はじめに
本記事は,歴史・地理・公民という膨大な知識を単なる丸暗記ではなく,しっかりと関連付いた「生きた知識」として脳内やノートに定着させるための「社会ノート作成の実践マニュアル」です。勉強法(全体像)については以下の記事をお読みください↓
社会科を勉強する際,教科書や問題集を使えば良いくらいのことはわかっていても,はたしてどのような順番でもって学んでいくのが最善なのでしょうか。
また,定期テストのときだけではなく,受験にも役立つノート作りを普段からしておけば,いざ最高学年となって社会を学び直す際にとても役立ちますし,大きな時間の節約に繋がります。
たとえ塾に通ってみたところで,やるべき問題集の宿題が別に与えられるだけで,普段の勉強法について丁寧に教えてくれるところは少ないですから,「社会の成績が上がる勉強法やノート術」についてここでしっかり学んでおきましょう!
この記事で解決できること
- 社会特有の膨大な用語を,単なる暗記ではなく「関連付けられた知識」として整理する正しい学習手順がわかります。
- 「5回以上の復習」に基づき,ワークや演習ノートを効率よく使って知識を定着させる方法を習得できます。
- チェックペンを用いた「なぜそうなったのか」を問う確認テストにより,記述問題の正答率を劇的に向上させます。
- 白地図や年表,マインドマップを駆使して,受験本番まで使える「最強のまとめノート」を作ることができます。
社会の正しい勉強手順
社会で扱う範囲は中学だと地理・歴史・公民の3つがあり,高校になると日本史探究や世界史探求,公共や倫理,政治経済などとさらに数が多くなって大変だと嘆く生徒が多いのですが,基本的な勉強のやり方は共通のものがただ1つしかありません。
いわゆる「暗記科目の王道の勉強法」となり,自分で何か新しいアイディアを創作したり,試行錯誤や複雑な計算を繰り返したりすることは少ないです。
そのため,勉強に取り組む際は「読む→解く→確認する」という手順に従います↓
- 教科書を読む
- 問題を解く
- ノートを確認する
もちろん,これらそれぞれにおいて社会科ならではの注意点があるわけで,以下で一つひとつみていきましょう!
教科書を読む
まずは教科書を読んで内容を理解します。
誰が読んでもわかるように書かれているのが教科書ですが,学校で授業をまともに受けた直後ならまだしも,時間が経つか予習段階に読むとなると難しさを感じることが少なくありません。
その場合,歴史について学べる学習マンガを読むか,スタディサプリのようなオンライン教育サービスで動画授業を観るでも構わないので,まずは全体像(ストーリー)を把握してから教科書を読むのがおすすめです↓
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ところで,テスト期間に入って早く勉強を済ませたいからと,授業ノートの用語をいきなり丸暗記しようとすることのないようにしてください。
前後の流れ(文脈)を持たない単語の丸暗記は,脳にとってすぐに忘れてしまう意味のない情報です。
大前提として,テストに出てくる問題というのは文章の形で問われることが多く,現代の入試においては,論理的に考える力を問うなどの目的でさらに長文化・複雑化する傾向にあります。
なのでいきなりノートの用語だけを覚えようとするのは,整理棚を作らずに机の上にプリントをばら撒くようなものです。
まずは教科書や動画で歴史のストーリーを追い,頭の中に「知識を整理するための引き出し」を作ってください。
この「全体像の把握」を先に行うことで,後から覚える用語が正しい引き出しに収納され,テスト本番で思い出すスピードが劇的に上がります。
逆に,ノートに長い文章をつらつらと書き写してしまうようであれば,それこそ教科書を読むだけで済んでしまうわけですから,ノートは教科書とは違う構成であってしかるべきでしょう。
以上のことから,定期テスト前であっても,まずは教科書を読んで大きな流れを理解するところから始めることが大切です↓

