高校受験は大学受験と比べると学習範囲や競うライバルが少なくなるため,スタディサプリの中学講座で学ぶだけでも中々に良い結果が期待できます。
令和時代の教育方針では日常的に勉強することが前提となっている他,中学では内申点が合否に影響することが多いので,早めに準備を始めた方が有利ですが,オンライン教育を上手に利用すれば,たとえ中3の夏から受験勉強を開始しても高校受験に必要な学力を付けることは十分可能です。
とはいえ,何をどのような順番でもって学ぶのかを知っておかなければ,いきなり受験対策講座や過去問を解き始めたところで合格点が取れるようにはなりませんし,冬になったら過去問を解いていく必要があります。
今回の記事では,中3となったスタサプ生が受験勉強をするときに気にしておきたい事柄について,特に「高校受験対策講座の使い方」を中心にみていくことにしましょう!
高校受験する中学3年生が最初に気にすべきこと
「高校受験をする中学3年生」といっても各人の状況は様々です。
中学1年生の時から真面目にコツコツ学んできた生徒であれば内申点は高くなりますから,良い高校を志望しても受かりやすいように思います(中2までの成績に配慮しつつ中3の内申点を付けることもあります)。
高校受験をするにあたって教科別かつ学年別に到達しておきたい目標が存在し,その際に使うべき参考書と共に以下の記事にまとめているので,興味がある方は読んでおいてください↓
とはいえ,誰もが順調に学んでこられたわけではないと思います。
一部教科に苦手意識を持っている中3生も多いでしょう。
そこで,現在の学力がどの程度なのかを把握する必要があるわけですが,上の記事を基に中3の春時点での理想的な状態を示すと以下のようになります↓
中3春の学力目標
英語:英検3~4級に合格できるだけの文法力と読解力がある。
数学:中学2年生までの問題集が解ける学力。
国語:読解用の問題集を2~3冊終わらせている。
理社:中2までのまとめノート作りと問題集を終えている。
もっとも,これらを自分1人で判断できないこともあるかと思うので,スタディサプリにある問題を使って確認してみましょう!
中3のスタサプ生が受験勉強の最初に使うべき講座
前章の内容を頭に入れた状態でスタディサプリを使うようにしますが,「英検対策講座」と「中1・2総復習」の2つがおすすめです。
英検対策講座
英語は英検3級の対策講座を用いて実力をチェックします。
テキストは語彙や文法問題から始まり,読解問題も登場してくるので使いやすいです↓
必要に応じて講義動画を利用することもできますが,最低限,問題を解いてみて正解できるかどうかを確認してください。
満点を取る必要はありませんが,もしも5割以下の正答率であれば中2までの学習が足りていないので,次に紹介する総復習講座を続けて解くようにしましょう。
4級対策講座を使う場合,テキストが存在せずにドリル形式のみとなりますが,収録されている過去問を解いてみて7割以上の正解率であれば大丈夫です。
スタディサプリの英検講座について知りたい方は以下の記事をお読みください↓
中1・2総復習
スタディサプリには中学1~2年生で学んだ内容を簡単に振り返ることができる講座も存在しています。
名前を「中1・2総復習」と言い,英語・数学・理科・地理・歴史・国語において利用が可能です。
公民は中3になってから学ぶので復習教材が存在しない他,国語は古文と漢文のみとなっていること,英語は文法のみとなっていることに注意してください。
ただし,英語に関して,英検3級の問題が難しすぎるのでなければこちらをわざわざ使う必要はなく,理科や地理・歴史は中3の夏以降で知識を一気に詰め込むことが普通で,入試問題もさほど難しくならない傾向にあるため,時間に余裕があるのでなければ使わなくて大丈夫です。
よって以下では数学と国語を中心にみていきましょう!
