今回は,スタディサプリENGLISHの日常英会話コースから「デイリーレッスン」についてレビューしていきたいと思います。
2022年5月末までの各種有料コースの無料特典であるわけですが,わざわざ使うほどの価値があるのでしょうか。
わざわざ記事にする以上,その答えはもちろん「Yes」であり,ここではその学習内容と使い方についてみていきましょう!
日常英会話コースのデイリーレッスンとは
日常英会話コースのデイリーレッスンですが,無料特典とは思えないほど豊富なレッスンが行える学習コンテンツで,日々の学習はこれを主軸としてこなしていくことになります。
レベル1から7まで細かく分けられたコースには,それぞれ240個ものレッスンが用意されており,学習者の受講レベルとしては英検5級程度の英語力から上は準1級までと幅広く,自分の今の実力に合ったコースが見つかるはずです↓
極端な例になりますが,1日に1レッスンやったとしても,全部のレベルをやろうと思ったら実に1680日が必要となり,これは年数に換算すると5年弱にも及びます。
私の学生時代にこういったサービスがあったら,中学のときから高校卒業までにかけて長くお世話になる英会話教材になっていたことでしょう。
事実,日常英会話コースの評判を調べてみると,やはりこの対象層の広さとボリュームは多くの支持を受けていました↓
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なお,文部科学省が提示している英語教育の目標としては,「中学で英検3級程度,高校で準2級程度」ということなので,在学中になんとかこのレベルには達しておきたいものです。
また,英検2級がLv.5とLv.6の2つに分かれているのは,やはりこの級が日本で特別な意味を持つからでしょう。
最近は中学3年生で英検2級に合格している子も塾で見かけるようになりましたし,高校3年生の子も英検2級を持っていたがために,MARCHを受験する際の英語試験が免除となり,「取ってて良かった!」と喜んでいました。
資格がどこでどう役に立つかを断定することはできませんが,中高生が取れる資格の中で「英検」というのは今でも大きな価値を持つものですので,スタディサプリENGLISH内で唯一中高生が使える「デイリーレッスン」というのは独特の価値があると思います。
それだけに,本コースが単独利用できなくなったことは非常に残念でした(2019年11月のことです)。
2022年6月以降に個人で利用する場合,ストーリーこそ同じですが,トレーニング内容はビジネス英語コースや新日常英会話コースと同じものとなり,名称は「(旧)日常英会話コース」へと変更,担当講師は不在となり,次章以降で紹介するコンテンツの使用はできません。
日常英会話におけるコースの選び方
デイリーレッスンを使うにあたって,コース選択をしましょう!
英検のなんらかの級をすでに取得している方はそれを一つの判断基準とするのもありですが,日常英会話コース内にある「レベルチェック」を使って,AIによる自動判定を受けることをおすすめします↓
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なお,英検を遠い昔に取得された方は,取得級より下のレベルのコースを勧められることもあるでしょうが,最近の英検は過去に比べてより難しくなっているので,表示されたコースを頑張るようにしてください。
講座選択の基準にはもう1つ考えられ,心に刺さるような先生やストーリーが見つかった場合は,測定結果にかかわらず,そちらを受講してみるのも良い結果となるでしょう。
「好きこそものの上手なれ」という格言があるように,楽しく続けることが最も大切です(もちろん,あとから受講レベルを変更することも可能です)。
大人の方で,試験日に追われるようなこともなく,純粋に英語が好きで会話の勉強をされている方は,以下でまとめた本コースの講師陣の紹介文や各レベルのスキットを確認して,面白そうだなと思ったものから始めてみると良いでしょう。
なお,日常英会話コースではリスニングとスピーキングが中心ですが,もし総合的な英検対策を考えている方であれば,文法や読解も学ぶ必要があるので,小中高生向けのスタディサプリも検討してください↓
トレーニング内容と操作方法
ここからはデイリーレッスンの実際のトレーニング風景の紹介になりますが,ここではLv.6のコースを例に紹介させていただきます。
具体的なレッスンに移る前に,まずはイントロダクションを見てみましょう↓
大体のコースで3分弱の動画が流れますが,そんな短時間であっても「なるほど。」と唸らされるアドバイスを得られたり,講師の方の「人となり」も伝わってくるものです。
Lv.6を担当するYuka先生は,「知らんぷり」という日本語を「Sit down please.」の発音と関連させて解説を進めていきます。
このエピソードだけでも,「普段から英語の音声に多大なる興味を持っていらっしゃるんだなぁ」と感じられますし,何より最初の日本語での挨拶が「ごきげんよう」だったことに驚かされました(笑)
自分の周りにはいない大変育ちの良い女性で,新鮮味の溢れる大変素敵な方という印象です。
これから長くデイリーレッスンで学んでいく上で,「この人に付いていきたい」と思える先生に出会えることはとても重要なことのように思います。
さて,このイントロダクションを見終えたら,あとは240ものレッスンにひたすら取り掛かっていくだけです!