とはいえ,隅々まで読んで完璧に覚えようとすると物凄く時間がかかってしまい,効率が良くありません。
特に,日本史や世界史のように,ある出来事が別の事件の原因となる科目の場合,全体の流れを追うことを優先し細かい年号などは後回しにすべきですし,地理や政治経済のような科目であっても,最初は太字になっている用語を中心に確認する程度に留めましょう。
なお,最初から最後まで1回通読したくらいではまだまだ理解が不十分ですし,どの部分が本当に重要なのかはわからないものです。
ゆえに,自分の記憶力の悪さを嘆く必要はありませんし,この最初の段階でチェックペンで線を引くことはしません。
問題を解く
教科書を一通り読んだら,ワークや問題集を使って実際に問題を解いていきます。
この作業を通して「実際の試験ではどういったふうに出題されるか」や「絶対に覚えるべき重要なキーワードが何なのか」を具体的に知ることができるわけです。
教科書を読んでわかったつもりでいた内容も,文章の形で問われるとなかなかに答えるのが難しいように感じられるでしょう。
ワークや問題集に初めて挑戦するときは,ほとんどの問題が不正解になるのが当たり前の状態と言っても過言ではありません。
なお,塾でよく注意することなのですが,このときワークや問題集にいきなり答えを直接書き込まないようにしましょう。
以下のように書き込んでしまえば,たった一度しか問題を解く練習ができなくなってしまいます↓

上のワークによく目を凝らしてみると,解答欄の一つひとつにわざわざチェックボックスが設けられていることに気づくのですが,この生徒は全く活用できていません。
書き込みを行ったとしても,間違えた問題に対してバツを付けるのではなく,再度挑戦できるよう,消しゴムで消すだけにとどめておくべきだったのです。
基本的に,ワークや問題集というのはノートに繰り返し解き直します。
そして,間違えてしまった問題は時間を空けて2回,3回とやり直し,自力で正解できたときに初めてチェックボックスを塗るようにしてください。
そうすれば,上のワークで間違えた問題を最低3回は繰り返し解くことができるようになります(当サイトが提唱する王道勉強法では,確実に記憶に定着させるために5回以上復習するルールを推奨しています)。
このように指導すると決まって,
ワークに直接書き込んで学校に提出しないといけないんですが…
という悩み相談が返ってくるのですが,その場合,書き込む前にワークを数枚コピーしておくのはいかがでしょうか。
このような勉強の工夫は私の塾においては常識となっていますが,転塾してきた生徒を見るに世間一般に浸透しているとは到底思えません。
特に,集団指導が主体のところでは,ワークの正しい使い方すら指導できていないのが現状です。
ノートで確認する
最後に学校のノートの見直しを行いますが,これは全体の内容の総確認を目的としていながらも,教科書やワークを使っていた際に意識できていなかった重要事項を選別する作業も兼ねます。
勉強を始める前であれば,単なるキーワードの羅列でしかなかったノートですが,歴史のストーリーが頭の中に入った後で読むと「この出来事があってこれが起こったんだよな」と単語の背景まで理解できるようになっていて,実力が付いたことを実感できるはずです。
ノートを見ながら社会の授業の先生の言葉を自分の口で説明できるようになるのが理想的な状態で,ワークに出てきたキーワードに特別な注意を払えるようになっている他,学校の先生が追加で黒板に書いた重要用語の存在に気づくこともあるかもしれません↓

後者のような用語は教科書の端の部分に小さく書かれていたり,一部の教科書にしか載っていないマニアックな知識だったりしますが,テストで満点や高得点を狙う方はそういった細かい部分までしっかり覚えるようにしましょう。
以上が社会を勉強するときの基本的な手順になりますが,ここまでの内容を実践してみるだけでも,定期テストの点数は劇的に変わってくるはずです。
ですが,試験範囲の内容をかなり理解できた状態から,さらに一歩踏み込んで「まとめノート」を作っておくことで,ここまでの頑張りを入試本番にまで役立てることができます。
次章では,入試にも使える社会のノート術についてみていきましょう!
受験に使える社会のノート術
ここでは
- チェックペンを使った暗記ノート術
- 入試まで使えるまとめノートの作り方
の2つを詳しく解説します。
チェックペンを使う
ゼブラ社が発売しているチェックペンですが,今や多くの学生が使う人気ツールの1つになりました。
とはいえ,上手に使わないとむしろ勉強の邪魔になる危険性も持っています。
以下は,新しい内容を習いたての理解が浅い段階で,むやみにチェックペンを用いてしまった場合に起こる失敗例で,書いた本人が
どこが重要なのかわからず,全部塗って困惑してしまいました…
と正直に告白してくれました↓

