今回は,スタディサプリENGLISHの日常英会話コースにある「リスニングPLUS」という学習コンテンツについて,その内容をみていきたいと思います。
メインコンテンツであるデイリーレッスンに比べると,あくまでサポート的な位置づけではありますが,弱点部分を集中的に学習できるので,会話力のアップにはこれまた有効でしょう。
また,世にも珍しい音声変化の聴き取りができてしまうのは本コンテンツならではです。
今回の記事を通して,リスニングPLUSの魅力に迫っていけたらと思います!
リスニングPLUSとは
リスニングPLUSは,スタディサプリENGLISHの「日常英会話コース」で利用できる学習コンテンツの1つで,AI技術を生かしたオンライン学習の強みを体感できるトレーニングが可能です。
なお,2022年6月以降に個人で申し込まれた方は利用することができません。
その場合,基礎講座の中にある「基礎リスニング」が内容的に近いので,そちらを使うようにしてください↓
初めてアプリを起動するとリスニングPLUSについての説明がありますが,「まずはデイリーレッスンをいくつか受けてみましょう。聞き取りを難しくしている原因が自動で発見されます」といった文面が表示されてきます。
私は「コンピュータでの学習は,ここまで進歩したのか!」と大変に心躍ったものです。
ちなみに,デイリーレッスンを1つもこなしていない状態でリスニングPLUSのページを開いても,はてなマークばかりで,何から手を付けたらよいのかわかりません↓↓
ですが,それもそのはず。
学習者がデイリーレッスンの問題を解いて間違えたときに初めて,AIがユーザーの弱点を把握することになるのです。
そのため,まずはデイリーレッスンにあるトレーニングをどんどん進めていきましょう!
しばらく取り組んだ後,リスニングPLUSを再度開いてみてください。
すると,以下のように自分のリスニング力が評価されているはずです↓
学習が進めば進むほど,リスニングにおいて自分がどういったところが得意でどこが苦手なのかが,より正確に分析されていくことになります。
そしてここで明らかになった弱点をなくすためのいわば「自分専用トレーニング」を,デイリーレッスンにPLUS(追加)してやっていくというのが,本コンテンツの名称にこめられた意味なのではないでしょう。
リスニングPLUSのトレーニング内容
リスニングPLUSのトレーニングには,大きく分けて2つがあります。
1つは単語の聞き取り力を強化するための「クイックワードクイズ」,もう一つは音の変化を理解するための「音声変化ディクテーション」です。
前者は単語1つ1つの音に慣れることを目的としており,後者は英文全体でみたときの音の変化について幅広く学んでいくためのトレーニングとなります。
とはいえ,文字で説明してもわかりにくいと思うので,以下で実際の画面をみながら説明しましょう!
クイックワードクイズ
「クイックワードクイズ」では,単語の聞き取り力を強化するトレーニングを行います。
リスニングでは,聞いた音はその瞬間から消えてなくなるため,読解のときのように,後から前に戻って意味を確認することはできません。
そしてこのときの理解で大きな妨げとなるのが,耳で聞いても即座に意味がわからない単語のわけです。
「即座に」という部分が大切なところで,発音を間違えて覚えてしまっていた単語や,意味が出てくるまでに時間がかかるような単語については,英語学習者の誰もが苦い経験をさせられた覚えがあり,日頃からなんとかしたいと思っているのではないでしょうか。
私もbatteryの発音やchargeの意味には悩まされたものです。
クイックワードクイズでは,会話での利用頻度が高く,発音的にも特殊でユーザーに馴染みがないであろう単語が意図的に多く出題されます。
そのため,短時間で効率良くリスニング力を向上できるというわけです。
AIが進化した恩恵を大いに享受してみてください。
実際のトレーニング方法ですが,単語の音声のみをスペル表記なしで聴き,素早く日本語で正しい意味を答えます。
制限時間は各単語10秒で,4択問題です↓
解答すると,以下のように正解の意味と発音記号が表れてきます↓↓
レベルが低い単語であっても油断することなかれ。
例えば,hotとhat,walkとwork,glassとgrassの違いなど,ぼーっと聞いているとどちらか迷ってしまう単語は意外と多いものです。
なお,トレーニングの練習量ですが,
- Lv.1=全6セクション
- Lv.2=全6セクション
- Lv.3=全9セクション
- Lv.4=全11セクション
- Lv.5=全11セクション
- Lv.6=全2セクション
のようになっており,各セクションはさらに5つのサブセクションに分かれ,各20問は計100問が待ち受けている計算になります。
これを単純にまとめれば,上記レッスン全てで問われることになる単語数は驚愕の「4500問」に達するということです。
問題量の充実っぷりが凄くないですか?
