スタディサプリの中学講座を使って見事高校合格を勝ち取った学習者の喜びの声については,すでに以下の記事にまとめていますが,その中でも特に気になったのが「理科の偏差値を20上げることができた」というものです↓
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スタディサプリで高校に合格した人の使い方!秘訣は短く少なく
スタディサプリの中学講座を使って高校受験した人というのは,一体どのような合格実績を残しており,実際どんなふうにスタディサプリを使っていたのでしょうか。 今回の記事を書くにあたって,高校に合格した先輩の口コミから,合格者に ...
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そこで今回は,その具体的な方法について考察してみるとともに,私が自分の生徒に指導する場合にアドバイスするであろう内容をまとめてみることにしました。
塾に来る中学生の様子を見ていると,英語や数学といった主要科目であれば普段から塾に通っていて大丈夫でも,理社のような副教科はどうしても対策が疎かになってしまいがちです。
今回の記事を読んで,スタディサプリの上手な使い方のヒントを見つけていただけたらと思います。
もくじ
スタディサプリで理科の成績が上がる人とは
今回私が注目したのはN.T.君のコメントで,スタディサプリの中学講座を使って理科の偏差値を20上げることに成功したとのことです。
具体的な数字としては,元々45だった偏差値を65に上げたわけですが,そこまでにかかった期間はわずか「2ヶ月」ということで,人によってはかなり希望を持たせてくれる好例であるように思われます。
おそらく,試験本番まで日数もそれほど残っていなかったのでしょう。
模試の結果を確認できていることから,夏~秋ごろに必死に頑張ったのだと思います。
とはいえ,切羽詰まっていたわけですから,やる気は十分にあったと考えてよいはずです。
なお,彼が見事合格を果たした愛知高校というのは,県内で上から20番目くらいに位置する私立高校で,都内で言うと日本大学鶴ヶ丘や東京農業大学第一高等学校,大阪府だと帝塚山学院泉ヶ丘高等学校や同志社香里高等学校のレベルに相当します。
このくらいの高校に受かる生徒であれば,潜在能力も中々に高かったのかもしれませんが,中学理科という教科の性質上,実際本番で解くことになる問題はそこまで難しい内容にはなり得ません。
少なくとも,英・国・数といった主要科目に比べればずっと取り組みやすいことは確かです。
それでは,上記コメントに基づき,同じ2ヶ月という短期間で中学理科の全範囲を学んでいくときの方法と注意点について考えてみることにしますが,まずは,スタディサプリの中学講座についての基本知識を確認するところから始めましょう!
スタディサプリの中学理科講座について
スタディサプリの中学理科講座は目的別にみた場合,以下の3種類に分けられます↓
- 教科書に対応した講座
- 定期テスト用の講座
- 受験対策用の講座
なお,2022年2月以降のリニューアル版(ミッションが表示されるもの)には2つ目以降の講座は表示されてこないので,必要とあらば「小学講座・高校講座」のページに行くようにしてください。
上で最初に示したのがメインとなる講座であり,以降は教科書講座と呼びますが,中1~中3までの学年別に,東京書籍・啓林館・大日本図書・学校図書・教育出版の教科書内容に沿った講義が行われます(それ以外の教科書の方は共通版を利用します)。
通常であれば,こちらを学校の復習に用い,定期テストの時期が近づくと,それまでの内容を編集し直した定期テスト対策講座が登場するので,忘れている部分がないかをチェックしては,学校のノートやワークを復習するいった流れです↓
ところで,中学の理科という教科は,社会同様,積み重ねがそれほど必要ないと言われています。
例えば,今ここに中学2年生で理科ができない生徒がいたとしても,中1の理科にまで戻る必要はありません。
今わからない単元の講義内容さえ理解してしまえば,すぐにでも問題が解けるようになります。
とはいえ,それはあくまで定期テストの話です。
これが受験生となって,理科の勉強を本格的に始めようと思ったのであれば,中1から中3までのすべての内容を総復習しなければなりません。
そのためにはやはりある程度の時間がかかるもので,主要科目の勉強もままならない中,並行して対策しなければならないところも,やる気を喪失させる要因の1つとなっています。
とはいえ,中1や中2で理科を頑張った生徒であれば,昔やったところを思い出すだけの作業になるため,学習ペースは速くなりますし,もし授業をさぼって聞いていなかったという人も,スタディサプリを使えば高速で学習できるので,絶望せずに頑張っていきましょう!
