スタディサプリの中学講座が評判になっている理由の1つに,公立高校の過去問をダウンロードして使えるところが挙げられます。
受験を意識する中3の秋頃になると,いよいよ入試問題を解き始めることになるわけですが,その際,自分が受ける学校ではなく「他校の」過去問から解いてみることは,私の塾でもよく用いられるテクニックです。
そうなると,できるだけ多くの高校の入試問題を解きたくなりますが,その時に冒頭のダウンロードサービスが役に立ちます。
また,高校受験においては学校の定期テストの場合とは少し異なる対策が必要となり,それは特に主要科目で顕著です。
その点に関しても,万全とは言えないものの,この受験対策講座で対策できます。
今回の記事では,スタディサプリで高校の過去問をダウンロードする方法の話から始めて,受験対策講座の役立つ使い方についてみていくことにしましょう!
スタディサプリで高校の過去問をダウンロードする方法
スタディサプリを使っている中学生の中には,公立高校の合格を目標にしている方も多いと思いますが,夏休みに短期集中の精神で猛勉強し,今までの遅れを一気に取り戻してしまう勢いのある先輩も,合格体験談を読む限り,結構な数いそうです↓
特に,夏まで部活に打ち込んでいて,あまり受験勉強ができていなかった中3生ほどそのような傾向が強いように思われます。
なんだか勉強ができるようになってきたかも。
秋になってこのように実感できると,模試や過去問を使って夏休みの勉強の成果をさっそく確かめてみたくなるものですが,そのような中学生の要望に応えてくれるのが,スタディサプリ中学講座にある「高校受験対策講座・受験対策実践講座」というわけです。
名前については別に覚える必要はありませんが,ここでは以下のように分類しています↓
スタディサプリの受験対策講座
高校受験対策講座:英語(リスニング講座とリーディング講座)と数学に存在し,中1・中2・中3のそれぞれに存在する。
受験対策実践講座:小学講座・高校講座のアプリ・Webブラウザからのみアクセスが可能(中学講座では表示されない)。学年としては中3にのみ存在し,教科は英数理社の4つ。
前者についてはまだすべてが出揃ってはおらず,例えば数学は2022年7月に追加予定ですし,リーディング講座の一部についても徐々に追加される予定です。
一方,後者においては以下の2つが利用できます↓
- 約5年分の入試問題から作成したオリジナル問題
- 9都道府県に対応した過去問3年分とその解説動画
ただし,過去問が存在しない県があったり,2019年度までで更新が止まってしまっている点には注意が必要です。
とはいえ,最新の過去問が書店に並ぶのは6月の中旬であることや,最新の問題にそれほどこだわる必要がないことを考慮すると,今でも一定の利用価値はあると思います。
もちろん,自分が受けるところのものは最新年度のものを揃えたいところですが,第1志望のものでない限り,夏前からでも対策できてしまうのが受験対策実践講座の強みでしょう。
問題集を購入するとなると,1冊最低でも1000円はしますので,3校分も解いてしまえば,スタディサプリの月額料金の元は十分に取れてしまう計算です。
これら2つの講座の詳しい使い方については次章以降に譲り,ここでは試しに「北海道公立高校の英語過去問」をダウンロードの方法を紹介しましょう。
PCの画面を使って説明しますが,まずは上部に見えている講座一覧を選択し(①),中学3年生の講座一覧を開いてください(②)↓
次に,表示された中3講座のうち,「○○【受験対策実践】」という名前の講座において過去問をダウンロードすることができます(○○には「英語」や「数学」といった教科名が入ります)。
今回は「英語【受験対策実践】」を選択することにしますが,北海道の公立高校の過去問が一番上に出てきました↓
クリックすると,学習進捗画面が開きますが,その画面を下にスクロールしてみてください。
すると一番下のところに3年分の過去問が確認できるので,好きな年度のものを選択しましょう↓
その先のページから,過去問のダウンロードができます↓