これだけ多くの単語の意味が,音を聞いただけで浮かんでくるようになれば,会話での相手の発言の理解力は大きく変わってくることでしょう。
音声変化ディクテーション
上で紹介したトレーニングは単語レベルの話でしたが,ここでは文章レベルでリスニング力を鍛えることができます。
リスニングPLUSにある「音声変化ディクテーション」では,他人との会話で単語の音声が変化したときの対応力を養成するためのトレーニングだと理解してください。
教訓として学ぶことになるのは,発音記号通りに単語を覚えているだけでは不十分だということです。
実際の会話では,消える音や弱まる音に代表されるような「音の変化」が必ず起こります。
そしてこの現象こそが,すべて知っている単語だけで構成されているはずなのに,話された英文が正確に聞き取れない原因なのです。
音声変化ディクテーションでは,以下の6つのトレーニングを通して,変化した音に対する対応力を養成していきます↓
- つながる音
- 落ちる音
- 変わる音
- 短くなる音
- 弱くなる音
- やわらかくなる音
これだけだとちょっと抽象的で,何を学ぶのかわかりにくいですね。
例えば,最初の「つながる音」の聞き取りにおいては,「連結」と呼ばれる音声変化に慣れるためのトレーニングを行うことになります。
なお,上記トレーニングすべてにおいて,クイックワードクイズと同様,大量の問題演習が用意されているだけでなく,解説動画付きです。
流れとしては,まずは動画を観て,音声変化にはどのような種類があるのかを理解し,次に演習問題を解いてそれらの音に触れ,動画における説明が真の意味で理解できているかどうかを確認していくことになります。
動画は,デイリーレッスンでも評判のイムラン先生によるもので,彼は数多くの日本人に長年英会話を教えてきたベテラン講師です(もちろん実力派)↓
日常英会話コースの講師陣について詳しくは,以下の記事で確認するようにしてください↓
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動画を観れば,学校では習わなかった,ネイティブが発音するとき半ば無意識で行っていることを,しっかりと分析して教えてくれていることに気づくでしょう。
また,こういった説明は英語ネイティブの誰もができるわけではありません。
これは例えば,日本人の私たちが外国人に日本語を説明するときに苦労するのと同じことです。
英会話初心者の目線に立って英語をわかりやすく解説するためには,イムラン先生のような経験豊富なバイリンガルの先生が適任であるように思われます。
続けて,動画で学んだ内容をより具体的な問題を通してチェックしていくことになるわけですが,こちらも問題数をまとめてみましょう。
例えば先に紹介した「連結」に関するトレーニングですが,
- Lv.1=6セクション
- Lv.2=6セクション
- Lv.3=6セクション
- Lv.4=6セクション
- Lv.5=6セクション
- Lv.6=6セクション
のようにレベルごとに用意され,これまた,それぞれが5つのサブセクションを含んでいます。
各サブセクションの問題数が5問ですので,上の問題量を単純に合算すると,これまた驚愕となる「900問」の課題が用意されていることになるわけです。
しかもその問題は,had eggsがハデッグズと聞こえることを伝えるような内容で(連結の例),それだけを様々な問題を通して学ぶ練習帳は希少価値が高いのではないでしょうか。
具体的には,スタディサプリENGLISHがウリにする学習効果の高いディクテーション問題を,制限時間1分という短時間で解いていきます↓
答えると,正解と訳が表示されるだけでなく,注意すべき音声変化についての解説が付いてくるところに注目です↓
「テイクオン」ではなく「テイコン」が実際の会話での聞こえ方だと説明されました。
このように発音記号を介さずカタカナ表記による解説となるので,初心者の方も問題なく取り組めます。
もちろん,発音記号について1から学び直してみるのもおすすめです↓
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音声変化ディクテーションで学ぶ音の法則は,中学や高校の授業で熱を入れて取り組んでこなかったであろう内容ばかりです。
逆にこれまでそういった事実を知らないで英語を聞いてきた人にとってみれば,「リスニングPLUSがきっかけとなり,英語の音に対する意識が大きく変わった」という口コミが多くなるのも納得できるのではないでしょうか。
まとめ
以上,スタディサプリENGLISHから,リスニングPLUSという学習コンテンツについての紹介でした。
クイックワードクイズでは,耳だけで学ぶ単語が全4500問です。
加えて,音声変化ディクテーションでは,学校で習ってこなかった音の法則まで学ぶことができて,音への意識がより強まったように思います。
問題数は900問となり,カタカナによる表記も印象的で,発音記号を意識するようになりました。
リスニングを得意にするための知識と大量の演習問題が,オンラインサービスで簡単に手に入るようになったことは,大いに歓迎すべき時代の流れでしょう。
今や大学受験においてもタブレットで推薦試験が行われ,受験生の正解・不正解がその場で自動的に分析され,問題の出来に合わせて次の出題内容が変わるような試験が実際に行われるようになってきています(例:2018年の佐賀大学の推薦試験)。
スタディサプリの日常英会話コースで,コンピューターの最新技術に驚かされながらも,楽しくそして効率的に英語耳の育成に励んでみてください。
ただ1つ残念なのは,2022年6月以降,本コースの個人での利用が不可となったことです。
日常英会話コースは,それまでに契約していた方しか使うことはできません。
スタディサプリENGLISHを利用したい方は他の有料コースのトレーニングをお試しください。
なお,一番利用料金が安いものでは新日常英会話コース(月額2178円)に契約することになりますが,詳しい料金は以下の記事で確認してください↓
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なお,その他有料コースも含めたキャンペーンコードについては以下の記事にまとめてあります↓
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最後までお読みいただきありがとうございました。