愛知高校に受かったという先輩も元々の偏差値が45だったということで,基礎知識が不足していたのは明らかです。
彼も教科書講座から始めたものと予想されます。
なお,中学校では週に数回のペースで授業が進んでいきますが,スタディサプリはそれこそ際限なく講義を視聴できるので,驚異のスピードでもって学んでいけるはずです。
先ほど述べた「2ヶ月」で全てを終えるためには,まずは教科書講座で語られる内容を完璧に理解するところから始め,最後に受験対策講座で仕上げなければなりません。
もちろん,教科書や学校のワークなどを間に挟むことも必要だと思います。
それでは,高校受験に向けた詳しい進め方について,次章から順を追って説明していくことにしましょう。
スタディサプリ中学理科の進め方
理科の基礎知識は動画を通して学ぶことになりますが,教科書ごとに講座が用意されていることから,普段使っているものがあればその講座を選ぶようにしてください。
ちょっとサボり気味であまり授業を真面目に受けてこなかった中学生はもちろん,普段から授業をちゃんと聞いている生徒であっても教科書講座を受講する価値はあり,学校の授業とは違う発見があったり,観終わった後の理解度が異なることに気づくかもしれません。
予復習についてですが,基本的に中学理科は暗記科目に分類されるため,予習は不要です。
動画は平均5分の長さに調整されているので,図説を眺めているような感じで気楽に学んでいきましょう。
ただし,授業を受けて「あー,楽しかった!」で終わりにしてはいけません。
テキストを読み直しては出てきた用語を整理するとともに,確認テストを解いて全問正解できることを確認してください(リニューアル版のテキストには確認テストの答えが書かれていません)↓
なお,動画の次に確認テストが行えるようになっていて,ちょっとした解説も付いているので,どうして答えがそうなるかの理由がわからなければ,そちらで確認してみるのも手です。
例えば,上のテキスト内に解説が見当たらない確認テストの(3)は,以下のように解説されていました↓
なお,どのくらいのペースで進めていくのかで異なりますが,1週間経ったか内容が大きく変わるようなタイミングで,それまでの総復習を行うようにしてください。
例として,中1理科共通版(リニューアル後のもの)で説明すると,全46講義を,
- 物理13講義
- 化学10講義
- 生物11講義
- 地学12講義
という順番でやっていくことになるので,間に4回は総復習の時間を設けるようにします。
そのときの方法としてわかりやすいのは,先の確認テストをすべて解き直すことでしょう。
ここですべてを正解できるようであれば,PDFをわざわざコピーする必要はないのですが,意外と忘れてしまっているようなら,数講座分の確認テストをまとめて印刷して持ち歩くようにしてください。
このとき,印刷の設定は両面印刷にし,1枚当たりのページ数を2にすることで,1枚のコピー用紙に4回分の確認テストが印刷できます。
間違えた問題はこの先もきっと忘れてしまうので,チェックボックスを作ったり,余白に理由を書き込むなど工夫しておきましょう↓
わざわざスタディサプリを持ち出すまでものなく,ただ教科書を読むだけでよいのではと思うかもしれませんが,動画で学ぶ方が圧倒的に楽です。
加えて,さらなるスピードを追求するためにも,復習時にワークや教科書を用いることはせず,ひとまずはスタディサプリの内容だけを完璧にするといったスタンスで臨むようにしてください↓
学校の教科書やワークを使う
とはいえ,スタディサプリ中学理科の確認テストだけを解けるようになったからといって,模試の偏差値が20も上がることはありません。
あくまで,ここまで学んできた内容は,基本事項の確認であったり用語チェックをしたにすぎず,高校受験レベルの問題を解けるようにはなっていないのです。
例えば,確認テストで透明半球の記録の仕方を学んだからといって(画像左),日の出時刻の予測や太陽の位置を記録するときの注意点を記述する問題(画像右)をすぐには解けないでしょう↓
ゆえに,スタディサプリの教科書講座を終えた後,学校の教科書の該当部分を読み直しては,学校のワークを行うという作業が必要になります。
すでに基礎を理解しているからこそ,後で教科書を読んでみたときにも,文章がすんなりと頭に入ってくることが実感できれば,スタディサプリで学んだ甲斐があるというものです。
なお,ワークをやる際に,一番最後に待ち構えているような応用問題が難しすぎると感じることもあるでしょう。
その場合は,いきなり解説を読んで答えを覚えてしまうことをおすすめします。
解説を読んでもわからないような問題であれば保留にして,後で学校の先生に聞くようにしてみてください。
学校が長期休みに入っていれば,捨て問にしてしまって構いません。
ただし,ワークを解く時はノートに答えを書くようにし,直接書きこむことだけは避けるようにしてくださいね↓
そして,間違えた問題だけを最低3回は繰り返すようにして,自力で問題が解けるようになる状態を目指します。