解説を読んでもわからない問題があったら,中1~2講座から学び直すことも検討してください↓
これら2教科の使い方については以下の記事が詳しいです↓
スタディサプリの高校受験対策講座の使い方
中3のスタサプ生が高校受験のために用いる教材のメインは「中3受験対策講座」になりますが,自校作成問題を出すような高校には対応していません(前章で紹介した中1・2総復習も広義の受験対策講座に含まれますが,ここでは別物と考えてください)。
もっとも,難しい高校を受ける場合であってもスタディサプリの受験対策講座の内容を理解できていないようでは話になりませんから,その意味では誰しもが取り組むべきものです。
講座を開くと「はじめに受験対策講座の使い方をみよう!」があり,そこで使用時期の目安などを確認できます。
例えば,英語で「受験対策」と書かれたものは遅くとも12月までに終えるようにし,「入試直前演習」と書かれているものは過去問や分野別演習に近い内容なので,あらかたの学習が終わってから用いるようにしてください↓
国語や理科・社会に関しては過去問的なものの用意がないため,英数で受験対策が終わったのと同じくらいのタイミングで終了させるように計画してください。

なお,国語と理科・社会の受験対策講座には3つの難易度が設定されていて,あえて全部解かずに一通り見てしまう方法も有効でしょう。
スタディサプリだと以下のように説明されていますが,
- 難関校志望者→STEP3まで解く
- 中堅高校まで→STEP2まで解く
これをあえて次のように解くわけです↓
- 難関校志望者→ひとまず全部をSTEP2まで解き,後でSTEP3を学ぶ
- 中堅高校志望者→ひとまずSTEP1だけを全部解き,2周目でSTEP2までを解く
この方法の良いところは,広く浅く解くことになっても短時間で全範囲に目を通せてしまうところで,例えば読書していて,残りがあとどれくらいなのか気になってしまう性格のスタサプ生に向いています。
「一体どの学校までが中堅なのか」という話もあるため,
- とりあえずSTEP2までやってみて,全部復習して完璧になった段階でさらに余裕がある単元のみSTEP3に挑戦してみる
といった使い方をしても構いません。
いずれにせよ,高校受験に勝利するコツはみんなが解ける問題を落とさないことです。
その「みんなが解ける問題」というのが,志望校の偏差値によって上下すると思ってください。
過去問や問題演習を通して苦手科目や単元が見つかった場合は,通常講座に戻って復習しましょう!
以降では,高校受験対策講座以外で,受験に役立つヒントめいたものをいくつか述べていくことにしましょう!
英語は通年講座のリスニングやリーディングも解く
これは普段スタディサプリで学んでいなかった人が,高校受験用に途中から使い始めた場合のアドバイスになりますが,通年講座にある「リスニング」と「リーディング」(どちらも共通版)を解くことが有効です↓
これらは中学1~2年生向けの講座内にも存在し,その時までに学習した文法事項のみを使って作成されています。
内容について詳しくみていくと,リスニング講座は音声を聞いて問題に答えるだけでなく,出題形式は応答問題・内容理解問題・写真説明問題・3ヒントクイズと多岐にわたっており,制限時間がある中で解くものです↓
答え合わせの際は,放送された全文を読める以外に動画解説が部分的に利用でき,音源の再生速度を0.75~2倍速に変更することもできます。
動画では高校入試に役立つテクニックが紹介されるので,受験対策講座と言ってもいい内容です。
音声のみを聞き直すことができるので,音読も取り入れて復習しましょう。
一方,リーディングにおいてはスモールステップ方式が採用されており,hop→step→jumpの順で無理なくレベルアップしていける構成です↓
同じ1つの英文に対して,テーマ把握問題と内容把握問題の2種類が用意されています。
動画や全訳はなく,解答と正解に至る根拠のみが提示されますが,論理展開を把握する問題や指示語が示す内容について答えるもの,はたまた語注が付く難単語が見受けられるなど,本番を意識した出題形式になっていると感じました↓
1つの講義自体は10分程度で終えられますが,学校の授業で習う内容とは明らかに毛色が違うものです。

過去問の使い方を工夫する
秋になって,
なんだか勉強ができるようになってきたかも
と実感できると,模試や過去問を使って夏休みの勉強の成果をさっそく確かめてみたくなるものですが,スタディサプリの高校受験対策講座では高校の過去問をダウンロードすることはできないので,各自が別で購入するようにしてください。

間違えたものを念入りに復習することと基礎知識が身についていることが前提になるものの,基本的に過去問というのは,解けば解くほど合格可能性を高めてくれます。
確かに,スタディサプリには英数に高校入試実戦テスト(先に紹介した「入試直前演習」に含まれる過去問的なもの)がありますが,それだけの量では足りません。
科目が不足しているばかりか,解く量が全体的に不足していますし,使い方についても工夫をする必要があります。
以下でいくつか紹介しましょう!
