当記事は,スタディサプリENGLISHの日常英会話コースにある「リスニングPLUS」という学習コンテンツを取り上げ,その内容についてみていきたいと思います。
まず最初に述べておきたいことは,上記コースはすでにサービスを終了しているということです。
現在,新日常英会話コースを含む有料サービス内にて「(旧)日常英会話コース」という名前で一部コンテンツのみが残っている状態となります。
あくまで忘備録として残していること,そして当時の記事と同じ調子になるよう,一部現在形で書き記している部分があることにご注意ください。
それでは本題に入っていきますが,メインコンテンツであるデイリーレッスンと比べると,あくまでサポート的な位置づけのリスニングPLUSは,弱点部分を集中的に学習することによって会話力のアップを目指します。
以下で,リスニングPLUSの魅力に迫っていきましょう!
リスニングPLUSとは
スタディサプリENGLISHのリスニングPLUSでは,AI技術を生かしたオンライン学習の強みを実感できるトレーニングが可能です。
初めてアプリを起動するとリスニングPLUSについての説明があり,「まずはデイリーレッスンをいくつか受けてみましょう。聞き取りを難しくしている原因が自動で発見されます」といった文面が表示されました。
私はこれをみた時,
コンピュータを使った学習は,ここまで進歩したのか!
と大変心踊らされたものです。
ちなみに,デイリーレッスンを1つもこなしていない状態でリスニングPLUSのページを開いても,未開放(はてなマーク)ばかりで,何から手を付けたらよいのかわかりませんでした↓
しかし,それもそのはずで,学習者がデイリーレッスンの問題を解いて間違えたときに初めて,AIがユーザーの弱点を把握することができるわけです。
これは現在,TOEIC対策コースにあるアダプティブ講座や小中学生向けのミッション機能にも通じることだと思いますが,復習すべきところや弱点部分のみを多めに解けることで個別最適化された教材へと変わっていきます。
そのため,まずはデイリーレッスンにあるトレーニングをどんどん進めていくことが大切です。
しばらく取り組んだ後,リスニングPLUSを再度開いてみると,以下のように自分のリスニング力が自動で評価されていました↓
学習が進めば進むほど,リスニングにおいて自分がどういったところが得意でどこが苦手なのかが,より正確に分析されていくことになります。
そしてここで明らかになった弱点をなくすための,いわば「自分専用トレーニング」を,主となるデイリーレッスンにPLUS(追加)して行っていくというのが,本コンテンツの名称にこめられた意味なのではないでしょうか。
リスニングPLUSのトレーニング内容
リスニングPLUSのトレーニングには,大きく分けて2つがあります。
1つは単語の聞き取り力を強化するための「クイックワードクイズ」で,もう一つは音の変化を理解するための「音声変化ディクテーション」です。
前者は単語1つ1つの音に慣れることを目的としており,後者は英文全体でみたときの音の変化について幅広く学んでいけるトレーニングとなっています。
とはいえ,文章だけで説明してもわかりにくいかと思うので,以下で実際の画面をみながら解説することにしましょう!
クイックワードクイズ
「クイックワードクイズ」では,単語の聞き取り力を強化するトレーニングを行います。
リスニング問題ならではの難しさとして,聞いた音がその瞬間から消えてなくなることが挙げられ,読解問題と異なり,後から前に戻って意味を確認することはできません。
そしてこのときの理解を大きく妨げるのが,耳で聞いても即座に意味が浮かばない単語の数々です。
「即座に」という部分が重要で,発音を間違えて覚えてしまっていた単語や,意味が浮かぶまでに時間がかかる単語もこれに含まれます。
私もbatteryの発音やchargeの意味に悩まされたものですが,waterやketchupのような簡単な単語であっても油断は禁物です。
海外のマクドナルドで店員に言ってみてもうまく通じないことがあります。
クイックワードクイズではそんな会話での利用頻度が高く,発音が特殊かユーザーに馴染みがないであろう意味の単語が意図的に多く出題されてくるため,短期間で効率良くリスニング力を向上できるわけです。
AIが進化した恩恵を大いに享受しましょう!