以下に1レッスンの構成についてまとめましょう↓
- 内容理解クイズ
- ディクテーション
- 会話文チェック
- なりきりスピーキング
- クイックレスポンス
トレーニングは上記5つのメニューから構成され,最後の「クイックレスポンス」のように後から追加実装されたケースもあります。
以下で1つ1つ詳しくレビューしていきましょう。
内容理解クイズ
内容理解クイズでは,いくつかの聞き取りポイントに注意しながら会話をリスニングします。
1分弱の音声が流れますが,もう聞き取れないと思うところまで何度も聞きなおしてみましょう。
いきなり流暢な英語が流れてビックリしましたが,隣の音同士が,イムラン先生が言うところの「化学変化」を起こしているからそう感じるのでしょう。
「リスニングでは目的意識を持って聞くのが良い」ということで,画面上に表示されている「聞き取りのポイント」に注目しながら何度も聞き返しました。
あまりにも聞き取れないときは会話の速度を変えてみましょう!
3段階(速い・普通・遅い)から選べるので,易しくするには「遅い」を選択します。
速度を変えても不自然な感じにはならず,自然な会話に聞こえるのがいいですね(というよりむしろ「速い」がネイティブ同士の自然なスピードかもしれません)。
ちなみに上記画像にある「左矢印の巻き戻しボタン」は,会話の一番最初に戻るボタンですので,「ちょっと戻す」などの細かい調整はできない点には注意してください。
聞き取りを終えたら,いよいよ内容理解クイズに進みましょう。
質問内容は,先の「聞き取りのポイント」に示されていた3問から出題されます↓
時間制限は10秒,4択問題です。
すでに頭の中で考えていた答えに近いものを選びますので,そこまで瞬発力が問われるものではありません。
答えを選択するとすぐに正誤判定が行われ,解説画面が現れる仕様です↓
こんな調子で3問ほど解いても,まだ腕試しの段階です!
続けて単語クイズに取り組みましょう。
こちらは全部で8問から成りますが,こちらも10秒以内に解いていきます↓
上の写真はprepareに対する出題画面ですが,画面に写っているスピーカーのマークを押すと,発音を何度も聴き直すことができるレスポンスの速さはスマホならではの機能ですね。
答えを選ぶと,意味に加えてつづりや発音記号が確認できる画面に切り替わります(ここでも音声は聴き直せます)↓
最後に採点が行われて,内容理解クイズが終了です↓
正解する以外にも点数にかかわる要素はいくつもあり,「タイムボーナス」は時間内に答えられた場合に,「NOリピートボーナス」は1回で聞き取れた場合に付与されます。
次の「音声スピードボーナス」は速度を「速い」に設定してトレーニングしたときに付くポイントで,その日1回目の挑戦であれば,「本日のファーストトライボーナス」がもらえるようです。
このような飽きない工夫は,次の「ディクテーション」のトレーニングにおいても見受けられます。
ディクテーション
2つ目のトレーニングは「ディクテーション」です。
一般的に英語力の向上にとても役立つトレーニングとされていますので,特に気合を入れて頑張っていきましょう↓
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とはいえ,紙にペンで書いて行うことにならないのが,さすがのスタディサプリENGLISHです。
実際は制限時間1分で,流れた音声通りに英文字を入力していくだけ。
下の画像はパソコンのものですが,スマホ上でもアルファベットをタップしていきます↓
このとき「’」やスペース,固有名詞の入力などは不要で,アルファベットを打ち込むことだけに専念してください。
パソコンで学習する場合は,スペースキーを押すことで音声を聞き直すことができますし,どうしてもわからない場合は「1文字ヒント」や「パス」を使うことも可能です。
1つの英文を入力し終えると,すぐに正解と解説が発表されます↓
一問ごとに解説が入るので,疲れにくい気がしますね。
Yuka先生,頑張ります!
ディクテーションで打ち間違えてしまったものに関しては,以下のように赤文字で区別して表示されてきますが,最後まであきらめずに解き切りましょう↓
スペルミスに関してですが,体感的には3つ4つ打ち間違えるまで不正解扱いにはなりません。
会話文チェック
3つ目の「会話文チェック」は,スキッドの会話音声を通しで聞きながら意味をチェックできるトレーニングです。
単語の意味がチェックできるだけでなく,受講者がつまずきやすい表現については,個別に解説を右の欄で確認することができます↓
解説欄で扱う表現で重要なものについては講義動画まで用意されており,クリックすることでさらに理解を深めることも可能です↓
ちょうど疲れてきた頃にこのような動画を観ることで,有意義な気分転換にもなりますし,もちろん記憶にも残りやすくなります。
上記は「Keep it up」というキーフレーズの解説動画になりますが,発音する際の単語と単語のつながりや,アメリカ英語とイギリス英語両方での発音を聴かせてもらえるので,国別のなまり(発音され方の違い)までも理解することができました!