重要語句のすべてにチェックペンを引くのは,情報に対する「優先順位づけ」に失敗している状態です。
前後の文脈(説明の文章)まで塗りつぶしてしまうと,赤シートを被せた瞬間,ノートが真っ黒になり「何について問われているのかすらわからない状態」を引き起こします。
多くの人は上のようなノートを前にして到底勉強する気になれないはずですが,こうした「塗る作業」に多くの時間や気力を費やして,勉強を頑張った気になってしまう生徒は少なくありません。
もしも丸暗記せざるを得ない状況に陥っているのであれば,上のような真っ黒なノートを作るのではなく,一定時間をかけて教科書内容を覚えた後,真っ白な紙に学んだ内容を自力で書き出してみる練習をする方がよっぽど成績アップに繋がるでしょう。
先述したように,教科書に書かれた文章の中で真に大切な箇所がわかるようになるのは,問題演習を重ねた勉強の最終段階に差し掛かってからです。
そこまでは教科書やワークを使って勉強し,教科書をチェックペンでただ汚してしまうだけにならないように注意しましょう。
現在の学年が中学・高校の1年生である場合,教科書は3年間ずっと使うことになることを考慮し,ペンで線を引くことに慣れていない方は,教科書の試験範囲をコピーしたものにチェックペンを引く練習を行うことをおすすめします。
必要分だけまとめてホッチキスで綴じておけば,持ち運ぶ際にも便利です。
さらなる上級テクニックの紹介になりますが,チェックペンやシートには緑と赤の2色がある(最近は青とピンクの2色が主流だったりします)ので,これを利用して,
- 覚える専門用語の答えは緑
- 「なぜそうなったのか」という理由や説明の部分は赤
といった具合に,色を分ける工夫もできます↓

単語そのもの(緑)は単なる「暗記すべき言葉」ですが,なぜその事件が起きたのかという説明部分(赤)は,社会の歴史の流れを理解するための「原因と結果の法則」です。
「この出来事が起きた理由を説明せよ」といった記述問題に苦手意識がある中高生は,この「理由の部分(赤)」を緑シートで隠して,自力で説明できるかテストする勉強法を取り入れてください。
文章をノートに何度も書き写すと物凄い時間がかかってしまいますが,チェックペンを引いて暗記シートを被せ,声に出して確認するだけであれば圧倒的な短時間で何度でも復習できます。
まとめノートを作る
学校の定期テストに向けて必死に勉強したわけですから,いざ受験生になったときに,当時のノートをそのまま再利用できたらこれほど効率的なことはありません。
とはいえ,学校の授業で作ったノートは,分野がバラバラだったり数ページに渡っていたりすることが多いため,テスト前に一目で多くの知識を素早く見直す用途には適していないわけです。
もしそれが単なる箇条書きの羅列であれば,受験前の総復習で知識を思い出すのに苦労します。
そこで,入試本番まで役立つ「最強のまとめノート」を作りましょう!
1つ目に紹介するのは白地図を貼り付けたノートですが,都道府県や国と紐づいた「位置情報」の整理に非常に有効です。
例えば地理の学習に使うことができ,精密な地図より自分で適度に簡略化して手書きした地図の方が逆に覚えやすいことがあります。
このとき,農作物の生産地や工業地域など,テーマを1つに絞って整理することがポイントです↓