PDF形式なので,自宅のプリンターを使って印刷することも可能です。
このとき,問題と解答が利用できるのはもちろん,リスニングの音声も聴けますし,動画での解説や全訳まで確認できるのでご安心を。
ただし,この便利な過去問ダウンロードができるのは,現在のところ以下の9都道府県のみです↓
過去問が収録されている都道府県
北海道・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・福岡県
上に名前が出ていない県のものは,後で紹介する「演習講座」のみの利用となることにご注意ください。
スタディサプリの高校受験対策講座の使い方
ここからは使い方の解説に移りますが,まずは高校受験対策講座からです。
こちらは新しく追加されたコンテンツなので,情報が新鮮なのが嬉しいところですが,普段使っている画面から英語または数学を選ぶだけで発見できます。
ちなみに,上の画像は中3英語の高校受験対策講座の例です。
余談ですが,受験対策実践講座には,上記画像の下に見えている青いボタンや,左側にある「小学講座・高校講座」をクリックすることでアクセス可能であることも覚えておきましょう。
英語ですが,リスニングについては学年ごとに22講義ずつの計66個,リーディングは学年ごとに33個ずつの計99講義となります(あくまで予定となります)。
このうちリスニング講座は音声を聞いて問題に答えるものですが,その内容は応答問題・内容理解問題・写真説明問題・3ヒントクイズと多岐にわたり,制限時間付きで解くものです↓
なお,答え合わせの際は,放送された全文が読める以外に,動画による解説が部分的に利用できる他,再生速度を0.75~2倍速に変更することができます。
動画では高校入試に役立つテクニックが紹介されることになるので,確か受験対策という名にふさわしい内容です。
音声のみを聞き直すこともできるので,音読するなどして復習しましょう。
一方,リーディングについてはhop→step→jumpの順番に難易度が高くなっていく構成です↓
1つの同じ英文に対し,テーマ把握問題と内容把握問題の2つの視点から出題がなされます。
動画や全訳はなく,解答と正解の根拠のみの提示とはなりますが,論理展開を把握する問題や指示語の指す内容について答える問題など,受験を意識した出題になっており,語注の付く単語が見られるなど,こちらも本番を意識した内容でした↓
1つの講義自体は10分程度で終了できてしまうものですが,普段の学校の授業内容とは明らかに違う内容なので,学習にメリハリを付けることもできます。
受験前に全学年分まとめて解くのもよいですが,月に1度の腕試しだと思って解いてみるのもよいでしょう。
※数学については,追加され次第書く予定です。
スタディサプリの受験対策実践講座の使い方
めでたく高校の過去問をダウンロードした暁には,一体どのように進めていけばよいのでしょうか。
ここでは,受験対策実践講座の一般的な使い方について説明します。
過去問を解いて採点する
過去問を解いてみないことには何の話も始まりません。
解答用紙はないので,ルーズリーフやノートに答えを書くようにしましょう。
時間を測らずにやる方法もありますが,一番わかりやすいものは
とりあえず制限時間内に解くようにして,解き終わらなかった問題はそれとわかる形で(例えば青ペンで答えを書くなどして)最後まで全部解く
ことだと思います。
制限時間内にすべて解き終えられるのであれば全く問題ありませんし,もし解き終えられなかったとしても,
- 青ペンで書いたものを含めると高得点→早く解く訓練が足りていない
- 青ペンで書いたものを含めてもダメ→そもそもの実力が足りていない
といったふうに分析できるわけです。
言われるまでもないかもしれませんが,丸付けは必ずするようにしてください。
このとき,あまり採点に時間をかけたくないので,得点は割合で計算してしまって構いません(30/40なら75点など)。
解説動画を観て解き直す
前章でPDFダウンロードができたページがあったと思いますが,その左には,音声を聴ける「リスニング音声」や「確認テスト」の他に,「ビデオチャプター」なるものがありました。