こういった余談めいた知識がきっかけになって英語に開眼することも大いにありうるので,動画は是非省略せずに観てほしいと思います(個人的にはもっと時間が長くなるといいなと思います)。
また,この「会話文チェック」では,特に採点される項目はないので気楽にやりましょう。
なりきりスピーキング
機械を相手にスピーキングの練習までできてしまうのは,スタディサプリENGLISHの大きな特徴です。
あまりこういうアプリは,周りで見かけないですよね。
最近は他社も真似して出してきましたが,少なくとも参考書を使って発音チェックはできません。
この「なりきりスピーキング」というトレーニングでは,実際の登場人物の役になりきって,自分が会話を担当します。
いわゆる「ロールプレイ」の練習ですね。
パソコンの場合ですと,自分の声を録音するのにマイクが別途必要になりますが,スマホだと通話口に向かって話すだけで何の準備もいりません↓
普段パソコンでスタディサプリENGLISHを学習している人も,スピーキング練習のときだけスマホでやることもできます。
なお,「なりきりスピーキング」の最後では自分の声を含め,スキッドを丸ごと通して聞きなおすことができるのが最高に楽しいです!
スピーキング関係のトレーニングというのは,主に通勤時に学習している方だとついついスキップしてしまうところではありますが,実際に自分の声を聴くのは思った以上に面白いので,ぜひ自宅でやってみてくださいね↓
クイックレスポンス
デイリーレッスンの最後のトレーニングは「クイックレスポンス」です。
新しく追加されたこの機能により,「話す」ためのトレーニングがますます充実したものになりました。
やり方ですが,まずは重要表現と解説を読んで,英文を深く理解することから始めましょう↓
この重要表現の型を使って,さらに練習を積んでいきます。
最終的には「日本語だけみて,すぐそれを英語で言えるようになること」が目標ですが,いきなりだとハードルが高すぎて難しく感じてしまうことが多いです。
ここは素直に,英文を見ながら表現例に慣れていくことから始めましょう↓
このとき実際に自分の声を録音するのが普通ですが,口パクだけでも効果はあるようです。
これだと通学中にもできますね(意外と口パクしている人を電車で見かけるのですが,少しその謎が解けました)。
実際に声を録音しておくと,次ページで表示される確認画面で,自分の声を流しながら一文字一文字綿密にチェックすることになりますので,言い逃れが出来なくなるメリットがあります↓
お手本と自分の発音を,このような感じで聴き比べることができるわけです。
問題は5つと多めですが,これだけ練習すると不思議なことに,わかるができるに変わった気がするでしょう。
例題を理解したら,すぐに練習問題を通して解き直す数学の勉強態度に似ています。
お疲れさまでした!
ここまでですべてのトレ―ニングについてのレビューが終わりになります。
1つのレッスン全部にかかる時間は合わせると45分くらいになりますが,これだけやるとかなりの達成感があるはずです。
最後の最後に総合結果の画面が出てきて,当日のパフォーマンスを評価してくれますが,「よく頑張りましたね」と労われている感じがして,「こういった工夫が日々のやる気を維持するのに役立つんだなぁ」としみじみ思います↓
Yuka 先生,ありがとうございました!
まとめ
以上,スタディサプリENGLISH日常英会話コースのメインコンテンツである「デイリーレッスン」についてのレビューでした。
先に紹介した記事内でも述べたように,デイリーレッスンのストーリーはシナリオに定評のあるゲーム会社に委託して作ってもらったものなので,細部まで凝っていて飽きがこない作りになっています。
英会話が行われている場面も,実際に学習者が置かれている環境に近いシーンになっており,出てくる表現の多くが,普段言いたかったけど,英語でどう言えばよいのかわからなかったものばかりであることに嬉しくなることでしょう。
例えば以下の英文はそれをよく表しています↓
これ一文覚えてしまうだけで,色々な表現や単語を学べますし,that以下では言い間違えの雰囲気まで練習できてしまうのもリアル感があって素晴らしいと思いませんか。
実際の会話では言い淀みもよくある表現の1つです。
同じスタディサプリENGLISHにあるTOEIC対策コースに比べると,講師が解説する時間が短いのは事実ですが,それでも動画を通して学ぶことは多かったように思います。
そして肝心のトレーニングメニューにおいては,英語の学習で疎かになりがちなスピーキングの練習が充実していたので大変役立ちました。
声に出すことで記憶にも残りますし,もし英検を受験する方であれば,2次試験で面接を受けることになるわけです。
それこそ今回のレッスンでYuka先生がおっしゃっていたように,普段から話す練習を積んでおけば,本番で自信を持ってスピーキングすることができることと思います!
英会話においては「中学生で習う英語がわかるだけで,会話の7割は理解できる」という話を耳にしますが,「書くこと」に関しても,中学で習う文法だけで以下のような文章を書くことができます(長年私が愛読しているじゃれマガより転載)↓
どうですか?
こんな英語が書けたら日常生活では十分ですよね(中学英語の卒業レベルは英検3級程度です)。
是非,スタディサプリENGLISHのデイリーレッスンで「聴く」と「話す」能力を高めて,理想の自分に近づいていきましょう!
本英会話コースは2022年6月以降の利用は不可ですが,TOEICやビジネス英語,おもてなし英語などに興味がある方は,これら有料コースに登録することで,同じストーリーで学習することはできます。
申し込みの際にお得となるキャンペーンコードについては,以下の記事をチェックしてみてください↓