が低かろうと本番の手ごたえがなかろうと,最後まで諦めずに頑張ってください!

スタディサプリは少なく使おう!
スタディサプリ中学講座のもう1つの利用法ですが,多くの合格者はただ闇雲に講座を観るのではなく,弱点科目に絞ったり,何らかの目的意識を持って講座を厳選しているようです。
例えば,関正生先生の参考書を読んでスタディサプリに興味を持ったという先輩は,現在は旧課程にのみ存在する彼の講義に絞って視聴していましたし(偏差値62~66の高校に合格),伊藤賀一先生のファンで毎回楽しく学べたという女生徒は,授業中の雑談がそのまま入試に出たと喜んでいました。
彼女が合格したのは偏差値71の高校でしたので,難しい学校でこの偶然は大きなアドバンテージとなったはずです。
「弱点科目に絞る」という利用法は高校受験において大変重要で,国語の古文が苦手な人が笹森義通先生の講座で成績を伸ばし,過去問が4割だった段階から8割近く取るまでに至ったのは,彼の作文講義のおかげだと語っています(偏差値61の高校に合格)。
数学では偏差値が10アップさせて偏差値62の高校に合格した人がいますし,物理が苦手だった先輩は理科の全講座を2ヶ月で観て,偏差値を45から65に20もアップさせていました↓
その他,中学校では習えない,小論文の動画や推薦対策,中には英検を受験する際に利用したという卒業生もいましたが,これまた内申点に加算されることで受験を有利に進められたことでしょう。
なお,小論文や推薦動画は,中学講座ではなく高校講座のものも利用でき,偏差値73の高校に入るような受験生というのは,学年を超えた講座であっても上手く利用できる能力を持っているようです。
部活をやっていて疲れている人こそ,効率良く短期間で学べるスタディサプリを使って,弱点部分の克服に努めるようにしてください。
社会科の伊藤賀一先生の話が面白くて,楽しく受けられたという運動部の生徒は多いです。
また,高校受験対策講座は,前章でも紹介しましたが,試験本番における解き方まで習えるので,直前期には必ずやるようにしてください(実力があっても発揮できずに終わるのはもったいないです)。
勉強習慣が身に付いていなかったり,スタサプ一本で成果が出るのか不安に感じていたりする方は個別指導コースを検討してみてください↓
まとめ
塾に行かずスタディサプリ一本で合格したという先輩もいますが,そもそも学校でちゃんとした授業がなされていれば塾は必要ないわけです。
また一方で,通塾していても授業内容が難しすぎる場合に,スタディサプリで内容を補うような使い方もできることから,どのサービスを利用して日々勉強するのかは実はそれほど重要ではありません。
今回の記事で私が伝えたかったのは,不十分な教科や分野が少しあって,それを短時間または短期間で効率良く学習するためにスタディサプリを利用するというのが,合格者に見られる共通点だということです。
もっとも,弱点を克服するために2ヶ月くらいの期間は必要になりますが,その結果,内申点をドンと上げて受験を有利に進められたり,中には特定の科目で学年1位を取ったりする人もいるわけで,スタディサプリで努力が報われる経験をしたり目標を達成する喜びを知ったりすることは,今後の人生において大きな糧となるでしょう。
高校に合格した人が早速,「今度は大学の医学部を目指して頑張ります!」とか「高校の課題をスタディサプリを見ながらやっています!」などと語っている時点で,彼らは合格すべくして合格したのだと思わざるを得ません。
大学受験はずっとつらい競争になりますが,スタディサプリで勉強量が増えることは,確実に良いことです。
みなさんも是非,優秀な先輩たちに続きましょう!
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