オレンジやピンク色のペンは赤シートで隠して消せるので,鉛筆でカッコを付けさえしておけば,シートを載せたときに穴埋め問題のように見えて,自分専用の問題集代わりに使うことができます。
広範囲の内容を1枚の紙にまとめようとするほど,幅広い知識が頭の中で繋がって深い理解(入試での高得点)へと繋がりやすくなりますが,完成したものを別のノートに貼ってみたり,専用のファイルに貯めたりしておくと,数年後の受験期に必ず役立つはずです。
歴史を学ぶ場合は,全体の流れを掴むために「年表をまとめたノート」を作ります↓

日本史や世界史ですと,全体を俯瞰してから細かいところを覚えていくことになるため,時間軸(時系列)に沿って重要事件を中心に覚えていく作業は,歴史の流れの理解を大きく助けてくれます。
まとめノートに大きな余白を残しておくのは,学年が上がり,より高度な問題集で新たな知識を得た際,過去のノートに「新しい知識を書き足す」ためのスペースです。
つまり,上のノートは一回書いて完成ではなく,あくまで未来の自分に向けた準備というわけで,例えば今後自分でイラストを描いたり写真を貼ったりしてカラフルにすることが考えられますし,興味を持った事柄についてAIアシスタントに質問した内容をどんどん書き加えていって構いません。
また,3つ目の方法として,マインドマップ(メモリーツリー)を使ってまとめノートを作ってみるのもおすすめです。
これは,生徒が独力で実践するにはやや難しい方法かもしれませんが,最近では小学生向けの教材でも紹介されるほどに,その学習効果の高さが見直されつつあります。
言葉の繋がりを視覚的にわかりやすくするツリー構造を持っているところが独特で,大人向けのビジネス書でも紹介されることが多く,普段アイディアを整理するのに使っている人も少なくないでしょう。
マインドマップを使ったまとめノートでは,真ん中にメインテーマを書き,そこからいくつかの小テーマに枝を分岐させ,末端にいくほど具体的にしていく図解法となり,膨大な情報を1ページにスッキリまとめられるのが最大の魅力です↓
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マインドマップの書き方完全ガイド
「マインドマップ」は脳の仕組みを最大限に活用できる「万能な」思考ツールです。 仕事のプロジェクト計画やアイディア出しはもちろん,日々の勉強を効率化する「最強のノート術」としても機能します。 早期に書き方を学び,経験を積む ...
続きを見る
例えば公民で,国会や内閣の仕事を全部マインドマップにしても全範囲が10ページ以内に収まりますし,社会以外の幅広い教科においても同様に書くことができます。
まとめ
以上,社会の成績を上げる勉強法とノート術の紹介でした。
勉強法では「教科書を読む→問題集を解く→ノートで確認する」という王道の手順が大切で,ワークは書き込んで提出する前に数枚コピーを取っておくなどの工夫が必要になります。
また,チェックペンを使った暗記ノート作りでは,色の使い分けにも配慮し,教科書をコピーして使ったり,むやみに重要語句をすべて塗りつぶしすぎないようにしたりと,注意すべき点が複数あると述べました。
白地図にまとめた工業地帯,全体を見通せる年表,さらには広範囲の知識を1枚の紙にまとめたマインドマップ。
これらの視覚的にわかりやすい「自分専用のまとめノート」を作ることで,いざ受験生になったときに忘れていた知識を最速で思い出すことができます。
最後になりましたが,ノートは他人にきれいに見せるための作品ではありません。
以下に示す私のノートは,他人が読みやすいかどうかを完全に無視し,自分自身の「復習スピード」と「見つけやすさ」だけを極限まで追求した「最高に使い勝手の良い自分専用のデータベース」です↓

私がこの数年で学んだ知識はすべてこれに書き込んであり,今でも旅行するたびに内容を更新し続けています。
さて,入試で良い結果を残すためには「どの時期までにどの範囲を進めておくのか」といった長期的な学習計画を立てることも非常に重要です。
当サイトに掲載している他の勉強法の記事と併せて,是非参考にしてみてください↓
- 入試計画:志望校合格から逆算する勉強スケジュールと「最短攻略マップ」
- 勉強の全体像:当サイトの提唱する王道勉強法マニュアル
ここまでお読みいただきありがとうございました。