他校の過去問から解いてみる
受験を意識する中3の秋頃になるといよいよ入試問題を解き始めるわけですが,その際,自分が受ける学校ではなく「他校の」過去問から解いてみることは,私が塾でよく使うテクニックの1つです。
志望校よりも偏差値が低い学校の過去問は解きやすいでしょうし,逆に高いレベルのものを選ぶようにすると本命の問題がより解きやすく感じられるようになります。

そうなると,できるだけ多くの高校の入試問題を用意しておきたくなるもので,解くべき過去問の数は多いに越したことはありません。
採点を工夫する
過去問を解く際は解答用紙に答えを書くようにしましょう!
なお,丸付けを必ず行うようにしますが,採点にあまり時間をかけたくないので,多少不正確になっても,割合で計算してしまって構いません(例えば,40問中30問正解なら75点と計算してください)。
時間を測らずにやる方法もありますが,一番わかりやすいのは以下のものだと思います↓
- とりあえず制限時間内に解くようにするが,解き終わらなかった問題はそれとわかる形で(例えば青ペンで答えを書くなどして)最後まで全問解く
制限時間内にすべて解き終えられるようであれば全く問題ありませんが,上の方法で解くことによって,解き終えられなかった場合であっても以下のように分析できるわけです↓
- 青ペンで書いたものを含めると高得点→早く解く訓練が足りていない
- 青ペンで書いたものを含めてもダメ→そもそもの実力が足りていない
1と2のどちらが良い状態であるかは言うまでもありません。
もちろん,すべてが1の状態になることを目指してください。
時間を測って解く
すぐ上で,実力を知るために制限時間を設けずに解くことの重要性について述べましたが,時間を測ってやることも同じくらい重要です。
最初に問題全体をざっと眺めて,制限時間内にどのような順番で解いていくのが良いかを見抜く能力が育ちますし,時間が余った場合の見直し戦略について考えるためのきっかけになります。
時間はかかるけれど解ける問題や,計算ミスが心配な問題などに独自のチェックをして一目でわかる状態にしておき,時間が余った際に優先順位に基づいて解くといった練習は,制限時間を設けなければできないことです。
特に,直前期には制限時間を5分くらい短く設定して過去問を解いてみるのも良い方法です。
おわりに
以上,スタディサプリを中3生が用いて高校受験対策をするときの学び方についてまとめてきました。
今回述べた中で特に重要だと思う点を書き出してみると以下の通りです↓
- まずは中1~2の学習内容が理解できていることを確認する
- 中3の2学期~12月頃までに中学範囲の全範囲を学び終える
- 過去問は別に購入すべき
- その際,解き方や採点の仕方を工夫したい
- 英語は通年講座や英検講座のコンテンツも使う
- 出来の悪い単元は通常講座で復習する
公立高校や普通の私立高校(難関校除く)を受験するのであれば,試験範囲は教科書内容までと決まっています。
また,難関校を受ける場合であっても,ひとまずは中堅高校の過去問を解けるようになることを目標にすべきで,これはどんな生徒を指導するときにおいても変わりありません(理社に限っては全ての高校が共通問題です)。
特に国公立を受験する中3生は,なるべく多くの過去問を解くことによって合格点をコンスタントに取れる状態になります。
これからスタディサプリを使う予定がある方は,時期によってキャンペーンが開催になっていることもあるので,スタディサプリのキャンペーンコードのまとめをチェックしてから始めるようにしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。