それを開いてみると,詳しい過去問解説動画まで観ることができてしまうわけです↓
しかもこれらの動画は,学校別に作ってあるので,すべて内容が異なります。
解説を聞いて納得したら,間違えた箇所を一度と言わず何度も見直しましょう。
そこまで終えたら,今度は別年度の問題かもしくは違う都道府県の過去問をダウンロードして同じことを繰り返しますが,時間無制限で解いた際に過去問の出来が極めて悪かった方は,次の手順に進むようにしてください。
単元別に演習する
学習進捗が出てくるページをよくみてみると,いくつかの単元別に演習を積むことができることに気づくはずです↓
これはいわゆる演習講座にあたるもので,こちらは47都道府県にあるどの公立高校を志望する中学生であっても利用することができます(ややこしいのですが,内容は47都道府県共通です)。
例えば,英語は以下の4つに分かれており,ここに収録されている問題を1つずつ解いていくことで,無理なく実力をアップさせることが可能です↓
- 英文法・語彙
- 長文読解
- 英作文
- リスニング
わずか数個の単元しかないので簡単そうに見えますが,1つ目の「英文法・語彙」の単元はさらに細かく5つ(空所補充,整序英作文,文法問題,語彙,和文英訳)に分かれています。
試しに「空所補充」を開いてみると,計1時間にも及ぶ動画と20問程度の演習問題が用意されていました↓
演習問題はテキストをダウンロードすると見つけられますが,これがなかなかに取り組みがいがある量で,問題の難易度が3段階に分かれていることを生かして,
- 難関校志望者→STEP3まで解く
- 中堅高校まで→STEP2まで解く
といったふうに使い分けることもできます。
とはいえ,「一体どの学校までが中堅なのか」という話にもなってきますので,「とりあえずSTEP2までやってみて,全部復習して完璧になった段階でさらに余裕がある単元のみ,STEP3に挑戦してみる」という使い方をしてみてはいかがでしょう。
高校受験のコツは,みんなが解ける問題を落とさないことです。
ここで苦手科目や単元が見つかった場合は,通常講座の方に戻って復習しましょう!
最後に,英語以外の教科の単元をまとめておきますが,要するに全範囲ということです↓
数学:数と式・方程式・関数・図形・確率・統計
国語:文法・論理的文章の読解・物語と小説の読解・韻文の鑑賞・古文の読解・作文
理科:物理・化学・生物・地学・形式
社会:地理・歴史・公民
個人的には,数学の統計や国語の作文,理科の形式(作図問題の解き方)が必見だと思います。
おわりに
以上,スタディサプリ中学講座から,公立高校の過去問をダウンロードする方法と2つの受験対策講座の使い方についてみてきました。
今回述べた中で,特に重要だと思う点は,
- 9都道府県の過去問3年分がダウンロードできる
- 6月中旬に過去問が市販される以前から対策が可能
- 3校分もやればベーシックプランの月額料金の元は取れる
- 高校受験対策講座は英語と数学のみ
- 高校入試にみられる出題形式で練習が可能
- 過去問の出来が悪かった単元は通常講座で復習する
ということです。
公立高校や普通の私立高校(難関校除く)を受験するのであれば,試験範囲は教科書内容までと決まっています。
また,自校作成高校を受ける場合であっても,まずは公立高校の問題が解けるようになることを目標に設定することは,どんな生徒を指導していても変わりありません(理社にいたっては共通問題ですし)。
公立高校を受験する中学生は,なるべく多くの公立高校の過去問を解き,合格点をコンスタントに取れる状態にすることを目指してください。
これはスタディサプリに限りませんが,都心に近い県の問題は難しくなる傾向があるので,離れた県から挑戦してみることをすすめます。
受験対策講座の方も忘れず解くようにし,わからないところがあれば,周りにいる先生等に質問して助けてもらいましょう!
これからスタディサプリを使う予定の方は,早速,使ってみてください↓
時期によってはキャンペーンが開催になっていることもあります↓