なお,ワークが書き込みだらけで問題演習用として機能しないようであれば,以下の記事を参考に問題集を別に用意しましょう↓
高校受験対策講座を使う
最終的には高校受験の過去問を使って,中学理科を仕上げるようにしますが,ここに出てくる問題は,幅広い知識が問われる総合問題であることが多いです。
本来ならば過去問題集を購入することになるのでしょうが,そこまで本番の問題が難しくならない理科ですから,スタディサプリの中3講座の中にある「高校受験対策講座」を使ってまずは対策してみてください。
単元別に問題演習ができるだけでなく,特定の都道府県であれば3年分の過去問がダウンロードできます↓
- 物理7講義
- 化学9講義
- 生物7講義
- 地学6講義
- 形式1講義
- 過去問3年分
過去問含めたすべての講義には解説動画が存在します。
高校受験対策講座の詳細は以下の記事で確認してください↓
スタディサプリを使った学習プラン
それでは,ここまでの内容をどのようなペースで進めていけばよいかについて,最後に考えてみましょう。
動画視聴にかかる時間
通常,スタディサプリの動画の長さは5分ですが,設定を変更して倍速で観ることもでき,もしも1.25倍で観たとすれば同じ動画の長さが4分となり,多少短縮することが可能です(1.5倍速以上は早すぎて実用的ではありません)。
ですが,テキストの読み直しや確認テストを解く時間がかかるので,1講義に10~20分はかかる計算です。
そうなると,1日に5~6講義進めるくらいで精いっぱいでしょう。
ここで,中学理科共通版の全講義数を書き出してみると,
- 145講義(中1が46,中2が49,中3が50講義)
と計算できるので,1ヶ月あれば教科書講座は完璧にできます。
とはいえ,速度にこだわるあまり,ただただ早く動画を観ることだけを目標としてしまっては元も子もありません。
ちゃんと確認問題を全問正解できたかどうかを試金石とし,決して焦ることなく自分に合った学習ペースで1つ1つこなしていくことが重要です。
問題演習にかかる時間
動画を終えた後の1ヶ月は,教科書を読んでワークを解く演習時間に充てます。
1日に2時間弱を割くとして,まずはワークの問題をすべて解いてみるようにし,わからないところがあれば教科書を読みますが,時間が思った以上にかかりすぎるようであれば,応用問題を飛ばすなどと工夫してください。
仮に1日3単元ずつ終わらせるようにすれば,1ヶ月で中学3年分のワークが1周できます。
その後,スタディサプリの高校受験対策講座を1日1つずつのペースで視聴しつつ,ワークの2周目に入るようにすれば,2ヶ月の間に結構進むはずです。
理想的な学習ペース
本章の内容をまとめる形にはなりますが,私の考える理想的な学習ペースとしては,1日2~3時間を理科に割き,最初の1ヶ月でスタディサプリの教科書講座を視聴し,残りの1ヶ月をワークと高校受験対策講座に割きます。
やるべきことを挙げると以下のようになり,
- 教科書講座を毎日5~6講義のペースで視聴する
- 週末には確認テストを総復習する時間を取る
- 一通り終えたらワークを解く(毎日3~4単元)
- 仕上げに高校受験対策講座を視聴する
- ワークも1周したら2周目に入る
上から3つ目までを行うのに60日近くかかる計算で,ここまでやっただけでも偏差値にして20アップは期待できますが,さらに高校受験対策講座やワークの2周目をやることで完璧に近づきます。
まとめ
以上,スタディサプリ中学講座の理科の概要と使い方についてでした。
教科書講座とワークをこなすだけでも偏差値65くらいにまで達するわけですから,理科が苦手な方はとりあえず視聴するところから始めてみてください。
今回は2ヶ月という期間内で学び終えることを優先に考えてきましたが,試験本番までにそれ以上時間が残っているようであれば,1日3時間も理科に割く必要はありません。
また,一気にやる場合も,続けて何時間も勉強するようでは効率が落ちますので,間に休憩を設けるようにして,数回に分けてやってみてください。
最後に理想の学習ペースを示しましたが,あくまで自分の理解スピードに合わせることを最優先とし,決して焦らず,理解できてないまま先に進むことのないよう,腰を据えてやっていただけたらと思います。
慣れてくればペースも早くなってくるものです。
また,受験は理科の点数だけで決まるわけではありません。
弱点分野が他の教科にあるようでしたら,そちらの科目を重点的にやるようにします。
人によっては,部活をやっていて本格的に受験勉強を始めるのが中3の夏以降になってしまうケースもあるでしょうが,その場合,過去の失われた時間を嘆いても仕方ありません。
むしろそれまでの部活動で培った根性を学習に向けて,周りの受験生よりも頑張るよう心がけるのが正解です。
是非,スタディサプリを上手に使って頑張ってみてください!
キャンペーン情報は以下の記事で扱っていますので,宜しければどうぞ↓