実際のトレーニング方法ですが,単語の音声のみをスペル表記なしで聴き,素早く日本語で正しい意味を答えるようにします。
制限時間は各単語10秒で,4択問題でした↓
解答すると,以下のように正解の意味と発音記号が表れてきます↓
簡単そうな単語ですが,hotとhatは混同しがちですし,他にもwalkとwork,glassとgrassなど,ボーっと聞いているとどちらか迷ってしまうものは意外と多いです。
なお,トレーニングの練習量ですが,
- Lv.1=全6セクション
- Lv.2=全6セクション
- Lv.3=全9セクション
- Lv.4=全11セクション
- Lv.5=全11セクション
- Lv.6=全2セクション
のようになっており,各セクションはさらに5つのサブセクションに分かれ,各20問は計100問が待ち受けている計算になります。
これを単純にまとめれば,上記レッスン全てで問われることになる単語数は驚愕の「4500問」に達するわけです。
アナログの教材では真似できないほどに問題量は充実しています。
日々の学習を通じて,これだけ多くの単語の意味が音を聞いた瞬間に浮かんでくる状態に至れば,会話における相手の発言の理解度も大きく変わってくるでしょう。
音声変化ディクテーション
上で紹介したトレーニングは単語レベルの話でしたが,文章レベルでリスニング力を鍛えることもできます。
リスニングPLUSにある「音声変化ディクテーション」は,他人との会話で単語の音声が変化したときの対応力を養成できるトレーニングだと理解してください。
前章の内容よりの応用的な位置づけになりますが,ここでの教訓は発音記号通りに単語を覚えているだけでは不十分ということです。
実際の会話では,消える音や弱まる音に代表されるような「音の変化」が必ず起こります。
そしてこの現象こそが,すべて知っている単語だけで構成されているはずなのに,話された英文が正確に聞き取れないという困難な状況を引き起こすわけです。
音声変化ディクテーションでは,以下の6つのトレーニングを通して,変化した音に対する対応力を養成することができます↓
- つながる音
- 落ちる音
- 変わる音
- 短くなる音
- 弱くなる音
- やわらかくなる音
これだけだとちょっと抽象的で何を学ぶのかわかりにくいと思うので説明を加えましょう。
例えば,最初の「つながる音」の聞き取りにおいては,「連結」と呼ばれる音声変化に慣れるためのトレーニングを行うことになります。
なお,上記トレーニングすべてにおいて,クイックワードクイズと同様,大量の問題演習が用意されているだけでなく,解説動画付きです。
流れとしては,まずは動画を観て,音声変化にはどのような種類があるのかを理解し,次に演習問題を解いてそれらの音に触れ,動画における説明が真の意味で理解できているかどうかを確認していくことになります。
動画は,デイリーレッスンでもおなじみのイムラン先生によるもので,彼は数多くの日本人に長年英会話を教えてきたベテランの実力派講師です↓
日常英会話コースの講師陣について詳しく知りたい方は以下の記事を確認してください↓
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動画を観ると,学校では習わなかった,ネイティブが発音するときに半ば無意識で行っていることを知ることができました。
続けて,動画で学んだ内容をより具体的な問題を通してチェックしていくことになるわけですが,こちらも問題数をまとめてみましょう。
例えば先に紹介した「連結」に関するトレーニングですが,
- Lv.1=6セクション
- Lv.2=6セクション
- Lv.3=6セクション
- Lv.4=6セクション
- Lv.5=6セクション
- Lv.6=6セクション
のようにレベルごとに用意されており,1つのセクションは5つのサブセクションを含んでいます。
各サブセクションの問題数が5問ですので,上の問題量を単純に合算すると,これまた驚愕の「900問」が課題として用意されていることになるわけです。
しかもその内容は「had eggs=ハデッグズ」のように聞こえることを伝えるもので(連結の例です),ある意味マニアックな知識を様々な問題を通して学べるというのは,希少価値が高い教材のように思います。
具体的な手順ですが,スタディサプリENGLISHが得意とする学習効果の高いディクテーション問題を,制限時間1分という短時間で解いていきます↓
この後,正解と訳が表示されるだけでなく,注意すべき音声変化についての解説まで付いてくるところに注目です↓
上の問題では,take onが「テイクオン」ではなく「テイコン」と聞こえるのが普通であることを学べましたが,このように発音記号を介さずカタカナ表記による解説となっていることで,初心者も問題なく取り組めるように感じました。
音声変化ディクテーションで学ぶ音の法則は,中学や高校の授業では取り扱われなかったであろう内容ばかりです。
逆に,これまでそういった事実を知らずに英語と向き合ってきた人は,
リスニングPLUSがきっかけで,英語の音に対する意識が大きく変わった
という感想を抱くことになったでしょう。
まとめ
以上,スタディサプリENGLISHから,リスニングPLUSという学習コンテンツを紹介してきました。
クイックワードクイズでは,耳だけで学ぶ単語が全4500問あり,音声変化ディクテーションでは,学校で習ってこなかった音の法則まで学ぶことができ,音への意識をより強めることができるでしょう。
問題数は900問で,カタカナによる表記があるのが初学者向けの配慮で,発音記号をこれまで以上に強く意識するきっかけになりました。
リスニングを得意にするための知識と大量の演習問題が,オンラインサービスで簡単に手に入るようになったことは,大いに歓迎すべき時代の流れでしょう。
今や大学受験においてもタブレットで推薦試験が行われ,受験生の正解・不正解がその場で自動的に分析され,問題の出来に合わせて次の出題内容が変わるような試験が実際に行われるようになってきています(例:2018年の佐賀大学の推薦試験)。
スタディサプリENGLISHで,コンピューターの最新技術に驚かされながらも,楽しくそして効率的に英語耳の育成に励んでみてください。
現状,一番内容的に近いものは新日常英会話コースになりますが,料金を色々と比較した記事やキャンペーンコードなどの最新情報についてまとめた記事があります↓
最後までお読みいただきありがとうございました。