入試改革

大学入試英語成績提供システムについてまとめました!

本記事はかつての「大学入試英語成績提供システム」についてまとめたものです。

いわゆる2020年度から始まる共通テストの枠組みの中で,英語だけが民間の資格検定試験を活用することになっていたわけですが,2020年の11月に本システムの導入が見送りとなり,世の中を大いに騒がせました。

新しい英語試験は2024年度に導入されることになり,2021年には本件に関する何らかの結論が下されることとなっています。

新試験についてはまた記事を改めることにして,ここでは,かつての「大学入試英語成績提供システム」がどのようなルールで活用されるはずだったのか,後学のために残しておくことにしましょう。

この件に関して色々と思うところはありますが,ここで言えることは「該当者であるないにかかわらず,今ある確かなものだけを頼りに,この瞬間にできる最大限の努力をすることを心がけてください」ということのみです。

大学入試英語成績提供システムとは

大学入試英語生協システムのひな型

「大学入学英語成績提供システム」は単純に「成績提供システム」と呼ばれることもありますが,これは,大学入試センターが設けた大学入学者選抜における資格・検定試験の活用を支援するシステムのことを指しています。

詳しく言うと本システムは,「英語成績データ確認システム・成績受理システム・成績提供システム」の3つからなるのですが,ようは受験生1人1人に発行されるコード(共通ID)と指名・住所が紐づけされた状態で管理され,試験実施主体(民間試験運営元)・入試センター・大学が受験生の成績情報をやりとりするのを可能にするシステムだと理解すれば良いでしょう(上記画像参照)。

もちろんこんな面倒なことをせず,これまで通り入試センター1つで英語の試験まで実施してくれればいいのですが,やはり英語4技能を適切に評価するのは難しいようです。

受験者数は2019年のデータでも58万人を超えてますし,試験を行うのが明らかに大変そうなスピーキング&ライティングのテストを,公平を期すため同じタイミングで一斉に行うわけですから,本当に大ごとなのでしょう。

後述するように,この成績提供システムに採用される試験は複数決まっていて,受験生が入試センターに成績送付を依頼すると,それらの結果(スコアだったりCEFRのレベルや合否などを必要に応じて)大学側に提供してくれることになります。

成績をまとめて管理してくれるので,確かに便利ではありますね(教員側も自分の生徒がどの試験を受けたのかわかるメリットがあります)。

その他,目に留まったルールをいくつか抜粋しますと,

  • 共通ID発行のため,在学者は在学証明書,既卒者は住民票などが必要
  • 申し込みは在学者は学校,既卒者は直接入試センターに(費用は無料)
  • 試験は4月から12月までの間に2回まで受けられる

などでしょうか。

共通IDを複数発行されては困りますので,取得にはやや厳格なルールが設けられていて,費用面は負担の少ないように考えられています。

最後に挙げた「2回まで受けられる」というのは,同一の試験(例えば英検2回)であっても異なる試験(例えば英検とTEAP)であろうと,期間内に受けた最初の2回分しか成績として使えないということで,もし仮に3回受けてしまった場合は最後の1回の結果は無視されてしまうのでご注意ください。

なお,共通IDを記入して受験しなければただの練習扱いとなるので回数にはカウントされません(そこまでする受験生がいるかどうかはわかりませんが)。

それでは次章で,参加が決まった試験についてまとめてみましょう!

 

成績提供システムの参加が決まった試験

ここでは話を簡易にするため,成績提供システムで活用される資格・検定試験の種類についてのみ記述しますが,以下のような要件をパスできた試験のみが採用されました。

  • 日本で2年以上の実績がある
  • 4技能全てを偏りなく評価できる
  • 4~12月に複数回,試験が実施される
  • 適切な検定料である

これ以外にも,CEFRとの対応関係や学習指導要領に整合しているかであったり,採点の質や情報の機密性に関する配慮なども求められた他,先述したように,入試センターが共通IDで受験生を紐づけ,速やかにデータ提供が行えるかどうかも要件に入っています。

その結果,採択された試験は以下の通りです(クリックすると,詳しい試験内容についてまとめた記事が読めます)↓↓

これらの試験ですが,例えば英検の「従来型」のように,筆記試験と面接試験が別の日に分かれていたり,1次の筆記試験の合格者のみが2次試験に進めるといった形式では,スピーキングを受けない受験生も出てきてしまうわけですから,4技能を正確に測定できたことにはなりませんね。

そのため,上記の試験は入試改革用に改変された試験に修正が加えられているのでご注意ください(例えば英検は,4技能すべての検定が1日で完結する形に変えられています)。

なお,これら試験のうちTOEICは,運営上の理由から真っ先に成績提供システムを辞退しましたが,もうその時点で,実施に関して不穏な空気が各界に漂っていました。

 

どの試験を受ければよいか

大学入試に関わるどの試験もそうですが,高校の学習指導要領に準じた出題になりますので,特に余計な範囲を学習する必要はありません。

ですが,大学によって使える資格・検定試験が異なる可能性があるので,受験予定のある複数の大学で広く使える試験を受けるのがまず1つです(もちろんほぼ全ての試験が使えるのですが,大学によってややカラーがあります)。

さらに学習者側で相性の問題があり,試験の種類によっては対策が立てやすかったり立てにくいものが出てくるでしょう。

対応している問題集の数でみても,やはり受験者の多い試験は安心できますし,欲を言えば高校2年生までにお試し感覚で受検しておき,相性をチェックしておくのがおすすめです。

英検がおそらく一番人気でしょうが,都内ではTEAPなども宣伝のためにキャンペーンを行っています。

私が2019年に受けたTOEICのS&Wのテストにも多くの高校生が来ていましたが,先述の通り,成績システムを辞退することになって,受験した子たちは複雑な心境になったことでしょう。

なお僻地にお住いの方ですと,試験会場が遠すぎるなんてことも問題になってくるかもしれないと危惧されていましたが,その不安は的中し,本システムの見送りの理由の1つになりました。

 

成績提供システムの日程について

大学入試英語提供システムのスケジュール

成績提供システムにまつわる日程については,上記のように発表されていました(見送りとなったので,上の計画は実施されません)。

共通IDの発行は「集中発行申込期間(2週間)」と「追加発行申込期間(7ヶ月強)」の2つが期間として設けられています。

とはいえ現役生は学校経由で申し込むことが多いでしょう。

その場合は,高2の12月の約1週間程度です(2019年12月2日~10日)。

続けて共通IDが送られてきますが,高2の冬(1月~2月)には届いています。

追加発行申込期間の受付分については入試センターが受理してから30日以内に送付されるとのこと。

高3になったら4月から12月の間に共通IDを記入して試験を受けましょう。

試験を受けたタイミングごとに成績が確認できる時期も変わってきますが,以下のように3つの受験期間が設けられています↓↓

成績提供システムの3つの受験期間と確認期間について

  • 期間A:高3の4月~7月
  • 期間B:7月~9月
  • 期間C:8月~12月

もちろん回数は2回受けた方が,良い成績の方を使えるので有利です。

それに後の方で受けた方が成績は良くなる可能性が高いですが,作戦を立てる上ではどうでしょう。

大体どの大学も「基準点」というものが設定されていて,それさえ超えてしまえば細かい点数まで見られないのが現状ですから,早めに動くのもそれなりの利点があります。

ここら辺の戦略に関しては,2024年度に新しいテストが導入された場合も有効な考え方になるでしょう。

 

まとめ

以上,2020年度に開始されるはずだった「大学入試英語成績提供システム」について,その概要と採用された各種試験について紹介するとともに,どのような点に気を付けて受ける試験を決めればよいのかについて考察してきました。

最後には日程もまとめておきましたが,特に難しいことはなさそうです。

IDの発行などに関しても,現役生であれば高校の方でみんなやってくれるので特に問題はありませんが,触れなかった検定料であったり,実際に大学がどのような募集要項を提示してくるのか実際に見てみないとわからないものもあります。

焦る必要は全くありませんが,それらの情報について意識を高く持っておくことと,普段から上記試験に向けた勉強(これは大学受験のための勉強にもなります)をしておくことが大切です。

今回まとめた内容について,より詳しくは文部科学省の発表内容でご確認していただき,実際実施される共通テストについても以下の記事にまとめてありますので,宜しければ続けてお読みください↓↓

最後までお読みいただきありがとうございました。

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スタディサイト管理人

都内の塾運営にかかわってから,講師歴も15年以上になりました。小学生から高校生まで学校の定期テストから大学入試まで幅広く教えています。最近の関心事は「教育改革」で,塾に入ってくる情報に加え,セミナーや書籍,信頼のおける教育機関より得た情報をWebにまとめてみました。ネットを介したやり取りにはなりますが,少しでもみなさまのお役に立てたらと思います。
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